新たな力、新たな魔剣、新たな魔具を手に入れ無事に帰ってきたダンテは、再会したリアス達と共にデビルメイクライに戻ってきた。別の場所に行っていたレディとモリソンも合流しまずは再会を喜び合った。
「やっぱり生きていたかダンテ!無事に戻ってきてくれてなによりだ」
「まったく…アンタは殺しても死なないわね」
モリソンとレディはそれぞれダンテに労いの言葉を掛けた。
「ハハ、喜んでんだか貶してんだかわからねぇぞ?」
「何を言ってるのダンテ?喜んでるに決まってるでしょう?」
「そうにゃ!あたしの大切なダーリン♡もう離さないにゃん‼︎」
「…姉様ズルいです!」
「あらあら、私も忘れないでくださいね?」
苦笑いしていると黒歌と白音と朱乃が抱きついてきて嬉しそうに顔を擦り付けた。そんな彼女達をダンテはやれやれと思いながら肩を抱いた。
ゼノヴィア達は壁に立て掛けてあるダンテの新たな魔剣…魔剣ダンテをまじまじと見つめていた。リベリオンと同じく両刃、スパーダの様な刃の面に施された生物的な装飾、柄頭に埋め込まれたアミュレットなど、リベリオンとスパーダの特徴を併せ持つ剣だ!興味深そうに見ていたゼノヴィアと祐斗は持ち上げようとしていたが…スパーダ同様やはり持ち上がらない。
「うーむ、やはり重いな」
「うん、びくともしないね」
「しかも名前がダンテさんと同じだから少し紛らわしいな」
魔剣ダンテはリベリオンやスパーダ同様意思を持つ剣だ、使い手を選ぶってことなんだろう。ちなみにスパーダを持ち上げることが出来たティアも簡単には持てなかった。呼び方は頭に魔剣を付けることで区別することで決まった。
「さてお前ら、再突入前に作戦会議といこうぜ?」
◇マレット城 玉座の間
ムンドゥスが座る玉座の前に幹部悪魔のグリフォン、ファントム、ベオウルフ、それからネロアンジェロに似た身の丈程の魔剣を持った騎士と剣と盾を装備した同じ姿をした騎士が四体いた。それぞれムンドゥスの前に跪き整列していた。ムンドゥスは表情を険しくすると話し始めた。
「ダンテが…戻ってきた、更なる力を得て」
その言葉に幹部達は一斉に頭を上げた!
「なんと!生きていたのか⁉︎」
「ムンドゥス様の攻撃を受けて無事だったとは…」
「フフフ…流石はスパーダの息子と言ったところか、これでまた復讐の続きが出来る‼︎」
グリフォンとファントムはダンテが生きていたことに信じられない表情をしていたがベオウルフは拳を握り笑っていた。
「奴はまたこの城にやって来るだろう、あの異界の者達と共に。今度こそ息の根を止める、各自持ち場に戻れ、奴らを一人も逃すな!」
『御意!ムンドゥス様の仰せのままに!!』
グリフォン達は頭を下げると電撃や炎を纏いその場から姿を消した。
「お主も…わざわざ魔界から呼び寄せてすまんな、頼んだぞ?」
「「「お任せあれ!」」」
一番後ろにいた三つ首の悪魔も頭を下げると魔法陣で転移していった。幹部達がいなくなるとムンドゥスは玉座の隣にある禁断の果実を見て笑みを浮かべた、その実は前より確実に成長していた。
「フフフ…もう少しだ、もう少しで完成だ。さぁ、早く来いダンテ!今度こそ貴様をスパーダ同様地獄へ送ってやる!それでは始めるとしよう」
玉座から立ち上がると両手を広げて強大な魔力を纏い巨大な魔法陣を展開した!
「我、ここに魔界への道を開かん!!」
魔法陣が光り出すと玉座の間がゆっくり揺れ出し徐々に揺れが大きくなるとマレット城全体が揺れ始めた!
その揺れの影響は町にも及び、町では騒ぎになっていたが、その叫びは絶望へと変わった!揺れと共にマレット城の形が変化していったのだ!元々テメンニグルに匹敵する大きさであったマレット城は地面から出てきた大量のクリフォトが絡みつくと融合し塔の如く空高く伸びていった!その姿はまるで起動したテメンニグルだった!しかしそれよりもさらに高く頂上は見えなくなっていた!揺れが収まり変形が完了したマレット城の頂上でムンドゥスは腕を組んで見下ろしていた。
「フフフ、素晴らしい!まさに神が立つに相応しい光景だ!これで舞台は完成だ、貴様ら人類を滅ぼす舞台がな!さぁ早く来るがいいダンテ!待っておるぞ!フハハハハハハハ!!」
ムンドゥスは笑いながら玉座に座った。
▽
「ふぅ、やれやれ…やっと揺れが収まったか。おいお前ら?大丈夫か?」
「凄い揺れだったわね、皆怪我は無い?」
「はい、大地震なんてレベルじゃなかったぜ」
激しい揺れが収まりダンテ達は少し荒れたデビルメイクライから出て無事を確かめ合った。そして揺れの元凶を見て言葉を失った。
「おいおい、何だよありゃ?」
「なっ⁉︎何だあれは⁉︎マレット城…なのか?全く面影が無いぞ⁉︎」
「頂上が見えないにゃ、まるで塔にゃ」
ダンテはもちろんリアス達も全く面影が無くなったマレット城の姿に驚きを隠せなかった。一体何が起きたってんだ?城全体からクリフォトの魔力を感じる、クリフォトと融合したのか?
「フッ、ムンドゥスの野郎も本気になったってとこか」
「ならばダンテ、その想いに応えてやろうではないか!今こそ奴の城へ突入しよう!私達はいつでもいいぞ!」
ティアが気合いを入れてダンテに呼び掛けるとサイラオーグ達も拳を打ち付けたりして気合いを入れてダンテを見ていた。
「私達もいつでも準備は出来てるわ!」
「あぁ!今こそ突入し奴を倒してこの世界を救うんだ!」
「さぁ!ダンテさん‼︎」
リアス達は準備万端と言った感じだった、しかしダンテは全員の顔を見渡すと声を掛けた。
「お前ら、いい気合いのとこ悪いが…奴の城には全員では乗り込まねぇ」
「えっ?ど、どうして⁉︎」
気合い充分だったリアス達はダンテの言葉に納得出来なかったが、ダンテは落ち着かせると説明した。
「まぁ聞け、あの城から感じる魔力から前より厳しい戦いになるし死ぬ確率も上がるかもしれない…なら全員で行った方がいいと思うが、それだと町を守る役がいなくなっちまう。これだけの魔力だ、町に被害が出ないとは思えない。軍だけでは心配だ、そこでこれから城に突入するやつと町を守るやつを分ける。今から名前を呼ぶ」
納得していなかったリアス達はダンテの決断に黙り真剣な表情になった。ダンテは頷くとまず突入する者の名前を呼び始めた。
「じゃあまず突入するやつ、ティア、黒歌」
「うむ」
「任せてにゃ!」
ティアと黒歌は返事をすると頷いた。
「サイラオーグ、ライザー」
「嬉しいぞダンテ!」
「このフェニックスに任せな!」
サイラオーグとライザーは拳と炎を打ち付けた。
「リアス、イッセー、アーシア、祐斗、ゼノヴィア、白音…以上だ」
リアス達も気合いを入れて返事をして頷いたが、名前を呼ばれなかった朱乃達は表情を落としていた。
「今呼んだやつで城に突入する。呼ばれなかったやつは…悪いが町の防衛に回ってくれ、朱乃、ギャスパー、ロスヴァイセ、イリナ、レディ、頼めるか?」
朱乃は黙っていたがレディやロスヴァイセ達は納得し了承した。すると朱乃は悲しそうな表情のままダンテの前に来るとそっとダンテを抱きしめた。
「一緒に行けないのは残念ですが…町は私達が命を懸けて守ります。だから…必ず生きて帰ってきてくださいね?私は信じていますわ、ダンテさんの勝利を!それでは、いってらっしゃい『あなた』」
朱乃は微笑むと唇を重ねた。その逆プロポーズと思える言葉と行為にリアス達は驚きながら微笑み、レディは顔を赤くして驚きモリソンは口笛を吹いていた。朱乃は唇を離すと名残惜しそうに共に町を守る者達の所に戻った。
「朱乃…わかった、必ずムンドゥスをぶっ倒して帰ってくるぜ。それまで町を頼んだぞ!」
「はい!!」
「オーフィス、悪いがお前も今回は残ってくれ。朱乃達と町を守ってくれ」
「わかった 我 この町守る」
いつの間にかこの町に戻っていたオーフィスにも町の防衛を頼んだ。するとダンテの体からネヴァンが出てきた。
「ダンテ、私も残るわ、朱乃ちゃん達の手助けをしてあげたいの。朱乃ちゃん、一緒に頑張りましょう?」
ネヴァンは朱乃に呼び掛け朱乃は笑顔で握手した。イリナも祈りを捧げて、これで準備は整った。
「任せたぞネヴァン。それじゃ…行くとするかお前ら!」
呼び掛けると突入する者達は目つきを鋭くさせ力強く頷いた!さぁリベンジだ!待ってろよ魔帝ムンドゥス!今行くぜ!!ダンテ達は朱乃達に見送られながら巨塔と化したマレット城へ向かった!
○●○
マレット城の前に着いたダンテ達。城の周りは前と違い結界も無く雑兵悪魔もいなかった、これは早く入って来いってことか。突入する為に各自装備などを確認し城の入り口に回ったダンテ達だが、そこで強大な魔力を感じ岩陰に隠れた!感じる魔力的に幹部クラス!ダンテ達は岩陰から魔力の主を確認した、そこには金色っぽい体色の三つ首の魔獣がいた!それぞれの首には炎、雷、氷の力を纏っている!
「おぅ?なんか見たことあるワン公がいるな?おいケルベロス?アイツお前の仲間か?」
門番をしている三つ首の魔獣のことを魔具のケルベロスに聞いたがケルベロスから驚愕の声が帰ってきた。
「「「なっ⁉︎そんな馬鹿な!何故あのお方がここにおるのだ⁉︎主よ、あのお方は我がケルベロス一族の王…キングケルベロスだ!まさかムンドゥスの手に堕ちていたとは…!無念!」」」
「…キングケルベロス?」
ケルベロスから衝撃的な言葉を聞き、一族の王がムンドゥスの手に堕ちていたことにショックを受けたケルベロスにリアス達が慰めの声を掛けていたが、その時ダンテ達の気配にキングケルベロスが気づいた。
「そこにいるのはわかっておるぞ!」
「隠れても無駄だ!」
「大人しく出て来い!」
キングケルベロスはそれぞれの首で叫んだ!ケルベロスと違い各首は意思を持っているらしい。バレているならしょうがないのでダンテ達は岩陰から出てキングケルベロスの前に来た。
「貴様がムンドゥス様が言っていた魔剣士スパーダの息子か!」
「我らはムンドゥス様の命によりこの城を守りし者なり!」
「ここを通りたければ我らを倒すことだ!」
キングケルベロスは三つの首と三つの力でダンテ達を威嚇したがダンテは鼻で笑って返した。
「フッ、何だ?キングでも門番やってんのか?やっぱ所詮ワン公だな、来いよワンちゃん?散歩してやるよ!」
ダンテは軽いフットワークと手招きして挑発した。その行為にキングケルベロスはキレた‼︎
「愚弄する気か!下等生物がァ‼︎」
「ムンドゥス様の元にたどり着く前にここで終わりにしてくれる‼︎」
「貴様の肉を食い尽くし骨まで平らげてくれるわ‼︎」
キングケルベロスは凄まじい魔力を解放し戦闘態勢を取り、ダンテ達もアーシアを下がらせ同じく構えたが、その時ダンテの体からケルベロスが飛び出してきた!
「「「待て!!」」」
「ケルベロス…」
突然出てきたケルベロスにキングケルベロスも驚いた。
「貴様は⁉︎我が一族の者か!」
「何故その者とおるのだ⁉︎一族の掟を忘れたか!」
「一族の面汚しめが!」
キングケルベロスはケルベロスに罵声を浴びせたがケルベロスは冷静に答えた。
「「「確かに我はかつてテメンニグルの門番をしてこの者に敗れ魔具となった。だが我はこの者に仕え共に歩み共に世界を見てきたのだ!主に仕えることで新たな道があるということを!」」」
確かにケルベロスは魔具の中でも真面目で忠実だった、デビルメイクライの番犬も嫌がらず引き受けてくれたし何処へ行ってもついて来てくれた。
「それが一族の掟に反することでもか?」
「「「無論!我の心は変わらぬ‼︎」」」
ケルベロスの忠誠心にダンテとリアス達は心を打たれた。しかしキングケルベロスは…
「いいだろう、ならば其奴と共にここで死ぬがいい!」
「掟に背いたことをあの世で後悔するがいい!」
「貴様の体も跡形も無く消し去ってくれよう!」
キングケルベロスは再び凄まじい魔力を纏った!
「何だよ、やっぱやることになんのか。しょうがねぇな!」
ダンテ達も戦闘態勢を取ったが、ケルベロスはダンテ達に呼び掛けた!
「「「主達は先に行け!ここは我が相手をする!主達は早くムンドゥスを‼︎」」」
「ケルベロス…わかった、死ぬなよ?」
「「「承知!!」」」
キングケルベロスの相手をケルベロスに任せたダンテはリアス達とマレット城の入り口に走った!
「行かせん!くらえっ!!」
キングケルベロスの首の一つが雷を放ったがケルベロスが放った氷の塊によって阻止された!
「貴様…!」
「「「貴様の相手は我だ!キングケルベロス‼︎主達には手出しさせん!!」」」
激しい爆音が響く中ダンテ達はマレット城の入り口に到着した!ダンテは振り向くとケルベロスに親指を立て城に突入した。
「貴様、どうしても我らと戦うつもりか?」
「貴様如きが我らに敵うと思うのか?」
「我らに逆らったことを後悔するがいい!」
キングケルベロスは先程よりもさらに強大な魔力を纏い忠告した。
「「「我が王よ、我とてただ主に仕えていた訳ではない。今こそお見せしよう!主と共に歩んできた我の力を!!さあ!参られよ!!」」」
ケルベロスも魔力を解放し両者は激突した!
次回から幹部戦! お楽しみに!