第26話 増える同居人、新たな火種
婚約騒動から数日が経った。
あれからイッセーとリアスは距離が縮まった様でアーシアに続きリアスもイッセーの家に住むことになったらしい。イッセーのやつも「憧れのリアス部長と同棲開始‼︎ビバ桃色ライフ!」と浮かれてやがった、ハッ!幸せ小僧が!まぁせいぜい嫌われない様に頑張んな。
…そして俺の所はというと………
「うふふふふ」
「にゃ〜にゃ〜♪」
俺は今ソファに座っているんだが、隣には黒髪ロングポニーテールの大和撫子の言葉が似合う長身美女、そして膝の上に体を俺の方へ向けて座っている白い猫耳と尻尾が生えた小柄な美少女がいた。
そう、オカルト研究部副部長、姫島朱乃と黒歌の妹、白音こと塔城小猫がいたのだ。
この二人は騒動後のお礼を言いに来た日の翌日から自分達もデビルメイクライに住みたいと転がり込んできたのである。当初は断ったのだが、二人の上目遣いの頼みと黒歌の頼みで渋々了承した。部屋の方はサーゼクスに相談したらあっさり納得して部屋を増やすと同時に建物が三階建てになった、相変わらずスゲェ技術だぜ…
役割りの方は朱乃は学園から帰って来たら黒歌同様家事担当になった。それはいいんだがお互い料理が得意ということもあり毎晩どちらが夕食を作るか火花を散らしていた。白音は学園から帰って来たら黒歌のBARの手伝いをすることになった、客からは猫耳姉妹でやっているということでさらに大ウケしたとの事。
ずいぶん賑やかな事務所になったもんだ。
▽
翌日、俺達デビルメイクライはリアスに呼ばれてオカルト研究部の部室に来ていた、何でもオカルト研究部と生徒会でお互い眷属が増えたことでいうことで紹介と生徒会のやつらが俺達に挨拶したいらしい。
部室にはソーナを始めとする生徒会のメンバーが来ていてリアスが俺達の紹介をした後ソーナ達と話をしていた、男子一人の女子率が高い生徒会だな…
眷属紹介が始まりイッセーとアーシアが挨拶し終わると生徒会の唯一の男子が自己紹介をした。
「はじめまして!生徒会書記を務めています、二年の匙元士郎です。シトリー眷属の兵士です、よろしくお願いします!」
兵士と聞き真っ先にイッセーが反応した。
「おっ!俺と同じ兵士か!同学年に兵士がいるのはちょっと嬉しいな、兵士同士仲良くしようぜ!よろしくな!」
イッセーは握手を求めたが匙は不快な顔をして返した。
「…俺としては変態三人組の一人であるお前と同じだなんて酷くプライドが傷つくんだけどな…」
「あぁ⁉︎なんだと!」
「やるか⁉︎こう見えても俺は駒四つ消費した兵士だぜ?最近悪魔になったばかりだが、兵藤なんぞに負けるかよ!」
喧嘩が始まりそうになったがダンテは鼻で笑った。
「…フッ、何だよ、イッセーより少ねぇじゃねぇか」
「はぁ?何だよ?アンタは俺より兵藤の方が強いって言いたいんスか⁉︎」
匙がダンテに食ってかかったがその時、ソーナが止めた。
「サジ、お止めなさい」
「ッ‼︎」
「今日ここへ来たのはあなた達新入眷属の顔合わせの為、シトリー眷属なら私に恥をかかせないこと。それにサジ、今のあなたでは兵藤君に勝てません。彼は今代の赤龍帝です、フェニックス家の三男を倒したのは彼なのですから、兵士の駒を八つ消費したのは伊達ではないという事です」
「駒八つ⁉︎嘘だろ⁉︎あのライザーをこいつがやったってのか…てっきり木場か姫島先輩が倒したのかと…」
「それから、こちらのダンテさんは兵藤君や私達とは比べ物にならない力の持ち主です、失礼な発言はいけませんよサジ?」
注意された匙はイッセーの駒消費量を聞いて驚き、さらにダンテがイッセーやソーナ達を上回る実力者だと知り慌てて謝罪していた。
「ごめんなさい、兵藤君、アーシアさん。うちの眷属はあなた方より実績がないので失礼な部分が多いのです。よろしければ同じ新人悪魔同士仲良くしてあげてください………サジ」
「え、は、はい…よろしく」
ソーナの眼力で匙は頭を下げて挨拶した。するとその時匙を見ていたティアが何かを感じ取り匙に近づいた。
「…む?おい匙とやら?お前ずいぶんと興味深い者を宿しているな?ちょっと見せてみろ」
「…えっ⁉︎あ、あの…」
ティアは匙の手を取ると目を細めてじっくり見た、匙はいきなり手を握られて頬を染めていた。
「…ほぉ…なるほど。まだ覚醒していないがお前に宿っている神器は私と同じ五大龍王の一角『黒邪の龍王(プリズンドラゴン)』ヴリトラの魂の一部の様だ。龍王を宿すとはとても貴重なことだ、誇るといい」
「は、はい…///」
新人紹介も終わったのでソーナ達シトリー眷属は帰っていった。
「紹介も済んだ事ですし、私達はこれで失礼します…リアス、球技大会が楽しみね?」
「えぇ、本当に」
…ん?今二人の間に僅かに火花が見えた様な…?後で聞くと球技大会が近いとのこと。なるほどな、二人はライバル同士ということか…。俺達も用が済んだので帰ることにした。
▽
球技大会当日。
朱乃と白音は燃えていた!二人はダンテに見に来てほしいと言っていたが仕事が溜まっていたので行けないと言うとシュンとしたがダンテが見ていなくても優勝してみせるから信じていてと言っていた。
「では行ってきますわ!」
「…ダンテ兄様、土産話を楽しみにしていてください」
二人は元気よく学園に登校して行った。
「さてと、んじゃ俺も依頼に行ってくるか…」
ダンテは依頼書が貼られているコルクボードの前に来た、いっぱいあるが相変わらずあくびが出る物が多いぜ…
「…お?この依頼は……よし、これにするか」
その依頼は以前知り合ったロックメンバーからだった。倒れたギターが復帰したので今度はフルメンバーで一緒にライブをやりたいということらしい。面白そうだし行ってみるか。依頼を決めたダンテはライブハウスに出発した。
◇ライブハウス
歓声が響く室内、スピーカーがぶっ壊れるんじゃないかと思う程のヘビメタ風の爆音音楽が響く中、ダンテは以前同様に激しく動きながらギターを弾いていた!今回はピエロメイクではなく何処ぞの閣下の様なメイクをしていた。ちなみに今回弾いているギターはネヴァンが変身している、ネヴァン曰く「観客を痺れさせてあげる」らしい。
そして曲のフィニッシュになり滑り込みと奇声で決めた!
「フォォォォ〜〜!!イヤッハァァァ〜〜〜!!!!」
『ワァァァァァ(≧∀≦)(≧∀≦)!!!!』
観客から歓声が響き渡りライブは大成功に終わった。
ライブが終了し楽屋ではメンバー達がダンテのパフォーマンスに絶賛し、復帰したギターからは弟子にしてくれと言われてしまった……弟子は取らねぇ主義だ、自分で頑張んな。ネヴァンが変身したギターも見せてくれとも言われたが、バレたらマズいので断った。
「ダンテさん、今日もありがとうございました!またお願いします!」
「おぅ、また依頼してくれ、じゃあな」
報酬を貰いダンテは楽屋を後にし帰路に着いた。
依頼を終えてデビルメイクライに向かうダンテ。時刻は午後4時、球技大会も終わった頃か?天気は雨が降っていた…行きはあんなに天気が良かったのにな。周りの人達は傘をさして歩いていたがダンテは気にせず歩いていた。
『風邪引くわよダンテ?』
ネヴァンが体の中から心配してきた。
「俺が傘なんかさす柄か?それにそんなヤワな体じゃねぇよ」
『そう、ならいいけど』
そもそも風邪を引いたことが無いしな…既に服はびしょ濡れだったが気にすることなく歩き続けた。
すると前から白いローブの姿の怪しい二人組が歩いて来た、二人もダンテ同様びしょ濡れだ。ダンテは変な奴だと思いながら二人とすれ違ったが、その時一人が話し掛けてきた。
「…おい、ちょっと待て」
呼び止められダンテは止まった…声からして女の様だ。
「…何だ?悪りぃが宗教の勧誘ならお断りだぜ?」
「…フッ……」
次の瞬間!ローブの一人がダンテに巨大な剣を振り下ろして来た!ダンテはバックステップでかわした!
「…おいおい、何のつもりだ?」
「貴様、人間では無いな?一体何者だ?」
「そんな物騒なもんを振り下ろす奴に教えたく無ぇな」パチン!
指を鳴らすと上空からリベリオンが降りて来て地面に突き刺さった!
『ダンテ、その娘が持ってる剣は聖剣よ!』
「聖剣?」
ネヴァンが警告してきたが、聖剣と聞きダンテはニヤッとしてリベリオンに手を掛けるとローブの女に向けたが、もう一人のローブの女が止めに入った。
「待ってゼノヴィア、こんなとこで騒ぎを起こしたら人が来ちゃうわ、私達には目的があるんだから」
「…む、確かにな。おい貴様、命拾いしたな?今はその命預けておこう、ではさらばだ」
ゼノヴィアと呼ばれた女は剣に布を巻くとフードを被りなおしてもう一人と共に去って行った。ダンテはリベリオンを背に刺すと頭を掻いた。
「…ったく、何だったんだ?一体」
溜め息を吐き、歩くのが面倒になったダンテはデビルメイクライにいる黒歌の魔力にエアトリックを発動させ瞬間移動して行った。
▽
デビルメイクライに戻ってきたダンテ。朱乃と白音は球技大会の後、部活の為遅くなる様でまだ帰ってきてなかった。先ほど謎の二人組に襲われたことを黒歌とティアに話したら黒歌は心配しティアはダンテを襲ったことを怒っていた。
先に夕食を食べしばらくした後、今三人はある賭けの為にポーカーをしていた。
「フルハウスにゃ!」
「ロイヤルストレートフラッシュ!フッ、私達の勝ちだ」
「……やってらんねぇ」
結果はダンテの惨敗に終わった、あっさり負けたダンテに黒歌とティアが笑っていた。
「にゃはは!相変わらずダンテって賭け事に弱いよね〜?」
「ふふ、この前もビリヤードで賭けをした時もはずしていたな」
「…うるせぇ」
「さぁダンテ!約束通り負けた人がこの近くのコンビニ限定スイーツを買ってくること!よろしくにゃ〜♪」
「あぁ?そんな事言ったっけか?」
ダンテがとぼけると黒歌は声を荒げた。
「言ったにゃ!ほらさっさと行くにゃ!ちゃんと朱乃ちんと白音の分も買ってくるにゃよ?」
「…チッ、わかったよ」
「ダンテ、ついでにビールも買ってきてくれ」
「傘持ってかないのダンテ?」
「今更いらねぇよ」
ティアから追加が入り、ダンテは濡れたままのコートを着るとコンビニに向かった。
外は相変わらず雨が降っておりさっきより激しくなっていた、ダンテは早歩きで近くのコンビニに向かった。コンビニに着いたダンテは人数分のスイーツとビールを購入するとデビルメイクライに戻り始めた。
俺は何でこんなことをしてるんだと溜め息を吐いて歩いていたその時、近くから金属音が聞こえた!
「…この魔力は……祐斗か?何やってんだ?こんな住宅街で?」
不思議に思いつつダンテは争っていると思われる祐斗の魔力の元に向かった。
その時、僕、木場祐斗は苦戦していた。前にイッセー君の家で部活をした時に見せてもらったアルバムに偶然見てしまったある物、僕がずっと探し続けていた憎むべき物、聖剣エクスカリバー‼︎その日から僕はエクスカリバーを破壊することだけを考えていた。今日部長に怒られたがそれでも僕の想いは変わらない!そう思って歩いていた時、そのエクスカリバーを持ったある男に襲撃された!
「ひゃははは!!どうしたよ?イケメンくんよぉ!そんなんじゃこのエクスカリバーちゃんには勝てないぜぇぇ?」
「…くっ!黙れ!!その剣を破壊させてもらう!!はぁぁ!!」
エクスカリバーを持つ相手、以前会ったはぐれ神父フリード・セルゼンに祐斗は魔剣を振るったがエクスカリバーの能力なのか全く当たらず祐斗は闇雲に振り回していた。
「ほらほら♪軽過ぎるぜぇ!太刀筋がまるでなってナイぜぇ!隙だらけダゼェ!!」
「‼︎ぐあっ!」
エクスカリバーの一太刀が祐斗に入り斬られた部分から煙が上がった!膝をついた祐斗にフリードはエクスカリバーを舐めながらとどめを刺そうと近づいた。
「どうよ?エクスカリバーちゃんの威力は?痛い?ねぇ痛い?ひゃはは!アンタ騎士のくせにずいぶん弱っちかったッスねぇ?こんなんじゃエクスカリバーちゃんの性能が発揮できませんねぇ〜?超つまんねぇ〜し、つーわけでアンタもういいっす、もう死ね、死んじゃえぇぇぇ!!」
フリードは狂ったようにエクスカリバーを動けない祐斗に振りかぶった!がその時、フリードが持つエクスカリバーが突如飛来した魔剣によって吹き飛ばされた!
「…痛ってぇぇっすネェ⁉︎誰ッスカ!」
フリードは痺れた手をさすりながらエクスカリバーを吹っ飛ばした人物を睨みつけた。
「なんか騒がしいと思って来てみれば……またお前か。これ以上やるなら俺が相手になってやるぜ?」
「げっ⁉︎またアンタッスか⁉︎できればアンタとはもう戦いたく無かったんっすよねぇ〜…つーことで!はいチャラバ!!」カッ!!
フリードは光玉を炸裂させエクスカリバーと共に逃げて行った。ダンテはリベリオンを背中に刺すと負傷している祐斗に声を掛けた。
「おい祐斗、大丈夫か?あんな奴に遅れを取るなんてお前らしく無いな」
ダンテの言葉に祐斗は顔を上げたがその目いつもと違っていた。
「…何故邪魔をしたんですか?逃げられちゃったじゃないですか」
祐斗はまるでダンテが余計なことをしたみたいに冷たく言い放った。
「……まるで助けてもらいたく無かったみたいな口ぶりだな」
「…そうですね、貴方が手を出さなければ僕の目的が達成できたかもしれなかった……でも今回は危なかったので助けてくれたことは感謝します。ですが次は手を出さないでください、では失礼します」
…それはどうも失礼しましたってか?祐斗は聖剣のダメージが落ち着くとそのまま住宅街の闇に消えていった。
祐斗、一体何があったんだ?今のあいつの目は憎しみ…復讐の目だった……これはリアスに聞いてみた方がよさそうだ。そう思いながらダンテは再びデビルメイクライに向かって歩き始めた。
◯●◯
「お帰りにゃダンテ!遅かったにゃね?スイーツは?早く食べたいにゃ」
「おぅ、ほらよ」
「ありがとにゃ〜♪……にゃ⁉︎何にゃこれ⁉︎めちゃくちゃじゃない!もう信じられない!もう一回買ってきてにゃダンテ‼︎」
「まぁまぁそう怒るな黒歌…ブシュゥゥゥ‼︎…うわっ⁉︎ビールが!ほとんど無くなってしまったじゃないか!もう一度買ってこいダンテ‼︎」
数分後、デビルメイクライに戻ったダンテだったが先程の騒動でめちゃくちゃになったスイーツに怒った黒歌とビールが泡立って吹き出したことに怒ったティアにもう一度買いに行かされたのであった。