ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

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新年明けましておめでとうございます!今年こそ完結させますので、どうぞよろしくお願いします!


第93話 ティア達の使命

ダンテがムンドゥスに敗北し遥か彼方へと飛ばされた時と同じ頃、モリソンは軍と協力して住民の救助に当たっていた。瓦礫の下敷きになっていたり、クリフォトの草体に絡まっていたりと、生き残っている人々はこれまで数十人は助けた。軍の人間も数人犠牲になったりしたが、この調子で住民達を助けていった。

 

「よし、皆その調子だ、次に行こう」

 

『はい!』

 

今いる所の救助が終わり次の場所へ行こうとした時、モリソンは違和感を感じた…何だこの胸騒ぎは?

 

「どうしましたモリソンさん?」

 

「ん?いやすまない、なんでもない。ではキミ達はこの先に救助に向かってくれ、俺はちょっと用事が出来たからそっちへ向かう」

 

「一人で大丈夫ですか?」

 

「あぁ、心配いらないさ。それじゃ任せたよ」

 

軍人の一人が心配してきたがモリソンは手を振って返しバイクに乗り込むとデビルメイクライに走り出した。

 

「何か嫌な予感がする…」

 

モリソンは悪い予感を胸にデビルメイクライへと急いだ。

 

数分後、デビルメイクライの前にモリソンは着いたが、同時に事務所の前に大型の魔法陣が現れリアス達が転移してきた!全員酷く表情が沈んでおり特に黒歌は膝をつくと顔を地面に着けて泣き出した。

 

「やぁ…キミ達、無事…だったんだね?ダンテは…?」

 

モリソンはとりあえず声を掛けダンテがいないことに気づき聞いた。

 

「あ…モリソンさん……ダンテは…」

 

リアスが答えたがその表情も酷く沈んでいた…ダンテの名を聞いて黒歌は声を張り上げさらに泣き出した!白音が黒歌に寄り添い優しく抱きしめたが白音も涙を堪えきれず泣いていた。

モリソンとティア達は肩を貸し合うと事務所の中へ入った。

 

○●○

 

事務所の中に入ったリアス達はそれぞれ椅子に座ったり壁に寄りかかったりしていたが、誰も喋らず虚な表情をしていた。中でも黒歌は椅子に座ったまま顔を伏せ、その傍らにはティアと白音が心配そうに立っていた。

とりあえずモリソンと初対面のサイラオーグが軽く挨拶をし、アーシアは怪我人を治療した。治療が済み話せる状態に回復したリアス達から事情を聞いたモリソンは帽子を取ると顔を伏せた。

 

「そうか…ダンテはムンドゥスに……」

 

「えぇ…彼方へと飛ばされてしまったわ…」

 

リアスが悲しそうに言うと朱乃達も表情を落として俯いた。戦闘中に意識を失っていたレディも事情を知り拳を強く握っていた。

 

「でも私達はダンテは生きていると信じているわ!」

 

リアスの言葉に顔を伏せていたイッセー達も頷いた。

 

「それは俺も同じさ。奴とは長い付き合いだ、あいつがそんな簡単に死ぬタマじゃないことくらいわかるさ」

 

ダンテをよく知っているモリソンも頷いた。

 

「あぁ、その通りだ、ダンテは生きている。あの男は次元の狭間に飛ばされても生きて帰って来たんだ、この世界の何処かにいるなら必ず帰って来る、私はそう信じている。それに私はあいつの使い魔だ、あいつが死ねば私との魔力のリンクが切れる筈だ、それがまだ繋がっているということは生きている証拠だ」

 

「ティアマットの言う通りだ!俺にはわかる、あの男はこんなことで死ぬ筈が無い!だから元気を出せお前ら!お前達がいつまでもそんな顔をしているとダンテも呆れてしまうぞ?」

 

使い魔で相棒であるティアはダンテとの使い魔契約の証の魔力を見せ、サイラオーグも喝を入れた!それを見てリアス達は顔を上げた、その表情は先程よりいくらか良くなっていた。

 

「ティアマット…サイラオーグ……そうね、ダンテは今まで信じられない生命力で私達を助けてくれたものね。この世界の何処かいるのなら彼を信じて帰りを待ちましょう!いつまでも落ち込んでもいられないしね!」

 

リアスは立ち上がると全員に呼び掛けた!それによって眷属達も立ち上がり元気を取り戻した!モリソンとレディは頷くと笑みを浮かべた。

それから全員で話し合い、ダンテが戻ってくるまでの間リアス達は軍と協力して町をムンドゥスの手から守ることにした。

 

「でも部長?俺達からダンテさんを探しに行かなくていいんですか?」

 

「その心配はいらないぞ兵藤一誠?気づかないか?一人足りないことに?」

 

「えっ?一人足りないって…ここには全員……あっ!」

 

イッセー達は事務所内にいる者達を確認するとある人物がいないことに気づいた。

 

「オーフィスがいない⁉︎」

 

いつもダンテの背中に貼り付いていたオーフィスがいなかった!一緒に住む様になってから全員に気配を感じ取れるようにはなっていたが、完全に気配が消えている…ということは…

 

「オーフィスには密かにダンテを探しに行くように頼んでおいた、奴ほどの力の持ち主なら一人でも問題無いだろう。ダンテの捜索はオーフィスに任せて私達はこの町を守ろう」

 

「オーフィスって、ダンテの背中にくっついてたあの小さい女の子?そう言えばあの子って何なの?ダンテの子って訳じゃないでしょう?」

 

オーフィスをよく知らないレディにオーフィスの正体を教えると驚いていたが、それなら町を守る側にすればよかったんじゃない?と言っていた。

 

「…姉様、頑張りましょうね!…あれ?姉様?何処ですか⁉︎」

 

白音は黒歌に呼び掛けたが椅子に座っていた筈の黒歌がそこにいなかった!慌てて見渡すと事務所の扉が開いたままになっていることに気づいた…まさか…

 

○●○

 

その頃黒歌は沈んだ表情のまま事務所から抜け出し町の路地裏を彷徨っていた。どの辺から抜け出したかわからなかったが表情が変わっていなかったのでティア達が町を守る決断を出す前だろう。黒歌は涙を流しながらおぼつかない足取りで歩いていた。

 

「ダンテ…何処に行ったのにゃ…もう離れ離れは嫌にゃ…ダンテがいなくなったら…あたしは……」

 

ブツブツとダンテの名を呟きながら歩いていると黒歌の前にガラの悪い男が四人現れた。男達は黒歌を見ると笑みを浮かべて取り囲んできた!

 

「へっへっへっ…よぉ可愛い子ちゃん!こんなところに一人でどうしたんだい?」

 

「おっ!可愛っいい〜!しかもよく見ると泣いてんじゃん?」

 

男達は黒歌を舐め回す様に見ていたが黒歌は涙を拭うと無視して通り抜けようとした。

 

「おいおい無視かよ?なぁ?何で泣いてんの?」

 

「…うるさいにゃ…アンタ達には関係ないにゃ」

 

「何だよ冷てぇな、せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?この猫耳もな?妙にリアルだな…これ本物か?」

 

男の一人が黒歌の猫耳を触ってきたがその行為に黒歌はキレた!

 

「ッ!触るにゃ!!」

 

黒歌は男の手を振り払うと男の頬を引っ叩いた!男は頬を拭うと黒歌を睨みつけた。

 

「ってぇな…人が慰めてやってるのに調子に乗りやがって!」

 

「…何ですって?」

 

「てめぇにもわかってんだろ?もう世界は終わりさ!毎日悲鳴が響き死体が増える日々さ!だったら俺達がせめて最後に良い想いさせてやるって言ってんだ!」

 

男達のゲスな目的を知り黒歌は心底呆れ溜め息を吐いた、まるで自分が元いた眷属のクソ悪魔達みたいだ。

 

「お前も見たとこ恋人が死んだってとこだろ?でもよ心配しなくてもいいぜ?俺達がそいつのことを忘れさせてやるぜ!へへへ〜♪」

 

「今回はアタリだぜ!たっぷり楽しもうぜ〜!」

 

恋人…ダンテが死んだ。その言葉に黒歌はキレた!男達は黒歌を羽交い締めにすると黒歌の服に手を掛けようとしたが黒歌は顔を伏せるとフッと笑い男の一人を蹴り飛ばし壁に叩きつけた!男は一撃で気絶した!

 

「お、おい大丈夫か⁉︎ッ!このアマ!ふざけやがって!!」

 

男達は黒歌を犯すのをやめると殴り掛かってきたが、顔を上げた黒歌は凄まじい目つきだった!

 

 

同じ頃、ティア達はいなくなった黒歌を探していた。

 

「いたか?」

 

「ううん、そっちは?」

 

「ダメだ。黒歌さん…一体何処へ?」

 

「何か嫌な予感がする、ここからはまた別れて探すぞ!」

 

『はい!』『えぇ!』

 

「行くぞ白音!」

 

「はい!ティア姉様!」

 

ティア達は再び散開して黒歌を探し始めティアは白音と探し始めた。

 

「ティア姉様、黒歌姉様はどうしていなくなったんでしょう?」

 

「わからん、だが黒歌は前にダンテが次元の狭間に飛ばされた時に酷く悲しみ暴走した。おそらく黒歌にとってダンテは大切な存在であると同時に心の支えなのだろう、その支えを再び失ったとなれば黒歌は…とにかく早く探そう!よからぬ事が起きる前に!」

 

「はい!」

 

白音の脳裏に暴走した黒歌の姿が思い出される。あの姿にはもうならないとわかっていても白音はとても怖かった、もうあんな想いはしたくないと。

 

「姉様…」

 

黒歌の心配をしながら路地裏近くを探していたその時、路地裏から紅い小さな龍が飛び出してきた!黒歌の使い魔のバーニィだ!バーニィは二人を見つけると光り出し幼女の姿になるとティアに抱きついてきた!

 

「ティアねえちゃん!はやくきて!黒歌ねぇねが!黒歌ねぇねが‼︎」

 

バーニィは泣きながら必死にティアに叫んだ!この焦り方から相当なことだとわかったティアは何があったか聞こうとしたが…

 

「うわあぁぁぁぁぁっ!!!」

 

その時!路地裏の奥から男の悲鳴が響いた!同時に黒歌の魔力を感じた!ティアと白音は顔を見合わせると頷きバーニィに連れられその場に急いだ!

 

 

路地裏奥では大変な事が起きていた!

 

「た、頼む…助けて…くれ…殺さないで…くれ…ぐっ⁉︎」

 

自暴自棄になっていた黒歌はデビルトリガーを発動させ男の一人の首を掴んで締め上げて持ち上げ、残り二人を魔法陣で転移させた尻尾でそれぞれ首を締め上げていた!黒歌に首を掴まれていた男が涙目になって命乞いしていたが黒歌はさらに締め上げようとしていた。

 

「フフフ…アンタ達、よくもふざけたこと言ってくれたわね?忘れさせてやる?…面白いわね?じゃあアンタ達の存在を忘れさせてあげるにゃ!!」

 

「がっ…⁉︎……か…かはっ……」

 

黒歌は男を殺そうと手に力を込めた!男の呼吸が弱くなり息の根が止まり掛けたその時!

 

「姉様ダメぇぇぇぇっ!!!」

 

そこへデビルトリガーを発動させた白音がタックルの要領で黒歌に飛び付き突き飛ばすと阻止した!解放された男達は激しく咳き込んでいたが無事だった。ティアは男達が生きていることを確認すると声を掛けた。

 

「生きてるなお前達?ならさっさと失せろ!!」

 

「ひぃ!…お、おい!行くぞ!」

 

『うわああああっ!!』

 

ティアの気迫に男達は気絶した仲間の一人を抱えると悲鳴を上げて逃げて行った!起き上がった黒歌は声を荒げて反論した!

 

「白音!ティア姉!何で邪魔するのにゃ⁉︎アイツらダンテが死んだって!許さないにゃ!あんな奴ら殺して…」

 

「ッ‼︎」

 

バシッ!!!

 

黒歌の発言を聞いた白音はショックを受けたが、ティアは目つきを鋭くさせると黒歌の頬をおもいっきり引っ叩いた‼︎叩かれた黒歌は一瞬呆けたがすぐにティアを睨みつけた。

 

「な…何するのにゃ⁉︎」

 

「この馬鹿者がぁ!!自分を見失ってどうする!?こんなことをしても何の意味も無い!!!」

 

ティアは青筋を立て黒歌に怒鳴りつけた!黒歌は叩かれた頬を押さえて見ていたがティアは続けた。

 

「さっきの男達にダンテが死んだと言われたらしいが…確かにお前にとって心の支えである男が死んだと言われたら頭にくることはわかる!だがな、もしアイツらを殺ってしまったら黒歌、お前は仲間を…信頼を全て失うぞ!そして何より、ダンテがそんなことを望まない!!」

 

その言葉に黒歌はハッとし自分の少し血が付いた手を見て震え出した!自分はなんてことを⁉︎もう少しで取り返しのつかないことをするところであったと!黒歌は膝をつくとデビルトリガーを解除して涙を流して顔を覆った。白音もデビルトリガーを解除すると涙を流して黒歌を抱きしめた。

 

「うぅ…ごめんなさい…ごめんなさい‼︎」

 

黒歌は泣きながら謝罪した。そんな黒歌にティアはやれやれと溜め息を吐き黒歌の前に膝立ちすると肩に手を置いた。

 

「まぁ、今回は事を起こす前に止められたからよかった。いいか黒歌?ダンテは生きている。ならば私達はダンテが帰ってくるまでの間この町を死守するんだ、それが今私達がするべき使命だ!わかるな?」

 

「で、でもダンテを探さなくていいの?」

 

「ダンテの捜索はオーフィスに任せてある。だから私達はムンドゥスの手からこの町を守るんだ」

 

自分達がやるべきことを聞かされ黒歌は数秒間黙っていたが、ゆっくり立ち上がるとティアの顔を見て頷いた。

 

「わかったにゃティア姉、あたし、やるにゃ!ダンテが戻るまでの間この町を守るにゃ!」

 

その目はさっきとは違う決意の籠った目だった。

 

「あぁ!一緒に頑張ろう‼︎」

 

ティアは黒歌の手を握ると抱きしめた。その様子をリアス達は後ろで微笑んで見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ムンドゥスによって遥か彼方へ飛ばされたダンテは町からかなり離れた渓谷地帯の廃墟にいた。ほとんど太陽の光が届かない崖下でダンテは血まみれの状態で意識を失っていた。

 




久しぶりにバーニィの登場。

次回から町の攻防戦!お楽しみに!
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