マレット城の門番キングケルベロスの相手をケルベロスに任せてダンテ達はマレット城に突入した!扉の後ろからは激しい爆音と雄叫びが聞こえる!相手を任せたケルベロスが心配だったがケルベロスの覚悟を無駄にしない為にも先に進まなければ!
マレット城の中に入ったダンテ達は周りを見渡していた。巨塔になっただけあって内部の様子も大分変わっていた。以前はホールであったこの階層も今ではほぼ柱しか無くかなり殺風景だった。
「前に来た時とはずいぶん違いますね?」
「えぇ、まさに塔って感じね」
グレモリー眷属は様変わりした城内を警戒して見ていた。見たところ外と同じく雑魚悪魔達はいない様だ。
「さて、これからこの塔を登る訳だが…階段は何処だ?」
ダンテは上を目指す為の階段を探していたが…それらしき物は何処にも見当たらない。代わりに中央に赤く光る大型の魔法陣がある、あれで別の階へ行くのか?それともテメンニグルにあった魔法陣みたいに大ジャンプでもするのか?ダンテ達は魔法陣の前に来た。
「これに乗れってことか?登るより楽かもしれないな」
「だが罠の可能性もあるぞダンテ?」
「そうにゃ、慎重に行った方がいいにゃ」
罠を警戒して全員魔法陣に乗ろうとしなかったがこれ以外進む道は無さそうだ。直接飛ぶと言う手もあるが無駄に体力を使うだけだ。
「まぁ何があるかわからねぇが進もうぜ?どの道進むしか方法は無いんだ。ただし、油断するな?」
悩み続けても仕方ないのでダンテが声を掛けると全員頷き、各自武器や装備を確認して目つきを鋭くさせた。ダンテが頷くと全員が魔法陣の上に乗り魔法陣が輝き出すと転移された。
転移が完了すると目の前に階段がある階層に着いた。ここからは自分で登るのか、ゴールが見えない上かなり長そうだが行くしかない。
「よしお前ら、ここからは体力勝負だ!ムンドゥスの所まで一気に登るぞ、しっかりついて……ん⁉︎」
ダンテは軽く準備体操をして振り向いたが、そこにはリアス達の姿は無くティアしかいなかった!
「なっ⁉︎黒歌!白音!リアス・グレモリー!皆何処に行った⁉︎」
ティアも転移と同時にいなくなった仲間達の名を呼びながら探していたが何処にもいなかった、一体何処に?
「チッ、どうやらあの魔法陣はムンドゥスの罠だったみてぇだな、こんな形で戦力を分散するなんてな」
「バラバラにして私達を各個に撃破するつもりか⁉︎ふざけおって!」
舌打ちしていたその時、ダンテとティアの耳元に小型の魔法陣が現れ消えた仲間達から通信が入った。
『聞こえる?ダンテ?こちらリアスよ。そっちは大丈夫?』
「あぁ、俺はティアと一緒だ。お前らはどうだ?」
『私はイッセーとアーシアと一緒よ。ダンテ、これはやっぱり…』
「そうだ、ムンドゥスの罠だ」
それから別の魔法陣も現れ、それぞれ黒歌と白音、祐斗とゼノヴィアに分かれサイラオーグとライザーは一人になった様だ。バラバラになったがとりあえず全員無事らしい。
「とりあえず今からそっちに向かう、下手に動かずにじっとしてろ」
ダンテとティアはバラバラになった仲間達の所に行こうとしたがリアスは止めた。
『いいえダンテ、あなたは先に進んで』
「⁉︎おい何言って…」
リアスの言葉にダンテは言い返そうとしたが黒歌達からも声が響いた。
『そうにゃ、先に行くにゃダンテ!』
『僕達のことは心配しないでください!』
『グズグズしてる暇は無いぜ!お前の目的は何だダンテ!』
『俺達は絶対に死なん!さぁ行け!デビルハンターダンテ‼︎』
それぞれダンテに呼び掛けた!お前ら…
『そうよダンテ!私達は覚悟は出来ているわ!言ったでしょう?私達を信じてちょうだい!』
リアス達の覚悟にダンテは黙っていたが、ティアがダンテの肩に手を置いた。
「行こうダンテ、あいつらを信じるんだ!」
その言葉にダンテは頷くと顔を上げた。
「あぁ…わかった。死ぬなよお前ら!約束だ」
『ダンテも気をつけてにゃ』
『えぇ約束するわ、この戦いが終わったら全員で会いましょう!』
その言葉を最後に各魔法陣は消えた。必ずムンドゥスを倒して世界を救う!そして全員無事に再会する!!
「よし!いくぜティア!ついて来い‼︎」
「あぁ行こう‼︎」
ダンテとティアはムンドゥスの所に続く長い階段を登り始めた!
「しかし…長いなこの階段?一体何段あるんだ?」
「つべこべ言ってねぇで登れ!」
▽
その頃、マレット城の城門前ではキングケルベロスとケルベロスの激闘が繰り広げられていた!門の前は所々破壊されクレーターだらけであった。ケルベロスはデビルトリガーを発動させ人狼の姿になっていたがやはり相手は一族の王、力の差は歴然でありケルベロスは既に首が一つ破壊されていた。スピードでは勝っていたがパワーではキングケルベロスの方が上であった。
「何度やっても無駄だ!」
「貴様では我らを倒せん!」
「「ッ‼︎ウオオオオオッ!!」」
ケルベロスは飛び上がると体を横に捻り棍を振り回すとリボルバーを繰り出した!
「愚かな…」
キングケルベロスは溜め息を吐くと炎の首から強力な炎を放ちケルベロスを吹き飛ばした!その炎で緑色の目の首も破壊された。
「ぐあぁぁぁぁっ!!!」
ケルベロスは地面に叩きつけられると体勢を立て直し膝をつくと肩で息をしていた。そんなケルベロスにキングケルベロスは問う。
「何故そこまでして戦う?」
「そんなにあの男が大切か?」
「あの男は裏切り者の息子だぞ?」
キングケルベロスの問いにケルベロスは呼吸を整えると答えた。
「ハァ…ハァ…あの者は…主は、我の世界を変えた男だ!己の正義を信じ貫き通す強き信念の持ち主だ!掟に従って生きてきた我にそれ以外の道を教えてくれたのだ!」
ケルベロスはダンテを信じ続けた。実はこのケルベロスはかつてダンテの父スパーダの代から仕えてきた従者であり、スパーダの命によりテメンニグルの門番をしていたのである。そして後にテメンニグルにやって来たダンテに敗れその姿をスパーダの姿に重ねて忠誠を誓ったのであった。
「最後にもう一度だけ聞くぞ?我らの元に戻る気は無いのか?」
「くどい!言った筈だ!我の心は変わらぬと!我はこれから先も主と共に歩み続ける!それが掟に背くことだとしても!!」
ケルベロスの心は変わらなかった!その想いを聞いたキングケルベロスは魔力を解放し構えた。
「…いいだろう」
「出来ることなら同胞には手を掛けたくはなかったが…致し方ない」
「ならば貴様のその覚悟を我らにぶつけてみせよ!それで我らを倒せるならば!!」
「オォ!望むところ‼︎」
ケルベロスも魔力を纏い立ち上がった!しかし既に首は二つ破壊され魔力も残り僅かだ、キングケルベロスに勝つにはこの一撃に全てを賭けるしかない!ケルベロスは残りの魔力を手の棍に込め構えた!キングケルベロスも炎、雷、氷の力を纏い体勢を低くして構え、両者は攻撃の準備が整った。
瓦礫の石が落ちたその瞬間…両者は同時に動き出した!
「「「ハァァァァァ!!これで最後だァァッ!!!」」」
「これが…我の想いの力だァァッ!!受け取れェェッ!!!」
カッ!!
お互いの最後の攻撃がぶつかり大爆発が起こり辺りに突風が吹き荒れた‼︎爆発が収まり光が弱まると両者の姿が見えてきた、ケルベロスとキングケルベロスは数メートルの間を開け背中を向けて立っていた。
ビシッ!…ビシ…ビシ…
しかし、先にケルベロスの体にヒビが入った!
「…あ…ある…じ………すま……ぬ……」
ケルベロスはダンテに謝罪すると崩れ落ち体が崩壊し氷になった。風が吹き、勝利したキングケルベロスは背中を向けたまま呟いた。
「…想いの力…か…フフフ……汝が覚悟、見事なり‼︎」
笑いながらケルベロスの覚悟を認めたキングケルベロスの体には…ケルベロスの渾身の一撃の棍が貫通していた!!
「我らは掟を信じることを生きる喜びとしてきたが…」
「主に仕え共に歩むことでこれ程の力を生み出すとは…」
「確かにそれも新たな道なのかもしれん…」
ふらつきながらキングケルベロスは笑みを浮かべた。
「よかろう、貴様を認めよう、我が同胞よ」
「これからもその忠誠心であの男に仕えるがよい」
「我らの力と体を貴様に授けよう。一族の未来を…貴様に託す」
キングケルベロスの体は倒れると塵となり、炎と雷を纏った氷の塊が残ると崩壊したケルベロスの体に重なった!辺りが光に包まれ光が収まるとそこにはキングケルベロスになったケルベロスが倒れていた。
激闘の末、ケルベロスは力と姿を受け継ぎキングケルベロスとして生まれ変わったのであった!
次回から本格的に幹部戦が始まります。お楽しみに!