「…ルルーシュ」
「なんだC.C.?」
公園から出たルルーシュ達は、少し街中を歩いて人気がない場所に来ていた。
「…お前あの時、私が前に立たなければ自分を囮にして私達を逃がそうと考えていたな?」
「…あぁ。俺の正体がバレてしまったら一緒に居るのは危険だと思ったんだ。だから、お前とリーシャを逃し、カレンに2人の護衛をさせようと考えてた」
「そんな事をしたらお前は…」
「碌な目に合わないだろうな。それに俺が死んだ事で訪れている、今の平和が終わる可能性まであった」
「なら何故そんな事を考えた!?そんなお前が傷つくような選択、私が認められると思うのか!?」
「じゃあ、他に何か確実な選択肢はあったのか!?今回は運が良かっただけで、俺たちの事を知っている奴には通らない言い分だったんだぞ!?ジノがあのまま押し切っていたら、あの言い分は通っていなかったし、他の策を考える時間もなかった!だからあの時、お前とリーシャを守るためには俺が囮になるしかないって考えたんだ!!」
「そんな風に守られて私が喜ぶと思うか!?残された私達はどうすればいい!?この先、どうやって生きていけばいい!?」
ルルーシュとC.C.の言い合いを、カレンは少し離れた場所からリーシャを抱きながら見ており、2人のことを心配していた。
「お前に何かあったら嫌だと、前にも言っただろ!?もう孤独には耐えられないと、私はそう言ったはずだ!それに約束してくれたじゃないか!生きる時は2人一緒で、死ぬ時も一緒だと!ずっと私の傍に居ると…私を置いていかないって言ったじゃないか!あれは全部嘘だったのか!?」
「嘘ではない!!今でもそう思っている!!」
「ならそんな事を考えないでくれよ!例えどんな状況でも、私を置いていこうとしないでくれよっ!向かう先がこの世の地獄でもいい!!絶望しかない所でもいい!!だから私を連れて行ってくれよっ!!あの日の言葉を…約束を嘘にしないでくれよぉっ!!!」
泣きながらそう叫ぶC.C.を見たルルーシュは、言葉を発する事が出来なかった。
「……」
「何とか言え!ルルーシュ!!」
「…そうか…。俺は、絶対に置いていかないと…生きる時も死ぬ時も一緒だと言っておきながら、お前とリーシャを守る為と言い訳して、それを嘘にしようとしていたんだな…」
そう言ってルルーシュは、涙を流しているC.C.を抱き寄せた。
「…すまない、C.C.。もう少しで、俺は取り返しのつかない事をするところだった。…ありがとう、俺を止めてくれて」
「うぅっ…っ」
「泣くのを我慢しなくていい。…本当にすまなかった」
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
その言葉にC.C.は我慢できなくなり、ルルーシュの胸の中で、声をあげる事はなかったが身体を震わせて泣いていると、カレンがリーシャを抱きながらやって来た。
「ルルーシュ」
「カレン、君にも迷惑をかけたな」
胸の中で泣いているC.C.の頭を撫でながら、ルルーシュはそう言った。
「大丈夫よ。どちらかと言うと私がジノにバレたのが原因だから、私が迷惑をかけたみたいなもんだし。…まぁ、私から貴方に言わせてもらうとすれば、私は貴方とC.C.の騎士なのよ?あなた達を守り抜くと誓ったし、例え世界が敵になろうとも私はあなた達を守る。だから、その自分を犠牲にする考えはもうしないで」
「…あぁ。もう2度とこんな考えはしない。こんな考えをしていたら、Cの世界で見守ってくれてる''3人''にも怒られてしまうからな。…そろそろ泣き止んでくれC.C.。絶対に、あの日の約束を嘘にしないから」
「うぅっ…ぐすっ…本当に…?」
「本当だ。そんなに不安なら今日の夜、行動で示してやる」
「……うん…」
「ほら、もうすぐパレードが始まるから行きましょ?」
ルルーシュとC.C.のやり取りを聞いて、夜の事を想像したのか少し顔を赤くしたカレンが、リーシャをベビーカーに乗せながらそう告げ、ルルーシュ達はパレードを見る為に移動していった。
「むぅ…」
「…なぁ、いい加減機嫌を直せよ。俺が悪かったって」
「別に機嫌が悪いわけじゃない」
パレードを見るために街中を歩いているルルーシュ達だが、C.C.が不貞腐れており、ルルーシュは理由をわかっていないが、カレンは不貞腐れている理由がわかっている為、苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ、なんだ?」
「…私があんな姿を晒すなんて…」
「…そういうことか」
「別にいいじゃない。気にしなくても」
その時のC.C.を見て、可愛い…と思っていたのはカレンだけの秘密である。
「あんなの、私のキャラじゃないのに…。…よし、スザクに民衆に向かって手を振ったり、踊ったりしろと脅して…」
「「それはやめてやれ(あげて)」」
冗談?を言っていたら道に並んでいる人々から歓声が上がった為、ルルーシュ達は足を止めた。
「あ、ナナリーとゼロが来たみたいよ」
「ほらリーシャ、あの亜麻色の女性がルルーシュの妹だぞー」
C.C.はベビーカーに乗っていたリーシャを抱き、その小さな腕を持って、ナナリーに向かって手を振った。
「いや、流石にまだわからないだろ」
「わかるかもしれないぞ?…それにしてもナナリーの奴、今年は笑顔で手を振っているな」
「そうなの?私、昨年はナイトメアに乗ってて騎士団は見えてたけどナナリーちゃんは見えなかったのよね」
「あぁ。昨年は一応笑顔で手を振っていたが、作り笑顔だったからな。…そして相変わらずスザクは手を振らんな」
「だから、それはゼロのキャラじゃないだろ」
「…やっぱり、来年もパレードをする事になったら手を振ったり、踊ったりしろとスザクを脅しておくか」
「「(…スザク、俺達(私達)じゃC.C.を止められないから、自分で頑張ってくれ(ちょうだい)…)」」
「!?」
「?ゼロ、どうしたんですか?」
「…いえ、何かこの先、自分に良くない事が起ころうとしてる気がして…」
「それでどうする?ついて行くか?」
「そうだな。帰っても暇だし行くか。C.C.、俺にもリーシャを抱かせてくれ」
「ダメだ。私との約束を嘘にしようとした罰として、今日一日はリーシャを抱くのは禁止だ」
「なん…だと…!?お前、まだ怒ってるじゃないか…!」
「当たり前だ。私は''機嫌は悪くない''とは言ったが、''怒ってない''とは言ってないぞ?そうやって反省してるんだな」
「クソッ…全面的に俺が悪いから何も言えない…!」
「あはは…」
そう言ってルルーシュ達は、ナナリー達の後をついていった。
一方、ナナリーは人々に向かって笑顔で手を振っていると、ある人たちを見つけた。
「あら?スザ…ゼロ、私達について来てる人ってカレンさんではありませんか?」
「スザクでいいよ。ここからだと皆に聞こえないし、盗聴もされてないから。…あぁ、髪色を変えて変装してるみたいだけど、あれはカレンだね」
「そしたら、赤ちゃんを抱いてる女性と、ベビーカーを押してる男性はもしかして…?」
「(まぁ、生きてる事はバレてるし、隠しても意味ないか)…うん、ナナリーが考えてる人達で間違いないよ」
「なら、緑髪の女性がC.C.さんなのですね。初めてC.C.さんを見ましたけど美しい方ですのね…。それにお兄様もお元気そうで良かったです」
ナナリーは、元気そうなルルーシュを見て安心したが、ある事を疑問に思ったのでスザクに質問をした。
「…スザクさん、お兄様が髪色を変えている理由は察する事が出来ますけど、どうして私と同じ色にしたんでしょうか?」
「その理由なら前にC.C.が、ルルーシュはもう、ナナリーの兄として生きる事が出来ないけど、兄であることには変わりないから、それを忘れさせない為にも亜麻色にさせたって教えてくれたよ」
「そうなのですか…。優しい方なのですねC.C.さんは。ところで、そのC.C.さんが抱いていらっしゃる赤ちゃんは?」
「あの子はルルーシュとC.C.との間に生まれた赤ちゃんで、名前はリーシャって言うんだ」
「という事は、お兄様とC.C.さんはご結婚されてるのですか?」
「うん。事情があれだから式は挙げてないけど結婚してるよ」
「まぁ…!!」
ルルーシュとC.C.が結婚している事に、嬉しそうに驚くナナリー。
するとC.C.がナナリー達に向かって、リーシャの腕を持ちながら手を振ってる姿が見えたので、ナナリーはルルーシュ達に向かって満面の笑みを浮かべながら手を大きく振った。
「(あー、これはルルーシュ達に、ナナリーが生きてる事を知ってるって気づかれたかなぁ)…ナナリー。そろそろ政庁に着くよ」
「はい。お兄様やC.C.さん、それにリーシャちゃんを見る事が出来たので、これからもっと頑張る事が出来ます。…これからもよろしくお願いしますね?''ゼロ''」
「ルルーシュが創ってくれたこの世界を守っていきましょう、''ナナリー皇帝陛下''」
2人はそう決意しながら、政庁の敷地の中へ消えていった。
「ナナリー、私達に大きく手を振っていたな」
「…はぁ…、そうだな」
「そうね」
C.C.がリーシャをベビーカーに乗せながらそう言い、ルルーシュはため息をつきながら、カレンは苦笑いを浮かべながら同意した。
「よかったな、ルルーシュ。生きてる事がバレてて。…リーシャもよかったな。ナナリーに手を振ってもらえたぞ?」
「どうしてバレているんだ…」
ナナリーに生きている事がバレていて、思わず頭を抱えるルルーシュ。
「バレてるからと言って会うわけでもないんだろ?なら問題ないじゃないか」
「…それもそうか。さて、ナナリーも居なくなった事だし帰るぞ」
「そうだな。…なぁ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「…''夜、楽しみにしてるぞ''?」
「…フッ、あぁ。任せろ」
その後、C.C.がカレンの方を見ると、顔が赤くなってる事に気づいた。
「なんだカレン?もしかして''混ざりたいのか''?」
「っ!?そ、そんなわけないじゃない!!」
「私は別にいいぞ?混ざりたいのなら混ざっても」
「…あーもう!さっさと帰るわよ!!」
そう言って歩くカレンを見て、C.C.は悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべ、そしてルルーシュはため息をつきながら屋敷へと帰っていった。
予定はありませんが、カレンも追加してほしいという声か多ければ一応考えてみます。
そうなった場合、無理矢理設定や、ルルーシュとC.C.に共通してる事をカレンにも共通させるかどうか、考えないといけなくなるんですけど…。