オカルト研究部から帰って来たダンテは黒歌のBARで飲みながらティアと黒歌に部室で話していた事と二人がゲームに参加することになったことを話した。
「…というわけだお前ら」
・・・・・
二人は数秒間呆けた顔をしていた。数秒間無反応の二人にダンテはもう一度声を掛けた。
「……おい?聞いて…」
「「はあぁぁぁ〜〜!??」」
一拍おいて二人同時に声を上げた!…軽くビビったぜ。しかも明らかに二人とも嫌そうな顔をしている。
「話の内容は理解したが、だからと言って何で私達が出なければならんのだ?」
「そうにゃ!勝手に決めないでほしいにゃ!ダンテが出ればいいじゃにゃい!」
やれやれ、やっぱり反対されたか…ダンテは溜め息混じりで説明した。
「…まぁ確かに俺が出る話もあったが、あのライザーって奴、実力的にはリアスより上だが俺から見ると赤子同然だ、現に俺の力にひれ伏してたしな、それだと勝負にならないからつまらないって思ったんだ。そこでお前らなら力が釣り合うと思って決めたんだ、まぁそれでもお前らの方が強いが…その方が面白いと思ったんだ。それにお前ら戦いてぇんじゃねぇのか?修行の成果を試すいいチャンスだろ?」
ダンテの言葉に黒歌とティアの眉がぴくっと動くと顔を見合わせた。
「ま、まぁそういう話なら面白いが……だがな、私達はリアス・グレモリーが許せんのだ、理由がどうあれあの行為は許さん!」
「そうにゃ!あたし達のダンテに手を出すなんて万死に値するにゃ!」
二人は怒りながら腕を組むと、そっぽを向いてしまった、やれやれまた振り出しか…
悩んでいたその時、BARのドアが開いた。来店したのは白音だったがその表情は沈んでいた……あの事か?
「あら白音じゃない♡いらっしゃいにゃ!ほらそんなとこにいないで座って座って♪」
「………はぁ…」
黒歌は嬉しそうに白音の背中を押しながら案内したが白音は溜め息を吐きながら沈んだ表情のままカウンター席に座った。
「どうしたのにゃ白音?元気ないにゃ」
黒歌は白音を撫でながら聞いたが、白音は眉をハの字にして黙っていた。
「…姉様、ピザ焼いてください」
…とりあえずピザらしい。
「……わかったにゃ、ちょっと待っててにゃ」
「黒歌、俺にもピザ」
「ダンテはダ〜メにゃ」
「ちぇ」
黒歌はカウンターに入るとピザの生地を練り始めた。ティアも白音を心配して隣に座り優しく頭を撫でていた。黒歌は指一本で生地を回すと再度白音に尋ねた。
「それで?どうしたのにゃ白音?」クルクル
「…今日部室に部長の婚約者が来まして」
「あ〜その話なら今ダンテから聞いていたところにゃ」クルクル
「…それでその際にゲームに負けたらイッセー先輩と祐斗先輩以外の女子部員全員を自分の女にするって言われました」
そう、この事は黒歌とティアに話した時に言わなかったが、ライザーはダンテがゲームに出ないとわかった際に調子に乗ってゲームに勝ったら女子部員全員を自分の女にすると言っていたのである。
「…私はイヤです…部長を苦しめる奴と部長が結婚するのも、そんな奴の女にされるのも……でも私達ではあいつには敵わない、本能的に敵わないってわかっているんです……だから姉様、助けてください…力を…貸してください…」
白音は肩を震わせて泣いていた。その様子に隣に座っていたティアが肩を抱いて慰めた。
すると突然、黒歌から凄まじい殺気と魔力が放たれた!ドス黒いオーラを出し目が赤く光っており、回していたピザ生地が一瞬で蒸発した!あ〜あ…もったいねぇ…
「…何ですってえぇ…!!あたしのかわいい白音を自分の女にするですってえぇ…?…ふざけるんじゃないわよぉぉ…!あんな女たらしの焼き鳥なんかに渡してなるもんですかぁぁ……!!」ゴゴゴゴ‼︎ビリビリ‼︎
黒歌はいつもの猫語で話さず凄まじい怒りのオーラを放っていた。
「…ね…姉様?」カタカタ
白音は今まで見たことない黒歌の怒りに震え、ティアは黒歌を落ち着かせようとしていた。
「おおお落ち着け黒歌!店が壊れるぞ!」
「おいおい…」
ティアの言う通り店の壁や天井には亀裂が入り始め、グラスがいくつか弾け飛んでいた!放っておいたら店ごと壊れちまうな…しかし黒歌は正気を保っていた様で深呼吸するとそのままの状態で話し始めた。
「ふぅ…うふふふふ……ティア姉!ゲームに出るわよ!あたし達の力をあの焼き鳥に見せてやるにゃ!!」ビシッ!
黒歌はオーラを纏ったままティアに拳を突き出しゲームの出場を宣言した。
「…あ…ああ!!そうだな!白音は私にとってもかわいい妹分だ、あんな焼き鳥に渡すわけにはいかないな!私もゲームに出るぞ!奴に龍王の力を焼き付けてやる!!」ガシッ!
ティアもゲームに出る決心がついた様で黒歌とガッチリと手を握り熱血青春ドラマみたいなことをやっていた…やれやれ一時はどうなるかと思ったぜ。
「そうだ言い忘れてたがお前らは力に制限がかけられるらしいぞ」
「構わん、奴にはいいハンデだ」
ハンデをティアはあっさり了承した。まぁハンデが無いとあの焼き鳥に勝ち目は無いか。
「…ありがとうございます、黒歌姉様、ティア姉様」
白音は涙を流しながら頭を下げてお礼を言い感謝した。
その後、改めてピザを焼き全員で食べていると白音がダンテにリアスからの伝言を伝えてきた。
「…あのダンテ兄様、リアス部長から伝言…いえ依頼があります」
「依頼…?何だ?修行をつけてくれとでも言ってきたか?」
「…はい、そうです。お願いできますか?ダンテ兄様達に鍛えてもらえば、かなり強くなれると思うんです!」
白音は決意の篭った目でダンテに頼んできた…この目はマジだな。
「そんなの頼まれるまでもないにゃ、いくらでも協力するにゃ。ダンテ、いいでしょ?」
ま、しょうがないか…暇つぶしくらいにはなるしな。
「あぁいいぜ!明日から十日間みっちり鍛えてやるぜ、覚悟しろよ?」
ダンテはしゃがむと白音の頭をわしゃわしゃ撫でながら笑った。
白音はボサボサになった髪を戻すと真剣な表情で黒歌に尋ねた。
「…姉様、聞きたいことがあります」
「にゃ?どうしたのにゃ改まって?」
「…姉様は私に隠してる力がありますね?」
Σ「えっ?そ、そんなのないにゃ」〜♪
…まさかデビルトリガーのことか?黒歌はドキッとして誤魔化したが白音は続けた。
「…いいえ、あります!再会した時から姉様には私の知らない神器とは違う別の力が宿っていた事には気づいていました、教えてください!」
猫の直感か?白音の熱意に負けた黒歌は誤魔化せないと判断するとふぅと息を吐き観念して答えた。
「気づかれていたんなら隠す必要は無いにゃ。確かにあるにゃ、この力はダンテにもらった力にゃ。名を…デビルトリガーにゃ」
黒歌は席を立つと魔力を解放しデビルトリガーを発動させた。
逆立ち後ろにスイングした長い黒髪、鋭い黒い爪が生えた籠手、服の代わりの黒いボディペイントにかなり括れた腰、しなやかな二本の長い尾、趾行型のネコ科動物と同等の脚部……猫人間を思わせる姿に変わった。
「これがデビルトリガーにゃ、まだ完全じゃないけどこれがあたしの新たな力にゃ」
白音は衝撃が強かったのか、かなり驚いた顔をして姿の変化した黒歌の身体を見て触っていた。
「…す、すごい力です!信じられません!」
「ちなみにティア姉も出来るにゃ」
「…えっ!?そうなんですか?」
「ああ、でもここで発動させると店が壊れてしまうからな、後で見せてやろう」
…確かに龍王の分身がBARの天井を突き抜けるかもしれないな。白音は再度黒歌の姿を見ると興奮した自分を落ち着かせて深呼吸すると黒歌に頼んだ。
「…姉様お願いします、私にその力を教えてください!」
なんと白音は黒歌にデビルトリガーの伝授をお願いしてきた。
「…ゲームに姉様達が出ると言っても基本戦うのは私達です!私も負けたくありません!だからお願いします、その力で部長を勝利に導きたいんです!!」
白音は頭を下げた。これは本気の様だ。
「白音…あんたの気持ちはわかったにゃ。でも…教えてあげたいのは山々なんだけど、実際のところどうやって教えればいいのかわからないのにゃ、この力は偶然から発動したからにゃ」
黒歌はデビルトリガーを解除し深呼吸した。
「…えっ?そうなんですか?」
簡単には教えられないと聞き白音は肩を落とした。
「黒歌が発動させた時と同じ事をすればいいのではないか?」
ティアが黒歌が発動させた時の条件(ダンテの頬を舐める)を教えると白音は顔を真っ赤にした…あぁそういやそんな条件だったな。
「…ね、姉様、そんなことしたんですか?///」
「う、うん///あの時は嬉しくてつい勢いでやっちゃったのにゃ///」
黒歌も白音同様、顔を真っ赤にしていた、その時ことを思い出してさらに赤くなっていた。
「でも、やってみる価値はあるんじゃねぇか?」
「ッ!簡単に言うにゃ!白音にとってはキスする様なものにゃ!見てよ?白音真っ赤になっちゃったにゃ!」
「…キ…キス‼︎…あぅ…あぅ……」ぷしゅぅぅぅ…‼︎
ダンテのデリカシーのない発言に黒歌は声を荒げ、白音は真っ赤になった顔を両手で押さえて頭から煙を出していた。ダンテは溜め息を吐くと…
「…ったく、別に頬じゃなくても手でもいいんじゃねぇのか?気は体中に流れてるんだしよ」
「「…あっ」」
頬を舐めることしか考えていなかったのか黒歌と白音は同時に声を出した。白音が微妙に残念そうにしていたが…
「で、どうするんだ?試してみるか?」
「…は、はい、お願いします…」
白音はダンテが差し出した手を舐めようと顔を近づけたが直前で黒歌が止めた。
「ちょっと待つにゃ、ここでやると発動の衝撃波で棚の瓶やグラスが割れるかもしれないから、地下室でやってにゃ」
さっき黒歌も割ったがな…確かにそうだ。四人は地下室に行く事にした。
◇地下トレーニングルーム
地下室に降りてきた四人。この部屋に初めて来た白音は驚いた顔をして室内を見ていた、まぁ地下にこんな馬鹿みたいに広い部屋があったら当然の反応だな。
「ここでやってみようぜ、この部屋は魔王クラスの衝撃にも耐えられるから大丈夫だ…ほらよ」スッ
ダンテは白音に手を差し出した、白音は小さい手でダンテの手を取ると顔を近づけた。
「…そ、それじゃ失礼します」
ペロッ…
白音はダンテの手を小さな舌で軽く舐めた。すると次の瞬間!!
……ドグン!!
「うっ⁉︎ううう…あああああぁあああアアアァァァ!??!」
ダンテの伝説の悪魔の気を吸収した白音の体が脈打ちあの時の黒歌同様に苦しそうに叫び出した!白音の体からは白い魔力と閃光が発生し激しく渦巻き出した!
「ね、姉様!ダン テ兄…様!く、苦し…いで…す!た、助けて くだ…さい!」
白音は苦しさのあまり膝をつくとダンテ達に助けを求めた。
「耐えるんにゃ白音!これを乗り越えればデビルトリガーを習得出来るにゃ!頑張って‼︎」
「頑張れ白音!もう少しの辛抱だ‼︎」
黒歌とティアはエールを送って見守った。何とかしてやりたいが後は魔力が白音の体に適合するまで耐え抜くしかない……頑張れ!
するとしばらくして魔力と閃光が収束していき次の瞬間、強烈な光が炸裂した!
「!!アアアアァァァーーーー!!!!」
カッ!!
数秒後、光が弱まり目が慣れてきた時、光の中心に姿が変化した白音が立っていた。
ショートヘアだった白髪は少し伸び逆立ち、腕は鋭い白い爪が生えた籠手になり、着ていた制服は消え代わりに白いボディペイントが入り、尾は長くなり、脚部は趾行型のネコ科動物と同等になっていた。見た目は黒歌のデビルトリガーを白くした感じだ、これは…姉妹だからか?
「・・・・・・」
デビルトリガーの発動に成功させた白音だったが、先程から喋らず頭をだらんと下げていた。
「やったにゃ白音!成功にゃ!あたしにそっくりにゃ〜」
黒歌がデビルトリガーの成功に喜び白音に近づいたがその時ダンテがある異変に気づいた。
「!! 黒歌!下がれ!!」
「…えっ?…ッ‼︎」
ダンテが叫んだ次の瞬間、黒歌が立っていた場所にクレーターが出来た!黒歌は間一髪のところでかわしたので無事だった。
「し、白音…?…どうしたの白音⁉︎」
「フゥゥゥゥ〜〜〜‼︎」
白音の目は赤く光っておりまるで操られている様に見えた!これは…まさか!
「ちっ、マズいな…暴走したぞ」
「暴走⁉︎どういうことにゃ⁉︎」
黒歌は焦った表情で隣にいるダンテを見るとダンテは説明した。
「白音は下級悪魔だ、白音は俺が纏ってる伝説の悪魔の気の力に耐えられなくて精神を支配されちまったんだ」
「えっ⁉︎そ、そんな…!」
「あのままじゃ、魔力に呑み込まれて怪物になっちまう、そうなったらもう助けられねぇ」
「怪物…そ、そんなのイヤにゃ!!」
「だからそうなる前に止めるぞ!」
「何ということだ…」
ティアも衝撃的な表情で白音を見ていた。
その時、白音が三人目掛けて飛びかかってきた!避けると三人がいた場所には大きなクレーターが出来た!白音は避けた三人の方を向くと唸り声を上げながら睨みつけた。
「わかったにゃ!どうすればいいにゃ⁉︎」
「お前ら二人で白音の動きを封じろ!その間に俺が白音の精神を支配している気を抑え込む!いいな!」
「わかったにゃ!」
「任せろ!」
「「デビルトリガー!!」」カッ
二人はデビルトリガーを発動させダンテはベオウルフを装備し戦闘態勢を取った!白音、必ず助けるぞ!
ダンテ達と暴走した白音は構えてお互い出方を伺っていた。特に迂闊に手を出せないダンテ達は慎重に白音の出方を警戒した。
カタッ!
「ッ、来るぞ!」
「くわーーーーっ!!!」
白音は素早く距離を詰めダンテにオーラを纏った拳を放ってきた!ダンテはベオウルフで受け流したがかなりの衝撃が籠手に伝わってきた!おいおいなんて力だよ⁉︎
「…腕が少し痺れたぜ」
白音は勢いを殺さず次に黒歌に向かった。
「白音!やめてにゃ!目を覚まして‼︎正気に戻るにゃ!!」
「カアアアアァァァァ!!!」
「ぐっ⁉︎きゃあぁぁっ!??」
黒歌は白音に攻撃せず必死に呼び掛けながらかわしていたが白音の鋭い回し蹴りがヒットし吹き飛んだ!最後に白音はティアに向かって行った、白音は連続で素早い突きを放ちティアも受け流しつつ応戦したが、白音がとどめに放った正拳突きの威力に驚いた。
「な⁉︎何だこの威力は⁉︎これが下級悪魔が出せる力か⁉︎」
明らかに普通ではない白音の異常な力に驚いているとダンテが隣に来て説明した。
「どうやら今の白音はデビルトリガーの力で魔力が異常に跳ね上がっているみてぇだな。しかも白音が持つ戦車の特性でパワーも桁違いに上がってやがる。あいつは今最上級に匹敵するレベルの力を持っていると言ってもいい」
「最上級…なるほどな、それは厄介だな」
白音が今度は籠手に生えた白い爪を魔力で数倍に巨大化させて突っ込んで来た!当たったらヤバそうだ!二人がかわすと引き裂かれた地面が爆発した!
爪を地面から抜いた白音は唸りながら二人を探していたが、そこに気配を殺して近づいた黒歌が白音を背後から押さえ込んだ!
「ダンテ!今にゃ!!」
「わかった!」
「くっ!大人しくするにゃ白音!」
激しく暴れる白音を黒歌は必死に抑えていた。黒歌が捕まえている内に気を抑え込む!ダンテは白音に向かって走ったが白音は捕まっている状態から黒歌の顔に頭突きした!これには堪らず黒歌は手を離してしまい白音は黒歌の腕を掴むとそのままダンテに向かって投げ飛ばした!飛んで来た黒歌をダンテは受け止めた。
「っと…大丈夫か黒歌?」
「痛たた…う、うん大丈夫にゃ。ごめんにゃ…離しちゃったにゃ」
「気にするな、次はティアと二人で押さえ込めばいいさ」
白音の体を見ると魔力による浸食が少し始まって異形になっていた。あまり時間は無い!急がねぇと!ダンテが白音に向かって行こうとした時、黒歌がダンテを呼び止めた。
「待ってにゃダンテ、あたしに考えがあるにゃ」
黒歌はダンテに作戦を説明した。作戦を聞いたダンテは頷くと白音と戦っていたティアに呼び掛けた。
「…よしわかった、それで行こう。ティア!白音の動きを少しでいいから止めろ!」
「白音の動きを?何か策があるのか?よしわかった、やってみよう!」
ティアは了解すると少し本気を出し白音と激しい殴り合いを始めた。二人の拳がぶつかる度部屋が大きく揺れた!お互い目にも止まらぬ速さで拳と蹴りのラッシュを繰り出し、ティアが尻尾で薙ぎ払い飛んで避けた白音が回転しながらかかと落としを繰り出しティアが腕をクロスして鱗で防ぐ!
「ふふ、やるな!接近戦では黒歌より上かもしれんな!」
「フゥゥゥゥ〜フゥゥ〜〜!!」
「だが今はお前を助ける!ハァァァ!!」
ティアは龍の尻尾で白音を弾き飛ばすと叫んだ!
「やれ!龍王!!」
ティアが叫ぶと背後から半透明の巨大な龍王の分身が現れ、巨大な拳を白音に振り下ろした!弾き飛ばされた白音は態勢を立て直し拳を受け止めたが動きが止まった。
「よし、ダンテ!今だ!」
「ああ!行け黒歌!!」
「わかったにゃ!白音!少し我慢してにゃ!」
白音の背後から再び黒歌が白音を捕まえた!それと同時に黒歌は白音の体に仙術を流した!すると暴れていた白音がフラフラし出した。そこに龍王の分身を消しティアも白音を押さえた!
「ダンテ!早く!!」
ダンテは素早く白音に近づき白音の肩に手を当て気を抑え込んだ!
「目を覚ませ白音!」
「シャアァァァ〜〜〜…」
白音は抵抗しダンテの腕に噛み付いたが少しすると白音の体に渦巻いていた魔力が弱まり赤かった目も元に戻った。解放された白音はガクンと頭を下げて気を失い、デビルトリガーが解除された。
「白音!!」
「大丈夫だ気を失っただけだ。もう大丈夫だ」
黒歌とティアもデビルトリガーを解除した。三人は安堵の表情で白音を見ていた。
「…う…うぅ…ん…」
その時白音が目を覚ました!黒歌はすぐに呼び掛けた。
「白音!大丈夫かにゃ!?」
「……黒歌…姉様?……私は…どうなったんですか?…それに姉様達その傷は…?」
「…白音…あんた……よかったぁ……」ヘナヘナ
白音の無事に安心した黒歌は腰が抜けへたり込んでしまった。
どうやら白音は操られていた時の記憶が無い様だ。黒歌が説明をすると白音は泣きながら何度も謝罪してきた、俺達は気にしてないと言っていたが白音は責任を感じている様で大泣きしてしまった。
数分後、体力がある程度回復し気分が落ち着いた白音にダンテが声を掛けた。
「よし白音、もう一度デビルトリガーを発動してみろ」
「…えっ?で、でもまた暴走するんじゃ……」
「大丈夫だ、さっきお前が制御しきれない分の気を抜いたからもう暴走しない筈だ」
白音はまた暴走するんじゃないかと心配していたが、ダンテの言葉を信じデビルトリガーを発動させた。
「・・・・・」
「どうだ、気分は?」
「…はい、大丈夫です、落ち着いています」
どうやら大丈夫みたいだな、白音は鏡の前に行き変化した自分の姿を見て驚いていた。
「やったね白音!デビルトリガー制御成功にゃ!おめでとう!」
「おめでとう白音、お前が無事でよかったよ」
黒歌とティアも微笑んで祝福した。白音はダンテの前に来ると笑顔で頭を下げた。
「…ダンテ兄様、黒歌姉様、ティア姉様ありがとうございます、この力で強くなってみせます!」
「あぁ、頑張れよ?」
お礼を言い頭を撫でると白音のデビルトリガーが解除された、白音は汗を流しながら不思議そうな顔をしていた。
「??…あれ?何もしてないのに勝手にデビルトリガーが解除されました」
「あぁ、デビルトリガーは魔力の消費が激しいんだ、今のはお前の魔力が切れたから解除されたんだ。お前は…見たとこ消費するのは魔力だけみたいだな、体力は減ってなさそうだな」
それを聞いて黒歌が羨ましそうにしていた。
「え〜、あたしとティア姉は体力も消費してたのに〜!いいにゃ〜」
危うく大惨事になるところだったが白音は無事にデビルトリガーを習得した。