ハイスクールD×dmc   作:プラサミット

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第44話 アスカロンと朱乃の想い

ギャスパーを元気付けた翌日、ダンテとイッセーは朱乃に呼ばれてある場所に向かっていた。なんでもダンテに会いたい人物がいるとのこと、誰だ?行ってからのお楽しみだな。

 

「ダンテさんまで呼ばれるなんて、一体誰が来るんでしょうね?」

 

「さぁな。まぁ最近大物ばっかりに会うから今回もその可能性が高いかもな。それよりこっちで合ってるのか?」

 

「えぇ、朱乃さんに教えてもらった道だとこの先みたいです」

 

朱乃に教えてもらった道をしばらく進み、この街で一番高い山の石段を登ると目的地に着いた。ダンテは先に入ったが後ろを見るとイッセーが中々入ろうとしないので声を掛けた。

 

「ん?どうしたイッセー?入らねぇのか?」

 

「…えっと、そうしたいのは山々なんですけど、ここって……」

 

そう言われて場所を確認した、ここは神社……あぁなるほど、確か悪魔にとって神社はタブーな場所だったっけか?

 

「何とも無いぞイッセー、ほら早く来い」

 

「そ、そりゃダンテさんはネフィリムだから何とも無いかもしれませんけど、俺たち悪魔にとっては入るのに勇気がいるんすよ!」

 

「あらあら、いらっしゃいダンテさん、イッセー君」

 

イッセーが入るのを躊躇していると後ろから声が聞こえ振り向くとそこには巫女装束を着た朱乃がニコニコして手を振っていた。

 

「おぅ朱乃、来たぜ。ほらイッセー、朱乃がここにいて平気なんだから早く入れ」

 

「うふふ、ここは何も祀ってませんから大丈夫ですわ。特別な約定が交わされていて悪魔でも入る事ができます。だからイッセー君、怖がらなくても大丈夫ですわ、さ、いらっしゃい」

 

朱乃が笑顔で言うとイッセーは信用して緊張しながら一歩神社に足を踏み入れた。

 

「…ほんとだ、何とも無い」

 

「やっと入ったか、ビビり過ぎだぜ」

 

「仕方ないじゃないすか部長に言われてたんですから。ところで朱乃さんはここに住んでいるんですか?その格好を見ると」

 

「ええ、今はダンテさんの所に住んでますが、無人になっていたこの神社をリアスが私の為に確保してくれたの」

 

悪魔なのに神社を住居にするなんて、何か特別な理由でもあるのか?

 

「それで朱乃?俺たちに会わせたいって奴は誰だ?」

 

「それは私です」

 

後ろを向くと天使の輪を浮かばせ輝く12枚の黄金の翼を広げた背の高い金髪の美青年がいた……天使の輪、黄金の翼、そしてこの聖なる力…もしかしてこいつ…

 

「彼らが赤龍帝と異世界からの訪問者ネフィリムですか?はじめまして、赤龍帝兵藤一誠くん、悪魔と天使のハーフ、ネフィリムのダンテさん。私はミカエル、天使の長をしております、どうぞよろしくお願いします」

 

ミカエルか…やっぱり予想通り大物だったか。サーゼクス、アザゼルと悪魔と堕天使の長には会っているから遠からず会うとは思っていたが…これで俺は三大勢力のトップはコンプリートしたわけだ。

 

「ふむ…なるほど、悪魔の力ともう一つ天使の力のオーラ…まさしく噂に聞いた通りですね、お会いできて光栄です。そして赤龍帝のオーラは間違いなくドライグのもの、懐かしい限りです」

 

隣を見るとイッセーがミカエルの登場に驚いて口を開けて固まっていた。

 

「ご丁寧にありがとうよ。それで俺たちに何の用だ?」

 

「はい、ではお話はこちらで」

 

 

 

場所を神社の居間に移しミカエルと話を始めた。

 

「実はこれをあなた方どちらかに授けようと思いまして」

 

ミカエルが手をかざすと神々しい光とオーラに包まれた一本の剣が現れた、オーラ的にこれは聖剣か?

 

「これはゲオルギウスーー聖ジョージが持っていた龍殺しの聖剣、別名ドラゴンスレイヤーの『アスカロン』です」

 

「龍殺しか…だったら俺はいらねぇよ」

 

「おや?何故ですか?」

 

「俺が持ってたらティアのやつが一緒に住めなくなっちまうからな、あいつには色々感謝してるから今の関係を崩したくないんだ。だからイッセー、そいつはお前にやる」

 

「ティア…?天魔の業龍ティアマットのことですね?そういえばあなたの使い魔でしたね。確かに彼女にとってはこの剣のオーラは毒かもしれませんね。なるほど、そういうことでしたらこの剣は兵藤一誠くんあなたに授けましょう」

 

ミカエルが手をかざすとアスカロンはイッセーの前に移動してきたが、イッセーはアスカロンのオーラに顔を歪めて見ていた。

 

「特殊儀礼が施してあるので悪魔のあなたでもドラゴンの力があれば使えるはずです。そうですね…あなたの赤龍帝の籠手に同化させるといった感じでしょうか」

 

「で、でもなんでこんな貴重なものを…」

 

「私は今度の会談は三大勢力が手を取り合う大きな機会だと思うのです。我らは創造主の神を悪魔は旧魔王たちを先の戦争で失い堕天使も多大な犠牲を払いました。アザゼルも戦争を起こしたくないと言っていました、これは好機なのです。このまま小規模な争いが続けばいずれ皆滅ぶ、ましてや他の勢力の懸念もありますし」

 

イッセーはミカエルが言った他の勢力と言う言葉に引っかかった、何だ?三大勢力の他にまだ何か別の勢力があるのか?

 

「このアスカロンは天使側からの悪魔側への贈り物です、もちろん堕天使側にも贈りました、悪魔側からも聖魔剣を数本頂きましたしね」

 

つまり今回の会談で三大勢力の和平を望んでいるってことか…そう思っているとドライグがさっき言っていた他の勢力のことを説明したが、他の神話体系が存在すること以外はよくわからなかった。

 

「過去に敵対した赤い龍が悪魔になったことを知りましてね、ご挨拶とともに悪魔側へプレゼントの一つとしてあなたにこの剣をお渡しするのです。

…あなたはこれから龍王クラスのドラゴンや白い龍に狙われるでしょう、ですから歴代『最も弱い宿主』と言われるあなたにとってちょうど良い補助武器になるかと」

 

ミカエルは眩しいくらいの笑顔で言っていたがイッセーは肩をがっくり落として苦笑いしていた…フッ、最も弱い宿主か。

 

「で、でもこれ…俺に触れるのか?」

 

「この剣はここで最終調整しました、各陣営の術式を施していますから悪魔でもドラゴンの力を宿していれば触れますわ」

 

「そう言われても…」

 

イッセーは赤龍帝の籠手を発動させアスカロンを指で突っついてドキドキしながら柄を握った。

 

『相棒、剣を神器の波動に合わせてみろ!』

 

ドライグに言われイッセーが目を閉じて集中するとアスカロンからまばゆい光が発生し、光が弱まると籠手の甲からアスカロンの刃だけが出ていた、どうやら無事同化に成功したようだ。

 

「上手くいったようですね。ではこの話はここまでにして…ダンテさん、私はあなたにはお礼を言わなければなりません。以前こちらから送った聖剣使いを一名保護していただいたみたいで、ありがとうございました」

 

「おぅ、まぁ…俺が勢いで言ったらあいつが別の捉え方したんだけどな、でもそのおかげであいつも救われたんならそれでいいけどな」

 

ミカエルは下げていた頭を上げると真剣な表情でダンテに尋ねた。

 

「それでお礼のついでにあなたには聞きたいことがあります」

 

「何だ?」

 

「あなたは悪魔と天使の間に生まれた存在だと聞きました、だとしたらあなたのご両親は愛し合っていましたか?悪魔と天使が?」

 

「さぁな、似合いの夫婦に見えても心の中は冷え切ってるなんていうのはよく聞く話だけどな」

 

「それでは…」

 

「…が、俺には二人とも心の底から愛し合っているように見えたぜ?」

 

「…そうですか」

 

それを聞いたミカエルはホッとした表情になった。

 

「何故そんなことを聞く?」

 

「いえ、あなたからそれを聞けてこれから先、別の勢力同士でも手を取り合って行けると自信が持てました、感謝致します」

 

ミカエルは笑顔になると再び頭を下げてお礼を言った。その姿を見てダンテはミカエルに良い印象を持ったのだった。

 

「時間のようです、私はそろそろ行かなくては」

 

帰る準備を始めたミカエルにイッセーが思い出した様にミカエルを呼び止めた。

 

「待ってくださいミカエルさん!俺、あなたに言いたいことがあるんです」

 

「会談の席か会談後に聞きましょう、必ず聞くのでご安心を」

 

「…わかりました、よろしくお願いします」

 

ミカエルはまばゆい光に包まれると天界へと帰って行った。

 

 

ミカエルが帰った後、数分後にリアスが来てイッセーは先に帰って行った。ダンテは朱乃に話があると言われ残り場所を茶の間に移していた。

 

「お茶ですわ」

 

「ありがとよ…ズズ……それで?話って何だ?」

 

お茶を一口飲み用件を尋ねると朱乃は表情を落として話し始めた。

 

「…ダンテさんは、前の戦いでコカビエルが言っていたことを覚えてますでしょうか?」

 

「コカビエルが言っていたこと?……お前がバラなんとかの娘だって言ってたことか?」

 

それを聞いて朱乃の表情がさらに沈んだ。

 

「…やはり聞かれてしまったのですね…そうです、私は堕天使の幹部バラキエルと人間との間に生まれた者です。私の母姫島朱璃はとある神社の娘でした、ある日傷つき倒れていた堕天使幹部のバラキエルを助け、その時の縁で私を身に宿したと聞きます」

 

朱乃は立ち上がると背中を向け巫女装束を脱ぐと翼を出した、しかしその翼は片方は悪魔の翼だったがもう片方は烏の様な黒い翼…堕天使の翼だった!

 

「その後母は呪われた子を宿した穢らわしい存在とされ同族の者に殺されました。幼かった私はその際父バラキエルは邪悪な存在と吹き込まれ、それ以来父や堕天使、自分に流れる堕天使の血を嫌う様になったのです」

 

朱乃は堕天使の翼を憎らしく撫でると続けた。

 

「穢れた翼…この羽が嫌で私は悪魔になったの、でも転生して生まれたのは悪魔と堕天使両方の翼を持った悍ましい生き物…ふふふ、穢れた血を宿す私にはお似合いかもしれませんね」

 

「朱乃…」

 

「ダンテさんはどう感じますか?堕天使は嫌いよね?堕天使に対していい思いを持つはずが無いわよね…」

 

ダンテは顔を伏せていたがここでお世辞を言っても仕方ないので正直に答えた。

 

「あぁ、俺は堕天使は嫌いだ、アーシアを殺したレイナーレやバージルの力を奪いこの街を破壊しようとしたコカビエルとか、今まで会った堕天使はろくな奴がいなかったしな、アザゼルを除いてな」

 

「そうよね…」

 

「でもよ、俺はお前のことは嫌いじゃないぜ?」

 

「ッ⁉︎」

 

ダンテの言葉に表情が暗かった朱乃は目を大きく見開いて驚いた。

 

「お前は異世界から来たネフィリムというイレギュラーな存在の俺をたった一度助けてやっただけで恐れず色々気を遣って助けてくれた、俺はお前に感謝してるんだ」

 

「私は堕天使の血を引いているのよ?私はあなたに嫌われたくなくてあんな風に近づいたのかもしれないのよ?…いいえきっとそう!私は…最低な女だわ…!」

 

朱乃は取り乱し片手で顔を覆い泣きそうになっていたがダンテは溜め息を吐くと…

 

「確かにお前は堕天使の血を引いているかもしれない…だけどな、それがどうした?それを知って俺がお前に対する態度を改めたことがあったか?無かっただろ?」

 

「…はい…確かにありませんでした、それでも私は!」

 

「ハァ…律儀なやつだなお前は?いいんだよそんなことは、どうやら俺はティア達やお前と一緒に過ごしているうちに今の生活が当たり前だと思う様になっていたみてぇだ、だからお前はいつも通りにしてればいいんだよ、俺のお前に対する想いは変わらねぇからよ………フッ、柄にも無くこんなこと言っちまったな……ん?…‼︎」

 

その言葉を聞いた朱乃は涙を流し肩を震わせ泣いていた!ダンテは泣かしてしまったと思い目を背けたが続けた。

 

「それによ朱乃、よく考えてみろ?俺だって悪魔と天使のハーフの混ざり者なんだ、ギャスパーだって吸血鬼と人間のハーフだ、つまり俺たちは似た者同士ってわけだ。俺はガキの頃正義の為に魔界を裏切った親父の影響で悪魔供に命を狙われた、俺は親父を恨んじゃいねぇがお前の気持ちはよくわかるぜ」

 

朱乃は涙を流しながらダンテに聞こえない様に呟いた。

 

「…殺し文句言われちゃいましたわね……そんな事言われたら…本当の本当に本気になっちゃうじゃないの…」

 

朱乃は顔を伏せたままダンテに駆け寄りダンテの胸に飛び込み抱きついた!ダンテも倒れそうになったがしっかりと朱乃を抱き止めた。

 

「…ダンテさん、私決めましたわ」

 

「ん?決めたって何を?」

 

「ティアさんと黒歌さんがいますし、あちらも本気でしょうから本妻は無理ですね、小猫ちゃんとゼノヴィアちゃんはどうかはまだわかりませんし…でも私の方が年上ですし…ブツブツ……ですからダンテさん!三番目でかまいませんわ」

 

「三番目?」

 

「はい、割といいポジションだと思いますわ、何よりも浮気って感じで燃えますわ」

 

そう言い朱乃は嬉しそうに微笑み頬を染め唇を重ねた。

 

「…///うふふ、改めてよろしくお願いしますわ」

 

朱乃は笑顔になるとダンテに再び抱きついた、ダンテはフッと笑うと朱乃の頭を優しく撫でた、そして同時に思った。

 

「フッ、今この状況をティアたちが見たら間違いなく修羅場になるだろうな、いなくてよかったぜ」

 

「ほぅ…よくわかっているじゃないか?」

 

突然声が聞こえ振り向くと腕を組んでいるティアと涙目になっている黒歌が立っていた!

 

「ティア、黒歌…お前らいつの間に」

 

「黒歌の仙術で気配と姿を消していたんだ」

 

「ぅぅぅ〜…朱乃ちんにも先を越されるなんて〜!いいもん!あたしだっていつかダンテとキスするにゃ‼︎」

 

「まぁまぁ落ち着け黒歌、私たちはダンテの迎えに来ただけじゃないか」

 

修羅場になるかと思っていたが意外にもティアは冷静に黒歌の頭を撫でながら落ち着かせた、珍しいな?いつもなら真っ先にキレ出すのに…

 

「朱乃、話は聞いていたが似た者同士はお前たちだけでは無いぞ?」

 

「そうにゃ、あたしだって転生悪魔だけど妖怪との混ざり者にゃ!はぐれ悪魔の汚名を着せられて追われていた身だったにゃ」

 

「私は境遇は違うが龍王という肩書きだけで恐れられ誰も近づかなかった、だから朱乃、私たちもお前の気持ちはよくわかるぞ」

 

「それにあたしたちは仲間にゃ、だからいつでも相談に乗るにゃ!もっとあたしたちを頼ってにゃ!」

 

黒歌は優しく朱乃を抱きしめティアは優しく頭を撫でた。

 

「ティアさん…黒歌さん……ありがとうございます…!」

 

朱乃は涙を流して二人にお礼を言い感謝した。

 

「礼には及ばないにゃ、それにこれで朱乃ちんも正式にライバルになったんにゃ、負けないにゃよ?」

 

「ふふ、おもしろい!これは負けられないな!」

 

「グスッ…はい‼︎お願いしますわ!」

 

朱乃も元気よく返事をした!その様子を見たダンテは満足そうに頷くと…

 

「めでたしめでたしってか?それじゃ朱乃、俺たちは先に帰ってるぜ、お前もすぐに帰って来いよ?」

 

「はい!それじゃ今夜はとびきり美味しい夕食を作りますわ‼︎」

 

「おぅ、楽しみにしてるぜ。よし行くぞお前ら」

 

ダンテたちは先に帰路に着き石段を降り始めた。

 

「さ〜てダンテ?帰ったらお仕置きにゃ!」

 

「そうだな、覚悟しろよ?」

 

「…はぁ…お手柔らかに頼むぜ?」

 

朱乃は手を振りダンテたちの後ろ姿を見送ったが同時に決心した。

 

(ダンテさん、ありがとうございました!私を認めてくれて!いつか自分の中に流れる血を克服して一番になってみせますわ!待っていてください!)

 

 




朱乃も正式に恋のライバルになりました。次回、禍の団登場お楽しみに

ダンテとミカエルの会話はアニメ版のブラッドとの会話のオマージュ。
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