あれから少し時間が経ち、落ち着いた2人は話し合いを再開させた。
「それで…私を探してる男はどう対処するつもりだ?」
「できるのであれば、無視するのが一番良いんだが、男がギアス教会を拠点として動いてる可能性もあるしな」
「ならどうする?」
「始末するしかないだろ」
「いいのか?それで」
「ああ。今回ばかりは、それ以外どうすることもできない。俺たちの目的がギアス教会じゃなければ無視したかもしれないがな。…それにお前に危険があるかもしれないんだ。無視できるはずがないだろ」
「…ありがとう、ルルーシュ」
その言葉を聞いたC.C.は、頬を赤らめながら、そう呟いた。
次の日、ルルーシュとC.C.は宿を出て、ギアス教会へ向かう前に食事を取ることにし、町中にある小さな喫茶店へ足を運んでおり、ルルーシュはコーヒーとサンドウィッチを、C.C.はピザに炭酸飲料を頼んでいた。
「そういえばルルーシュ、男の特徴とか何か聞いてないのか?」
C.C.はピザを食べながら男の特徴を聞いていた。
「聞いてはいるんだが…」
「ん?どうした?」
「全員、40代の男としか覚えてないらしい」
「は?それしか覚えてないのか?」
「みたいだ。しかも皆、それさえも覚えているか怪しい状態だ。この情報を聞き出すだけでも相当時間がかかった」
「…もしかしてギアスか?」
「町の皆がこの状態だ。それしかないだろうな。もう情報が手に入りそうにないし、危険だが教会に行ってみるしかないだろ。…そろそろ行くぞ」
そう言って、ルルーシュが席から立ち上がり、C.C.も食べていたピザを口の中に放り込んで、ルルーシュの後を追った。
それから2日後、今、ルルーシュとC.C.は、ギアス教会の前に立っていて、ぼろぼろになっていると思われた教会は、ある程度の修理がされており、如何にも、誰かがこの場所を使っていると思わせていた。
「これは……。間違いなく誰かがこの場所で生活しているな。おそらくお前を探してる男だろうが」
「ああ。ということは、予想通り教会の下には地下がある」
「とりあえず地下に行くか。…注意しろよC.C.」
「わかっているさ」
そう言ってルルーシュとC.C.は教会の中に入って地下に向かい、その2人の手にはコイルガンが握られていた。
教会の地下には複数の部屋があり、ルルーシュとC.C.は、1部屋ずつ探索し、その中には如何にも誰かが生活しているような部屋があったが、特にこれといった情報は手に入らないでいた。
そして、最後と思われる部屋に入るとルルーシュとC.C.は驚愕した。
そこには大人が余裕で入れるようなカプセルがあり、その中には歳が10にも満たない少女が複数のコードに繋がれていた。
「なんだ、これは……。この少女の意識はないのか…?それにこの複数のコードはいったい…」
「…C.C.、どうやらその少女はギアスを持っているらしい」
「……私はこの少女と契約した覚えはないぞ?もしかしてV.V.が昔に契約したのか?」
「いや、この少女は誰とも契約していない。ここで人工的にギアスを持たされたらしい。…そして、この少女でギアスの研究をしているみたいだな」
と、ルルーシュがカプセルの近くにあったパソコンを操作しながら言った。
すると部屋の扉が開く音がして、ルルーシュとC.C.は扉の方を向くと、そこには金髪の40代ぐらいの眼鏡をかけた男が立っていた。
「おや?どちら様かな?このような場所に何が用でも?」
ルルーシュとC.C.は、手に持っていたコイルガンを向けた。
「お前…、ここで何をやっている?」
「何をって……見ての通り研究をしていますが?とある力の研究を」
「別に誤魔化さなくても、俺たちは力の事を知っている。…ギアスの研究をしているんだろ?」
C.C.が男に質問をして、誤魔化しながら答えた男にルルーシュは、誤魔化しはいらないと答えた。
「ほぅ…。ギアスの事をご存知でしたか。では私がどういった者かもご存知なのかな?」
「ああ。…俺の予想が正しければお前はギアス嚮団の生き残りだろ?」
「その通り。私は黒の騎士団に壊滅されたギアス嚮団の生き残りです。私はここで、ギアスの研究をしながら教祖C.C.様を探しています」
そう男が言うとC.C.が少しだけピクリと反応した。
「…何故V.V.ではなく、C.C.を探している?」
ルルーシュは、少し反応したC.C.の事を心配しつつも、C.C.を探してる理由を聞いた。
「V.V.様ではなく、C.C.様を探している理由ですか?それは私がV.V.様が亡くなったのを知っているのと、嚮団を復活させてほしいからですよ」
「何故嚮団を復活させたい?」
「そんなのギアスの研究が捗るからに決まっているじゃありませんか。私はこの地でコード保有者から授けられるギアスと人工的に与えられたギアスの両立を研究しているんです。人工ギアスを2つ与える事は不可能でも別々の方法で与えられるギアスなら両立することが可能かもしれませんから。…そこの少女は被検体ですよ。壊れて植物人間と化してしまいましたが」
「…どうして俺たちに、ここまで詳しく話した?」
ルルーシュは、その言葉に怒りを感じながらも、ここまで詳しく話した理由を聞いた。
「私も人工ではありますがギアスを持っていますからね。私のギアスは物事を忘れさせるギアスです。なので、詳しく話しても貴方達は結局忘れてしまうので問題ないんですよ」
そう言いながら、男は笑っていた。
「…残念だが、私達にギアスは効かないし、嚮団も復活しない。そして、ギアスを悪用するお前を生かしてやるつもりもない」
C.C.がそう告げると、男は笑いを止めた。
「ギアスが効かない?それに嚮団も復活しない?貴女は何故そう言い切れるんですか?」
「ギアスが効かない理由なんて1つしかないだろ?それに嚮団が復活しない理由だが簡単だ。……私が復活させる気がないからだ」
「……まさか、貴女は!!」
「そうだ…。私がC.C.だ。今は変装しているがな」
と、C.C.は自分の正体を明かす。
「ということは、貴方もコードを持っているのですか!?」
すると、男は驚きながらルルーシュの方を向いた。
「ああ。…それとギアス嚮団の壊滅を指示したのは俺だ」
「何!?では貴方がゼロなのですか!!?」
「"元"だがな。…C.C.手を出すなよ?こいつは俺が殺す」
ルルーシュはC.C.の手を汚させない為に、そう告げる。
その言葉を聞いたC.C.は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻してコイルガンを下ろした。
「わかった…。すまない、ルルーシュ」
「こういう汚れる事は、全て俺がやるから謝らなくていい」
ルルーシュは、そう言いながら、コイルガンの引き金にかかった指に力を入れ、目の前で慌ててコイルガンを構える男に告げた。
「…お前知っているか?撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ。…サヨナラだ、嚮団の亡霊」
その言葉と同時に、ルルーシュはコイルガンの引き金を引いた。
地下の出来事から少し時間が経った後、ルルーシュとC.C.は教会の外に出ており、そして、目の前にある教会は、2人の手によって燃やされていた。
二度と、この教会からギアスが外に出ないように…。
そこから少し離れた場所には、木で出来た十字架が地面に刺さっており、その下にギアスの被害にあった少女が眠っている。
男を射殺した後、ルルーシュはカプセルから少女を外に出して容体を確認していた。そしてわかった事は、この少女はもう長くは持たないことだった。それを知ったルルーシュは、少女の額にコイルガンを当て「すまない…」と、呟きながら引き金を引いた。
それからパソコンのデータを全て消去して、C.C.にこの教会を燃やす事を提案し、C.C.もそれに了承したため教会を燃やした。
燃え尽きていく教会を見ながら、C.C.が悲しい表情をしていたので、ルルーシュはC.C.を抱きしめた。
「ルルーシュ、これからどうするんだ?」
「…日本に行こうと思っている」
C.C.の問いにルルーシュは、そう答えた。
「何故日本に?」
「ジェレミアに、会いに行こうと思う。ここから日本に向かって、着く頃にはゼロレクイエムから1年は経っているはずだし、旅の途中で立ち寄ると約束したしな。そこでスザクにも手紙を送ろう」
「そうか…わかった」
そして教会が完全に燃え尽きたのを確認してルルーシュとC.C.は日本に行くため手を繋ぎながらその場を離れた。