2週間後、ルルーシュ達は神楽耶が手配した船に乗っており、船の操縦はジェレミアとアーニャがおこなっていた。
ジェレミアとアーニャが船を操縦してる理由は、ルルーシュが変装をしてないからで、事情を知らない者を乗せるわけにはいかなかったのだ。
とは言っても、基本はオートなので問題なかったりする。
「どうだリーシャ。初めて見る海だぞー?」
「あんまり危ない事はするなよ?」
「わかっているさ」
ルルーシュとC.C.、それにリーシャは船のデッキから、海を眺めていた。
「しかし、こうやって海を眺めながら船に乗るなんて、随分と久しぶりだな」
「そうなのか?」
「基本追われていたからな」
「なるほど。…それにしても、カレンはよく動くな」
「まぁ、カレンだしな。ほらリーシャ、あのロボットの中に、カレンがいるだぞ?」
C.C.はリーシャの小さな腕を持って、船の周囲を飛ぶ、カレンが乗る紅蓮に向かって手を振った。
すると紅蓮が、右手を振り返してきた。
カレンが何故、紅蓮に乗って船の周りを飛んでいるかというと、周囲に不審な機体や船、航空艦が現れた場合、すぐに対応する為である。
「なんだっけ?ニーナとロイド、そしてセシルがアルビオン、紅蓮、そして蜃気楼用に開発して、神根島の争いの後、実装された新しいエナジーフィラー」
「あぁ…。''フレイヤ''のエネルギーを応用した、半永久的に動かせる事が出来るエナジーフィラーの事か?」
「そう、それだ。念の為聞いておくが、大丈夫なのか?そこから新しいフレイヤ弾頭が開発されたりしたら…」
「そこは大丈夫だ。本当にエネルギーを応用してるだけだから、そこからフレイヤ弾頭も作れないし、データを削除してあるらしいならな。もう同じエナジーフィラーを作る事も出来ない」
「なるほどな」
ロイドとニーナ、そしてセシルが開発した新しいエナジーフィラーは、様々な問題の為、第9世代であるアルビオン等の3機体にしか実装されておらず、しかも機体から取り出せないようにされていた。
「新しいエナジーフィラーの名前はあるのか?」
「今後に残る事はない技術だから、名前は付けなかったみたいだな」
そう話をしていたら、紅蓮からカレンの声が聞こえた。
『ルルーシュ、C.C.。神根島が見えてきたから、そろそろ準備した方がいいわよー』
「そうらしいし、準備するか」
「そうだな。…リーシャ、そろそろ船から降りて、面白い所に行くぞー」
ルルーシュとリーシャを抱いたC.C.は、カレンが乗る紅蓮に向かってお礼のジェスチャーをして、船の中に入っていった。
それから少し時間が経ち、神根島に上陸したルルーシュ達は、遺跡の前にやって来た。
「それじゃあ、行ってくる」
「私達が向こうに行ってる間、カレンはどうしてるんだ?」
「私は少し仮眠を取るわ。その為にテントと寝袋を持って来たし」
「…用意周到だな」
「というより、大きな袋を持っていると思ったら、それ等が入っていたのか…」
カレンが持っている大きな袋の中身を知ったルルーシュとC.C.は、苦笑いを浮かべた
ちなみに、ジェレミアは船の中から、アーニャは船に積んであったモルドレッドに乗って、空から周囲を警戒していた。
「それじゃ、行くぞC.C.」
「わかった」
「行ってらっしゃ〜い」
ルルーシュとリーシャを抱いたC.C.が遺跡に手を置くと、遺跡が光って震え出し、3人の姿が徐々に消えていった。
「出てこい、シャルル、母さん」
黄昏の間に着いたルルーシュは、さっそくシャルルとマリアンヌを呼んだ。
そしてすぐに、シャルルとマリアンヌは姿を現した。
「ルルーシュよ、何の用だ?」
「あら、いらっしゃい。ルルーシュ、それにC.C.。…そのC.C.が抱いてる赤ちゃんって、もしかして?」
「あぁ。私とルルーシュの間に生まれた赤ちゃんだ」
C.C.がそう告げると、マリアンヌが満面の笑みを浮かべながら、もの凄い勢いで近づいて来た。
「あら!可愛いじゃない!!名前はなんて言うの?」
「…いきなり近づいてくるな。名前はリーシャだ」
C.C.に近づいたマリアンヌはリーシャを構い始めたが、ルルーシュはどうしても、シャルルに聞きたい事があった。
「…シャルル、1つ聞きたい事がある」
「何だ」
「…何でお前、アロハシャツなんだ…?」
「…マリアンヌのせいだ」
それはシャルルが着ている服が、何故かアロハシャツである事だった。
「仮にも元皇帝だろ。何負けてるんだ」
「マリアンヌだけは無理だ。本気で怒ったマリアンヌに逆らう事など出来ぬ」
「…ちなみに、母さんが怒った原因は?」
「前回、お主等がここに来た時、C.C.を泣かした事が原因だ。次にお主等が来たら、アロハシャツを着ろと」
「…まだ続いてたのか。というより、キャラ崩壊し過ぎだろお前ら」
「それは理解しておるから言うな。…それで?何故、お主らはここに来たのだ?」
「リーシャに会わせる為だ。…一応、お前達は俺の親だろ」
「…そうか」
ルルーシュとシャルルが話して、少し時間が経った後、マリアンヌとC.C.が話しかけてきた。
「ルルーシュ、さっきは嬉しい事を言ってくれたわね」
「聞こえてたんですか。…俺はお前達の事を許してはいない。だが、それとリーシャは関係ない。…ただ、それだけだ」
「そう…。ありがとうね」
ルルーシュとマリアンヌがそう言ってると、C.C.がシャルルに話しかけた。
「シャルル、お前もリーシャに触ってみるか?」
「…儂は見てるだけでいい」
「そうか。…ならルルーシュ、そろそろ戻ろう。リーシャも疲れてるだろうし」
「そうだな」
そう言ってルルーシュとC.C.が現実へ戻ろうと時、マリアンヌが声をかけた。
「ルルーシュ、C.C.、少し待ちなさい」
「なんですか?」
「あなた達は今、幸せなの?」
「あぁ。私達は幸せだ」
「…それならいいわ」
そこにシャルルも声をかけた。
「ルルーシュ、それにC.C.よ。…これからも幸せに生きるのだぞ?」
「分かっている。俺達はこれからも幸せに生き続ける」
「だからお前達は、ここから私達の幸せを祈っておけ。…帰ろう、ルルーシュ」
「そうだな。…じゃあな、母さん、シャルル。…リーシャが大きなったら、また来る」
そうして、ルルーシュとC.C.、そしてリーシャは現実世界へと戻っていった。
それからある程度の時間が経ち、ルルーシュとC.C.、そしてリーシャは船の中にある、3人に割り当てられた部屋にいた。
「C.C.」
「なんだ?」
「ありがとう」
「…急にどうした?」
急にそう言い出すルルーシュに、C.C.は困惑した。
「いや、俺がこうやって幸せになれたのも、お前のおかげだからな。礼を言いたくなったんだ」
「……礼を言うのは私の方だ。リーシャを生んだ時にも言ったが、お前に出会って私は幸せになれたし、お前のおかげで、灰色の魔女から変われた。本当にありがとう」
そう言うC.C.をルルーシュは抱きしめ、C.C.も抱きしめ返した。
「これからも一緒に幸せになろう」
「あぁ。2人…いや、3人で一緒に…」
「…愛してる、セラ」
「私も愛してるよ、ルルーシュ」
こうして、ルルーシュ達は日本に着いて、オレンジ農園へと帰っていった。
そして、数年の月日が流れていった。