−オレンジ農園にある屋敷の1室−
「ねぇ、おとうさん?おかあさんはまだ?」
「あともう少しだと思うから、待ってような?」
「はーい」
今ルルーシュと喋っているのは、少し大きくなったリーシャである。
あれから…ゼロレクイエムから7年が過ぎて、リーシャは5歳になっていた。
「おとうさんはおかあさんに、なんでふくをわたしたの?」
「あれはな?お前が生まれる前に、俺がC.C.に''約束''したやつなんだ」
「やくそく?」
「あぁ。俺がC.C.にした、''大切な約束''だ」
ルルーシュとリーシャがそう話していると、ジェレミアがやってきた。
「ルルーシュ様、リーシャ様。C.C.様のご準備が終わったようです」
「分かった。じゃあ外でC.C.を待つために行くぞ、リーシャ」
「はーい!」
C.C.の準備が出来たと聞いたルルーシュとリーシャは、屋敷の外へ歩いて行き、ジェレミアはその後をついて行った。
屋敷の外に出たルルーシュとリーシャが少し待っていると、屋敷の中から''とある物''を着たC.C.が出てきた。
「おかあさん!!」
「待たせたな、リーシャ」
「そのふくきてるおかあさん、おひめさまみたい!!」
「ふふっ、ありがとう」
C.C.が着てるのは、ルルーシュがかなり昔に約束した純白のウェディングドレスである。
「C.C.」
「ルルーシュ、どうだ?」
「あぁ。かなり似合っているよ。…すまなかったな。約束、こんなに遅くなってしまって」
「謝る必要はないだろ?私がこうやってウェディングドレスを着れる事が奇跡なんだ。感謝しかない。…ありがとう、ルルーシュ。私にウェディングドレスを着せてくれて」
「…どういたしまして」
ルルーシュとC.C.が微笑み合ってあると、カレンとアーニャがやってきた。
「似合ってるわね、C.C.」
「お姉様、かなり綺麗」
「ありがとう、カレン、アーニャ」
そう言ってくるカレンとアーニャの姿は、7年の間に変わっていた。
アーニャはC.C.より少し小柄だが、スタイルはちゃんと女性として成長しており、カレンは髪が背中まで伸びていた。
「それにしても、このウェディングドレスはどこで仕入れてきたんだ?サイズもピッタリだし。私はウェディングドレスの為に、サイズを測った覚えは無いんだが…?」
「そりゃそうよ。このウェディングドレスはルルーシュの手作りなんだから」
「おいカレン!!C.C.には内緒にしていろと言っただろ!?」
「もういいじゃない。ちゃんと完成してC.C.に着せたんだから」
「…手作り?」
「そうよ?ルルーシュが貴女の為に1から作った、世界に1つだけのルルーシュ製ウェディングドレス。しかも何回も作り直してたから、結構時間がかかったみたいだし」
「本当か?」
C.C.の問いかけに、ルルーシュは観念したかのようにため息をついた。
「はぁ…。本当はもっと早く作ってもよかったんだが、子育てで忙しいかったからな。だから、リーシャが少し大きくなった今にしたんだ。……C.C.?」
ルルーシュの言葉にC.C.は固まっていたが、次第に目に涙が浮かんで、そして流れていく。
「ど、どうした!?もしかして、手作りなのが嫌だったのか!?」
「違うっ。……嬉しいんだっ。ルルーシュがこのウェディングドレスを私の為に作ってくれた事が本当に嬉しいんだ…っ!」
そしてC.C.はルルーシュに抱き着いた。
「ありがとう!ルルーシュっ!!」
その姿を見たルルーシュは、ウェディングドレスを着せる事が出来て本当に良かった…。と思いながら抱き着いてきたC.C.の頭を撫でて、カレンとアーニャはそんな2人の姿を微笑みながら見守った。
少し時間が経ってC.C.が落ち着いた頃、外に出てから姿が見えなかったジェレミアが、ルルーシュ達に近づいてきた。
「C.C.様!なんという素敵なお姿なんでしょう!このジェレミア、感激で涙が止まりません!!」
「ありがとう、ジェレミア。…しかし、お前はブレないなぁ」
滝のような涙を流しながら話しかけてくるジェレミアに、C.C.は苦笑いを浮かべた。
「おっと、あまりの感激で忘れるところでした。ルルーシュ様、お客様が来ております」
「…前から気になっていたんだが、どうして滝のように流れている涙が一瞬で止まるんだ…?」
「それは忠義がなせる技です」
「???…まぁ、ジェレミアだからで納得するか。で、客が来てるって事だが、この場に俺がいたらマズイな。直ぐに屋敷の地下に行くから少し待ってくれ」
「いえ、ルルーシュ様とC.C.様のお客様なので大丈夫です」
「俺とC.C.の…?という事は、今の俺と事を知ってる人物か?」
「はい。あちらをご覧下さい」
「ん?……っ、なんで…」
ジェレミアが指した方向を向くと、そこには車椅子を押しながら向かってくる、7年前とあんまり変わらない姿で帽子を目深に被ったスザクと、その車椅子に座っている立派な大人の女性に成長した私服姿のナナリー・ヴィ・ブリタニアがいた。
「久しぶり、ルルーシュ、C.C.」
「スザク…」
「驚いた?実はジェレミア卿から今日の事を聞いていてね。ナナリーと一緒にお忍びでここに来たんだ」
「申し訳ございませんルルーシュ様。ですが、今日という日だけはナナリー様もいた方がいいと思いましたので…」
ジェレミアがそう告げると、車椅子に乗ったままナナリーがルルーシュの前にやって来た。
「お兄様…」
「ナナリー…」
「…ごめんなさいお兄様。私が…''ナナリー・ヴィ・ブリタニア''がお兄様に会ってはいけないと分かっているんです。でも、ジェレミアさんから話を聞いてどうしても会いたくなってしまい、今日だけでも''妹のナナリー''として会いに行こうと…」
「(そうか…。強く…なったな)…ナナリー、俺はお前の兄として生きる事はもう出来ないけど、それでもお前の兄である事には変わらないんだ。そして兄として生きてきた時間は俺の大切な宝物だし絶対に忘れる事はない。だから…今までありがとう。ずっと愛してるよ、ナナリー…」
「っ、今まで本当にありがとうございました…!私もずっと愛しています、お兄様…!!」
ルルーシュはナナリーを抱き締めて、ナナリーはルルーシュの胸の中で涙を流し、その後にC.C.の方を向いた。
「C.C.さん。そのお姿、とても綺麗ですね」
「ふふっ、ありがとう」
「…今更かもしれませんが、お兄様の事をよろしくお願いします」
「任せろ。…出会った頃より強くなったな、ナナリー」
C.C.の言葉に、ナナリーは苦笑いを浮かべる。
「いえ、私は全然強くなっていませんよ」
「そんな事ないさ。本当に強くなったよお前は」
「そうですか?ありがとうございます」
「…リーシャ、こっちにおいで」
C.C.は、少し離れた所にいたリーシャを呼んだ。
「おかあさんなぁに?」
「リーシャ。この人が、ルルーシュの妹でナナリーだ」
「初めましてリーシャちゃん。私が貴女のお父さんの妹でナナリーと言います」
「はじめまして!わたし、りーしゃといいます!」
「今日の事は誰にも言ってはいけないぞ?約束できるか?」
「わかった!!」
「良い子だ」
そこへ、カメラを持ったスザクやカレン達が近づいてきた。
「記念に皆で写真撮ろうよ」
「いいわねそれ」
スザクとカレンがそう言うと、ルルーシュとC.C.は呆れてしまう。
「あのなぁ…。今変装をしていない俺が写ったらダメだろ」
「私もだな。私とルルーシュは不老不死なんだから、この姿で写真に写るわけにはいかないな」
「それにスザク、お前も写れないだろ?死んだ事になってるんだし」
「大丈夫。いざとなったらゼロの衣装を着て写るから」
「「それだけはやめてくれ」」
「あはは…。まぁ、せっかくなんだし思い出として1枚ぐらい撮りましょうよ。この先二度と、ここのメンバーが全員集まる事はないんだから」
「…それもそうだな」
「まぁ、このメンバーなら写真が外に漏れる心配はないか」
「決まりね。それじゃあ皆並びましょ!勿論、真ん中はルルーシュとC.C.、それにリーシャね!」
「なぁ、ルルーシュ」
「なんだC.C.?」
「…皆、笑っているな」
「…あぁ。皆笑っている」
今、写真を撮る為に皆が並んでおり、ルルーシュとC.C.は皆の顔を見渡していた。
「これが、お前が全てを捨ててまで創りたかった世界なんだな」
「…そうだ。俺はこんな世界を望んで、そして創った。皆が幸せに笑って暮らせる世界を…」
「それじゃあ、行くよー!!」
少し離れた所でスザクがカメラのタイマーをセットしてから置き、こちらに向かってくる。
「今までありがとう。これからもよろしく」
「私も今までありがとう。こちらこそよろしく頼むぞ」
「愛してる、セラ」
「私も愛してるよ、ルルーシュ」
そしてタイマーがセットされてたカメラのシャッターが切られて、撮られた写真に写ってる皆の顔は笑顔だった。
ルルーシュの顔にも…
ウェディングドレスを着たC.C.の顔にも…
そんな2人の前に立っているリーシャの顔にも…
スザク、カレン、ナナリー、ジェレミア、アーニャの顔にも…
皆が幸せに、そして心の底から浮かべる笑顔が写っていた。
(この先、世界がどう変わっていくのか俺には分からない。だが人が幸せを求める限り、世界は良くなっていく。例え、どれだけ時間がかかろうとも…。だから今を生きる世界の人々よ、幸せを求め続けろ。それが人々の''ギアス''にかかった俺が、世界に命ずる最後の''ギアス''だ)
ルルーシュはC.C.の手を握り、小さく微笑みながら空を見上げて、世界に対してそう願った。
これにて、この小説は終了となります。
次はリメイク版を投稿していく予定ですが、そちらでもルルCのみでいかせてもらおうと思っております。様々な意見、本当にありがとうございました。
ただ、ある程度の展開や設定が変更になる予定ですので、そこはご了承ください。
リメイク版では話が変になっている所とかを修正できればなぁと思っていますが、自分の実力がかなり低いので変になってる所が修正されてなかったり、さらに変になったりする可能性もありますので、その時は笑って見逃してください…。