コードギアスR2 after story   作:アンサラ

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第50話

2週間後、ルルーシュ達は神楽耶が手配した船に乗っており、船の操縦はジェレミアとアーニャがおこなっていた。

 

ジェレミアとアーニャが船を操縦してる理由は、ルルーシュが変装をしてないからで、事情を知らない者を乗せるわけにはいかなかったのだ。

 

とは言っても、基本はオートなので問題なかったりする。

 

「どうだリーシャ。初めて見る海だぞー?」

「あんまり危ない事はするなよ?」

「わかっているさ」

 

ルルーシュとC.C.、それにリーシャは船のデッキから、海を眺めていた。

 

「しかし、こうやって海を眺めながら船に乗るなんて、随分と久しぶりだな」

「そうなのか?」

「基本追われていたからな」

「なるほど。…それにしても、カレンはよく動くな」

「まぁ、カレンだしな。ほらリーシャ、あのロボットの中に、カレンがいるだぞ?」

 

C.C.はリーシャの小さな腕を持って、船の周囲を飛ぶ、カレンが乗る紅蓮に向かって手を振った。

 

すると紅蓮が、右手を振り返してきた。

 

カレンが何故、紅蓮に乗って船の周りを飛んでいるかというと、周囲に不審な機体や船、航空艦が現れた場合、すぐに対応する為である。

 

「なんだっけ?ニーナとロイド、そしてセシルがアルビオン、紅蓮、そして蜃気楼用に開発して、神根島の争いの後、実装された新しいエナジーフィラー」

「あぁ…。''フレイヤ''のエネルギーを応用した、半永久的に動かせる事が出来るエナジーフィラーの事か?」

「そう、それだ。念の為聞いておくが、大丈夫なのか?そこから新しいフレイヤ弾頭が開発されたりしたら…」

「そこは大丈夫だ。本当にエネルギーを応用してるだけだから、そこからフレイヤ弾頭も作れないし、データを削除してあるらしいならな。もう同じエナジーフィラーを作る事も出来ない」

「なるほどな」

 

ロイドとニーナ、そしてセシルが開発した新しいエナジーフィラーは、様々な問題の為、第9世代であるアルビオン等の3機体にしか実装されておらず、しかも機体から取り出せないようにされていた。

 

「新しいエナジーフィラーの名前はあるのか?」

「今後に残る事はない技術だから、名前は付けなかったみたいだな」

 

そう話をしていたら、紅蓮からカレンの声が聞こえた。

 

『ルルーシュ、C.C.。神根島が見えてきたから、そろそろ準備した方がいいわよー』

「そうらしいし、準備するか」

「そうだな。…リーシャ、そろそろ船から降りて、面白い所に行くぞー」

 

ルルーシュとリーシャを抱いたC.C.は、カレンが乗る紅蓮に向かってお礼のジェスチャーをして、船の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少し時間が経ち、神根島に上陸したルルーシュ達は、遺跡の前にやって来た。

 

「それじゃあ、行ってくる」

「私達が向こうに行ってる間、カレンはどうしてるんだ?」

「私は少し仮眠を取るわ。その為にテントと寝袋を持って来たし」

「…用意周到だな」

「というより、大きな袋を持っていると思ったら、それ等が入っていたのか…」

 

カレンが持っている大きな袋の中身を知ったルルーシュとC.C.は、苦笑いを浮かべた

 

ちなみに、ジェレミアは船の中から、アーニャは船に積んであったモルドレッドに乗って、空から周囲を警戒していた。

 

「それじゃ、行くぞC.C.」

「わかった」

「行ってらっしゃ〜い」

 

ルルーシュとリーシャを抱いたC.C.が遺跡に手を置くと、遺跡が光って震え出し、3人の姿が徐々に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出てこい、シャルル、母さん」

 

黄昏の間に着いたルルーシュは、さっそくシャルルとマリアンヌを呼んだ。

 

そしてすぐに、シャルルとマリアンヌは姿を現した。

 

「ルルーシュよ、何の用だ?」

「あら、いらっしゃい。ルルーシュ、それにC.C.。…そのC.C.が抱いてる赤ちゃんって、もしかして?」

「あぁ。私とルルーシュの間に生まれた赤ちゃんだ」

 

C.C.がそう告げると、マリアンヌが満面の笑みを浮かべながら、もの凄い勢いで近づいて来た。

 

「あら!可愛いじゃない!!名前はなんて言うの?」

「…いきなり近づいてくるな。名前はリーシャだ」

 

C.C.に近づいたマリアンヌはリーシャを構い始めたが、ルルーシュはどうしても、シャルルに聞きたい事があった。

 

「…シャルル、1つ聞きたい事がある」

「何だ」

「…何でお前、アロハシャツなんだ…?」

「…マリアンヌのせいだ」

 

それはシャルルが着ている服が、何故かアロハシャツである事だった。

 

「仮にも元皇帝だろ。何負けてるんだ」

「マリアンヌだけは無理だ。本気で怒ったマリアンヌに逆らう事など出来ぬ」

「…ちなみに、母さんが怒った原因は?」

「前回、お主等がここに来た時、C.C.を泣かした事が原因だ。次にお主等が来たら、アロハシャツを着ろと」

「…まだ続いてたのか。というより、キャラ崩壊し過ぎだろお前ら」

「それは理解しておるから言うな。…それで?何故、お主らはここに来たのだ?」

「リーシャに会わせる為だ。…一応、お前達は俺の親だろ」

「…そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュとシャルルが話して、少し時間が経った後、マリアンヌとC.C.が話しかけてきた。

 

「ルルーシュ、さっきは嬉しい事を言ってくれたわね」

「聞こえてたんですか。…俺はお前達の事を許してはいない。だが、それとリーシャは関係ない。…ただ、それだけだ」

「そう…。ありがとうね」

 

ルルーシュとマリアンヌがそう言ってると、C.C.がシャルルに話しかけた。

 

「シャルル、お前もリーシャに触ってみるか?」

「…儂は見てるだけでいい」

「そうか。…ならルルーシュ、そろそろ戻ろう。リーシャも疲れてるだろうし」

「そうだな」

 

そう言ってルルーシュとC.C.が現実へ戻ろうと時、マリアンヌが声をかけた。

 

「ルルーシュ、C.C.、少し待ちなさい」

「なんですか?」

「あなた達は今、幸せなの?」

「あぁ。私達は幸せだ」

「…それならいいわ」

 

そこにシャルルも声をかけた。

 

「ルルーシュ、それにC.C.よ。…これからも幸せに生きるのだぞ?」

「分かっている。俺達はこれからも幸せに生き続ける」

「だからお前達は、ここから私達の幸せを祈っておけ。…帰ろう、ルルーシュ」

「そうだな。…じゃあな、母さん、シャルル。…リーシャが大きなったら、また来る」

 

そうして、ルルーシュとC.C.、そしてリーシャは現実世界へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからある程度の時間が経ち、ルルーシュとC.C.、そしてリーシャは船の中にある、3人に割り当てられた部屋にいた。

 

「C.C.」

「なんだ?」

「ありがとう」

「…急にどうした?」

 

急にそう言い出すルルーシュに、C.C.は困惑した。

 

「いや、俺がこうやって幸せになれたのも、お前のおかげだからな。礼を言いたくなったんだ」

「……礼を言うのは私の方だ。リーシャを生んだ時にも言ったが、お前に出会って私は幸せになれたし、お前のおかげで、灰色の魔女から変われた。本当にありがとう」

 

そう言うC.C.をルルーシュは抱きしめ、C.C.も抱きしめ返した。

 

「これからも一緒に幸せになろう」

「あぁ。2人…いや、3人で一緒に…」

「…愛してる、セラ」

「私も愛してるよ、ルルーシュ」

 

こうして、ルルーシュ達は日本に着いて、オレンジ農園へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

そして、数年の月日が流れていった。

 

 

 

 

 

 

 


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