◇駒王学園 校庭
先に駒王学園に集結していた祐斗を除くグレモリー眷属は校庭上空にいるコカビエルを前に表情を強張らせていた!ソーナ達シトリー眷属には街に被害が出ないように学園の周りに結界を張ってもらっていた。
コカビエルは魔力で作った玉座に座りリアス達を見下ろし、その下の後方には写真で見せてもらった白髪の老人、バルパー・ガリレイが大型の魔法陣を展開し周りを四本のエクスカリバーを浮かばせて術式を始めていた。
しかしリアスはそれよりも気になる人物がいた、コカビエルの横に立つイッセーの禁手の様な緑がかった黒の全身鎧の騎士だ。
(…あの騎士は一体何者かしら?あの様な者見たことが無いわ…それよりも気になるのは感じる魔力もコカビエルを上回っているわ!どういうことかしら…?)
「バルパー、エクスカリバーを一つにするのに後どれくらいだ?」
「くくく、5分もいらんよ」
「そうか。さて…サーゼクスは来るのか?それともセラフォルーか?」
コカビエルは援軍に誰が来るのかリアスに聞いた。リアスは当初御家騒動後だったので迷惑をかけたくないと思いサーゼクスには打診をしなかったのだが朱乃が個人で解決できることでは無いと判断し打診していたのである、しかしそれでも到着まで1時間はかかるという。援軍が来るまでの1時間、私達でなんとしても持ち堪えなければ!!
「お兄様とレヴィアタン様の代わりに私たちがーー」
リアスの言葉にコカビエルは溜め息を吐くと手をスッと下ろした、その瞬間体育館が爆発し崩壊した!コカビエルが巨大な光の槍を投げたのだ!
「チッ、つまらん…まぁいい、余興にはなるか」
イッセーは跡形もなく破壊された体育館を見て青ざめていた。
「う、嘘だろ…?体育館が無くなっちまったぞ……」
『あいつは聖書に記される程の強者だ。先代の魔王や神を相手に戦った生き残りだ、この程度は奴にとっては朝飯前だ』
「…あんな奴に勝てるのかよ?」
『心配するな、いざとなったら相棒の身体の大半をドラゴンにしてでも打ち倒してやるさ、倒せないまでも1時間くらい動けなくするくらいならできるだろう』
さらりとコカビエルの強さのレベルを言うドライグにイッセーは苦笑いしていた。
「さあ!余興を始めよう!まずは…そうだな、おい騎士……ずっと騎士のままでは呼びづらいか……ではネロアンジェロ!お前の力を見せてみろ!お前の力であいつらを蹴散らしてみせろ!」
「・・・・・・」
しかしネロアンジェロは命令に従わず腕を組んで学園の外、デビルメイクライの方角を見ていた。
「おい!聞いているのか貴様⁉︎……ん?この方角は…そうか、お前はあの男ダンテを待っているのか」
「⁉︎貴方何故ダンテを知っているの⁉︎」
リアスはダンテの名を口にしたコカビエルに驚いた。まさか彼に何かした⁉︎
「ここに来る途中奴に挨拶をしておいた、奴にも招待状を渡しておいたから、もうじき来るはずだ、役者は多い方がいいからな!ははは!!」
「貴方!ダンテさんに!」
「…ダンテ兄様に何かあったら許しません!」
朱乃と白音が魔力を纏い鋭い目つきでコカビエルを睨みつけた。
「では奴と援軍が来るまで地獄から連れてきた俺のペットと遊んでもらおうか」パチン!
指を鳴らすと巨大な魔法陣が現れそこから5メートルくらいの黒い体毛の三つ首の魔獣ケルベロスが現れた!
「ケ、ケルベロス⁉︎まさかこんなものを人間界に持ち込むなんて!」
「ダンテさんのケルベロスじゃなくて本家のケルベロス!やばそうっすね…」
予想外の怪物の登場にリアス達は驚いたがかつてダンテの魔具達を相手に修行した経験があったので恐れはそれほど無かった。
「皆やるわよ!私たちはあの修行を耐え抜いたのよ!相手が一体ならあの戦いを思い出すのよ!!」
『はい、部長!!』
グレモリー眷属とケルベロス(本家)の戦いが始まった!
イッセーはサポートに徹し譲渡の為に力を溜め始めた。まずはリアスと朱乃がケルベロスに向かった!ケルベロスが二人に炎を吐いたが朱乃が防御魔法陣を展開し防いだ。
「ぬるいですわ」
朱乃は難なく炎を防いだ。このケルベロスは決して弱くは無いのだが、彼女たちはダンテのケルベロス相手に耐え抜いたのだ、やはりそれと比べたら軽い方である。ケルベロスはもう一度炎を吐こうと息を吸い込んだが…
「…隙あり」
懐に飛び込んでいた白音のアッパーカットによって阻止された!そこへリアスと朱乃が追撃に滅びの魔力と雷を放った!
「もう一撃あげますわ!」
「くらいなさい!」
二人の攻撃が直撃しケルベロスは血を吐きながら倒れ込んだが、やはり地獄の番犬と称されることはある!震えながら再び立ち上がった!
「くそっ!まだ動けるのかよ!譲渡するまでの力はまだ溜まってないし…どうする…?」
グルル…
その時後方から唸り声が聞こえ振り向くとアーシアの後ろからもう一体ケルベロスが現れアーシアに飛びかかろうとしていた!
「な⁉︎もう一体⁉︎アーシア!!」
イッセーはアーシアの前に立ち庇うように身構えた!やられる‼︎
ザシュ!
しかし牙はイッセーに届かずケルベロスの首は斬り落とされイッセーの前に落ちた!
「すまない、遅くなった。加勢に来たぞ」
首を斬り落とした人物、ゼノヴィアは頭の上に乗るの聖剣を突き刺し消滅させた。すると首を一つ失っても動けたケルベロスがゼノヴィアに飛びかかってきた!しかしゼノヴィアは飛び上がると破壊の聖剣で胴体を一刀両断しケルベロスを消滅させた!
「よし!こっちも溜まった!部長!朱乃さん!」
イッセーの譲渡の力が溜まりリアスと朱乃に同時に力を譲渡した!二人の魔力が強化され、リアスは魔力をチャージし、朱乃はネヴァンから教わった雷を放つ為に魔力を高めた!朱乃の魔力に危険を感じケルベロスは後退ったがそこへ現れた祐斗のソードバースの力で脚を縫い止められた!
「木場!」
「朱乃さん!今です!」
「ありがとうございます祐斗君。天雷よ!鳴り響け!!」
極太の特大の落雷がケルベロスに直撃し跡形もなく消滅した。
「くらいなさいコカビエル!!」
リアスは特大の滅びの魔力の魔弾をコカビエルに放ったがコカビエルは玉座に座ったまま片手で弾き飛ばしてしまった!
「嘘だろ!あんなにデカい魔力を片手だけで⁉︎」
片手で弾いたコカビエルに驚いたがコカビエルも煙が上がっていた自分の手を見て少し驚いていた。
「なるほど…赤龍帝の力を借りるとここまで力が上がるのか、面白い。それにケルベロスを倒すとはな、予想より楽しめそうだ。役者も増えたようだな?それではこちらも追加しよう」パチン!
コカビエルが再び指を鳴らすと大量の魔法陣が現れそこから新たに9体のケルベロスが現れた!
「なっ!?」
「う、嘘だろ…?」
ケルベロスはリアス達を取り囲むように散開し戦闘態勢を取った!一体を譲渡の力でやっと倒せた相手が9体も!一気に形勢が逆転してしまった!
「余興はまだまだ終わらん!さあ!グレモリー眷属!こいつらを倒してみせろ!!」
ケルベロスがリアス達に飛びかかった!リアス達が死を覚悟したその時!
「ドライブ!!」
「ドラゴンラッシュ!!」
紅い斬撃と蒼い龍の頭部のエネルギー波が飛来しケルベロス達を吹き飛ばした!
「…来たか」
コカビエルは待っていた人物の登場にニヤついた。
「デビルメイクライだ。悪ぃな遅くなった、生きてるか?お前ら?」
リベリオンを担いだダンテと、その相棒ティアと黒歌が現れた。
「ダンテ!」
「ダンテさん!」
リアス達はダンテ達の登場に驚いたがその顔を見て安心した。
「遅いわよ、もう」
「ふっ、ヒーローは遅れてやって来るってやつだ、良いタイミングだっただろ?それにしてもずいぶん面白そうな事してるじゃねぇか、俺達も混ぜろよ」
ダンテはリベリオンを肩でトントンし、ティアは指と首を鳴らし、黒歌は白音の側に寄った。その時ダンテは一人足りない事に気づいてゼノヴィアに聞いた。
「おい青毛?栗毛のやつはどうした?」
「ゼノヴィアだ…イリナは、ここにはいない」
イリナがいないことを尋ねるとリアスが答えた
「彼女はここに来る前にコカビエルにボロボロにされて今は医療機関で治療中よ、その時聖剣も奪われたみたいで今はあそこよ」
リアスが指差す先にはバルパーが術式を展開しその中に日本刀の形の聖剣が浮いていた。
「ふん、ようやく来たか、待っていたぞ。これで役者も揃ったな!余興の最中だが貴様らも入るがいい!さあ!もっと俺を楽しませてみせろ!」
コカビエルは玉座で楽しそうに腕を組むとケルベロス達に指示を出した。
ダンテはニヤッと笑うと魔力を解放した。
「行くぜお前ら!派手なPartyの始まりだ!ケルベロス!アグニ&ルドラ!ネヴァン!出てこい!」
ダンテが叫ぶと体から魔具三体が出てきた!ダンテのケルベロスは周りのケルベロス達を見て声を上げた。
「「「ほぅ、異世界のケルベロスか!我と同じ名を持つ悪魔と出会えるとは光栄だ!」」」
コカビエルもダンテのケルベロスを見て驚いた。
「その魔獣は…まさか貴様もケルベロスを飼っているとは…しかしそのケルベロス、喋れるし知能も高そうだが力は氷の様だな?炎を吐く俺のケルベロス達に勝てるかな?」
「ふっ、見た目で判断しない方がいいぜ?」
ダンテが忠告するとケルベロスの魔力が上がり周りが凍りつき始めた!どうやら本気になった様だ、その様子を見てティアも魔力を解放した。
「フッ、では私もフルスロットルで行かせてもらおう!今回は制限も何もないからな!黒歌!白音!行くぞ!!」
「OKティア姉!!行くよ!白音!!」
「はい!姉様!!」
「「「デビルトリガー!!」」」
三人がデビルトリガーを発動させ、ティアは蒼い龍人の姿に黒歌と白音はそれぞれ黒と白の猫人間の姿に変身した!
「行くぞ!狂犬供!ドラゴンラッシュブレス!!」
ティアがライザーとのゲームの時に見せた巨大な一体の龍のエネルギー波を放ちケルベロスを一体消滅させた!
「ビーストアッパー!!」
「ライジングドラゴン!!」
白音がケルベロスを打ち上げると二人は拳を構え同時に飛び上がった!
「「ディバインドラゴン!!」」
黒歌と白音はきりもみ状に回転しながらアッパーカットを放ちケルベロスの腹部を貫き真っ二つにし絶命させた!その様子をケルベロスを相手にしながら見ていたダンテのケルベロスは関心した。
「「「…あれが主が言っていた小娘達のデビルトリガーか、中々のものだ。では今こそ我らも見せよう!我らの真の力を!我らとてただ主の中にいた訳ではない、主の中で己を鍛え限界を超えてそしてついに会得した!さあ見るがいい!これが我の新たな力!デビルトリガーだ!!」」」
掛け声と共に体の周りに渦が発生しケルベロスの体が氷の塊に包まれた!数秒後砕けると姿が変化した!四足歩行だった体は立ち上がり二足になり体つきは人間に近くなり腕には氷で出来た棍を持っていた、見た目は三つ首の人狼(犬)といった感じである。
「では我ら兄弟も見せよう!兄者!受け取れ!!」
ルドラがアグニの傀儡に自身である刀身を投げるとアグニの傀儡が受け止め構えると魔力を高めて叫んだ!
「「デビルトリガー!!」」
アグニの傀儡の体に魔力の渦が発生するとルドラの傀儡が吸収される様に取り込まれ渦がさらに激しくなり渦が薙ぎ払われると姿が変化した!傀儡の体には鎧、脚には具足が形成され、無かった頭部にはアグニとルドラの顔が左右反面ずつの兜を被った頭が現れ、両手には頭が消え装飾が増えたアグニとルドラのそれぞれの剣を持っていた、その姿は二刀流の鎧武者であった。
「最後は私ね、うふっ…デビルトリガー♡」
ネヴァンの身体に落雷が落ち、蝙蝠が大量に飛来し纏わりつくと姿が変化した!身体の大きさはそれほど変わっていないが、背中には巨大な蝙蝠の翼が生え、紅い髪も翼の形状に変わった、身体には黒歌に似た黒と赤のボディペイントが入り腰には細長い尻尾が生えた、脚は鋭い爪が生えたブーツ状になった、その姿は身体全体に稲妻が走る蝙蝠人間であった。
変化した三体を見てダンテは驚いた。
「へぇ、あいつらいつの間に…こいつは驚いたぜ。いいねぇ!盛り上がってきたぜ!」
変身した三体は散開しケルベロス達にそれぞれ向かって行った!
人型ケルベロスは棍棒を地面に叩きつけると氷の刃状の柱クリスタルを発動し一体のケルベロスが氷で包まれるとバラバラに砕け散った!
アグニ&ルドラはケルベロスに向かって走ると連続斬りジェットストリームを繰り出しケルベロス一体を粉々にした!
ネヴァンは自ら稲妻となり威力とスピードが増したヴォルテックスで次々ケルベロス達を貫き戦闘不能にしていった!
デビルトリガー軍団によって次々と片付けられていくケルベロス達!その光景を見てリアス達は唖然としていた。
ダンテもティア達にケルベロス達の相手を任せるとコカビエルの前に来た、するとコカビエルの横にいたネロアンジェロが降りてきた。
「ふふふ、BARでは中断されてしまったからな、今度は最後まで見せてもらおうか!」
コカビエルは腕を組んでダンテとネロアンジェロの戦いに期待したが、ダンテは目を細めてネロアンジェロを見つめていた。
(やはりこいつは…)
ネロアンジェロは剣を抜刀するとダンテに向けたがすぐに地面に剣を突き刺した、そして拳を握って構えると魔力を高めて叫び出した!
「…ハァァァ!ウオオォォォォォォ!!!!」カッ!
魔力の渦が発生し閃光と共に辺りが強烈な光で包まれた!光が弱まるとネロアンジェロの姿が見えてきたが、その姿は兜が無くなり隠れていたその顔が露わになっていた!その顔を見たリアス達は思わず目を疑った!
「…ど、どういうことなの?…あの顔は……」
「…ダンテさんに…そっくり…?」
肌が白く目元にヒビが入っていたがダンテと瓜二つの顔をしたネロアンジェロにリアス達はもちろんコカビエルも驚いていた。そしてダンテは予感は当たった。
「…やっぱり…お前だったのか……」
そう、ネロアンジェロの正体…それは、テメンニグルでダンテに敗れ魔界に堕ちもう二度と会うことは無いと思っていた…
「バージル…!!」
双子の兄、バージルその人であった!
魔具達のデビルトリガーはそれぞれ、ケルベロスはミノタウルスの様な人獣型、アグニ&ルドラは三国武将風の鎧武者、ネヴァンはデビルマンレディーをイメージしました。