◇イッセーの家
ある夜、イッセーはアーシアに協力してもらって新技のドレスブレイクの練習をしていた。
「きゃあっ!…で、出来ましたね!…イッセーさん…?」
下着姿のアーシアがイッセーに技の成功を喜んだが、イッセーは何処か納得のいかない顔をしていた。
「…違う…これでは未完成だ!…何が足りないって言うんだ…?」
▽
私、デビルメイクライのメンバーの一人ティアことティアマットはある依頼の為にリアス・グレモリー達が通う駒王学園に向かっていた。
依頼の内容は…
『毎日のように私達の更衣室を覗いてくる男子生徒、通称「変態三人組」をもう覗き見したくなくなるくらい懲らしめてください』
…というものだ。流石にこれは男であるダンテには任せられない依頼なので私が引き受けることにした。
それにしても覗きとは…同じ女性として見過ごす訳にはいかないな!二度と覗きなど出来ぬ様、その変態三人組とやらには少々痛い目にあってもらおう!
時刻は午後4時前、学園に着いた私は待ち合わせ場所で依頼主が来るのを待っていた。周りには帰宅する生徒や部活をしている生徒に分かれていた。腕を組んで生徒達の様子を見ていると依頼主と思われる二人の女子生徒が近づいて来た、茶髪のツインテールの女の子と日本人にしては珍しいピンクのショートヘアの女の子だ、二人共スタイルが良く中々可愛らしい。
「…あ、あの…デビルメイクライの方…ですか…?」
ツインテールの女の子が緊張気味に尋ねてきた。
「あぁそうだが、キミ達が依頼主か?」
「あ、はい!剣道部の村山です!」
「同じく片瀬です!」
「そうか、私はティアマットだ、気軽にティアと呼んでくれ、よろしく」
ふむ、どうやら依頼主の様だ、それでは早速仕事を……ん?何だ?二人共頬を染めてポカーンとした表情で私を見ていた。
「…うわぁ…綺麗な人…///」
「…胸大っきい…///」
二人共私の人間形態の姿に見惚れていた。まぁ確かに私が街で情報集めの仕事をしていると道行く人々が私のことを見ていることが多い、自分で言うのもなんだが一応自慢の姿でもある。以前もスカウトマンと思われる怪しいスーツ男に声を掛けられたこともあったが丁重にお断りした、おそらくあれは私の体が目当てのAV系だろう。生憎だがこの体はダンテ以外に捧げる気は無い…って!何を言っているのだ私は⁉︎…おっと話がズレたがこのままでは話が進まないので私が声を掛けると二人はハッとして我に帰った。
「…あ!す、すみません!つい見惚れてしまって…」
「あぁ、それはいいのだが、仕事の説明をしてくれぬか?」
「はい!」
説明を聞いた私は呆れた、その三人組は注意しても追い回しても懲りずに毎日覗きに来るみたいだ…何故逮捕されないのか不思議だ。
「これがその三人組の写真です」
村山が三人の顔写真を渡してきた、ほぅ、準備がいいな。
「どれどれ……ふむ、坊主頭のスポーツ少年風の生徒に眼鏡をかけた生徒、そしてもう一人は……な⁉︎」
三人目の写真を見た私は思わず目を疑った!何と三人目はグレモリー眷属のリアス・グレモリーの兵士、兵藤一誠だったのだ!その瞬間私の中に殺意が芽生えた!
「…ッ!おのれ兵藤一誠ぇ!赤龍帝でありながら覗きをするとは!ドラゴンの誇りを傷つけおってぇ…‼︎許さん!もういっそのこと殺すか?そうだ、そうしよう!」ピリピリ!!
「…ティ、ティアさん……?」
「…だ、大丈夫ですか…?」
おっといかん!つい自分の世界に入ってしまった、危うく人間では無いことがバレてしまうところであった。
「ッ!…おっとすまない何でもない。さぁ早速始めよう!私が来たからにはもう覗き見なんてさせない!大船に乗ったつもりでいてくれ!」
「「はい!よろしくお願いします‼︎」」
私は二人と握手し、三人がいつも覗きに来ると言う更衣室に案内された。二人が更衣室に入ると私もジャージに着替え更衣室の周りに罠を仕掛けて借りた竹刀を担ぎ奴らが来るのを待った。罠を仕掛けて数分が経ったその時!
カラカラカラ!!
…どうやら獲物が掛かったみたいだ。罠が発動したことを知らせる音が鳴り私は更衣室の裏に向かった。そこには片足にロープが巻き付き逆さに吊るされた坊主頭の男子と眼鏡の男子がもがいていた。魔力を使わない罠はこれくらいしか思いつかなかったが上手く掛かってくれた。兵藤一誠の姿は無かったが…とりあえず二人捕獲という事でよしとしよう。
「くそっ!何だよこれ!?」
「俺達は獲物じゃないぞ!!」
もがく二人に私は竹刀を担いで近づいた。
「…おいお前達?私は覗き魔のお前達を懲らしめる様に依頼された者だ。これからお前達にはもう覗きなどしたくなくなるくらいたっぷりお仕置きしてやるから覚悟するがいい!!」
私は二人の頬に竹刀をぐりぐりしながら脅したが、二人はビビるどころか怪しく笑い出した…急に何だ?そっちの気があるのか?
「「ふふふふふ…」」
「…貴様ら、何を笑っている?」
私が眉を曲げると二人は怪しく笑いながら答えた。
「俺達が捕まることは作戦通りさ。今日は覗きをする前にイッセーがあんたの姿に気づいて全員で覗くのは無理と判断して作戦を立てたのさ」
「何?作戦だと?」
「俺達が囮になって捕まってその間にじゃんけんに勝ったイッセーが覗くと言うことなのさ!今頃はイッセーが覗いてる頃だろうな」
「…何だと?」
…自分達を犠牲にしてまであいつに覗かせたいのか?…そんなことに気を使うくらいならもっと別のことに使えばいいものを……無駄な覚悟だな。
「「待てぇ〜!!」」
その時校庭の方から村山と片瀬の声が響いた!どうやら兵藤一誠がバレたらしい。
「げっ!あいつバレやがった!」
「俺達の犠牲は無駄か⁉︎」
「ふふ、残念だったな?お前達の処分は後で下す!しばらくそのまま吊るされていろ!」
二人をそのままにし私は校庭に向かった。
校庭に出た私が見たのは剣道着姿で竹刀を構えた村山と片瀬に追いかけられている兵藤一誠だった。
「覗き魔!痴漢!」
「待ちなさい!このスケベ〜!」
必死に逃げる兵藤一誠!すると都合良く落ちていたバナナの皮を踏んで兵藤一誠は転倒した…すごい偶然だな。
「「覚悟ぉ〜〜!!」」
そこへ二人が竹刀を振り下ろした!だが兵藤一誠は二人の手首を掴んで受け止めた!…ほぅ、一応赤龍帝の名は伊達じゃないようだな。
「ちょ、ちょっと触らないでよ!」
「どうしよ片瀬!かぶれるかも⁉︎」
「急いで消毒すれば大丈夫よ!」
そう言って走り出す二人…完全に病原菌扱いか兵藤一誠よ、ハハハ………む?何だあれは?走る二人の身体に魔力の糸が巻き付いている?それは兵藤一誠の手から伸びていた、周りの者には見えていないが……兵藤一誠は立ち上がると何かを企む様な顔で指を鳴らした、すると次の瞬間!!
ビリビリビリ!!
「「えっ?…きゃあああぁぁぁ!??!」」
「なっ!?」
「な、何よコレェ〜!?」
「見ないでえぇぇぇぇ〜〜!!」
二人の身体に巻き付いていた魔力の糸が締まり二人の剣道着がバラバラになり全裸になった!二人は泣きながら抱き合ってお互いの裸を隠してその場に座り込んだ。
周りにはたくさんの男子を含めた生徒達がいる!このままではマズい!私が近づくと兵藤一誠は逃げ出したが今はあの二人を何とかしなくては!私は急いでジャージの上着を脱ぐと(上着の下はさらし)座り込んでいる二人に被せて優しく抱きしめながらあやした。
「よ〜しよし、もう大丈夫だぞ?ほらもう泣くな、よしよし」
「「…ティアさん…ふえぇぇぇん!!」」
「よしよし…落ち着くまで私が側に着いててやるからな」
私の言葉に二人は安心したのか私の胸に顔を埋めてさらに泣き出した。私は二人が落ち着くまで背中を摩りながら優しく抱きしめた。その母性溢れる行為に周りの女子生徒達は頬を染めて見ていた。抱きしめて数分経ち、ある程度二人が落ち着いてきたところで周りに呼び掛けた。
「誰か!この二人に着る物を貸してあげてくれ!」
私の呼び掛けに周りにいた女子生徒達数人が体操着やジャージなどを持ってきて二人に着せた、これでとりあえず大丈夫だな。私は二人の頭を撫でると立ち上がった。さて、あいつ兵藤一誠には処刑以上の罰を与えなければならん様だ!!首を洗って待っていろ!!私は兵藤一誠が逃げて行った方向へ走り出した。
▽
「新必殺技ですって?」
その頃イッセーはオカルト研究部の部室に来てリアスにドレスブレイク完成を報告していた。
「はい!さっき完成しました!」
「あらあら、うふふ、それは是非見てみたいものですわ」
「はい!じゃあ朱乃さん、失礼します」
そう言ってイッセーは朱乃の肩に手を当て小型の魔法陣が現れた。
「えっ…?」
朱乃がきょとんとしているとイッセーは指を鳴らした、その瞬間朱乃の制服が弾け飛び全裸になった!
「あらあら…///」
「うひょ〜!!」
「こ、これが必殺技⁉︎」
「朱乃さんにも通じたってことは十分戦力になるはず!部長も是非実験台に!」
イッセーはわしゃわしゃ指を動かしながらリアスに協力を頼んだ。
「…えっ⁉︎……わ、私は遠慮しておくわ……」
「そんなこと言わずに協力してください……部長ぉ〜〜♡」
下心丸出しの顔でリアスを追い始めたイッセー!リアスは必死に逃げる!
「だ、だから私はいいの!イッセーの技の凄さはわかったから!」
「遠慮せず!可愛い下僕のためじゃないですか!部長ぉ〜♡」
「あらあら、部長も恐れるなんて凄い効果ですわね」
朱乃は助けずに二人の追いかけっこを楽しんで見ていた。
「つっかまえた!!」
ついにイッセーがリアスを捕まえリアスの手首に魔法陣を出現させた。
「…ちょ、ちょっと待ってイッセー!私まだ心の準備が…それに私こういう強引なのはちょっと…」
「観念して弾けてください!……パチンッと」
イッセーが指を鳴らしリアスも全裸にされた!
「こらぁ///もう…」
リアスは顔を赤くしその場にしゃがみ込んだ。
「おぉ!いつも冷静な部長まで…萌える……じゃないこれは!イケる☆!!」
「…バカ」
『赤龍帝ェ〜!!何処行ったァァ〜!!』
「げっ⁉︎ヤバイ!!」
その時部室の近くの外からイッセーを探す声が響いた!その声を聞いたイッセーはビクッとしてリアスの机の後ろに隠れた。
「…あの声はティアマット⁉︎イッセーあなた何かしたの⁉︎」
「は、はい、ちょっと……なので部長!ティアさんがここに来ても俺はいないって言ってください!お願いします‼︎」
そう言ってイッセーは気配を消してガタガタに震えて耳を塞いだ!
「えっ⁉︎ちょ、ちょっとイッセー⁉︎」
「そこかぁぁぁ〜〜〜!!!!」ドゴン‼︎
そこへ部室のドアを蹴破り、竹刀を持った上半身さらしと下半身蒼いジャージ姿のティアが肩で大きく息をして入って来た!その表情は凄まじい怒りに満ちていた!
「フゥ!フゥ!…おいお前達!ここに兵藤一誠が逃げて………来たみたいだな?お前達のその姿を見ればわかる」
ティアは全裸の姿のリアスと朱乃を見てイッセーがここに来たことがわかった。ティアは凄まじい圧と共にオーラを纏った竹刀をリアスに向けると問い詰めた!
「私は今気が立っている!命が惜しければ言え!兵藤一誠は何処だ!!」
「ちょ、ちょっと待ってティアマット!落ち着いて!イッセーは何をしたのよ!」
怒りながらティアは説明した。
「…あいつはな、お前達が受けたその技を私の依頼主の女子生徒に使ったのだ!しかも他の生徒がいる校庭の…ど・真ん中でだ!!」
「えっ⁉︎そ、そうなの?」
「あらあら、それはちょっとやり過ぎですわね」
リアスと朱乃はイッセーがやらかしたことに驚いた。しかも最悪自分達の正体がバレ兼ねない!
「あの二人の心は酷く傷ついた…私は何としてでもあの二人の無念を晴らさねばならんのだ!故に奴には処刑以上の罰を受けてもらう!!」
「処刑以上の…罰?ってどんな…?」
その頃イッセーは這いながらソファの後ろを通り部室の出口を目指していた。
「とにかく奴が戻って来たら捕まえて……って待て貴様‼︎」
這いながら部室を出ようとしていたイッセーをティアが捕まえた!
「…あ、あはは…ど、どうもティアさん…」だらだら
「…貴様、覚悟は出来ておろうな?」ゴゴゴゴ
「…え、え〜…と……戦略的撤退!!」
「逃がすか!馬鹿者!!」
イッセーとティアのマジな追いかけっこが始まった!…部室内で。ソファやテーブルを倒しながら二人は走り回っていた!ティアはほぼ殺す気で追っているので部室はさらに荒れていた!
「ちょ、ちょっと貴方達いい加減にしなさい!!」
リアスが呼び掛けても二人は止まらなかった。どんどん荒れていく部室!ティアは持っていた竹刀をぶん投げイッセーの頭に直撃させた!ふらふらして倒れるイッセー、そのままティアがイッセーを取り押さえ捕まえた!
「捕まえたぞ!観念しろ兵藤一誠!!」
「ちょ!待っ!!」
パァァ…
「「あっ…」」
暴れるイッセーの手がティアの肩に触れ魔法陣が現れた!イッセーはティアと目が合うと脱出する為に指を鳴らした、その瞬間!ティアのさらしとジャージがバラバラに弾け飛び全裸になった!
「うっひょ〜!!朱乃さんを軽く超える超爆乳‼︎しかもこれだけの大きさなのに全く張りを失っていない!それにこの艶と乳首…まさにパーフェクトおっぱい!!こんなの漫画でしか見たこと無いぜ‼︎脳内保存、脳内保存っと…ありがとうございます!!」
ティアの胸を目の前で見れてイッセーは逃げる事を忘れて興奮しお礼を言っていた。
「…イ、イッセー……」
「あ、あらあら…これは…マズいですわ……」
「…へっ?」
リアスと朱乃が完全に引いた表情で言った瞬間、ティアから凄まじいオーラと殺気が放たれた!!
「フフフフ…!…ダンテにもまだ見せたことが無いのに貴様の様な変態に…!!」ピリピリ…
ダンテより先にイッセーに裸を見られたことに怒り出した(以前見せたのは下着姿まで)。
「この姿を見て生きて帰った男はいない!!」カッ!!
ティアの目が赤く光り殺気とオーラが跳ね上がった!!
「覚悟しろォッ!!兵藤一誠!!!!」
「うわぁぁぁ!?ごめんなさい〜〜!!」
ティアは両腕を龍王化させ本気でイッセーを追い始めた!
「こ、これはマズいわ!朱乃!彼を呼んできて!今すぐ!!」
「は、はい!わかりましたわ!」
かなりマズいと判断しリアスは助けを呼びに行くように朱乃に命令した!朱乃は慌てて了解すると全裸のまま転移して行った!そうしてる間にもイッセーはティアから必死に逃げていた!部室の床や壁には大穴やひびが入り崩壊しそうになっていた。
そこへ魔法陣が現れダンテと制服姿の朱乃が転移して来た。ダンテはリアスの姿を見て呆れた。
「おいおい…全裸で来た朱乃にも驚いたがお前も全裸かよ…ここは裸族の集落か?」
「うふふ…お恥ずかしいですわ♡」
全裸のままデビルメイクライに転移してしまった朱乃はダンテの言葉に恥ずかしそうに頬を染めて笑っていた。
「ッ///そ、そんなことより彼女を…ティアマットを止めて!このままじゃイッセーが殺されちゃうわ!!」
そう言われ全裸でイッセーを追い回しているティアを見て溜め息を吐いた。
「…何だよ、あいつも全裸かよ」
「いいから早く止めて!」
「…へいへいわかったよ、お前も早く服を着ろ」
頭を掻きながらダンテはティアの方に向かった。
「これで終わりだ!!兵藤一誠!!!」
ティアがイッセーを壁に押し付けとどめを刺そうとしたその時。
「おいティア?その辺にしとけ」
「あ"ぁ?……‼︎……ダ、ダンテ?……な、何故ここに?………ッ///……うわぁ///!!み、見るなぁ!!」
さっきまでの怒りが消え急に乙女になったティア。改めて初めてダンテに裸を見られて恥ずかしくなり胸と股を隠してその場に座り込んだ!
ダンテのたった一言で騒ぎは収まった。
「…ったく…ほら、立てよ」
「…あ、ありがとう……」
ダンテは溜め息を吐くとコートを脱ぎティアに被せて立ち上がらせた。少しして落ち着いたティアは朱乃に服を元に戻してもらうと魔法陣を展開しイッセーに忠告した。
「兵藤一誠!今回はダンテに免じて許してやろう!だが今度またあの技を私の前で使ったら次こそ命は無いと思え!!いいな!!」
ティアはそう言い転移していった。
こうして命拾いしたイッセー、とんだ必殺技誕生の日となったのであった。さらに今回の騒動の被害者の片瀬と村山、目撃者の生徒全員の記憶を消さなければならない為、イッセーはソーナから厳重注意をされ説教を長時間されたのであった。
次回からエクスカリバー編