「くそっ!てめぇよくも小猫ちゃんを!降りてきやがれ!俺が相手だ!!」
イッセーは白音をリタイアにした上空を飛ぶ紫のロングヘアの魔法使いの様な服装の女性に叫んだ。
「ふふふ、うるさいボウヤね。あなたも今のお嬢さんのみたいに爆発してみる?」
余裕そうに言う女性をイッセーは憎らしく見るが同様に怒りの表情で見ていた朱乃は不思議に思っていることがあった。
(…あら?おかしいわ、どうして小猫ちゃんのリタイアの放送が流れないのかしら?)
確かに今さっき爆発させられリタイアになったはずの白音の失格を告げる放送が流れないのだ……もしかして…
「落ち着くにゃイッセーちん、ペースを乱したら相手の思うツボにゃ」
黒歌は冷静に怒りで飛び出しそうなイッセーを落ち着かせた。
「…貴女、自分の妹が倒されたのにずいぶん冷静ね?こんなに心が狭い姉を持って妹さん可哀想ね?まぁいいわ、貴女もすぐに妹の所に連れてってあげるわ。この私、ライザー様の女王ユーベルーナがね!」
ユーベルーナが黒歌に杖を振り上げたその時!
「…誰が倒されましたって?」
「えっ?…なっ!?」
声の主にユーベルーナだけでなくイッセーと朱乃も驚いた。なんとそこには倒されたと思っていた白音が破壊された体育館の柱の上に乗ってこちらを見ていたのだ!
「なっ!?ど、どうして貴女がまだいる⁉︎確かに貴女はこの私が消し飛ばしたはず!?」
「…あの程度の攻撃をかわすのなんて造作も無いです。それと姉様は心が狭い人ではありません、失礼なことは言わないでください」
白音の言葉にキレ杖を振るい白音が乗っていた柱を爆発させたが白音は回転しながら飛び黒歌の隣に着地した。
「無事だと信じてたにゃ白音、流石あたしの妹にゃ♪」
「…当然です姉様」
イッセーと朱乃も白音の無事に安堵した。
「クソガキが…!まぁいいです、これから私が貴方達をここで始末しますから。それにこんなぺったんこでちんちくりんな子にコケにされたことがライザー様に知られたら叱られてしまいますし」
「…ぺったんこ…ちんちくりん……フッ」
ぷっちん!!
「…ん?なんか今変な音が……」
「あちゃ〜…あの女王、白音の触れちゃいけないところに触れちゃったにゃ……終わったかもね」
禁句の事を言ってしまった女王に黒歌はやれやれと頭を押さえてそう言うと白音が眉を吊り上げながらブリキ人形の如く黒歌の方を向いた。
「…姉様ぁ?あの女王は私が倒しますぅ、姉様達は手を出さないでくださいねぇ?」
「…ハァ…こうなったらもう止められないにゃ…わかったにゃ、好きにするにゃ」
「ふふふ…あら?聞き違いかしら?…ッ‼︎貴女一人如きが私に勝てるわけがないでしょう!ふざけるのも大概にしなさい!」
自分を一人で倒すと宣言した白音をユーベルーナは嘲笑った。
「小猫ちゃん!相手は女王だ!俺も一緒に戦うよ!」
「そうですわ!ここは共に戦った方がいいですわ!」
女王相手に一人で立ち向かおうとする白音にイッセーと朱乃は加勢しようとしたが黒歌に止められた。
「まぁまぁ待つにゃイッセーちん、朱乃ちん、ここは白音に任せてみるにゃ…白音、使うの?」
「…はい、あの女王に私の新たな力を見せてあげます…!」
「「えっ?新たな力?」」
「うん、驚くよ〜?たぶんイッセーちんと朱乃ちんの出番は無いと思うにゃ」
新たな力と黒歌の説得を聞きイッセーと朱乃はとりあえず従い、ユーベルーナの前に来た白音を心配そうに見つめた。
(…今の私が連続で変身していられる時間は長くて約3分、その間に勝負を決める!)
白音はユーベルーナの方を向き目を閉じて魔力を少しずつ高めると目つきを鋭くして呟いた。
「…デビルトリガー…!!」
白音の体に帯状の魔法陣が纏わりつき解放と同時に黒歌のデビルトリガーを白くした猫人間の姿に変化した!
「な!?何ですか…その姿は……?」
「こ、小猫…ちゃん?」
「そ、その姿は…一体……?」
ユーベルーナはもちろんイッセーと朱乃も変化した白音の姿に驚きを隠せなかった。
「…説明は後でします、今はあいつを倒します…姉様、手を」
「はいにゃ……飛んでけぇぇぇ〜〜〜!!」
白音は黒歌の手に脚を掛けてジャンプ台の要領で飛び上がりユーベルーナに急接近した!ユーベルーナは阻止しようと杖を構えたが白音のスピードに追いつけていなかった。
「…ダンテ兄様直伝!ライジングドラゴン!!」
「⁉︎ぐほぉぉぉ!??!」
技の発動でさらに加速した白音の鋭いアッパーカットがユーベルーナの杖を真っ二つに破壊しそのまま腹にクリーンヒットしユーベルーナは吹き飛んだ!勢いを殺さず白音はそのままユーベルーナに追いつくとユーベルーナの体にしがみつき両腕の自由を奪うと頭から急降下した!
「ぐっ…⁉︎は、離しなさい‼︎」
「…これで終わりです、飯綱落とし!!」
きりもみ状に回転しながらユーベルーナは頭から地面に叩きつけられ声を上げる間も無く光の粒子となり消えた。
『ライザー・フェニックス様の女王一名、リタイア』
白音は立ち上がると力を抜きデビルトリガーを解除した。その表情はやり切った様に清々しかった。黒歌も満足そうに頷いていた。
「…小猫ちゃん…すげぇ……」
「…本当に一人で倒してしまうなんて……」
唖然としているイッセーと朱乃に白音が説明を始めた。
「…この力はダンテ兄様に貰った力です。名前はデビルトリガーと言います。変身中は魔力を激しく消費しますが力が爆発的に上がります」
「ちなみにあたしとティア姉も使えるにゃ」
「「…………」」
説明されてもイッセーと朱乃は驚きのあまり声が出なかった。
「それじゃイッセーちん、朱乃ちん、次に行こうにゃ。…ほら、いつまでも呆けてないで」
黒歌に呼ばれてイッセー達はグラウンドに向かって走り出した。
◇VIPルーム
今の戦いを見ていた貴族悪魔達とサーゼクスは驚いていた。
「これは驚いたな、まさか女王を一人で倒すとは…しかもあれはデビルトリガーだろう?白音も使えるようになったのかい?」
「あぁ、白音が修行前の日に教えてくれって頼みに来てな、教えてやったんだ。まぁ発動した際に暴走しちまったがなんとか習得できたんだ」
「そうか、でもあの子……」
「あぁそうだな…今ので半分近く魔力を消費したな。もう少し力をセーブしないとこの先持たないぞ」
ダンテは白音の魔力がいつまで持つか心配していた。
▽
「…はぁ……はぁ……」
「白音大丈夫?息が上がってるにゃ」
「…はい、大丈夫です姉様、少し休めば落ち着きます」
白音の息が上がっていることに黒歌は心配したが合流場所に走った。
『ライザー・フェニックス様の兵士三名、リタイア』
祐斗と合流する為にグラウンドを目指していたイッセー達だがライザーの兵士が倒された放送が流れた。
「兵士三名?部長はまだ本陣を出てないし…もしかして木場がやったのか?」
誰が倒したのか気になっていると合流場所に着いた、しかしそこには誰もいなかった。このままじゃ的になるので隠れようとしたが…
「…お〜い、イッセー君、こっちこっち……」
「ん?木場か?何処にいるんだ?」
何処からか祐斗の声が聞こえた、イッセーは周りを探していたが黒歌と白音が気配を感じ取ると物置きの入り口で手招きしている祐斗を見つけた。イッセー達は周りを警戒しながら物置きに入った。物置き内にはティアも一緒にいた。
「相手の兵士をやったのはお前か木場?」
「うん、ティアさんと一緒にね。見回りの兵士を集めて一網打尽にしたけど、リーダー格が冷静でね挑発に乗ってこない。というより兵士を犠牲にしてこちらの手の内を探っているようだね」
「ライザー・フェニックスはサクリファイスが好きなようだが…チッ、あれでは眷属達が可哀想だ」
ライザーの戦法にティアは舌打ちして呟いた。
「それで今の状況はどうなってるんだ?」
「グラウンドと部室棟に騎士、戦車、僧侶が一名ずつ…体育館を消し飛ばしたからこちらに兵も集中すると思うよ。それとさっき聞いたけど、女王を倒すなんてすごいね、やったのは朱乃さんか黒歌さんかい?」
「違うにゃ、女王を倒したのは白音にゃ」
「えっ!本当に⁉︎凄いね小猫ちゃん!僕も負けていられないね!」
祐斗に褒められて白音は笑みを浮かべて照れていたが、ティアも祐斗を褒めた。
「いや木場祐斗よ、お前もスピードとキレが増しているぞ?修行の成果が出ているな」
「ありがとうございますティアさん!」
『聞け!グレモリー眷属達よ!!』
その時グラウンドから声が聞こえた。ドアを少し開け様子を伺うと甲冑姿の騎士と思われる女性が呼びかけながら堂々と立っていた。あれでは狙ってくれと言っているものだ。
「聞こえるか?グレモリー眷属よ!私はライザー様に仕える騎士カーラマイン!こそこそと腹の探り合いをするのも飽きた、リアス・グレモリーの騎士よ!いざ尋常に剣を交えようではないか!!」
「ほぅ、ずいぶんと勇ましい奴だ。あの様な戦士がライザー眷属にいたとは」
「…いや、ただのバカじゃないっスか?」
「私が出てやりたいが、どうする木場祐斗?ご指名だぞ?」
その勇猛さにティアは関心していたが、イッセーの言う通り安っぽい挑発なので祐斗は乗らないと思っていたが、祐斗は笑みを浮かべていた。
「フッ、名乗られてしまったら騎士として隠れているわけにもいかないか…僕は木場祐斗、騎士だ」
祐斗はドアを開け相手の騎士カーラマインの前に出て名乗った。イッセー達も出てきた。
「ほぅ、堂々と真正面から出て来るとは、お前たちの様な戦士がいてうれしく思うぞ、私はそういうバカが大好きだ!」
「…お前が言うかよ」
イッセーにツッコまれるカーラマイン。祐斗は剣を抜き構えた。
「騎士同士の戦いを僕も待ち望んでいたよ、いい勝負をしよう!」
「よく言った!リアス・グレモリーの騎士よ!」
カーラマインも炎を纏った剣を抜き、祐斗とカーラマインの戦いが始まった!
戦いを観戦していると後方から金髪の縦ロールのいかにもお嬢様という感じの気品のある少女と顔に仮面を半分付けたクールな女性が現れた。残りの戦車と僧侶だ。
「まったく、カーラマインったら泥臭くてたまりませんわ。剣の事しか頭にないんですもの」
「残りの戦車と僧侶か!ブーステッド・ギア!スタンバイ!さぁ来い!」
『Boost!』
「あら?私は戦いませんわよ?」
「はぁ⁉︎何だよそりゃ!?」
イッセーが声を荒げると仮面の女性が説明した。
「すまないな、あの方は特別なんだ。彼女の名はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の実の妹君だ」
「はぁああぁっ⁉︎妹を眷属にするとかそんなのアリかよ!」
「あぁ、何でもライザー様曰く『妹をハーレムに入れる事は世間的にも意義がある…ほら、近親相姦っての?憧れたり羨ましがる者は多いじゃん?まぁ俺は妹萌えじゃないからカタチとして眷属悪魔ってことで』…だそうだ」
仮面の女性はライザーの声真似をして説明した。
「あの焼き鳥野郎は本当の変態で馬鹿だったのか!」
「まぁそう言わんでくれ。では話は終わりだ!いくぞ!私は戦車のイザベラだ!勝負!!」
イッセーとイザベラの戦いが始まった!
「負けない!俺は絶対に部長を勝たせてみせる!」
イッセーと祐斗がそれぞれ戦いを始め、黒歌達はどちらかに加勢しようと思ったが残りの眷属全員が出てきたのでそちらの相手をすることにした。
「総力戦か!面白い!」
「にゃ?あの兵士の二人の女の子、あたしと白音と同じ種族みたいにゃ」
「…行きましょう姉様」
「それじゃ、あたしもそろそろ使うにゃ…デビルトリガー!!」
黒歌はデビルトリガーを発動させ黒い猫人間の姿に変身し、両眷属の総力戦が始まった!
イッセーは戦車のイザベラを相手に少し苦戦していた。
「ほらほらどうした‼︎お前は赤龍帝なんだろう?もっと私を楽しませてみせろ!」
「ぐっ…くそっ!」
イザベラの猛攻に反撃の隙を狙っていたその時、アーシアから通信が入った、その声はとても焦っていた。
『皆さん大変です!助けてください!部長さんがピンチです!…私と部長さんは本陣で待機していたのですが先ほどライザーさんから部長さんに一騎打ちの誘いが来て部長さんは乗ってしまいました!今校舎の屋上にいますが部長さんが押され気味です!誰か来てください!!』
……部長が…ピンチ……? 部長が負けたらどうなる?部長が…あいつに……そんなの………絶対に許さねぇ!
「おい!俺の腕に宿る赤い龍帝さんよ、聞こえてるなら応えろ!俺に力を貸しやがれ!俺は負けたくない!部長を守れる力を!俺の想いに応えてみせろ!!ブーステッド・ギア!!」
その想いの叫びに籠手が輝き形が変わっていった!
『Dragon Booster Second Liberation!!』
「形が変わった!?」
イッセーは頷くとカーラマインと戦っている祐斗に叫んだ。
「木場ぁぁああっ!お前の神器を解放しろ!」
「えっ?ソードバースの力を?…わかった!」
「いくぜ!ブーステッド・ギア!第二の力!赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!」
『Transfer!!』
「ソードバース!!」
祐斗が地面に魔剣を突き立てると二人の周りに地面から魔剣が剣山の如く生え、カーラマインやイザベラ達を串刺しにしていった!猫又の兵士が避けようとしたが黒歌が地面に仙術を流して動きを止めた!
「大人しく串刺しになるにゃ!」
レイヴェル以外の眷属達は全員魔剣の餌食になり光の粒子になり敗北した。
『ライザー・フェニックス様の兵士二名、騎士二名、戦車一名、僧侶一名、リタイア』
よし!後は王ライザーのみ!待っていてください部長!今行きます!