ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

117 / 126
またまたお久しぶりの投稿


閑話 偽物退治

「うう〜…ん」

 

ある日ティアは悩んでいた。そこへダンテが来て顰めっ面のティアに声をかけたが…

 

「おぅ、どうしたティア?顔がブサイクになって…痛って⁉︎」

 

喧嘩を売っているとしか思えない台詞に勢いよくコーヒーカップが飛んできてダンテの顔面に直撃した!

 

「ったく、ただでさえイライラしてるのに余計にイラつかせるな!それに私にその言葉は似合わないだろう」

 

「悪ぃ悪ぃ、で?何悩んでんだ?」

 

「…あぁ、これを見てくれ」

 

コーヒーカップを指一本で回しティアに投げ返すと、ティアは見ていた紙を見せてきた。それは依頼の記録表であったが、そのグラフは徐々に下がっており今月のあたりで突然ガクッと落ちていた。グラフ表を見たダンテはティアを見たが、ティアは頬杖を突いて溜め息を吐いた。

 

「どうしたんだこれ?」

 

「見ての通りさ、ここ最近依頼数が急に下がり始めてな?一体どうしたものか…」

 

ティアはさらに溜め息を吐いて沈んだ。確かにこの下がり方は普通では無いし、このままだと経営的にもよくない。別に評判が下がるようなことをした覚えは無いしクレームも来てもいない…だとしたら何が?

 

「ティアマットさん、やっぱり依頼数が急激に下がり始めたのは今月に入ってからみたいです。この下がり方は普通ではありません、これはもしかすると何者かによるものの可能性があります!」

 

そこに同じく記録表と思われる物を持ったロスヴァイセが来て報告してきた。何者か…デビルメイクライに対する嫌がらせか?それとも詐欺師による犯行か?

 

「そうか…うーむ」

 

ロスヴァイセが持ってきた表を見てティアは腕を組んでさらに眉を曲げた。ロスヴァイセは警察に届ける提案をしたが、そもそもこのデビルメイクライは普通の便利屋では無い為、下手に警察に被害届を出して調べられたりしたら最悪自分達やリアス達の正体がバレてしまう可能性があるのである。なので自分達で解決するしかなさそうだ。

 

「あっいたいた、ねぇねぇティア姉?今手が空いてる?よかったら駅前に新しく出来た喫茶店に一緒に行かない?今オープン記念割引やってるみたいにゃ!」

 

悩んでいると黒歌が部屋に入ってきて、喫茶店のチラシを持ってティアに誘ってきた。

 

「すまない黒歌、今はとてもそんな気分では…」

 

状況的にそれどころでは無いティアは断ろうとしたが…

 

「ティアマットさん、気分転換に行ってきたらどうですか?後のことはリアス部長達にも相談して私達でやっておきますから」

 

「そうだぜティア?それにそれ以上悩み過ぎると老けるし顔にシワも…ぶほっ!?」

 

途中まで言いかけた所でティアの鋭いストレートがダンテの顔面に炸裂した!ティアは咳払いするとその好意に甘えさせてもらうことにした。

 

「ではそうさせていただこう、ロスヴァイセ、すまぬが後を任せる」

 

「はい!お任せください。それではダンテさん?手伝ってもらいますよ?」

 

「俺もかよ?」

 

「当然です‼︎」

 

ロスヴァイセは逃げようとしたダンテのコートを掴むとティアに手を振って見送った。ティアは黒歌と一緒に気分転換に喫茶店に出かけて行った。

 

○●○

 

歩いて数十分、駅前の喫茶店に着いたティアと黒歌。店内は少し広く洋をテーマにしているらしく、カンツォーネ風の音楽が流れていて良い雰囲気であった。

 

「にゃ〜♪綺麗なお店にゃ〜」

 

「うむ、中々良いな」

 

「あっ、あそこの席が空いてるにゃ、ティア姉行こ」

 

開店して間も無い為、店内はかなりの客で賑わっていたが、ティアと黒歌はカウンター席に座った。とりあえず店のオススメだと言うコーヒーを注文し、ティアは事務所でのことを黒歌に話して相談した。相談に乗った黒歌も協力することにしてコーヒーを飲むとその美味しさに思わず声が出た。

 

「あっ美味しい!コクが深くて香りも良いにゃ!」

 

「美味い…!」

 

すると黒歌の感想を聞いた店のマスターがサービスを出してきた。

 

「嬉しいことを言ってくれるねお嬢さん、うちのコーヒーは自家焙煎でね、私オリジナルのブレンドなんだよ。それじゃこれは私からのサービスだ」

 

「えっ!いいの⁉︎ありがとにゃマスターさん!」

 

「すまないマスター、いただこう」

 

サービスのサンドイッチを食べながら二人は話の続きを始めた。常連の依頼人から話を聞くなど解決法を話し合っていると、話を聞いていたマスターが話に入ってきた。

 

「仕事の事で何か悩み事かな?」

 

「ん?あぁちょっとな」

 

マスターはティアと黒歌の顔を見ると仕事内容を聞いてきた。

 

「お二人とも凄く綺麗だね?職業の方は何をしてるのかな?モデルさんか何かかな?」

 

「マスターさんお上手にゃね〜♪でも違うにゃ。あたしもBARをやってるけど、本業は便利屋をやってるにゃ」

 

「…便利屋?」

 

便利屋と聞いてマスターの眉がピクッと動いた。

 

「そ、そう…ちなみに名前を教えてもらってもいいかな?」

 

「名前?…デビルメイクライだが?」

 

その名を聞いた途端!マスターを含めた客の大半が反応し一斉にティアと黒歌を見た!

 

「デビルメイクライだって⁉︎」

 

「入り口を塞げ!コイツらを逃すな!!」

 

店の入り口は塞がれ、客達の目つきはまるで目の敵にしていた者を見つけたという感じに見えた!身に全く覚えの無い二人はきょとんとしていたが、ティアはワケを聞いた。

 

「ま、待て待て!私達は確かにデビルメイクライだが他人から恨まれることはしていないぞ?これはどういうことだ⁉︎」

 

「とぼけるな!デビルメイクライって言ったらここらじゃ有名な詐欺屋じゃないか!」

 

「今までだって何人もの人達が騙されて被害に遭ってんだぞ‼︎」

 

「…何?」

 

客の言い分を聞いたティアは怒りを沸々沸き立たせ目つきを鋭くさせた。

 

「とにかく警察に通報する!逃げるなよお前ら!」

 

客の一人が二人に忠告し警察に通報しようとしたが、次の瞬間ティアが声を張り上げた!!

 

「ふざけるなアアアアァァァァッ!!!!」

 

その女性が発するものとは思えない声量に客全てが金縛りにあったように硬直して固まった!黒歌もビクついてティアを見た。

 

「さっきから聞いていればふざけたことを…デビルメイクライが詐欺屋だと?どういうことだ貴様ら⁉︎ふざけるのも大概にしろ!!」

 

ティアの問いに硬直から直った客達が返してきた。

 

「だ、だってそれがお前らのやり方だろ?」

 

「そ、そうだ!先に前金を払わせて依頼に来ないし!」

 

「問い詰めても裏にヤクザがいるって脅してくるし!」

 

「「…ヤクザ?」」

 

話を聞いたティアと黒歌はやれやれと呆れ、同時に依頼激減の元凶の犯人がいることがわかった。ティアは溜め息を吐くと冷静に説得した。

 

「そうか…これで全てが繋がる。いいかお前達?私達デビルメイクライは依頼前に前金など請求しないし裏にヤクザもいない!」

 

「依頼されたことにはきちんと従う真っ当な便利屋にゃ!」

 

ティアと黒歌は嘘偽り無く説得した。その真剣な姿にマスターは尋ねた。

 

「どうも話が噛み合わないようだが、キミ達とお客さん達が言うデビルメイクライは別人なのかね?」

 

「当然だ!!!!」

 

Σ「ひぃ⁉︎…わ、わかった、とりあえずここは信じよう」

 

ティアの眼力にマスターはビクッとしたが納得し、客達もとりあえず信用した。

それからマスターや客達から話を聞いてみると、その偽デビルメイクライの詐欺師はガラの悪い不良の様な男性数人でこの店にも偶に現れると言う。何故警察に通報しないのかと聞いたところ裏にいるヤクザを恐れているからだとのこと。

 

「それで女性のキミ達なら捕まえるチャンスだと思って…」

 

「フッ、そうか女性だから…ナメられたものだな‼︎」

 

マスターによるとそろそろ詐欺師は店に現れる頃だと言う、それを聞いてティアと黒歌は捕まえてアジトを突き止めることにした。決まったところで店に二人の客が来店した、不良の様な外見の男性二人だ。二人は偉そうな態度で注文するとテーブルに足を乗せて話し始めた、マナーが悪い客だ。するとマスターが小声で言ってきた。

 

「あの二人だ、お客さんから聞いた外見の特徴的に間違いない」

 

「頭の悪そうな奴らにゃね」

 

「警察に通報するかい?」

 

「いや充分だマスター、感謝する。後は私達でやる、いくぞ黒歌」

 

「にゃ」

 

マスターが心配していたが、ティアと黒歌はコーヒー代を置き席を立つと詐欺師の席に歩いて行った。

 

「おい?そこの二人?」

 

「あぁ?何だ姉ちゃん?何か用か?」

 

詐欺師は話しかけてきたティアを睨む様に見てきた。黒歌はティアがやり過ぎないように仙術の準備もしていたが、次の瞬間!

 

「ねぇねぇ〜お兄さん達ってぇあのデビルメイクライなんでしょ?私達ぃずっと前から憧れていて〜もしよかったら私達も入れてくださ〜い♪」

 

普段の古風な口調のティアからは想像もつかないギャル口調が飛び出し、黒歌と心配そうに見ていたマスターは思わず耳を疑った!

 

「(…ティア姉ってこんな声も出せるんだ)そうそう!お兄さん達の噂は超有名で〜ずっと探してたんですぅ〜あたし達も入れてくださいにゃ〜みたいな〜」

 

内心ツッコミつつ黒歌も続き同じくギャル口調で頼み込んだ。黒歌は絶対怪しまれるし断られると思ったが、詐欺師二人はニヤついて顔を見合わせていた。

 

「マジかよ、募集もしてねぇのに頼まれちまったぜ!」

 

「憧れられるなんてよ、俺らの事務所も意外に知れ渡ってたんだなぁ!」

 

二人は尊敬されていると勘違いして笑っていた。そんな二人を見てティアと黒歌は単純且つ哀れに思った。

 

「あぁいいぜ!お前らのことをボスに紹介してやるよ」

 

「わぁ!ありがとう〜!よろしくお願いしま〜す♪」

 

「よろしくにゃ〜☆」

 

ティアと黒歌は頭を下げてお礼を言うと顔を見合わせニヤッと笑って頷いた。一先ず作戦成功だ。

 

「んじゃ早速行こうぜ!」

 

ティアと黒歌は詐欺師二人に連れられアジトに向かい始めた、去り際にティアはマスターにサムズアップし黒歌はウインクした。

移動中、ティアは小型の魔法陣を出しダンテに報告した。

 

「もしもしダンテェ〜?聞こえるぅ〜?」

 

『…あ?ティアか?…何だその口調?』

 

「あっ⁉︎///す、すまない!今のは忘れろ‼︎///」

 

うっかりさっきまでの口調で話してしまいティアは慌てて赤面して誤魔化した!その様子に黒歌はプッと吹いていた。

 

「とりあえず犯人…奴らの尻尾は掴んだ」

 

「にゃん♡ティア姉ぇ〜それ何の冗談にゃ〜??」

 

ティアは笑ったことの腹いせに黒歌の尻尾を握って報告していた。

 

「このまま奴らのアジトに向かう」

 

『わかった、アジトに着いたら教えてくれ、そこで合流だ』

 

ダンテは詐欺師のアジトで落ち合うことを提案したが、ティアは断った。

 

「いや、私達だけでやる。詐欺師達はどうやら普通の人間らしい、わざわざお前の手を煩わす程でも無い」

 

『そうか?まぁいいけどな。それに人間相手じゃ銃も剣も使えないしな、ある意味本物の悪魔よりタチが悪いぜ』

 

「そうだな」

 

『じゃあ任せるぜ、それと念のため言っておくが…殺すなよ?』

 

ダンテの忠告にティアはニヤリと笑い返した。

 

「安心しろ、殺しはしない。その代わり奴らには死ぬほどの恐怖を味わってもらう」

 

『フッ、やれやれ…俺の相棒は末恐ろしいぜ』

 

「何だ?今更わかったのか?」

 

ティアもフッと笑うと魔法陣を消し通信は終わった。

 

○●○

 

歩き続けて数分後、詐欺師のアジトに着いた。事務所と言っていたが外観は使用されてない倉庫だ。入り口のドアの上には英文字で『Devil My Cray』とスペルが違う名前が書かれていて明らかに偽物であった。

 

「…デビル…マイ……クレイ…?って字間違ってるし!デビルしか合ってないにゃん!」

 

「やれやれ…」

 

詐欺師のレベルの低さにティアと黒歌は哀れていると、道案内をした詐欺師の仲間が手を差し出してきた。

 

「着いたぞ、それじゃ入る前に二人のスマホか携帯を預からせてもら…」

 

「案内ご苦労!黒歌‼︎」

 

「了解!ちょっと眠ってもらうにゃアンタ達!」

 

一瞬で黒歌が二人の後ろに回り込み首筋に弱めに仙術を流して気絶させた!気絶した二人を倉庫の陰に移動させ、入り口前に来ると電子パネルを見つけた。

 

「電子ロックにゃ、あの二人鍵持ってるかにゃ?ちょっと見てくるにゃ」

 

「鍵?そんな物必要無いさ黒歌、下がっていろ……フッ‼︎」

 

風を切る音と共に繰り出したティアの鋭い回し蹴りでドアは大きく凹んで吹き飛んだ!

 

「にゃあ〜♪ティア姉カッコいいぃ〜♡」

 

「フッ、惚れるなよ黒歌?」

 

「ティア姉が男だったら惚れてたかもにゃ」

 

そんなことを話していると、ドアが吹き飛ばされた倉庫内から騒ついた声が聞こえた。

 

「何だ⁉︎どうした⁉︎」

 

「まさかサツにバレたのか⁉︎」

 

「だとしたらやばいぜ!」

 

少し煙が立ち上る入り口から中に入ったティアと黒歌は周りを見渡した。廃車やボロいソファ、同じくボロいテーブルなどが置かれ、それらに座りこちらを警戒して見ている5〜6人の不良風の男達、そして一番奥のテーブルに、足を組んで乗せて座っているボスと思われる派手なスーツ姿の顎髭を生やしたチンピラ風の男がいた。

 

「貴様がボスか?」

 

「あぁ?何だてめぇら?」

 

ティアは睨みながらボスに尋ね、ボスもティアを睨みながら聞き返した。

 

「私はデビルメイクライに所属するティアマットだ!!」

 

「同じく黒歌にゃ‼︎」

 

「…何?デビルメイクライだと?」

 

二人の名乗りにボスは眉を顰めたが部下の不良が叫んだ。

 

「ボス!宣伝に載ってんのと同じ顔だ!間違いねぇ!コイツら本物だ!!」

 

部下の出した宣伝のチラシを見て他の部下達は焦っていたが、ボスは笑っていた。

 

「フッ、そうか…とうとう見つかっちまったか。それで?何しに来やがった?まさかたった二人で俺らを潰そうとでも?」

 

二人だけで来たティアと黒歌にボスは用件を聞くとティアは目つきを鋭くさせた!

 

「では潰す前に問う、何故こんなふざけた真似をした!返答次第ではタダでは済まさん‼︎」

 

「あぁ?理由だと?そんなの簡単だ、単にてめぇらが気に食わねぇ!それだけだ」

 

「…気に食わない?」

 

「そうだ、てめぇらは半年前から突然便利屋なんてもんを始めやがった、しかもそれなりに儲かってやがる、最高に生意気でムカつくぜ!」

 

「そんなくだらんことで…」

 

「馬鹿丸出しにゃ…要するに嫌がらせにゃね」

 

理由を聞いたティアと黒歌は心底呆れた。

 

「さて、お喋りはこのくらいにして、この場所を知ってしまったてめぇらをこのままにしておくわけにはいかねぇなぁ!それにさっきてめぇ俺らを潰すとか言ったか?どうやら状況がわかってねぇのはてめぇらみてぇだな!お前ら!可愛がってやんな!」

 

『オッス!!』

 

ティアと黒歌の周りには鉄パイプやメリケンサックを装備した部下達が取り囲んでいたが、ティアと黒歌は全く焦っていなかった。

 

「へへへ、ビビってんのか?心配しなくてもすぐに終わらせてやるよ!」

 

「それにしてもリーダー本人じゃなくてナンバー2を寄越すなんてよぉ、デビルメイクライのダンテって奴はとんだ腰抜け野郎だなぁおい!」

 

ブチッ!(ティア)カッチーン!(黒歌)

 

ダンテを馬鹿にされティアと黒歌はブチギレた!

 

「「そうか、もういい(にゃ)」」

 

「たった二人で乗り込んでくるとはな?勇敢と言うか無謀と言うか…どっちにしろてめぇらに勝ち目は…………って……えっ…?」

 

ボスが顔を上げた時にはもう部下達は…全滅していた!

 

「なーんにゃコイツら?口だけにゃん?」

 

「フン、所詮人間さ……さてと」

 

ティアと黒歌は鋭い目つきで残ったボスの方を向いた!ボスも一瞬の出来事と予想外の展開に焦っていた。

 

「さぁ、覚悟はいいか?勝手にデビルメイクライの名を使って悪事を働いたことを後悔するがいい!!」

 

「くっ!ナ、ナメんじゃねぇぞ!」

 

ボスは懐と腰の後ろからナイフとスタンガンを出すと向かってきた!

 

「うおらあああぁぁぁぁっ!!死ねやぁぁぁぁっ!!」

 

ナイフとスタンガンが二人に突き付けられた!…が!

 

ガキン‼︎バチン‼︎

 

「…?……!?」

 

ボスは思わず目を疑った!ナイフはティアに指二本であっさり受け止められ、スタンガンは黒歌に当たってはいるものの仙術で黒歌の体に流れていなかった!ティアはそのまま刃をへし折り、黒歌は仙術で電気を逆流させスタンガンを爆発させた!

 

「うわっ!?くっ!!」

 

武器を破壊され追い詰められたボスは舌打ちして後退り、近づいてくるティアと黒歌を見ていたが、懐から光玉を出し床に投げて炸裂させた!まるで何処ぞのはぐれ神父みたいだ。光が止むとボスの姿は無かったが、倉庫の裏口が開いているのと黒歌が気配を感じ取った。

 

「外に逃げたにゃ!」

 

「黒歌、奴の逃げた方角はどっちだ?」

 

「えっ?ティア姉から見て斜め左にゃ」

 

黒歌は追おうとしたが、ティアはボスが逃げた方角を聞くとソファを掴みボスの気配を感じ取ると勢いよくぶん投げた!

 

「捉えた!おぉらぁっ!!!」

 

裏口から逃げたボスは舌打ちと小言を言いながら必死に逃げていた!

 

「はぁ!はぁ!…くそっ!冗談じゃないぜ!アイツら化けもんかよ⁉︎ナイフとスタンガンを素手で……ん?おわああああっ!??」

 

その時!逃げるボスの背後からティアがぶん投げたソファが倉庫の壁を突き破って飛んできて直撃しボスは下敷きになった!

 

「あ…あああ……」

 

身動きが取れなくなったボス。そんなボスにティアと黒歌は近づくとソファをどかしボスを起き上がらせた。

 

「さぁ…そろそろとどめだ、覚悟してもらう」

 

ティアは片手で指を鳴らし構えるとボスは必死に叫んだ。

 

「ま、待て待て!悪かった!悪かったって!勝手に名前を使ったことは謝る!!」

 

「あら?さっきまでの威勢は何処に行ったのにゃ?」

 

「フン、今更遅いわ!」

 

「本当だって!…!本音を言うと本当はお前らに協力したかったんだぜ〜?」

 

「さっき私達のことを最高にムカつくとか言っていた気がするが?」

 

「…!くっ!」

 

言い訳を続けるボスはさっき言った自分の言葉が墓穴を掘ったことに舌打ちし、どうしようか悩み咄嗟にいつもの逃げ文句を叫んだ!しかし…それは逆効果だった。

 

「て、てめぇら!俺に手ぇ出したら裏にいるヤクザが黙っちゃいね…え……ぜ……ひぃ⁉︎」

 

その逃げ文句を聞いたティアと黒歌はボスが反省していないと判断して体からオーラを出した‼︎

 

『グルルル!!』ゴゴゴゴ!!龍!!!

 

『フゥゥゥ!!』ゴゴゴゴ!!猫!!!

 

ティアと黒歌の目は赤く光り、その背中からオーラで形成したドラゴンと化け猫で威嚇していた!!

 

「「さぁ…覚悟しろ(にゃ)!!」」

 

「ちょ!…待て…やめろ……いぃやぁあああああぁぁぁぁっ!??!」

 

ボスの悲鳴の絶叫が響き渡った…

 

 

 

 

 

ティアと黒歌がアジトを潰して去ってしばらく経った頃、オーフィスを肩車したダンテが現れた。

 

「あいつら…やり過ぎてねぇだろうな?」

 

アジトの前に着くと状態を確認した。間違えた名前が書かれた看板は落ち(二人の足跡付き)、入り口のドアは真ん中が大きく凹んで吹き飛んでおり、アジト内には6人のしたっぱと思われる男達が気絶していた。見たところ外傷は無く強烈な魔力で気をやった感じだ。

 

「ダンテ 皆 気絶してる」

 

「あぁ、そうだな」

 

オーフィスは男達の頬を叩いたり突いたりしていた。あいつらキレていてもちゃんと俺の言いつけを守っているみたいだな。アジトの状態を見ながら奥に進むとソファにボスと思われる男がぐったりして座っていた、その顔には『天誅‼︎』と書かれた紙が貼り付けてあった!その紙を捲ると…涙、鼻水、涎を流した狂った様に笑ったボスの顔があった。

 

「う、うへへへへ…りゅ、龍の化け物に…ば、化け猫…へへへ…うへへへへへへ…!」

 

ボスは完全に正気を失っていた。こりゃ相当なトラウマを刻まれたな。殺さなかったにしても少しやり過ぎたティアと黒歌にダンテは頭を掻いた。

 

「ダンテ この男 ここ濡れてる」

 

よく見ると漏らしているボスの股間をオーフィスは指で突っついていた…汚ねぇからあまり触るな。

 

「しょうがねぇ、救急車くらい呼んでやるか」

 

ボスが座っていたと思われるボロデスクにあった電話を取ると119番した。

 

「あー、救急車を4、5台を頼む、場所は…」

 

 

こうして偽物退治は幕を閉じた。

この後、救急隊と一緒に来た警察が調査を始めたが、正気に戻ったボスは警察にさっきあった事を必死に訴えたが当然信じてもらえず、逆にその情緒不安定なボスの状態を疑われ、調べたところ薬物反応が出てボスの証言は薬物による幻覚であると判断されそのまま逮捕となった。さらに調べた結果ボスの裏にはヤクザなどおらず繋がりは全く無かったという。

 

 

○●○

 

偽デビルメイクライが潰れて数日後、ロスヴァイセ達が謝罪とワケを説明してデビルメイクライは徐々に信頼を取り戻していき、依頼数も回復してきた。

 

「よかったですね、これでようやくいつも通り仕事が出来ますね!」

 

「あぁそうだな、一度は信用を失いかけたが、ここまで回復出来たのは私達を信じてくれた依頼人達のおかげだろう」

 

「フッ、めでたしめでたしってか?んじゃこれからも依頼頑張れよ?」

 

「「ダンテ(さん)もね‼︎」」

 




次回もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。