ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

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第43話 ギャスパーの特訓

アザゼルからアドバイスをもらったダンテ達は言われた通りに匙の龍王の神器をギャスパーに接続し特訓を始めることにした。

匙の神器のラインはギャスパーの頭に付いているのだが、その姿を見てダンテと黒歌は笑っていた。

 

「ハハハ!何だありゃ?笑えるぜ!」

 

「にゃははwww何あれ!ラジコンみたいにゃ!」

 

「言えてるぜ!リモコンはどこだ?リモコンは?」

 

「もう!やめてよダンテ!www」

 

ダンテは膝を叩きながら笑い、黒歌は腹を抱えて笑っていた!

 

「やめんか貴様ら!」

 

ティアが二人の頭をど突いて止めたが二人は吹き出しかけていた。ダンテは深呼吸するとティアを見たがよく見るとティアも笑いを堪えていた。

 

「…なんだよティア?お前も本当は笑いてぇんじゃねぇか」

 

「な!何を言うか!この私がこんなことで笑うわけが…無い…だ…ろ……う……………ブフッ!あっ、もう限界……アハハハハハ!!」

 

ついに我慢の限界を迎え、ティアが腹を抱えて大爆笑した!釣られて黒歌も爆笑した!すると見兼ねた白音が溜め息を吐きながら近づき黒歌の尻尾とティアの胸をそれぞれ抓り黙らせた。

 

「…ハァ、姉様達少し静かにしてください」

 

「…す、すまん」

 

「ごめんにゃ…」

 

黒歌とティアは恥ずかしそうに赤くなり謝った。

 

「そうだぞ、あまり笑いすぎるとギャスパーが可哀想だぜ」

 

「「ダンテも謝れ(にゃ)!!」」

 

他人事の様に言うダンテに二人でツッコんだがダンテは口笛を吹いて誤魔化していた。

そんなダンテ達をよそにイッセー達はギャスパーの特訓を始めていた。先ほどのダンテ達の会話は丸聞こえだったのでギャスパーは少し表情が沈んでいた。

 

「よし、接続はこれで大丈夫だな…兵藤!こっちは準備OKだ!」

 

「わかった、行くぞギャスパー!今から俺が投げるボールを止めてみろ!」

 

「は、はぃぃぃ!」

 

イッセーが投げたボールをギャスパーは神器の眼で見つめるとボールは空中で止まったがすぐに落ちた、アーシアも一緒に投げていたが遠くの物ほど停止時間が短くなるようだ。

 

「よし、じゃあ次行く…おごぉ⁉︎」

 

ボールを投げようとしたイッセーが突然転倒した!どうやらギャスパーがイッセーの足を止めてしまった様だ、ギャスパーは泣きながら逃げていた。

その様子を見ていたダンテはアドバイスした。

 

「…う〜ん、見る限りだと見た物は何でも止めちまうみてぇだな、意識して特定の物だけを止めるのはまだ難しいか…ここはもう一つの助言を試してみるか、おいギャスパー、イッセーの血を吸ってみろ、そうすれば上手く行くんじゃねぇか?」

 

血と聞いてギャスパーは嫌そうに首を振り叫んだ。

 

「血ィ嫌いなんですってばぁぁぁ!!生臭いの嫌なんですぅぅぅ!!」

 

「だからお前吸血鬼なんだろ⁉︎それに嫌がってるといつまで経ってもその力を制御できねぇぞ?…そうだ、イッセーの血が嫌なら俺の血を吸ってみるか?力が跳ね上がるかもしれねぇぞ」

 

「やめておけダンテ、こんな自分の力も使いこなせない奴にお前の血を吸わせたら暴走するか私達みたいにデビルトリガーが発動するかもしれんぞ?はっきり言ってそれこそ危険だ」

 

ダンテの提案をティアが拒否した。確かに、もし吸わせて暴走でもしたら今この場でギャスパーを殺さなければならなくなるかもしれない、そうなったらリアス達だけでなくサーゼクスも悲しむ…この案はもうやめておこう。

 

「どう皆?練習は進んでる?」

 

そこへ会談の下見を終えたリアスが差し入れを持って来た。

一旦休憩にしリアスが作ったサンドイッチを食べながら練習の成果を話していた。その時アザゼルが来たことを教えた。

 

「そう…アザゼルが神器のアドバイスを…アザゼルは神器の造詣が深いと聞くわ、敵対勢力に助言するなんて余裕という事かしら…?」

 

リアスは顎に手を当て考えていたが、あいつはたぶんそういう感じじゃ無いと思うぜ?

その後、匙に力を吸われいい感じになったので匙は生徒会の仕事に戻りここからリアスも特訓に付き合うことになった、ギャスパーの顔は少しやつれていたが特訓を再開した。頑張れよギャスパー?

 

 

特訓開始から数日後、ギャスパーが再び元の部屋に閉じこもってしまった。理由はギャスパーをイッセーの依頼に一緒に連れて行ったところ、依頼主の男性に驚いて時間を止めてしまいうんざりしてしまったということらしい。

 

「困ったわ…あの子をまた引きこもらせてしまうなんて…私は王失格ね」

 

「そもそもあいつが引きこもりになった原因は何なんだ?何か根深い理由でもあるのか?」

 

壁に寄りかかって聞いていたダンテが理由を尋ねた。リアスは深呼吸するとギャスパーの過去を話し始めた。

 

「ギャスパーは名門の吸血鬼が父なのだけれど母が人間で妾だった為純血の吸血鬼ではなかったの。悪魔以上に純血を重んじ差別的で排他的な吸血鬼にとって人間と混血のギャスパーの居場所はどこにも無かったというわ」

 

イッセーは悲しそうな表情をし、ダンテは自分と似た境遇に目を伏せていた。

 

「しかし、類稀な吸血鬼の才能と人間としての才能ーー特殊な神器を宿して生まれてきてしまった為その力は成長とともに大きくなっていった。ふとした事で時間を止めてしまうギャスパーへの不信感が生まれ畏怖される様になった彼は家を追われ…彼は一人になった。

路頭に迷った彼はヴァンパイアハンターに命を奪われ、その時私が悪魔に転生させたの…」

 

「あいつにもそんな過去が…」

 

ギャスパーの過去を聞いて部室の空気が重くなったがそこにイッセーが名乗り出た!

 

「部長!俺に任せてください!あいつはせっかく出来た男子の後輩です!俺がなんとかしてみせます!」

 

「…イッセー……わかったわ、じゃあイッセー、ギャスパーをお願いね」

 

「はい、任せてください!」

 

イッセーは部室を出て行った。部室にはリアスとダンテが残ったがダンテは静かに窓から空を見上げていた。

 

「…ダンテ?どうかしたの?」

 

「…ん?あぁ、お前の話を聞いて昔を思い出していたんだ、あいつの過去と俺の過去が似てたんでな」

 

ダンテは語った自分の過去を、父が正義の為に魔界を裏切り、その影響で母が殺され自分とバージルも悪魔に命を狙われたことを…

話を聞いたリアスは衝撃的な表情をしていたが優しく微笑むとダンテをそっと抱きしめた。

 

「あなたにもそんな過去があったなんて…でも安心して?あなたには私達や黒歌達がついているわ、私達はあなたを決して見捨てたりはしないわ、これからもずっと一緒よ」

 

「リアス………フッ、ありがとよ」

 

ダンテはリアスに礼を言うとリベリオンが入ったギターケースを背負った。

 

「それじゃ俺もギャスパーの所に行って来るか、少し話してくる」

 

「わかったわ、お願いね」

 

ダンテも部室を出て反対側にあるギャスパーが閉じこもっている部屋に向かった。

 

 

ギャスパーの部屋の前に着いたダンテ。扉の前にはイッセーがギャスパーを説得しようと語りかけていた。

 

「どうだイッセー?ギャスパーの様子は?」

 

「ダンテさん…」

 

イッセーは溜め息を吐きながら首を横に振った、ダンテはギターケースを下ろすと壁に寄りかかり中にいるギャスパーに語りかけた。

 

「聞こえるかギャスパー?ダンテだ。さっきリアスからお前の過去を聞いた、お前も辛い過去を経験して来たんだな?」

 

中からはギャスパーのすすり泣く声が聞こえた。とりあえず聞いてはいるようだ、ダンテは語り出した。

 

「ギャスパー、俺の過去の話をするぞ、俺は前に話した通り悪魔と天使のハーフだ、親父は伝説の魔剣士で母さんは上級の天使だった。

親父は魔王の右腕だったが、母さんと出会って正義に目覚めたんだ、そして魔王による人間界侵攻の際、魔界を裏切り一人悪魔の群勢に立ち向かい魔王を封印して人間界の平和を見守ったと言われていた。だが、魔王が封印されても他の悪魔達は親父の裏切りを許さずその影響は俺たち家族にも及んだ、母さんは殺され、俺と兄貴のバージルも命を狙われた」

 

初めてダンテの過去を聞いたイッセーは衝撃的な表情をしていた、すると部屋の中からギャスパーの声が聞こえた。

 

『…そ、その時、ダンテさんはお父さんのことを恨んだりしなかったんですか…?』

 

「いや別に?」

 

『ど、どうしてですか⁉︎お父さんが裏切らなければダンテさん達は命を狙われずに済んだのに…』

 

「だって親父は正しいことと思って魔界を裏切ったんだぜ?俺は親父がやったことは間違っていないと思うぜ、それに俺は親父を尊敬してるぜ」

 

『でも、ダンテさんは怖くないんですか?悪魔と天使のハーフに生まれた事を、自分の力が普通と違う事を、その力がいつか大切な何かを失うかもしれないって思わないんですか⁉︎』

 

「お前はその力を嫌っているかもしれないが、俺はこの力を宿して生まれてきたことを誇りに思っているぜ、俺は親父の正義と母さんの優しさを色濃く受け継いでいる、これに勝る幸せは無いぜ。だから俺はお前のその力も立派な天からの授かり物だと思うぜ?制御できれば尚更だ」

 

すると部屋の扉が開きギャスパーが出てきた。

 

「…僕にこの力を制御できるんでしょうか?」

 

「あぁ、努力すれば必ず実る。それによく考えてみろ?ここにいるイッセーだって伝説の赤龍帝を宿して生まれてきてんだぜ?つまり俺たちは似た者同士ってことだ」

 

「そうだぜギャスパー!俺だってまだ赤龍帝の力を完全に使いこなせてないんだぜ?似た者同士頑張って強くなろうぜ!俺たちや部長はいつでもお前の味方だぜ!」

 

「ダンテさん、イッセー先輩…」

 

ダンテとイッセーの言葉にギャスパーは少し自信が着いたのか表情が穏やかになっていた。

 

「それによギャスパー?お前は神器の力に翻弄されるのが嫌かもしれないが、俺はお前の力が少し羨ましいんだぜ?」

 

「えっ?どうしてですか?」

 

「前に見せた動きを遅くするクイックシルバーを覚えてるか?あれは俺以外をスローモーションにするんだが完全停止じゃねぇんだ、だからお前の力の方が羨ましいんだ」

 

「俺だって羨ましいぜ!だって時間が止められたら最高じゃないか!部長のおっぱいだって好き放題に…エヘヘ…あ、朱乃さんのおっぱいもいいなぁ!おっとティアさんのあの特大おっぱいもイイ‼︎どんな感触してんだろ?あっ、ヤベ涎が…もう妄想が止まらねぇよ!!」

 

『やめろ相棒‼︎ティアマットのだけはやめろ!!間違いなく殺されるぞ⁉︎それに俺まで消される‼︎』

 

ドライグが必死にやめさせようとしていた……イッセー、そんなこと企んでんのか…相変わらず期待を裏切らないヤツだぜ、ハハ…

ダンテとイッセーの言葉にギャスパーはきょとんとしていたがすぐに笑顔になった。

 

「ダンテさんとイッセー先輩って優しいんですね、羨ましいなんて言われたの初めてです…しかもそんな具体的に…」くすっ

 

ようやく笑顔になったか、まずは第一関門突破か?それじゃ次は…

 

「よし、だいぶ良い顔になったな、それじゃギャスパー、外に出て元気が出ることをしねぇか?」

 

「えっ?元気が出ること?何ですか?」

 

「それは出てからのお楽しみだ、楽しいぜ?」

 

ダンテ達は特訓をした旧校舎裏の広場に出て行った。

 

 

◇旧校舎裏

 

「うわぁ、気持ちいいぃ〜ですぅ!」

 

ダンテ達は広場をゲリュオンの馬車に乗って走り回っていた、ギャスパーは馬車から身を乗り出していた。

 

「どうだギャスパー?外の風は気持ちいいだろ?」

 

「はい!とっても!僕馬車に乗ったの初めてなんです!」

 

「そりゃよかった、それじゃスピードを上げるぜ!ゲリュオン!」ヒヒーン!

 

 

次にケルベロスを呼び出し広場をスケートリンクにして遊んでいた、靴は持ってなかったがこの際構わねぇ、ギャスパーは楽しそうに滑っていたが派手に転んでいた…さあ次だ!

 

 

次はアグニ&ルドラによる漫才(普通に掛け合いをしてるだけ)。

 

「アハハ!面白〜い! 僕、本物の漫才見たの初めてですぅぅ!」

 

二体が普通に話しているだけなんだがな…まぁギャスパーが楽しければそれでいいか、隣を見るとイッセーも爆笑していた。さあ次はクライマックスだ!!

 

 

最後にダンテがネヴァンを弾く電撃ライブ演奏だ!懐かしいぜ、ネヴァンと出会った時を思い出すぜ。ダンテは足を振り上げたり滑り込んだりしながら奇声を上げ激しく演奏していた!ギャスパーを見るとどこから出したのかペンライトを振りイッセーと盛り上がっていた!

演奏が終わるとギャスパーは興奮した自分を落ち着かせてペンライトをしまうとダンテとイッセーに頭を下げた。

 

「…ダンテさん、イッセー先輩、僕を元気付ける為にここまでしてくれてありがとうございました!おかげで元気が出ました、だから僕…自分の力と少し向かい合ってみようと思います」

 

「そうか、お前がその気持ちになれただけでも一歩前進だ」

 

「その勢いだぜギャスパー!一緒に強くなって行こうぜ!」

 

ギャスパーが頭を下げてお礼を言うとダンテはギャスパーの頭を撫でた。ギャスパー、俺がやってやれるのはここまでだ、あとはお前次第だ、応援してるぜ。

 

 

この後、騒ぎを聞きつけたソーナと椿姫が来て三人揃ってこっ酷く叱られたのであった…

 

 

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