リーシャが生まれてから3ヶ月近くが過ぎ、あと1週間でゼロレクイエムから2年が経とうとしていた頃、ルルーシュとカレンは屋敷のリビングで話していた。
「カレン、数日後に俺が死んだ事を祝う日が来るが、今年もパレードをやるのか?」
「その自虐が入ってる質問、めっちゃ答えづらいんだけど?しかもそれ、私にも効くから。…一応やるみたいよ?ただ、当時の騎士団メンバーが捕まったりしちゃってるから、前回みたいなパレードはしなくて、ゼロとナナリーちゃん、そして黒の騎士団総司令の星刻と、ナイトオブゼロだった枢木スザクを倒した私がパレードをする手筈になっていた''らしい''けど」
「''らしい''?」
「私、参加を断っちゃったから今は知らないの。まぁ、パレード自体はやると思うわよ?ゼロとナナリーちゃんは日本に来るんだし、星刻は立場上、パレードを断れないしね」
そう言ってカレンは苦笑いを浮かべた。
ちなみに、C.C.とリーシャ、そしてアーニャは、ルルーシュとC.C.の部屋でお昼寝中だったりする。
「何で参加を断ったんだ?」
「あのねぇ…、貴方を討ったのは''ゼロ''だけど、私は世間から貴方を討つ為に立ち向かった英雄部隊、黒の騎士団のメンバー、そして''悪逆皇帝ルルーシュ''の唯一の騎士、ナイトオブゼロの''枢木スザク''を倒した英雄として見られていて、それを称えるのと貴方が死んだ事を祝う為にパレードをやってるのよ?」
「まぁ、そうだな」
「私はそれが嫌なの。私達の裏切りが原因でゼロレクイエムを決行する事になって、そのせいで貴方が死んだ事になっているのに、それを祝う事なんて私には出来ないし、貴方と戦った事を私は称えてほしくない。…本当は、英雄として称えられるのではなく、裏切り者として罵られるべきなのよ、私達は。だから、今回は護衛としても参加してないの。前回だって護衛としても参加したくなかったのに、強引に参加させられたんだから」
「…そんな事、まだ気にしていたのか」
「当たり前じゃない。私はこの罪を背負いながらも、笑って幸せに生きていくって決めてるんだから。…あれ?アーニャ、起きたの?」
カレンは、C.C.とリーシャと一緒に寝ていたはずのアーニャが、リビングに入ってきたので声をかけた。
「C.C.とリーシャは、まだお昼寝中か?」
「うん、ぐっすりと寝てる。…今からちょっと買い物に行ってくる」
「なら、ついでに髪染めを買ってきてくれ。色は亜麻色で」
「わかった。…行ってきます」
「「行ってらっしゃい」」
そしてアーニャは買い物に出かけて行った。
アーニャが買い物に出かけて少し時間が経った後も、2人が雑談をしていると、ふと、カレンがルルーシュにある事を聞いた。
「そういえば、貴方はどうするの?今年も見に行くの?」
「何をだ?」
「ナナリーちゃんをよ」
カレンが聞いた事は、ナナリーを見にパレードへ行くのかどうかだった。
「まだ決めてないな。別に行ってもいいんだが、リーシャを連れて行くのは流石に危険だから、今年はどうしようかと」
「あー。確かに、かなり混雑するでしょうから危険かもね」
そうルルーシュとカレンが話していると、リーシャを抱いたC.C.がやってきた。
「ふぁ〜…」
「起きたかC.C.」
「あぁ。かなり熟睡してしまった。ジェレミアとアーニャは?」
「ジェレミアさんは、神楽耶様から注文されてたオレンジを東京政庁へ届けに行って、アーニャなら買い物をしに、少し前に出かけたわよ。…はい、お茶」
「ありがとう。…ところで、2人とも何の話をしていたんだ?」
C.C.は椅子に座って、お茶を飲みながら話の内容を聞いてきた。
「1週間後の、俺の死を祝うパレードを見に行くかどうかの話さ」
「…ふーん。で、行くのか?」
「…何で機嫌を悪くするんだ」
「世界の人々が、お前が死んだ事を祝っているのが面白くないからだが?」
C.C.のその言葉に、ルルーシュは苦笑いを浮かべた。
「仕方ないだろ?俺がこうなるように仕向けたんだから。…リーシャを連れて行くのも危険だし、今年は見に行かずにゆったりと屋敷で過ごしてもいいかもしれないな」
「別に行ってもいいんじゃないか?年に1度しか、生のナナリーを見れないんだから。それにリーシャは私達がしっかりと見てればいいし、カレンもついてくるだろうしな」
「それもそうだな。よし、じゃあ今年も見に行くか」
「…ねぇC.C.?私がついて行くと逆に危険だと思うわよ?一応メディアに出ないようにしてるとはいえ、顔は知られてるんだから」
ゼロレクイエムの後、黒の騎士団はメディアに取り上げられてインタビューを受けていたが、カレンやゼロレクイエムの真実に気づいた者はインタビューやテレビ出演を断り続けていた。
「なら、ルルーシュみたいに変装したらいいじゃないか」
「変装?」
「パレードに行くとなれば、ルルーシュは髪を染めたりするだろうし、お前も同じようにすればいいだろ」
「…そうね、わかったわ。アーニャに私の髪染めも買ってきてもらう為に連絡してくるわ」
そう言ってカレンはアーニャに連絡する為に、携帯が置いてある自室へ向かった
「それにしても、よく寝てるなリーシャは」
ルルーシュは、C.C.に抱かれているリーシャの頭を撫でながらそう言った。
「あぁ。こうやってよく寝て、元気に育ってほしいな」
「そして、この子が生きてる間は平和であってほしいものだ。…俺は国同士の争いをなくし、明日を迎える為にゼロレクイエムを決行したが、この先ずっと争いが起きないとは思っていない。次に争いが起きた場合、俺は…俺達はもう表舞台に立つ気は無い」
「…そうだな。お前は表舞台に立つ人々に世界を託した。今の平和がどこまで維持されていくかはわからないが、せめてこの子が生きてる間は、争いが起こらないことを願おう」
ルルーシュとC.C.は、スヤスヤと眠るリーシャを優しい顔で見ながらそう願った。
最後らへんを書き直すかもしれません…