ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

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ついにダンテ発見と復活!


第96話 復活のデビルハンター!ダンテ覚醒‼︎

ダンテ行方不明から一ヶ月が経った。

町ではより一層激しくなったクリフォトと雑兵悪魔達の攻撃とリアス達の防衛が繰り広げられていた。ライザーがイフリートを手に入れたことにより戦力が増した為、ライザーとそれを気に入ったサイラオーグは素手で雑兵達を蹴散らしていた!

 

「いいぞその調子だライザー・フェニックス!拳のキレが増しているな!」

 

「だがまだまだだ、俺はまだこの相棒の力を完全に発揮し切れていない!俺はもっと強くなってこの世界を救ってみせる!くらえ!マグマドライブ!!」

 

「いい拳だ!俺も負けてられん!ハアアアアッ!!」

 

ライザーは炎を纏ったアッパーを繰り出し、サイラオーグも笑みを浮かべて拳のラッシュを放った。その様子を見ていたリアス達はライザーは少し変わったと思った。

 

「…なんかライザーさん、ちょっと変わりましたね?」

 

「えぇ…今までの彼とは違うわね。何か吹っ切れたみたいな、傲慢さが無くなった感じね」

 

「やっと戦士の顔になったと言う感じだな。ほらお前達?ぼさっとしていると奴に先を越されるぞ?」

 

ティアもライザーの姿に関心するとリアス達に声を掛けた。士気も上がりリアス達は気合い入れて戦闘を続けた、ダンテが帰ってくることを信じて…

 

「ダンテ、早く来てくれ…」

 

 

 

一方、この一ヶ月間ダンテを探し続けていたオーフィスは町から数百㎞離れた渓谷地帯に来ていた。ほとんど食事も摂らず不眠不休だったがオーフィスにとっては何の問題も無かった。

 

「ダンテ 何処?」

 

ダンテの名を呟きながら歩いていると崩壊した教会に似た建物の残骸が見えてきてオーフィスは中に入っていった。廃墟である筈なのだが壁などに設置された蝋燭には火が灯されており、内部がよく見えていた。調べてみると廃墟の一室には鎌や巨大な出刃包丁型の武器を持った悪魔達が潜んでおり完全に悪魔達の住処になっていた。悪魔達はオーフィスを見ても特に襲ってこなかった…と言うよりオーフィスの魔力で近づけなかった。オーフィスも気にすること無くそのまま通り過ぎた。

建物を抜けると建物の裏庭の様な広大な広場であったが、そこにはムンドゥスの城の内部で遭遇した異形の悪魔ノーバディが三体いた。相変わらず奇声と奇妙な踊りをしていた。

 

「何してるの?……‼︎」

 

ノーバディの行動を不思議に思っていたオーフィスは同時に強大な魔力を感じ取り上を向いた!そこにはダンテが持っていた魔剣スパーダが建物の外壁に突き刺さっていた!ノーバディ達の動きは魔剣スパーダを崇める踊りと言ったところだろう。

 

「魔剣スパーダ」

 

オーフィスが呟くとその声に気づいたノーバディ達は踊りをやめて各自戦闘態勢を取るとオーフィス目掛けて飛びかかってきた!しかしオーフィスは慌てることなく片手を向けた。

 

「邪魔」

 

ズッ…ゴオッ!!

 

次の瞬間!オーフィスを中心に一瞬景色が歪むと凄まじい衝撃波が発生しノーバディ達は大きく抉れた地面と共に遠くに吹き飛ばされていった!!その影響で廃墟の建物も崩壊し外壁に突き刺さっていたスパーダも落下しオーフィスのすぐ側に音を立てて落ちた。

 

「…………」

 

オーフィスは目の前にあるスパーダを見つめると無言のままスパーダの柄を掴んだが…持ち上がらない。

 

「ん 重い」

 

スパーダは力と心を兼ね備えた者しか持てない、オーフィスは力はあるのだが心が欠けていた。その時、スパーダに埋め込まれたアミュレットが何かに反応する様に輝き出した!オーフィスはスパーダを片手で引きずりながら反応が示す崖下を覗き込んだ、するとそこには…

 

「ダンテ…」

 

ダンテがいた!ついに見つけた‼︎全身血まみれだったが間違いなかった!オーフィスはスパーダと一緒に落下する様に崖下に降りた。オーフィスはスパーダを置くとダンテの頬に手を当てた…生きている!体温は大分下がっていたがダンテは生きていた。

 

「ダンテ」ペチペチ

 

オーフィスはダンテの頬を叩きながら呼んだがダンテは目を覚さない…どうすれば。すると再びスパーダが激しく反応し始めた!まるでダンテを求める様に…

 

「スパーダ ダンテを起こせる?」

 

オーフィスはスパーダの柄を掴むと引きずりながらダンテの側にスパーダを持っていった。スパーダをダンテに近づけるとダンテの体からも同様の光が出た!これはもしかして!オーフィスはスパーダをダンテに突き刺そうとしたがスパーダは持ち上がらない、するとオーフィスの体が光り出し姿が変化した!その姿は…漆黒の悪魔、魔剣士スパーダであった!!スパーダの姿になったオーフィスは魔剣スパーダを持ち上げると振り上げた。

 

 

その頃、意識の中でダンテは仰向けに倒れて眠っていた。ムンドゥスに敗北してからずっと眠ったままだったが、体が目覚めない為ダンテもしょうがないと思って眠り続けていた。するとそこへ足音が近づいてきてダンテの前で止まると声を掛けた。

 

「起きろダンテ、いつまで寝ているつもりだ?」

 

「…う〜…ん……もう少し寝かせ…痛で!?」

 

ダンテは背中から掬い上げる様に蹴られ飛び起きた!

 

「ててて…何だよ、起こすならもう少し優しく起こしてくれよ?バージル」

 

ダンテは乱暴に起こした双子の兄バージルを睨んだ。

 

「フン、優しくなど知らん。いつまでも寝ているお前が悪い」

 

バージルは鼻を鳴らしてそっぽを向いた。相変わらず口下手な兄貴だぜ…ダンテは背中を摩りながら体を起こした。胡座をかくダンテにバージルは目つきを鋭くすると尋ねた。

 

「貴様、いつまでここにいるつもりだ?」

 

「…あぁ…わかってるよ。でもよ、お前だって見ただろ?ムンドゥスにはスパーダでさえ敵わなかったんだぜ?俺が戻っても勝てるのかよ…」

 

ダンテは顔を伏せると顔を顰めた。その姿を見たバージルは心底呆れた。

 

「情けない奴だ、たった一度敗北したくらいで臆病風に吹かれおって。そんなことでは親父も泣くぞ?はっきり言って今のお前に継承者の資格は無い」

 

「そんなこと言ってもどうすりゃいい?」

 

ダンテはバージルに意見を求めるとバージルは溜め息を吐いて忠言した。

 

「自分だけで解決出来んとは仕方の無い奴だ。では貴様に一つ教えておいてやる、閻魔刀は人と魔を別つ、ではリベリオンは?」

 

「リベリオンは……ッ‼︎」

 

その言葉にダンテはハッとした!ダンテの様子にバージルはフッと笑うと背中を向けて去り始めた。

 

「後は自分で確かめることだ、ではさらばだ」

 

…なんかコイツ少し丸くなったか?去っていくバージルをダンテはそう思いながら見ていたがバージルは立ち止まると追加忠告した。

 

「あぁそれと、早く目覚めた方がいいぞ?」

 

「あっ?何でだよ?」

 

「フッ、それは目覚めてからのお楽しみだ」

 

バージルはその場から姿を消した…何だよ一体?ダンテは不思議に思ったが、バージルのその言葉を最後にダンテの意識は目覚めていった。

 

 

意識が戻ったダンテはゆっくり目を開けたが、思わず目を疑った。目の前には魔剣スパーダを顔に突き立てようとしている…父親の魔剣士スパーダがいたのだ!何で親父がここに⁉︎死んだ筈じゃなかったのか⁉︎そう思っているとスパーダの姿が突然オーフィスの姿に変わった!

 

「あ ダンテ 起きた」

 

…ズルッ‼︎

 

「うおっ!?」

 

次の瞬間オーフィスの手からスパーダがずり落ちダンテの顔面に落ちてきた!ダンテは咄嗟に首を動かし避けるとスパーダはダンテの顔スレスレに地面に刺さった!

 

「…あっぶねぇ〜…もう少しで串刺しになるとこだったぜ。流石の俺もこれで顔を刺されたら死んじまうぜ。よぅオーフィス、久しぶり…か?ずいぶん荒っぽい起こし方だな?」

 

「うん スパーダがダンテを求めていたから」

 

オーフィスは説明をすると頷いた。ダンテは起き上がると硬くなった体の関節を鳴らして伸びをしながらオーフィスに聞いた。

 

「あ…あぁ〜…体がバキバキだぜ。それで?俺はどれくらいここにいたんだ?」

 

「どれくらい…??」

 

オーフィスはコテンと首を傾げた…おっと、こいつには難しい質問だったな。ダンテは頭を掻くとわかりやすく聞こうとしたが、その時ダンテの中から声が響いた!

 

「「「おぉ主!目覚めたか!」」」

 

ダンテの体から光の球が五つ飛び出してくると形を変えていった!出てきたのは相棒の魔具達だ!

 

「「「主が意識を失っている間、我々も意識を封じられていたのだ」」」

 

「「無事に目覚めて何よりだ!」」

 

「久しぶりの外ね、あぁ♡空気が美味しいわ♪」

 

喋れないゲリュオンとドッペルゲンガー以外の三体は意見を述べるとダンテ同様体を動かしたりしていたがネヴァンが状況の説明した。

 

「手短に言うわダンテ、あなたはムンドゥスに敗北してからここに来て今日で丁度丸一ヶ月になるわ」

 

「一ヶ月もかよ?っことはオーフィスは一ヶ月間ずっと俺を探し続けていたのか。ありがとよオーフィス」

 

ダンテはオーフィスにお礼を言うと頭を撫でてあげた。

 

「「「主よ!急いだ方がよいぞ!主がここにいる間にムンドゥスによる進行は間違い無く進んでいる筈だ!一刻も早く戻らねば!!」」」

 

ケルベロスが戻る様に急かせたが、ダンテは地面に刺さったスパーダを引き抜いた。

 

「わかってる、だが今のままの俺ではムンドゥスには勝てないしミッテルトの仇もとれない、だから戻る前に今からある所に行く。お前ら、ついて来るか?」

 

ダンテは少し破れていたが腕に結んだミッテルトの黒いリボンを見て魔具達を見渡すと返事を待ったが、魔具達は跪く様に頭を下げた。

 

「「「我らは主に魂を捧げた身、主が向かう所ならば何処まででも付き合おう。皆もよいな?」」」

 

「「異論は無い」」

 

「えぇわかったわ、でもなるべく早く済ませましょうね?」

 

魔具達は頷くと光の球に戻りダンテの体の中に戻った。ダンテはお礼を伝えるとスパーダを肩に担いだ。

 

「いくぞオーフィス」

 

「うん」

 

オーフィスがダンテの背中に貼り付くとダンテはある場所へと歩いて行った。そこに行けばバージルの言葉の答えがわかる筈だ!

 

 

 

同じ頃、リアス達は攻防を続けていた。相手が雑兵なので苦戦はしなかったが倒しても倒しても次々と湧いて来る悪魔達に軍の兵士達も少しずつ犠牲になっていった。しかしリアス達は諦めなかった。

 

「皆!あまり無理をしないで!私達に任せて下がって!」

 

リアスは犠牲者を増やさない為に兵士達に下がる様に叫んだ!リアスの判断に隊長は無理をしない様に忠告すると兵士達と引き下がった。

 

「でも部長!このままだと俺達も限界になりますよ!」

 

「わかっているわ!でも私達が諦めたら町は終わりよ!」

 

「リアス・グレモリーの言う通りだ!気合いを入れろ兵藤一誠‼︎私達は最後の砦なのだぞ⁉︎決して諦めるな!そうすれば必ず勝機はある!!」

 

「ティアさん…」

 

ティアに喝を入れられイッセーは拳を握ると手を打ち付けた!そうだ!俺達はダンテさんが戻るまでこの町を守るって決めたんだ!諦める訳にはいかねぇ!!イッセーは禁手を発動させ悪魔達に向かっていった!

勢いが増したリアス達は次々悪魔達を蹴散らしていったが、その時空中に赤い三つの光が現れた!ムンドゥスだ!!

 

「ムンドゥス!!」

 

リアス達はより一層警戒して構えた!

 

『フッフッフッ、無駄な足掻きを続ける愚か者共め、ではその力に敬意を表し我が直々に相手になってやろう!』

 

ムンドゥスは魔力を溜めると魔弾を放ってきた!リアス達は避けたが巨大なクレーターが出来た!とんでもない力だ!リアス達は攻撃をかわしながらムンドゥスに反撃したが今のムンドゥスには体が無い為ダメージが無かった。ムンドゥスは笑いながらリアス達に攻撃を連射したが、ムンドゥスはリアス達が笑っていることに気づいた。

 

『…ん?笑っているのか貴様ら?』

 

…強大な力の前に気でもおかしくなったのか?

 

「フフ、そうね。確かに私達では貴方には敵わないかもしれない…でも、私達には希望があるわ!」

 

「俺達は待っている!」

 

「えぇそう!ダンテさんをね!」

 

『ダンテだと?フッ、笑わせる。奴は前に我に敗北したではないか!』

 

リアス達の希望だと言う名を聞いたムンドゥスは鼻で笑ったがリアス達は続ける。

 

「でも僕達は信じている!」

 

「そうだ!彼の帰還を!」

 

「たとえ離れていても…」

 

「…いつ何処にいても」

 

「私達の心はあいつと一つだ!!」

 

『そして必ず…お前を倒す‼︎魔帝ムンドゥス!!』

 

リアス達は魔力を纏ってムンドゥスを指差すと同時に叫んだ!!その言葉を聞いたムンドゥスは舌打ちすると巨大な魔法陣を展開した!

 

『フン、くだらん!ならばその希望とやらが戻る前に貴様らに引導を渡してやろう!出でよギルガメス!!』

 

足音と共に魔法陣からとてつもなく巨大な四足歩行の全身黒い金属の様な怪物が現れた!

 

『ゆけギルガメス!奴らを踏み潰せ‼︎』

 

ギルガメスはゆっくり動き出すと長大な足を振り上げてきた!

 

「デ、デカい!何だコイツは⁉︎」

 

「いくぞ木場!」

 

「うん‼︎」

 

ゼノヴィアと祐斗は剣を構えてギルガメスに振り下ろしたが二人の剣は鈍い音を立てて大きく弾かれてしまった!しかも祐斗の聖魔剣は折れていた!

 

「ドラゴンラッシュギドラ!!」

 

二人を下がらせたティアがドラゴンラッシュギドラを放ったがギルガメスの体には傷一つ付いていなかった!

 

「なっ⁉︎馬鹿な無傷だと⁉︎」

 

「下がれティアマット!奴の体は金属だ、ならば俺に任せろ!いくぞイフリート!キック13!!」

 

ライザーがイフリートの力を足に纏った回し蹴りを繰り出した!蹴りを受けたギルガメスの足は表面の金属が溶けた!足が一部溶けたギルガメスはバランスを崩して倒れ込んだ!

 

「今よ皆‼︎」

 

リアス達はギルガメスに一斉に攻撃を仕掛けた!

 

 

 

その頃、ダンテとオーフィスは渓谷地帯からあの場所へと向かっていた。天気はいつの間にか雨が降り二人はびしょ濡れのまま歩いていた。しばらく歩き続けると二人は目的の場所に着いた。そこは大きな屋敷で所々崩壊していたが、ダンテは懐かしむ表情で見ていた。オーフィスもダンテから降りると屋敷を見つめた。

 

「ダンテ 何ここ?」

 

「ここか?ここは…俺の家だ。懐かしいぜ、あの時のままだ」

 

ダンテは目的の場所…自分の家の玄関の扉を開けると中に入った。中も酷く荒れていたが、屋敷内を進むダンテの目に当時の暮らしが蘇ってきた。リビングで家族と笑って過ごした日々、バージルと喧嘩して母さんに叱られて二人で泣いたこと、母さんが鼻歌を歌いながら料理を作っていたキッチン…などなど、かつてこの屋敷で過ごした思い出が思い出される。だがその日々が戻ることはもう無い…永遠に。そんなダンテにオーフィスは黙ってついて行ったが、二人は壁にダンテ達家族が描かれた肖像画が掛けられた部屋にたどり着いた。その部屋は天井が壊されており雨で濡れていた。

 

「ダンテの家族?」

 

オーフィスも肖像画を見て描かれている人物達がダンテとその家族だとわかった。しかし父スパーダは顔の部分が削られて見えない状態だった。肖像画を見ていたダンテは語り始めた。

 

「…俺が悪魔の力に目覚めたのは、バージルにコイツで胸を刺された時だった…」

 

ダンテはコートの後ろから折れたリベリオンを取り出した。

 

「ずっと考えていた、親父が何故俺にリベリオンを与えたか…」

 

「ダンテ…?」

 

オーフィスはダンテが何を言いたいのかわからず首を傾げていたが、ダンテはオーフィスの方を向くと笑みを浮かべた。

 

「フッ、俺も今まで色んな奴に刺されたり貫かれたりしてきたが、こんな日が来るなんてな……フン!!」

 

ダンテはリベリオンを逆手に持ち替えると勢いよく自らの腹に突き刺した!!

 

「えっ…?ダンテ…何を?」

 

流石のオーフィスもダンテの突然の行動に驚いた。

 

「…ぐっ!…閻魔刀は…人と魔の両者を別つ…だとしたら…リベリオンは……ぐうぅ!!」

 

ダンテは出血する腹にさらにリベリオンを深く刺した!するとリベリオンはダンテの体に吸収される様に消えた!その時、見ていたオーフィスはある異変に気づいた!

 

「‼︎スパーダを吸収してる?」

 

そう、ダンテが背負ったスパーダも輝き出すとダンテの体に吸収され始めたのだ!リベリオンとスパーダを吸収したダンテの体は激しく脈打ち出し凄まじい魔力の渦が発生した!

 

「ぐうぅ…‼︎ぐあっ…うっ…くぅ……ウアアアアアァァァァアアアアッ!!!!」

 

ダンテの叫びと同時に凄まじい衝撃波が発生し屋敷の壁や床などが一気に崩壊した!オーフィスも軽く後方へ吹き飛ばされ、体を起こしてダンテの姿を見て驚愕した!

ダンテは、全身から炎の如く激しい魔力が噴き出す巨大な四枚の翼を持つデビルトリガー時よりもさらに禍々しい魔人の姿に変わっていた!!

 

「フゥ…フゥ…フゥ…フゥ…!」

 

頭を上げて呼吸を整えたダンテは自分の姿を見てオーフィスに目を向けると翼を広げ凄まじい速度で飛び去った‼︎

 

「ダンテ よかった これで元通り」

 

残されたオーフィスは飛び去ったダンテ見ていたが、少し笑みを浮かべて呟くと風の様にその場から消えた。

 

 

 

ギルガメスと戦っていたリアス達は苦戦を強いられていた。体が異常なまでに頑丈でライザーのイフリートでようやくダメージを与えることが出来たところまではよかったのだが…全員で弱点と思われるコアを攻撃しようと背中に乗った瞬間!ハリネズミの如く無数の棘が生え負傷した挙句触手から放ったレーザーで吹き飛ばされたのだ!

 

「ぐっ!まさかこんな攻撃手段があるなんて…」

 

「皆さんしっかりしてください!」

 

足を負傷しライザーと飛んでいた者以外がアーシアに治療されていた。ギルガメスはコアを収納し体を起こすと溶けた足を再生させた!しかもより強靭に。

 

「くそっ、再生能力もあるのか!」

 

ライザーは再びギルガメスの足を攻撃したがギルガメスの体はさっきより頑丈になっておりイフリートでも僅かな傷しか付かなかった。

 

『フフフ、さっきまでの威勢はどうした?さぁギルガメスよ!奴らにとどめを刺せ!!』

 

ムンドゥスが命令するとギルガメスは後ろ足で立ち上がると前足を振り上げてきた!リアス達は防壁を展開し身構えたが、その時!凄まじい衝撃波と共にリアス達の前に人影が現れた‼︎ギルガメスもその衝撃で仰向けに倒れた。リアス達の前に現れたのは巨大な四枚の翼を広げた凄まじい魔力を纏った異形の魔人だった!突然現れた魔人にリアス達は驚きを隠せなかったが魔人から感じた魔力にある可能性を予感した。

 

「この魔力の波動…まさか‼︎」

 

その時、ひっくり返ったギルガメスが体を起こすと触手からレーザーを魔人に放った!しかし魔人は避けずにレーザーを弾いた!レーザーを弾かれたギルガメスは唸り声の様なものを上げると足を振り上げたが、魔人は手に巨大な有機的な装飾の魔剣を出現させると刃を開き円を描くと紅い魔力の剣を展開させ、掲げるとギルガメスに振り下ろした!その瞬間、ギルガメスの体はコアごと真っ二つに両断され倒れた。なんて力だ!あのギルガメスを一撃で⁉︎

魔人はギルガメスから出た光の球を吸収すると着地し光り出した!光が弱まるとそこには…両手両足に黒っぽい艶の金属の籠手と具足を装着したダンテがいた!!

 

「ほぅ、こいつはいい。失ったベオウルフの代わりに丁度いいぜ」

 

ダンテは新しく手に入れた魔具のギルガメスの籠手と具足で突きや蹴りを繰り出し笑みを浮かべるとギルガメスをしまった。

 

「ダ…ダンテ?」

 

「ん?よぅお前ら…帰ったぜ」

 

呼ばれて振り向くとリアス達は信じられない表情で震えてダンテを見ていた。

 

「ダンテ!!」

 

「ダンテさん!!」

 

リアス達はダンテに駆け寄ると抱きつき泣き出した!

 

「ダンテェ!!もう、何処に行ってたのにゃ‼︎このバカァァァッ!ああぁぁぁん!!」

 

「兄様のバカァァッ!!うぅ…うあぁぁぁん!!」

 

「ダンテさん!信じてましたわ!あなたは絶対に生きていると!グスッ‼︎おかえりなさい!!」

 

「心配させたなお前ら、悪かったな」

 

黒歌と白音は泣き叫び朱乃は涙を流して抱きしめた。ゼノヴィア達も涙を流してダンテに声を掛けた。すると後ろから見ていたティアがダンテの前に来た。

 

「ダンテ、私は信じていたぞ、お前は必ず帰ってくると…おかえり!」

 

ティアは優しくダンテを抱きしめた。

 

「あぁ…戻ったぜ、相棒」

 

ダンテも片手でティアを抱いた。彼らを見ていたリアスも涙を拭うと改めてダンテに声を掛けた。

 

「ダンテ、無事に帰ってきてくれて何よりだわ。改めておかえりなさい!」

 

「あぁ、俺がいない間町を守ってくれたみたいだな?ありがとよ。さぁ、感動の再会はここまでにして…リベンジといこうぜ?こっから反撃だ‼︎」

 

その言葉にリアス達の表情も一変した。既にムンドゥスは消えていたが、ダンテは新たな剣、自分と同じ名がついた魔剣ダンテをムンドゥスがいるマレット城に向けた!

 

「待ってろよ、魔帝ムンドゥス!!」

 

 




真魔人に覚醒し、ギルガメスも手に入れました!

次回、マレット城再突入!お楽しみに!

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