初任務から一夜が明けた。
昨夜は事務所に戻ってくると、依頼の報酬とサーゼクスから謝礼として報酬の倍の金額が振り込まれていた。これは嬉しいんだがそのせいで金庫に入りきらなくなっちまった、だから今は不用心だが金庫の上に積み上げてある。今度サーゼクスに金庫も増やしてもらわないとな。
それにしてもあいつらグレモリー眷属は大丈夫だろうか?まぁフェニックスの涙とかいう秘薬を使ったから大丈夫だとは思うが……元気ならまた姿を現わすだろ。
そろそろ起きるか…さて、今日は何をするか?ティアが貰ってきた一般人からの依頼でもやってみるか?どうせ暇だしな。
ベッドから出ると前に黒歌と買い出しに行った際に買った新しい服『1』に着替えた。
一階に降りて顔を洗いにバスルームの洗面台に行こうとしたが、キッチンから音がすることに気づいた。
ジュ〜…トントントン……料理を作っている音だ。
「何だ?黒歌のやつもう起きてんのか?」
家事を担当すると言っていても黒歌は猫同様朝に弱いらしくいつも起きてくるのは遅い、珍しいこともあるもんだな。
少し関心したので声を掛けようとキッチンのドアを開けた。う〜ん美味そうな匂いだ、開けた瞬間キッチンからは香ばしい匂いが漂ってきた。
「おぅ黒歌、今日はずいぶん早いな……⁉︎…」
おもわず二度見した!何故ならそこにいたのは黒歌ではなく、膝下まであるかなり長い黒髪のポニーテール、女子にしては長身で大和撫子の言葉がよく似合うリアスの女王でオカルト研究部副部長、姫島朱乃がいたのである!
「あらダンテさん、おはようございます(^。^)」☆☆
眩しいくらいの笑顔でこちらを向くと丁寧に頭を下げて挨拶してきた。
「お、おう…何でお前ここに…」
「もう少しで出来ますから待っていてくださいね?」
「いやだから、お前何でここに…」
「ダンテさん、こちらのお皿そちらのテーブルに運んでくださいません?」
「………」
すっかり朱乃のペースに乗せられてしまい、ダンテは諦め言われるがままおかずが乗った皿をテーブルに運んだ。
朱乃が作ったのは日本食だった。ご飯に味噌汁、焼き魚と漬け物という日本の朝といった感じであった。
準備を終えると匂いに釣られる様に二階から黒歌とティアが降りてきた。
「にゃ〜♪いい匂いにゃ♡あっ!魚にゃ〜♪」
「う〜ん香ばしい…お?今日は日本食か」
焼き魚を見て黒歌は歓喜の声を上げた、フッ、流石猫だな。二人は洗面台で顔を洗ってくるとテーブルに着いた。ダンテと朱乃もテーブルに着き、朱乃が笑顔で号令を掛けた。
「はい、皆さん揃ったところで」
「「「いただきます(にゃ)!」」」(ダンテ以外)
・・・・・
「「じゃあぁない(にゃい)だろぉぉぉがぁぁぁ!!!」」
一拍おいて黒歌とティアが盛大にツッコんだ!
「あらあら…お口に合いませんでしたか?」
朱乃は眉をハの字に曲げ片手を頬に当て呟いた。
「いやいや、そうじゃなくて……まぁ美味しいけど、しかも味付けもあたし好みだし」
「美味いな朱乃、日本食も結構いけるもんだな」
「あらあら、うふふ。ありがとうございます」
ダンテから料理を褒められた朱乃は嬉しそうにお礼を言い頬を染めた。
「ちょっとちょっとダンテ⁉︎何で冷静に対処してるのにゃ!」
「…それで?何か用か?朝飯作りに来ただけじゃねぇんだろ?…ズズ…」
冷静なダンテに黒歌はツッコんだが、味噌汁をすすりながら朱乃が来た理由を尋ねた。朱乃は箸を置き席を立つと頭を下げた。
「先日は助けていただきありがとうございました。あなた方が来て下さらなかったら私達は死んでいましたわ。本当にありがとうございます」
「気にするな、俺達はただ依頼をこなしに行っただけだからな。それで?他の連中は大丈夫か?」
「はい、おかげさまで。それでその事でリアスが改めてお礼を言いたいそうなので、また部室に来てほしいそうです」
なるほどな、でもこういう場合って…
「普通はそっちから来るのが筋ってもんじゃねぇのか?…ズズ…」
「はい、確かにその通りですが、リアスが改めて歓迎のパーティを開きたいと言っていますので…申し訳ありませんが来ていただけますか?」
朱乃は申し訳なさそうに頭を下げた。そういう事か、なら仕方ねぇな。
「わかったよ」
「…‼︎ありがとうございます!」
ダンテの返事に朱乃は再び頭を下げてお礼を言い感謝した。
「んじゃリアスにピザとストロベリーサンデーを用意しとけと言っといてくれ」
「ストロベリーサンデー…? 苺パフェみたいな物ですか?」
「まぁそんな感じだ、俺の好物だ」
「あらあら、うふふ、わかりました、そう伝えておきますわ」
ダンテの注文に朱乃は笑顔になると了解した。
朝食を再開し食べ終わると朱乃は食器を洗いテーブルの下に置いてあった鞄を持って笑顔で頭を下げた。
「それでは私はこれから授業がありますので、放課後にまたお迎えに上がりますわ」
「いや、今回は俺達からそっちに行ってやるよ」
朱乃は迎えに来ると言ったがダンテは自分達で行くと断った。朱乃は申し訳なさそうにしていた。
「ですが…それでは悪いですわ」
「いいって、たまにはいいさ」
「…わかりました、では放課後にオカルト研究部の部室でお待ちしていますわ」
朱乃は申し訳なさそうに頭を下げると魔法陣で転移していった。
「ダンテって意外と子供っぽい物が好きなんにゃね? クスッ」
「フッ、可愛いとこあるじゃないか」
ダンテの意外な好物に黒歌とティアは鼻で笑っていた。
「ほっとけ」
▽放課後、駒王学園
ダンテ達は学園の校門前にやってきた。
下校時間だけあって周りには生徒達で溢れていたが、ダンテ達は銀髪、蒼髪、猫耳とかなり目立っていたので生徒達に見られていた。まぁ…ほぼ全身紅の男と巨乳美女二人がいたらそりゃ見るよな。
生徒達の中にダンテ達を見て芸能人?グラビアモデル?と話してる声が聞こえた。
生徒達の視線が気になる中ダンテは見覚えのある眼鏡のショートヘアの女子生徒を見つけ声を掛けた。
「よぅ、ソーナ…だったか?」
「あらダンテさん、こんにちは。今日はどうなさいました?」
初任務の際、リアス達を介抱していた女性…生徒会会長、支取蒼那ことソーナ・シトリーと再会した。…クールそうだがこいつもけっこう美人だな。
「あぁ、リアスに呼ばれて来たんだが…お?そっちのやつは初めてだな」
ダンテはソーナと一緒にいた、ソーナと同じ眼鏡と朱乃と同じくらいの長さの超ストレートロングヘアの長身の女子生徒に尋ねた。
「真羅椿姫と申します、生徒会副会長を務めています、よろしくお願いします!」
キリッとした表情で眼鏡を光らせ挨拶した。おーおー、ソーナ同様真面目そうなやつだ。
「リアス達でしたら旧校舎にいますが、ご案内しましょうか?」
「あぁ、頼む」
「まったくリアスったら、恩人の方から来させるなんて一体何考えてるのかしら?ブツブツ…」
小声でリアスに愚痴っていたが、ダンテ達はソーナと椿姫の案内で旧校舎へと向かった。校舎を抜け少し木々が生い茂る道を出ると旧校舎が見えてきた。
以前転移した木造の廊下を歩き、オカルト研究部と書かれたプレートが付いたドアの前に着き、ソーナはドアをノックした。
「リアス、お客様よ」
『どうぞ、入ってちょうだい』
「それではダンテさん、私達はこれで失礼します」
「おう、わざわざありがとうよ」
ソーナと椿姫は頭を下げると帰っていった。ダンテはお礼を言い見送るとオカルト研究部のドアを開けた。
「おぅ、じゃまするぜ」
「失礼する」
「おじゃましますにゃ」
部室に入るとリアス達が立ち上がり集まってきた。
「ごめんなさい、本来なら私達の方から行くべきだったのだけど許してちょうだい」
リアスは無礼を謝罪すると頭を下げ、それに続くように部員達がダンテ達に頭を下げた。
「昨夜は貴方達のおかげで助かりました、貴方達が来てくれなかったら私達は死んでいたわ。本当にありがとう」
「気にするなって、朱乃にも言ったが俺達は依頼をこなしに行っただけだからな」
「でもそのおかげで私達は助かったわ。貴方達には感謝してもしきれないわ、貴方達は命の恩人よ」
リアスは再び頭を下げてお礼を言うと申し訳なさそうにダンテを見た。
「それと…今までの貴方に対する不遜な態度もどうか許してほしいの…ごめんなさい」
リアスはダンテに今までの態度について謝ってきた。ダンテはフッと笑うと下げているリアスの頭に手を置いた。
「お前が今まで俺に何を思っていたのかは俺は知らねぇが、俺は本当に何も気にしてねぇ、寧ろお前の態度は当然だと思ってたさ、だからいちいち気にするな」
「…ありがとう」
頭を撫でられリアスは頬を染めると感謝した。ダンテは思いついた様にリアスに返した。
「だったら許す条件として、これからはいがみ合いは無しにしようぜ?お前達とはそれなりに付き合いをさせてもらおうと思ってたしな」
リアスは一瞬キョトンとした表情をしたが笑顔になった。
「ええ、わかったわ。寧ろこちらからお願いしたいくらいよ。これからは私達も貴方達に協力できることがあれば手を貸すわ」
ダンテとリアスは握手し無事に和解した。
「さ!今日は貴方達を改めて歓迎するためにパーティにすることにしたの!みんなで楽しみましょう!!」
リアスが指を鳴らすとテーブルにケーキや肉料理、ダンテの注文通りピザが現れた!
全員でグラスを持ち乾杯した、流石に未成年なのでジュースだったが。
黒歌は白音と一緒に仲良くケーキを食べており、ティアは祐斗と窓際で飲みながら話をしていた。ダンテにはイッセーが強くなる為の秘訣的なことを聞こうといろいろ聞いていた。
イッセーと話をしていると朱乃が準備室からストロベリーサンデーを運んできた…それを白音が涎を垂らしながら見ていた。
「はい!ダンテさん!姫島朱乃特製ストロベリーサンデーですわ!こんな感じでよろしかったですか?」
朱乃が運んできたサンデーは、苺に生クリーム、アイスクリームとフレークと苺ソースがトッピングされており、てっぺんにハート形に切られた苺が乗っていた。
「…朱乃、お前は天才か?俺が知ってるストロベリーサンデーより遥かにイイぜ」
「あらあら、うふふ。そんなに喜んでいただけるなら私も作った甲斐がありましたわ」
褒められた朱乃は頬を染め嬉しそうに体をくねらせていた。
ストロベリーサンデーを食べていると朱乃が隣にニコニコしながら座ってきた。
「ん?何だ?」
「お味はいかがですか?(^^)」
「あぁ、美味いぜ」
「うふふ、ありがとうございます」
ストロベリーサンデーを食べ終え満足していると朱乃がダンテの腕に抱きつき肩に頭を乗せてきた。
「ふぅ〜…食った食った、ん?どうした?」
「…いえ、ただこうしていたいのです、ダメ…ですか?」
朱乃は上目遣いで見て言ってきた。それを見ていたイッセーが羨ましそうに悔しそうに涙を流して号泣していた。
「うぅ〜朱乃さんにあんなことされてダンテさんマジ羨ましいっス〜〜!!」
二人を見ていたリアスも笑顔で納得した。
「ふふダンテ、あなた朱乃に気に入られたみたいね?でも…後ろに気をつけた方がいいわよ?修羅場になりそうだから……」
リアスにそう言われてダンテは後ろを見た。そこには怒りで髪がゆらゆら動いている黒歌と負のオーラを体から出しているティアがダンテを睨んでいた!白音もムスッとした表情で見ていた。
「ダンテ〜?何してるのにゃ〜〜?」
「ふふふ、これはお仕置きが必要だな」
「…ダンテ兄様……」
おいおい、ここでデビルトリガーを発動させるつもりか?オカルト研究部がぶっ飛ぶぞ!?
ダンテは二人に落ち着けと言っていたが、朱乃が勝ち誇ったようにウィンクし、その瞬間黒歌とティアがキレた。
「「ッ!この女ぁぁ〜〜!!」」
本当に修羅場になり、この後ダンテとリアスが止め事なきを得たという。