今、ルルーシュとC.C.は、ギアス教会がある近くの小さな町に来ており、あれから2ヶ月ちょっとが…ゼロレクイエムから半年が経ち、季節は春が訪れていた。
「この町の近くに、ギアス教会があるんだろ?」
「ああ。徒歩で1日はかかるとは思うが、ここから見える山の奥にあるはずだ」
「なら今日はこの町で泊まって、明日からギアス教会を目指そう」
「わかった。…教会に来るのも、数百年振りになるのか…」
宿を探し始めたルルーシュを横目で見ながら、C.C.は、そう呟いた。
「私を探してる人がいる?」
「ああ。ここ数ヶ月、お前を探してる男がいるらしい」
あれからすぐに宿を見つけて、C.C.が宿で休んでる間に、ルルーシュは情報収集をしに町へ出て行き、その最中に、緑髪の少女を探してる男がいるという話を聞いたらしい。
「変装しているしバレる事はないと思うが…、一応警戒しておこう」
そう言うルルーシュは、旅を始める時、この姿じゃあの時、死んだ筈の自分が生きている事がバレると思い、髪を茶色に染め、青色のカラーコンタクトをつけている。C.C.は、旅の途中までは変装せずにしていたが、ギアス教会を目指すと決めた時に、周辺の町に自分の記録が残ってる可能性があるため、髪を黒色に染め、髪型をポニーテールにし、黒色のカラーコンタクトをつけているため、ルルーシュ達を知っている者が見ても、かなり親しかった者を除き、解らない姿をしていた。
「私を探してるとなると、間違いなくギアスの事を知っているな」
「確実にな。男の正体だが、ギアス嚮団の生き残りの可能性が高い」
「それでほぼ正解だろ。嚮団の関係者以外が私を探す理由がない筈だ。問題は、その嚮団関係者と思われる者が私を探す理由だが…」
「俺が一番可能性が高いと思っているのは、その男が嚮団を復活させて、コードとギアスの研究をしたいと考えている事だな。あと考えられる事は、どこからかギアスの情報が漏れ、男がギアスを欲してるか、男がそもそもギアス保有者でコードを狙っているかだな」
「考えられる事はそれぐらいだな…」
「C.C.。コードという物は、ギアス保有者が必ず継承できる訳ではないんだろ?」
「そうだ。コードを継承するには、お前みたいな例外はあるが、基本はギアス保有者が達成人になる事が条件の1つだ。」
「例外?」
「ああ。ギアスには経験値があり、ある程度の経験値が貯まると、お前も経験したが、達成人になる前の段階であるギアスの暴走状態になる。お前は、その暴走状態でもコードを継承できた例外だ。通常はそこから自分を見失わず、心を強く持てる者だけが達成人になれ、心が壊れた者は、どれだけギアスの力が高まろうが、経験値を貯めようが達成人にはなれずに、コードも継承できない。かつてのマオのように…」
「そうか…。後悔しているのか?マオにギアスを与えた事に…」
「……そうだな、今でも後悔しているよ。マオにギアスを与えずに、母親としてあの子を育てていれば、心が壊れる事はなかったし死ぬ事もなかった…」
C.C.は悲しい顔でそう言い俯いた。
ルルーシュはそんなC.C.の姿を見て、ある事を決意し、傍に行きC.C.を抱きしめた。
「……C.C.、お前は今まで俺が辛い時、悲しい時、絶望した時は必ず傍に居てくれた。俺が記憶を改竄された時は、ずっと俺を探してくれて、そして見つけてくれた。大切な者達が俺の傍から離れていく中で、お前だけはずっと傍に居てくれた。だから今度は俺の番だ。お前が辛い時、悲しい時、絶望した時は必ず俺が傍に居る。もし、お前が記憶を無くしたとしても、俺はお前の傍に居るし、記憶も取り戻してみせる。今までお前が大切だと思った人達が、お前を残して離れていったとしても、俺だけはずっと傍に居てやる。だから…………」
「………今まで俺を支えてくれてありがとう。これからは俺が……俺もお前を支える。愛してる、セラ………」
その言葉を聞いたC.C.は目を見開き、涙が浮かび流れていく。
C.C.は、ルルーシュを抱き返しながら言葉を返そうとしたが、うまく声が出ず、何回も頷くだけになってしまい、ルルーシュが「これからもずっと一緒にいよう」と告げると、大きな声を上げながら泣いた。
C.C.は数百年間生きてきた中で初めて心からの幸せを感じて、今まで生きてて良かったと思った。
「ありがとう、ルルーシュ。……私も、お前を愛してる………」
そしてC.C.は、笑顔でそう言った
その笑顔は、ルルーシュが今まで見てきた笑顔よりも…C.C.が今まで生きてきた中でも、1番の笑顔で……心の底からの幸せそうに笑う、初めての笑顔だった。