ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

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第33話 因縁の再戦!ダンテvsバージル!

祐斗が禁手に至る数分前。

ネロアンジェロの正体がバージルだとわかり、一緒に戦うと申し出たリアス達を説得し祐斗の元へ行かせた現在、ダンテは目の前に立つバージルに声を掛けた。

 

「フッ、久しぶりだなバージル!まさかこんな形で再会することになるとは思わなかったぜ!…何があったか知らねぇが、とりあえずやろうぜ?話はそれからだ!」

 

ダンテはリベリオンに手を掛け、バージルは巨剣を構え互いを見合った。

 

「ダンテ!」

 

「「「主!」」」

 

そこへケルベロス達を全滅させデビルトリガーを解除したティアと黒歌、魔具達が走って来た。白音はリアスの方に戻った様だ。状況を見て全員が構えたがダンテは後ろを向かずに警告した。

 

「お前ら、手を出すんじゃねぇぞ?ここからは俺も本気で行く、リアス達程じゃねぇがお前らも足手纏いだ」

 

Σ「何だと⁉︎おいダンテ!いくらお前でも言っていいことと悪いことがあるぞ!!おい!聞いてるのか貴様⁉︎」

 

「ちょ、ちょっとティア姉!落ち着くにゃ!」

 

「止めるな黒歌!一発殴る!!」

 

足手纏いと言われティアがキレ黒歌に止められていた。チッ、余計な事言っちまったな…やれやれ。戦いが始めにくい空気になりダンテは頭を掻いた。

 

「「「落ち着け、龍の娘よ、主の言う事も一理ある。相手は主の兄バージル!奴の強さは同じ世界の住民である我らもよく知っている。奴は主と同じ魔剣士スパーダの息子、その力は計り知れぬ、束になって勝てるレベルの相手ではない!今感じる魔力でさえ本気では無い、残念だがここは主に任せよう」」」

 

ケルベロスがティアを説得したがそれでもティアは納得していなかった。

 

「だがそれでも…!!」

 

「「「では貴様は本気の主に勝てるのか‼︎」」」

 

「うっ…!……」

 

ケルベロスの言葉にティアは何も言えず黙った。確かにそうだ、今までダンテの本気なんて見たことも無いし知らない、自分を倒した時でさえ全然本気では無かった。相棒であるのに何も知らないティアは拳を強く握りしめた!

 

「まぁ、そういう事だからここはダンテに任せましょうティアちゃん?」

 

ネヴァンにも説得されティアは不本意ながらも頷いた。

 

「…わかった。では我々は学園に被害が出ぬ様にあの二人の周りに結界を張ろう!それが私達に出来るせめてもの助力だ。…だがこれだけは約束しろダンテ!絶対に死ぬな!いいな!!」

 

「…あぁ」

 

ティアの言葉にダンテは頷くとリベリオンに手を掛けた。ティア達は魔力を解放し、ダンテとバージルの周りに広めの結界の戦闘フィールドが作られた。

 

「やれやれ、やっと始められるぜ…さ、始めようかバージル!今まで待ってくれたのは意外だったがな、一応礼を言っとくぜ」

 

ダンテは攻撃せずに待っていたバージルに礼を言うと目つきを鋭くさせ構えた。

風が吹き木から木の葉が落ち地面に触れたその瞬間!二人は同時に地を蹴った!

 

「行くぜ!バージル!お前の目を覚まさせてやる!!」

 

ダンテとバージルの因縁の戦いが再び始まった!!

 

 

 

同時に地を蹴ったダンテとバージルは互いに剣を交え刃から火花を散らしながら押し合っていた!しかし魔力を解放し力を増したバージルにダンテは少し押されていた。

 

「くっ!すげぇなバージル!BARで少しやった時よりも力が跳ね上がってるな!」

 

圧倒的に自分の力を上回っているバージルに対しダンテは一応余裕の態度を見せていたが、バージルは強引にリベリオンを弾き剣に青いオーラを纏わせると振り下ろしてきた!ダンテはバックジャンプで大きくかわした。

 

「ふぅ〜〜!危ねぇ!それじゃコイツをくらっとけ!」

 

ダンテはエボニー&アイボリーで牽制しながらバージルの出方を見ていたが、バージルは青白い炎を纏うとダンテの真後ろに瞬間移動してきた!

 

「⁉︎早ぇ!」

 

ダンテが振り向くとバージルはオーラを纏った剣を居合い斬りの構えで素早く振り抜いた!かわせないと判断したダンテは咄嗟にリベリオンで防いだが大きく弾き飛ばされてしまった!ダンテは転がりながら体勢を立て直した。

 

「…何だ?今のは…?まるでエアトリックみたいだったな……」

 

立ち上がると休む間もなくバージルが片手を腰の辺りで構え青い光弾メテオを放ってきた!ダンテは装備をベオウルフに変えると同様に光のエネルギー弾ゾディアックで迎え撃った!メテオとゾディアックがぶつかり大爆発を起こし辺りが煙に包まれた!

 

「…フン!」

 

バージルが剣を振るい煙を吹き飛ばしたがダンテの姿は無かった…がしかしすぐにダンテの気配を感じ取りバージルは上を向いた!

 

「レインストーム!」

 

回転しながらエボニー&アイボリーで銃弾の雨をくらわせたが読んでいたバージルは剣を楯の様に構え防ぐとダンテに突き刺そうと剣を突き出した!

 

「チッ、ダメか」

 

ダンテは体を反らせ剣を避けるとエネミーステップでバージルを踏み台にして着地した。

 

「やっぱ、強えなバージル!鎧付けてるのにその動きは反則だぜ…」

 

「フッフッフッ…」クイクイ

 

バージルは余裕そうに笑い手招きして挑発したが、ダンテは乗ったら危険と判断して冷静に対応した。

 

「ここで挑発に乗ったら終わりだからな、悪りぃが乗らねぇよ。でも今度はこっちから行くぜ!」

 

ダンテはリベリオンをラウンドトリップで投げると自分も走り出した!バージルがリベリオンを弾き飛ばすとその隙にダンテはベオウルフの光の飛び蹴りキラービーを繰り出した!あの剣をバージルの手から離せば!!飛び蹴りを受けたバージルの剣はベオウルフの力で手から弾き飛ばされたがすぐにバージルは素手に切り替えてきた!

 

「…そういや素手も使えたんだったな‼︎」

 

すぐさまダンテもベオウルフで応戦し今度は素手でよる殴り合いとなった!BARで殴り合った時はベオウルフ無しだったが今は互角の威力だった、それでも力を溜めた状態でないと押し負けてしまう力であった。

 

「その鎧、大した力だな?ベオウルフの力に耐えるなんてな!」

 

二人の拳が同時にヒットし衝撃波が発生すると二人は後方へ滑りながら吹き飛んだ!バージルは吹き飛んだ先にあった剣を引き抜き、ダンテは指を鳴らし弾き飛ばされたリベリオンを呼び戻した。

肩で息をしリベリオンを構えていると、バージルは体にオーラを纏わせて宙に浮いた!警戒して構えているとバージルが手をかざし青い透明な光の剣、幻影剣を展開し飛ばしてきた!ダンテはステップや銃で撃ちかわしたが今度はダンテの真上に円描く様に展開させ一斉に飛ばしてきた!しかし全てかわせず脇腹を掠った!

 

「ッ!まともに受けたらヤバそうだぜ!」

 

かわすたびに避けにくい展開をされていく幻影剣にダンテは必死に避けていたがついに幻影剣に包囲され避ける事が出来なくなった!

 

「くっ!だったらこれだ、アルテミス‼︎」

 

ダンテは魔銃アルテミスを呼び出し上空に光弾を撃ち出し魔力の矢の雨アシッドレインで幻影剣で全て撃ち消した!

 

「‼︎グオッ!」

 

光の矢の雨をバージルも少し受けた様でよろめいた!その隙を逃さずダンテはエアトリックでバージルの背後に回りリベリオンを振り下ろした!振り下ろしたリベリオンはバージルの背中に当たりバージルを地に下ろした!初めてバージルに一太刀入れることが出来た。

 

「やっと一太刀か…それに今の手応え、鎧越しでもダメージはあるみてぇだな?」

 

鎧越しでもダメージを与えることができることがわかりダンテは攻めを開始した、体制を立て直したバージルはメテオを放ったがダンテはステップでかわしスティンガーで反撃した!バージルの剣による連続斬りをダンテはサイドロールでかわし再度スティンガーで吹き飛ばした!

 

「何だ?急に攻撃が当たるようになったな?さっきの一太刀が効いたのか?」

 

今度はダンテのペースになり、ダンテも攻撃が当たるようになり一気に勝負を決めようと攻め続けた!しかし…それは罠だった!攻め続けるダンテの後方に高濃度の魔力の幻影剣が1本展開されていた!ダンテはそれに気づいていない!

 

「バージル!これで最後だ!」

 

ダンテは渾身のスティンガーでバージルにとどめを刺そうとしたが…

 

「危ないダンテ‼︎罠だ!!」

 

結界を張っていたティアが幻影剣の接近に気づいて叫んだが、かなりの速度で放たれた幻影剣にダンテは反応が遅れ背中から幻影剣に貫かれた!

 

「ッ⁉︎…ガハッ!!」

 

ダンテは吐血し膝をついた、立ち上がろうとしたが幻影剣の魔力が高すぎて動くことができず油断した自分に反省した。

 

「…へへ…俺としたことが…攻撃が当たるようになって油断しちまったか…フッ、俺もまだまだ若いな…」

 

膝をつくダンテにバージルは近づくとダンテの首を掴み持ち上げ幻影剣を勢いよく引き抜き、不気味に笑うと剣にオーラを纏わせ構えた。

 

「まさか⁉︎やめろーー!!」

 

「ダンテ!逃げてーー!!」

 

ティアと黒歌が叫ぶがバージルはそのまま剣でダンテの腹を貫き高く掲げた!

 

「いやぁああぁぁぁ!!」

 

黒歌の悲鳴が響き渡った!剣で貫かれたダンテは手足をだらんと下げており、意識が朦朧としていた。

 

「ダンテ!!」

 

「ダンテさん(兄様)!!」

 

そこへ禁手に至り過去を乗り越えた祐斗とリアス達とゼノヴィアが走ってきて状況を見て驚愕した!特に朱乃と白音は目の前の光景が信じられず情緒不安定になっていた。

 

「ふふふ、どうやら兄の勝利の様だな?意外に呆気ないものだな、ハハハハハ!!」

 

勝負の結果を見たコカビエルは高らかに笑っていた。

ダンテを貫いていたバージルは剣を下げ、ダンテの頭を掴み剣を引き抜くと手にメテオを溜め、手を離すと同時にメテオをダンテに叩きつけた!メテオを受けたダンテは大きく吹き飛び結界を突き破り校舎の壁に激突しぐったりしてしまった!

 

「ダンテェーーーーっ!!!」

 

その時見ていられなくなったティアが魔具達の制止を振り切りバージルに向かって飛び出して行った!

 

「貴様ァ!!よくもダンテを!!ダンテの兄とて許せぬ!!」

 

ティアはデビルトリガーを発動させドラゴンのオーラを纏った拳をバージルに放った!

 

…や…やめろ!…ティア…!お前が敵う相手じゃねぇ…!!

 

かろうじて意識があったダンテは止めようと弱々しく手を上げたが声が出ず止めることができなかった。

 

「くらえぇぇえぇぇぇっ!!!!」

 

ティアは渾身の力で拳を放ったがバージルは片手であっさり受け止めるとおもいっきり180度捻りティアの腕を捻じ折ってしまった!

 

「ぐっ⁉︎ぐあぁぁぁぁ!?……くっ!…ま、まだ…だ!!」

 

腕を折られたがティアは怯まず龍の尻尾で追撃を放った!しかしバージルはそれすらも受け止め掴んだままティアごと振り回し数回叩きつけた後ダンテ同様校舎の壁に叩きつけた!ティアも戦闘不能になった。

 

「ティ、ティア姉!!よくも!許さないにゃ!!!!」

 

ティアに続き黒歌までデビルトリガーを発動させ飛び出して行ってしまった!このままではティアの二の舞になる!しかし黒歌にはある考えがあった、黒歌は拳に仙術の気を纏わせていた、敵わずとも仙術の力でバージルの気の流れを乱そうと考えていたのだ。

 

「にゃああぁぁああぁ!!くらうにゃあああぁ!!!」

 

黒歌が仙術の拳をバージルに放つとティア同様あっさり受け止められたが、それが黒歌の狙いだったので黒歌はニヤッと笑った。

 

「…触れたにゃね?アンタの体の気の流れを乱してあげるにゃ!覚悟するにゃ!!」

 

黒歌は拳からバージルの体に仙術を流し始めたが、次の瞬間バージルの体から凄まじい魔力が放たれ仙術が逆流し黒歌は自分の体に仙術が流れ込んできた!

 

「くっ⁉︎……ぐっ…!……がふっ!?ぐほぉぉっ!??!」

 

仙術の逆流により自らの気の流れを乱された黒歌は激しく吐血しさらに鼻、涙腺からも血が流れ出しその場に倒れた!バージルは倒れた黒歌を見ると蹴飛ばした!黒歌も戦闘不能になった。

 

「ね、姉様ァ!!ッ!離してください!部長!!」

 

黒歌が倒され飛び出しそうになった白音をリアスが止めた!

 

「やめなさい小猫!!ダンテ達で敵わない相手なのよ⁉︎あなたが行っても同じ結果になるわ!!堪えなさい!!」

 

リアスの言葉に白音は悔しそうに拳を握っていたが引き下がった。

魔具達も無謀だとわかっていたが立ち向かった!しかし軽くあしらわれ三体共戦闘不能になった。

ダンテとデビルトリガー軍団が全滅しコカビエルは残ったグレモリー眷属を見てつまらなそうに溜め息を吐いた。

 

「はぁ…余興もこれで終わりか…残ったのは最早相手にならないグレモリー眷属だけか…つまらん、実につまらん!俺が手を下すまでもあるまい、おい!ネロアンジェロ!……今はバージルだったか?呼び方がコロコロ変わる奴だな。まぁいい最後の余興だ、そいつらを全員片付けろ!」

 

バージルは命令に従わないと思っていたが残った相手がリアス達しかいなかったので体をそちらに向けた!リアス達はありったけの力で構えた!

その様子をダンテは薄れる意識の中見つめていた。

 

(…ティア…黒歌…魔具達…グレモリー眷属……くそっ…!…体が動かねぇ……すまねぇ…お前らを守る事も…バージルを助ける事もできなかった……許してくれ……)

 

ダンテの意識はそのまま遠退いていった…

 

 

 

どれくらい意識を失っていただろう…ダンテは目を覚ました。しかし目を覚まして目に見えたのは360度どこを見ても真っ白な場所だった……そうか、俺は死んだのか…ダンテは自分が死んだと思い溜め息を吐いたが、その時どこからともなく声が聞こえてきた。

 

…ダンテ……ダンテ……

 

「……誰だ…?」

 

ダンテが声のした方を見ると光の粒子が集まり貴族服の金髪美女の姿になった。その人物を見たダンテは思わず目を疑った!

 

「…か…母さん…?」

 

そう、目の前に現れた人物それは…死んだはずのダンテの母エヴァであった!

 

「久しぶりねダンテ、また会えて嬉しいわ」

 

「あ、あぁ…どうして母さんがここに⁉︎ここは一体何処なんだ?」

 

「ここはあの世とこの世の境…この世界では次元の狭間と呼ばれているわ」

 

「あの世とこの世の……っという事はやっぱり俺は死んだのか…」

 

ダンテが顔を伏せるとエヴァは顔を横に振った。

 

「いいえ、あなたは生きているわ。意識だけが一時的にこの空間に飛ばされてきただけよ、体は人間界にあるわ」

 

エヴァの言葉を聞いたダンテはホッとした。エヴァはダンテの姿を見ると微笑んだ。

 

「フフ、大きくなったわねダンテ」

 

「…まぁな、いつまでもガキじゃねぇしな。母さんは…変わらないな」

 

「私は死んでいるのよ?私の時間はあの時から止まっているわ…」

 

あの時…おそらくムンドゥスに殺された時の事だろう。エヴァは顔を伏せていたが、ダンテは本題に入った。

 

「母さん、兄貴…バージルが…」

 

「えぇ、わかっているわ!私も見ていたもの」

 

エヴァの目付きが鋭くなった!エヴァは説明し始めた。

 

「バージルが身に着けているあの鎧はこの世界の物ではないわ。あの鎧からはこの世界とは違う異質な物を感じるわ、あの子はあの鎧に意識を封じられているのよ」

 

「じゃあ、あの鎧を壊せば…」

 

「えぇ、おそらく元のバージルに戻るはずよ」

 

「そうか…でも今の俺の力じゃ…」

 

解決策はわかったがダンテは今の自分の力では敵わないと拳を強く握った、するとエヴァは優しくダンテを抱きしめた。

 

「大丈夫…私が力を貸してあげる。バージルが着ている鎧は悪魔の力のもの、私の天使の力なら対抗できるわ。ネフィリムのあなたなら私の力を使う事ができるはずよ」

 

ダンテを抱きしめていたエヴァの体が光り出しダンテの体に天使の力が流れ込んできた、するとダンテの体が光りとても心地いい聖なる光で包まれた。

 

「今、私の力はあなたと一つになったわ。これでバージルのあの力に対抗できるはずよ、この力であの子を、バージルを助けてあげて。でもこの力は長くは持たないわ、持って数分ほどよ」

 

「スピード勝負か…ふっ、まさにヒーローってとこだな。わかったぜ母さん!」

 

ダンテの言葉にエヴァは微笑むとダンテの体が再び光り出した!これはエヴァの力の光では無い、その姿を見たエヴァは少し残念そうな表情をしていた。

 

「…時間みたいね、あなたの体が目覚めようとしているわ」

 

ダンテの体の光が強くなりエヴァの姿が少しずつ遠ざかり始めた。

 

「母さん…!待ってくれ母さん‼︎」

 

ダンテは離れていくエヴァに手を伸ばした!そんなダンテにエヴァは微笑みながら手を振った。

 

「…最後になるけど…ダンテ…!私はいつまでも天からあなたのことを見守っているわ!そしてバージルに…あの時守ってあげられなくてごめんなさいって伝えて……」

 

その言葉を最後にダンテの意識は次元の狭間から人間界へと戻って行った…

 

 

 

ダンテは目を覚ました。その景色は意識を失う前の学園の校舎の壁の瓦礫の上だった…そうか、俺は戻って来たのか……体を起こしたダンテはある事に気づいた。

 

「…体が…軽い…!」

 

意識が無くなる前にバージルに負わされた重傷の体が痛みを感じないくらい軽かったのだ。その時ダンテの体から聖なる光の神秘のベールが現れ体を包み込んだ!…なんて心地いいんだ!そうか…これが!

 

「…ダ、ダンテ…無事だったのか…」

 

声のした方を見ると折れた腕を支えながらよろよろと立ち上がっていたティアが肩で息していた。

 

「…ティア、お前こそ無事だったのか……大丈夫か?」

 

「…フッ、私は最強の龍王…このぐらいでくたばりはしない…!………痛たた」ズキズキ

 

かなり無理をしている様に見えるがとりあえず大丈夫みたいだ。フッ、相変わらずプライドが高い奴だぜ。

 

「…それより…その光は何だ?」

 

「話せば長くなる、後で教えてやるからお前は休んでな」

 

ダンテはバージルの方へ歩き出した。ティアはその後ろ姿を見て不思議と安心した気分になった。

 

バージルはリアス達を斬ろうと歩を進めていた。リアス達はせめてもの抵抗に防御魔法陣を展開していた、祐斗は聖魔剣を構え、ゼノヴィアはデュランダルを構えていた。バージルが剣を振り上げリアス達を攻撃しようとしたその時!

 

「待てよバージル、お前の相手はこっちだぜ?」

 

その言葉にバージルは振り向いた。リアス達とコカビエルは声の主を見て驚いた!

 

「…ダンテ…?ダンテなの?」

 

「あぁ」

 

「「ダンテさん(兄様)‼︎無事で…無事で良かった…!!」」

 

リアス達は驚き、朱乃と白音はダンテの無事に涙を流した、イッセー達もダンテの無事にホッとした。

 

「待たせたなお前ら、後は俺に任せて休んでな」

 

その言葉を聞いたリアス達もティア同様に不思議な安心感に包まれた。

 

「貴様、生きていたとはな、それに……何だその光は?」

 

「そうだな…強いて言うならネフィリムの力だ」

 

コカビエルの問いにダンテは適当に返した。

 

「何…?ネフィリムのだと?……その聖なる力…そうか、その力は天使の力だな?」

 

「へぇ、よくわかったな、正解だ」パチパチ

 

コカビエルが力の正体を言い当てたことにダンテは適当に拍手した。するとコカビエルは興味深そうに笑い出した!

 

「ふふふ…ふははは!こいつは面白い!貴様が復活した事も驚いたが天使の力まで付いてくるとはな!これで貴様の兄の悪魔の力と貴様の天使の力、どちらが強いが見せてもらおうか!!これこそ最後の余興に相応しい!!」

 

コカビエルは玉座に座ると腕を組んで観戦に戻った。ダンテはコカビエルに気にせずバージルに向き直った。

 

「待たせたなバージル、ここからが……本当の戦いだ!」

 

ダンテが力を解放すると聖なる光と神秘のベールの光が強くなり辺りが明るくなった!その姿を見たバージルは一瞬表情が強張ったが体に青白い炎を纏うとダンテの背後に瞬間移動し居合い斬りを繰り出した!しかしダンテは振り向かず体を反らすだけでかわした!

 

「…遅え」

 

その動きにコカビエルはもちろん全員が驚いた。

バージルは剣で連続斬りを繰り出したがこれもダンテはその場から動かず体を反らすだけでかわした、そして攻撃後の隙を狙って振り向くと聖なるオーラの拳をバージルの腹に放った!

 

「‼︎グオォォォォォっ!??!」

 

予想外のダメージにバージルは腹を抑えながら後退った!

 

「ダンテさんの力が効いている!」

 

「…すごいです!ダンテ兄様!」

 

イッセーと白音はダンテの力がかなり上がっていることに驚いた。

バージルは剣を腰に戻すと拳を構え向かってきた!ダンテもベオウルフを装備し応戦した。両者は互角の殴り合いをしている様に思えたが先ほどからベオウルフの打撃音が上がりバージルが押し負けている様に見えた、ベオウルフは元々光の力を持つ悪魔、その力はエヴァの天使の力によってより強化され溜めなしでバージルの腕力を上回っていた!

 

「お前の力、そんなもんだったか?」

 

その言葉にバージルは反応しメテオを連続で放ってきた!ダンテが数発かわすとバージルはメテオを溜めて巨大な光弾にして放ってきた!ダンテはベオウルフの力を一回溜め片手を向けると光弾を受け止めた!

 

「ほらよ、返すぜ!」

 

光弾は真っ直ぐバージルに返されバージルは爆発した!バージルは煙に包まれたがその間にダンテは指を鳴らしリベリオンを呼び戻した、次の瞬間煙の中から剣を構えたバージルが飛び出してきた!ダンテはリベリオンで受け止めた!

 

「流石だなバージル!あの程度で終わるとは思ってなかったぜ!」

 

バージルはダンテから離れると体の周りに幻影剣を出現させ旋回させると剣を構え再び向かってきた!幻影剣がバージルの周りを回っているのでこれでは迂闊に近づくことができない!ダンテは中距離を保ちながら応戦したが、その時あることに気づいた。

 

(この幻影剣は元を辿れば能力は光…もしかすると…)

 

そう考えているとバージルはダンテの周りにかわせないほどの幻影剣を展開した!バージルが手を下ろすと一斉に幻影剣がダンテに襲いかかった!

 

「ダンテ!!」

 

「ダンテさん!!」

 

煙に包まれたダンテをリアス達が心配したが煙の中から見えたダンテの姿に驚愕した!なんとダンテは全身を幻影剣で刺されているにもかかわらず平気な顔をして立っていた!

 

「…ふぅ、思った通りだ、幻影剣は元々光の魔力、今の俺には天使の…母さんの加護のおかげで効かないぜ、さぁどうするバージル?お前の技は俺には通用しないぜ」

 

ダンテが挑発に近い言葉を言うとバージルは剣を構えると魔力の渦を発生させ叫び出した!

 

「ウオオォォオオオオ!!ハァァァァァ!!」カッ!!

 

バージルの剣に幻影剣の魔力が吸収され刃に3倍くらいの長さの青い魔力の刃が形成された!構えたバージルはエアトリックで一瞬でダンテとの距離を詰めると素早く剣を振るいダンテの体を真っ二つに斬り裂いた!!

 

「ダンテさぁぁぁん!!」

 

イッセーがダンテが負けたと思い叫んだが、バージルに斬られたダンテの体がブレ出し消えた!今バージルが斬ったダンテはドッペルゲンガーで作り出した偽物でバージルが気づいた頃には懐に飛び込んでいたダンテがベオウルフを構えていた!

 

「終わりだバージル!リアルインパクト!!」

 

ベオウルフの奥義が放たれバージルは咄嗟に剣で防ごうと構えたが…

 

パキィィィィン!!!!

 

バージルの剣は粉々に砕けそのままボディブロー、アッパーカット、膝蹴りのコンボが入りバージルは大きく吹き飛んだ!!

 

「ッッ!?グオォォォォオオ!??!」

 

吹き飛んだバージルは仰向けに倒れ動かなくなった…決着が着いた様だ。ちょうどダンテを包み込んでいた神秘のベールが消え周りの光も消えた。

 

「…っと、時間切れか。勝負が着いた後でよかったぜ」

 

…ありがとう、母さん

 

ダンテが天にいるエヴァに礼を伝えるとリアス達とティアに肩を借りながら歩いてきた黒歌と魔具達が集まってきた。

 

「やったわねダンテ!」

 

「すごかったですダンテさん!」

 

ダンテもリアス達を守ることができて微笑みかけていたが、その時魔力を感じ振り向いた!そこには満身創痍の状態のバージルがふらつきながら立っていた!ダンテはリアス達を下がらせると前に立った。

 

「…ゥゥゥ……ダン……テ……ハァ……ハァ……」

 

バージルはふらつきながら一歩ずつダンテに近づいた。鎧は所々ヒビが入りリアルインパクトが当たった場所は大きく凹んでいた。

 

「もうよせバージル、決着は着いた。これ以上はもう無駄だ」

 

「……フゥ……フゥ……」

 

ダンテが忠告してもバージルは歩みを止めなかった。

 

「…チッ、やるしかねぇのか…」

 

ダンテがやむを得ずリベリオンを向けたその時!!

 

ザシュ!!

 

「!?」

 

突然バージルの体を光の槍が貫いた!ダンテは槍を投げた張本人であるコカビエルを見た!

 

「余興は終わりだ、貴様ではもうそいつには勝てん。どうせ滅びゆく命ならばその力、俺がもらってやろう」スッ

 

コカビエルが手をかざすと光の槍が光り出しバージルが苦しそうに叫び出した!

 

「グッ‼︎グアアァァァアアァァ!??!」

 

「⁉︎バージルの魔力を吸い取っているのか⁉︎」

 

今のバージルにそんな事をしたらいくらあいつでも死んじまう‼︎ダンテは止めようとしたがエヴァの力が消えた体は思うように動かず膝をついてしまった!するとバージルの体を貫いていた光の槍が消えバージルが膝をつくとコカビエルの体が光り出し衝撃波が発生した!

 

「ふふふ…素晴らしい…!素晴らしい力だ!!ふははは!!」

 

そこにはバージルの魔力を吸収し力が跳ね上がったコカビエルが笑いながら立っていた!

 

 




ダンテの天使の力の姿はドラゴンボール超の悟空の身勝手の極意をイメージしました

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