神楽耶とゼロの会談から3ヶ月が経ち、オレンジ農園もある程度の復興が終わっていた。
「かなりお腹が大きくなったな」
「あぁ。…すまんな。お前にかなり負担をかけて」
「別に気にする事ではないだろ?この時期、お前は大変なんだから」
「しかし、お前に八つ当たりとかしてしまってるし…」
自室のベッドに座っていたC.C.は、そう言って俯き、ルルーシュは苦笑いを浮かべた。
この時期、妊娠後期に入った為か、C.C.はちょっとした事でもイラついてしまい、ルルーシュやカレン達に八つ当たりをしてしまっていた。
「それはしょうがないさ。…それよりも体調は大丈夫か?」
「今は安定しているよ」
「そうか」
ルルーシュがC.C.の横に座ったら、C.C.が自分の肩に頭を預けてきたので、ルルーシュはその頭をそっと撫でた。
今、ジェレミアは外で作業をしていて、カレンとアーニャ、そしてC.C.が2、3ヶ月後に出産という事もあり、斑鳩からオレンジ農園にやってきて滞在しているラクシャータが、別室で用意を進めていた。
「皆がお前を支えている事を、忘れさえしなければ、いくらでも俺に八つ当たりをしても構わないさ」
「私を支えてくれてる事はわかっているよ。…ありがとう」
そうルルーシュとC.C.は、自室で穏やかに過ごしていた。
その頃、ブリタニアのアリエス宮の一室では、ゼロとナナリーが、黒の騎士団CEOと、ブリタニア帝国第100代皇帝という立場として会談をしていたが、少し前に終わった為、今は雑談をしていた。
「スザクさん」
「なんだい?」
「…まだ何処かに、フレイヤは残っているんでしょうか?」
「…それはないと思うよ。1年前にシュナイゼルが全て回収してダモクレスに搭載し、そのダモクレスも宇宙に消えていった。今回使われたのは、エネルギーの研究用としてリミッターをかけて所持していた、最後のフレイヤだ。だからもう、この世界にはフレイヤは1発も残ってないはずだし、製造することも出来ないよ」
フレイヤが製造出来ない理由は、ルルーシュがフレイヤの製造に関する情報を全て消去したことと、ニーナ以外の製造に関わった人物全員にギアスをかけて、忘れさせたからだ。
「…よかった。まだ何処かにフレイヤが残っているとなったら、お兄様になんとお詫びをすればいいか…」
スザクからそう告げられ、ナナリーは安堵した。
それから2人が、ゆったりと紅茶を飲みながら過ごしていると、
「あっ、そういえばスザクさん。お兄様とC.C.さんはお元気ですか?」
「…………へ?」
ナナリーがそう言ってきたので、スザクは驚きのあまり固まった。
「…どうして、そんな事を聞くんだい?ルルーシュはあの時…」
「大丈夫ですよ?お兄様が生きていらっしゃって、C.C.さんと一緒にいる事は知ってますので」
「…いつ、わかったんだい?」
「少し前に、凄い勢いで病院に入っていく車の目撃情報g「ズゴっ!!」…だ、大丈夫ですか?スザクさん?」
「だ、大丈夫だよ…。はぁ…、またジェレミア卿が原因か…」
ナナリーが気づいた原因が、またジェレミアの爆走事件だった事に、スザクは思わず転けてしまい、そして溜め息を吐いた。
「…ルルーシュとC.C.は元気で、幸せに過ごしてるよ。…ごめん、ナナリー。ルルーシュが生きている事を黙っていて」
「仕方ありませんよ。お兄様が生きている事が世間にバレたらダメなんですから。…そうですか。お二人は元気で、幸せに過ごされているのですね」
「うん。ルルーシュに会いたい?」
「…会いたいかと聞かれたら会いたいです。でも、私が…''ナナリー・ヴィ・ブリタニア''が会うわけにはいきませんし、''ナナリー・ランペルージ''としても会うことが出来ません。私の兄、''ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア''、そして''ルルーシュ・ランペルージ''は、この世にはもういないのですから。…幸せに過ごされているのなら、それでいいのですよスザクさん」
そう言って、ナナリーは微笑んだ。
「そっか。強いね、ナナリーは」
それを見たスザクは、そう呟きながら、ナナリーはこんなにも強くなったよ、ルルーシュ…。と心の中で呟いた。