IS Ω ~インフィニット・ストラトス オメガ~   作:僧正

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というわけで2話です。自身の考察らしきものも少し入っているのですが、政治とかあまり詳しくないのでそのあたりはよほどの間違いがなければ流していただければと。

うん原作は遠い。


2話 現状

ISΩ

 

2話 現状

 

 

 勇気がIS、オメガを起動させて数日が経過した。現在勇気は叔父の研究所に居座っている。両親には叔父、源内から事情を事細かく説明され決して騒がず、決して情報を流出しないようにと伝えた。勇気の父は警察官のためか事の重大性を瞬時に理解し、自身の妻にそれを伝えた。聞いた当初はひどく困惑したものの、我が子を安心させるために電話でしっかりとした様子で言葉を交わした。

 学校はもちろん欠席。ISを起動させた女性たちは、皆悪い影響は今のところ出ていないためおそらく問題はないだろうが、男が起動させたのはIS史上初の出来事であった。そのため何が起こるかわからない。厳重に検査することで勇気の両親、そして勇気自身の安心を与えるため、一般には検査入院という形で数日検査することになった。

 そしてもう一つ大きな問題がある。それはこの事件をいつ公に発表するかということ。いつまでも隠し通すことは難しい、というよりも不可能に近い。勇気がISと関わらず一切の事を忘れて暮らすという案もあった。だが勇気自身ISへの憧れか、強さへの渇望からか、決してこの力を手放したくはなかった。ここまでならば子供の我儘でいくらでもなかったことにはできるだろう。問題はISオメガの方にあった。オメガは勇気から一切離れることがなかったからである。まるでようやく見つけた相棒を手放さないように…。

 研究所内の情報統制を取ればおそらく数年は可能という見込みではあるが、それでも数年。勇気が生きているうちに確実に情報は広まることになる。ならば今公表するかと言えば、それは悪手である。今勇気は中学2年生。当然学校にも通わなければならない。通わないにしても24時間体制で護衛を付けなければならず、その護衛はISとなる。ISに対応できるのはISのみ。相手の仮想最大戦力がISならば対象を守るのも当然ISとなる。貴重な男性IS 操縦者に対する対応ならばこれが当然の帰結であった。だが護衛をつけるにも欠点が存在した。

 その問題点として1つ、護衛ということだから当然強さが求められる。最低でも代表候補生並は。2つ目にその護衛が信頼できるかどうか。もしかしたら他国に金を賄賂されるかもしれない。または護衛はすべて女性であるため、男性である勇気に対してハニートラップを仕掛ける可能性もある。そして3つ目として、護衛対象である勇気の精神状態の保護。常に護衛を付けられているということはストレスにもつながるし、常に狙われているということを意識することで精神的にやむ可能性を秘めていることだ。

 まだまだ挙げれば多くの問題が浮上するだろうがここは割愛する。これらの点から含めて、今はまだ公表すべきではないという意見が日本の内閣の一部のトップ達と研究所内の源内たちの共通意見であった。そして公表に当たる上で大きな条件が2つ設定された。

 

1、最低でも勇気が自身を守るだけの力を持つこと。最低代表候補生レベルが望ましい

2、勇気が少なくともIS学園に入学できる15歳までは情報は死守すること

 

 細かな条件はいくつもあるが、大まかに言えばこの2つであった。たとえ1の条件が満たせなくとも、2の条件であるIS学園に入学してしまえば、最低限の安全は保てる。

 これらの内容を勇気がオメガを起動させた当日のうちに大まかではあるが取り決めることに内閣と源内たちは成功した。そこからが彼らの地獄の数日となる。内閣は自国の益のため、源内たちはオメガの唯一の搭乗者である勇気のため奔走することになった。

 

 

 オメガを発動させた朝、勇気は頭からくる睡眠の指令を振り払いながら、重い瞼を開ける。昨日は自身がISを始めて起動させたことによる興奮によりなかなか眠りにつくことができなかった。恐らく、子供のころにヒーローショウに連れて行ってもらう前夜よりも、または修学旅行の前日よりも興奮しただろう。昨日の状況が夢ではないかと確かめるかのごとく自身の頬をつねり、周りを見回す。周囲が研究所の仮眠室であることから、昨日の出来事が夢ではない事を勇気は確信した。

 朝の身支度を終えた勇気は前日のうちに取って来てもらった自身の服に着替えた。時刻は9時に差し掛かろうとしていた。現在は月曜日である。普段ならば地元の中学に通い授業を受けている時間なのだが、自分はこうして研究所にいる。そんな自分の状況を顧みてまるで自分がずる休みした時のような(勇気自身はずる休みはしたことはないが)感覚に少しこそばゆく思うのだった。

 

 仮眠室を出て、勇気は源内の研究室に訪れる。昨夜寝る前に、今日起きたら来るよう伝えられたためである。廊下を曲がり奥にある室長室にたどり着く。今まで聞かされていなかったが、叔父はこの研究所でかなりの地位にいるらしい。軽くノックをして待つこと数秒、中から返事が返ってくる。「失礼します」と一声かけ部屋に入る。そこには叔父源内が威厳ありそうな雰囲気で座っていた。これで目の下にクマがなければ、であるが…。そんな内心苦笑しながらも、自身のために奔走してくれたことによる感謝でいっぱいであった。

 

 「昨日はよく眠れたかい?………いやお前の事だから昨夜は興奮で眠れなかったのだろう?」

 

 少し意地悪な顔で源内は声をかける。さすがは自分の叔父であると勇気は思う。源内は自身の父の弟であり、正義感や責任感は父親似であるとよく親戚の集まりで言われるが、そのうちに秘める童心、悪く言えば子供っぽさは叔父に似ているとよく言われたものである。

 

「そういう叔父さんこそ、昨日はこいつの起動で眠れなかったんじゃないんですか?」

 

 と苦笑気味に自身の首についたものを指しながら言い返す。もちろん、自身の事で走り回っていることは勇気にもわかっていた。お互いを信用し合っているからの軽口である。

 

「ははっ。これは一本取られてしまったな。昨日は寝る間も惜しいものだからねえ。ついつい徹夜することになってしまったよ」

 

 そう笑いながら少しの間談笑する。昨日の一時期の殺伐とした様子とは打って変わって、お互いに朗らかである。昨日はいろいろな事がありすぎて互いに余裕がなかったためであった。

 

「それでどうだい、今の調子は? まあその様子だと大丈夫みたいだがね」

 

 談笑を切り上げ、勇気の状態を尋ねる源内。勇気の首に存在する黄と青で螺旋された首輪。これは昨日オメガを起動し最低限の確認が終わった後、待機状態に戻ったのがこの状態である。その首輪はどうしても外れず、後に学校で話のネタにされるのだが今は知らないほうがいい事実である。

 

「すこぶる良好ですよ。まあ体が眠い事以外はですけどね」

 

 互いに笑いながら状況を確認する。源内は勇気の状態を。勇気は今現在の自身の立ち位置について。勇気はISの興味から一般人よりはその話題に精通していたため、自分がどのような状況か冷静に判断することができた。もちろん不安がないといえば嘘になる。しかし、幼いころから好くしてくれた叔父が味方であり、研究員の人たちも出会ったばかりではあるが善い人ばかりであった。そして両親からの電話、それらが勇気の精神を支えていたのだった。

 

「ということが、政府と我々研究員の見解なのだが、いや決定か。できる限りお前の人権を守った上での取り決めだ。今後多少の転換はあるだろうが大体この通りに動くことになるだろう。ここまでで何か質問はあるかい?」

 

 真剣みを帯びた表情で源内は尋ねる。勇気も自身の事なのでしっかりとした表情で返事をする。

 

「じゃあ、俺は今後ISの訓練のためにここに何度も来ることになるわけですね。うーんと、あ、この実践訓練って実際に人と戦闘するってことですよね?俺が男だってばれちゃいません?」

 

 勇気の質問は的を得ていた。ISを操縦するうえで重要なのは基礎知識、基礎訓練、そして経験である。いくら基礎ができても経験がなければ机上の空論で戦うも同意である。その経験を得られないのであれば1の条件は確実に満たせないのである。

 

「うん。勇気の疑問はもっともだ。―――だが!こんなこともあろうかとボイス変換機を作っておいたのだ!これに合わせてオメガをフルフェイス状態で使うことで性別もばれない使用だ!お前の体格ならばまだ女性と偽ることも可能だしね!これならばIS学園に入れる1年半後までは問題なくごまかせるはずさ!」

 

 もし後ろの背景を漫画で表すならば、ババーンという言葉がデカデカと主張しているに違いないと、少し遠い目をしながら勇気は思う。さっきまでの真面目な雰囲気はどこへ行ったのやら。そして少し間を置きさっきの言葉を反芻する。

 

「―――ちょっと待ってください。先ほど聞き捨てならない言葉が聞こえたんですが。女性と偽ることができる?えーと、なんですか?それは俺が小さいってことですか!?これでも平均は…いや少し誇張しましたけど!それでも俺は小さくはない!」

 

 突っ込むところはそこで果たしていいのだろうか、と人がいたならば言うだろう。思春期の男子中学生にとって小さいなどということは禁句にも等しい。少しでも自分を大きく見せたいお年頃なのである。同年代よりは大人っぽい雰囲気のある勇気であるが、所詮は中学生。まだまだお子様なのである。ちなみに男子中学生2年の平均身長は約160㎝。勇気の現在の身長は155cm。平均から見るとやはり少し小さい。

 

「はっはっは!!身長なんて気にしているとはまだまだ子供だねえ、勇気も!大丈夫さ、まだまだ伸び盛りだから心配しなくても勝手に伸びるって」

 

 そういいながら勇気の様子に爆笑する源内。そういう源内はというと180㎝は越えた長身である。そんな源内にぐうの音も出ない勇気。

 

「ぐぐ………!自分が身長あるからって余裕かましやがって…!見てろよ、絶対に叔父さんよりでかくなってやるんだからな!!」

 

 そう言って勢いよく室長室を出る勇気。その背中は負け犬根性丸出しなのだが、言わないのが大人の優しさだろうと源内は唸りながらしみじみ思うのであった。

 

「―――これから大変だろうが、頑張れよ、勇気」

 

 先ほどからの言葉は不安があろう勇気に対しての親心ならぬ叔父心である。実際楽しんでいた部分もあるが昔から可愛がっていた甥を思っての心配りであった。

 

 ここで終わればよかったのだがそうは問屋が降ろさなかった。

 

「――――――あ、まだあいつに伝えてない情報があった。ちょーっと待て、ゆうきー!まだいってないことがあああああー!!」

 

 そうして源内も勇気を追いかけるべく室長室をでる。普段の二人を知る人物たちならば少し呆然としてしまう状況なのだが、昨日の興奮からか少しテンションが高い二人である。何とも締まらない終わりである。

 




会話文は特に苦手です。もっとうまく描写できないものか…。


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