リアス達グレモリー眷属がデビルメイクライに住むようになって数日が経った。
あいつらもほぼ無理矢理押し掛けてきたと自覚している様で学園から帰ってきた後や休日は積極的に事務所の役割をやってくれている。
リアス達はゼノヴィア同様ダンテが気が乗らない依頼を引き受けてくれているがこれがまたかなり評判が良いみたいだ。リアス達美女美少女がやっているという噂があっという間に広まり一度無くなったコルクボードの依頼書が大量に増えたのである!いや〜商売繁盛でいい事だ!……ん?あぁ、もちろん俺もちゃんと仕事はやってるぜ?こないだもまたあのロックメンバーから依頼があったし、久しぶりにサーゼクスから上級はぐれ悪魔の討伐依頼もあった、その時は修行として俺がアドバイスをしながらグレモリー眷属に相手をさせ、少し苦戦していたが勝利を収めた。今までの修行の成果が出ているようだ。
事務所が大豪邸になったことにより黒歌のBARもデカくなったらしく客が増えさらにサービスタイムにネヴァンがポールダンスを披露するようになり、それによってより客が増え黒歌も大繁盛と喜んでいた。
▽
日々は流れ学生は夏休みの時期になり、リアス達も夏休みとなった。ダンテ達はリビングに集まり話をしていた。
「冥界に帰るだと?」
「えぇそう、夏休みは毎年帰省するの…ってどうしたのイッセー⁉︎涙目よ?」
イッセーがリアスを酷い涙目の顔で見ていたのでリアスはギョッとした。
「…ぶ、部長ぉ…うぅ…俺を置いて帰っちゃうんですか?俺、部長がいなくなったらこの夏休み死んじゃいますぅ〜…」
イッセーの顔を見てリアスは微笑むとイッセーを抱きしめ優しく声を掛けた。
「馬鹿ねまったく…置いてなんかいかないわよ。あなたと私はこれから百年、千年単位で付き合うのだから安心しなさい、フフフ」
リアスはイッセーの頬にキスして安心させた、それを見てアーシアが悔しそうに頬を膨らませていた。
「そういうわけだから皆で冥界に行くわ、長期旅行の準備しておいてちょうだいね。あなた達は私の眷属で下僕なのだから主に同伴は当然よ」
そういうもんなのか…眷属になると夏休みが自由に過ごせなそうだな。リアスはアーシアとゼノヴィアの方を向くと尋ねた。
「アーシアとゼノヴィアは冥界は初めてだったかしら?」
「は、はい!生きているのに冥界に行くなんて緊張します!なので死んだつもりで行きたいと思います!!」
「私も冥界には行った事が無いな……フッ、これまで天罰として地獄に送った者達と同じ世界に足を踏み入れるとはね…悪魔となった今の私にお似合いだね、フフフフフ…」
アーシアは無駄に気合いを入れ、ゼノヴィアは腕を組んで怪しく笑いながらブツブツ小言を言っていた。
「それじゃあ夏休みの予定はリセットか…」
「あら?イッセーは夏休みに何か予定があったの?」
「はい一応、松田と元浜達と海やプールに行こうかなと思って…でもこの様子じゃ無理ですね、じゃキャンセルっと」
イッセーは予定をキャンセルし、リアスは少し考えると提案を出した。
「じゃあイッセー、時間があったら冥界で私とデートしましょう」
それを聞いてイッセーはとびきりの笑顔になったがアーシアが対抗してきた。
「部長さんばっかりズルいですぅ!私もイッセーさんとデートしたいです!!」
夏休みの予定も決まったようなので見送りくらいしてやろうと思ったダンテは腕を組んだ。
「予定は決まったみたいだな?まぁせいぜい冥界巡りを楽しんできな。お前らが抜けるのはちょっとばかりキツいが…なんとかなるだろ。そうだな、冥界土産でも頼む、名物は何かあるか?」
「…何を言っているの?貴方達も一緒に冥界に行くのよ?」
「…あ?お前こそ何言ってんだ?何で俺たちまで行くんだ?」
リアスの予想外の発言にダンテは聞き返したが…
「ここが拠点となってここの主であるあなたも同伴することになっているの。そういうわけだから貴方達も冥界に来てもらうわよ、それにお父様とお母様があなたに会いたがっているのよ」
そういうことか、親父さんには婚約騒動とこの前の授業参観の日に会ったが、リアスの母親にはまだ会ったこと無いな。また親父さんみたいに若い姿をしてんのか?ダンテは溜め息を吐くと渋々了承した。
「はぁ…わかったよ。そういうわけだ、ティア、黒歌、便利屋はお休みだ、8月末まで冥界だ」
「やれやれ、仕方ない」
「え〜〜!せっかく大繁盛なのに!一ヶ月も店を空けたらお客さんが減っちゃうにゃ!」
「まぁリニューアルってことにすればいいじゃねぇか」
「もうすでにリニューアル済みみたいなのに?」
「ごめんなさい黒歌、代わりに帰ってきたら私も店を手伝うわ」
黒歌は渋っていたがリアスは黒歌に謝り、帰ってきたら手伝うと言う条件で黒歌も渋々了承した。ティアもスマホを取り出すとイッセー同様予定のキャンセルをしていた。
「やれやれ…一応私も予定があったのだがな、あの二人には後で詫びを入れなければな」
「あの二人?…依頼で知り合ったあの女子生徒(村山と片瀬)か?」
「あぁそうだ、あの二人と出かけるつもりだったのだが、誰かさんのせいで行けなくなってしまったな、はぁ〜…(¬_¬)」
ティアはリアスをジト目で見ながら圧を放っていた、リアスは苦笑いして次の話題に移ろうとしていたが…
「俺も冥界に行くぜ」
突然聞こえた声にリアス達はビクついた!窓際の椅子にアザゼルが座っていた!…何だ?やっと気づいたのか?
「ど、何処から入ってきたの?」
「ん?普通に玄関からだぜ?一応ノックもしたぜ?」
「…気配すら感じませんでした」
「ハッ、そりゃ修行不足だぜ」
「同感だな、ちなみに俺は入ってきた時から気づいてたぜ?」
隣を見るとティアと黒歌も頷いていた、流石にお前らは気づいたみたいだな?
「それよりも冥界に帰るんだろ?なら俺も行くぜ、俺はお前らの先生だからな、え〜っと…冥界でのスケジュールは…」
「あっ!それ私の手帳!」
アザゼルはいつの間にか取っていたリアスの手帳を見て冥界でのスケジュールを話し始めたが、予定しか書いていないリアスの手帳に舌打ちしていた。リアスは赤面すると手帳を奪い返した。
「で…アザゼル『先生』は同行するのね?」
「あぁ、手配はそっちで頼む、悪魔ルートで冥界入りするのは初めてだから楽しみだ」
アザゼルはそう言うと手を振って帰って行った。
「…そういや俺もその悪魔ルートってのは初めてだな、前に冥界に行った時は魔法陣で転移したからな」
「そういえばそうだったわね、楽しい旅になるから楽しみにしていてね」
こうして夏休みの予定が決まり冥界行きとなった。
▽
冥界出発当日、ダンテ達とグレモリー眷属は集合場所の駒王町の駅に集まっていた。
現在深夜二時、人間界の電車の時間はすでに終わっており駅の電気は消えて真っ暗だった。
「部長、電車とっくに終わってますけど?…って言う問題じゃないか、どういう事…?」
「ついてらっしゃい、この駅の地下に秘密の階層があるの」
リアスは何も無い壁の前に来るとカードキーを出し壁に向けた、すると壁の一部がスライドし電子パネルが出てきてカードを読み取ると壁が開き地下へ続くエスカレーターが現れた。これが悪魔ルートか?
「この通路は悪魔専用ルートだから普通の人間では一生たどり着けないわ。こんな風にこの街には悪魔専用の領域が結構隠れているのよ」
エスカレーターを降り、通路をしばらく歩くとホームに出た。そこでイッセーが声を上げた!
「おおおおおおっ!!スッゲェ!!」
そこには人間界には無いデザインの紅い列車が停車していた!
「グレモリー家所有の列車よ、さあ乗りましょう」
「列車まで持ってるなんてな、流石お嬢様だな」
「褒めても何も出ないわよダンテ?」
ダンテ達は列車に乗車し、席に着き汽笛が鳴ると列車が動き出した。ダンテは周りを見たがリアスの姿が無いことに気づいた。
「朱乃、リアスはどうした?」
「リアスは一等車両ですわ、眷属はそれ以降の車両に乗ることになっていますの。でもリアスのことですからすぐに来ると思いますわ」
「なるほど、しきたりってやつか」
「そういうことですわ。まぁリアスはほっといて…うふふ、ダンテさん、隣に座っても?」
「……変なことしなけりゃな?」
「うふふ♪」
朱乃は笑顔になるとダンテの隣に座った。朱乃は予想通りダンテの腕に抱きついてきた、まるで胸の間に腕を挟む様に…
「朱乃…」
「朝のスキンシップの続きですわ、今ならティアさん達も見当たりませんしチャンスですわ」
朱乃の言う通り何故かティア達はいなかった、別の車両に行ってるのか?…いや…これはもしかして……視線を朱乃に戻すと朱乃は襟元をはだけさせ頬を染めて口づけしようとしていた。ここは個室席、イッセー達からはこちらの様子は見えていない。朱乃の唇が重なろうとしたその時!朱乃が突然何かに引っ張られる様に立ち上がった!
「…あ、あん!何ですの⁉︎」
まるで姿を消していた様に…いや、本当に姿を消していたんだろう、朱乃は突然姿を現したティア達に拘束された!左右からティアと黒歌が腕をホールドし白音がポニーテールを掴みゼノヴィアが首元にデュランダルを突きつけていた!
「まったく…油断も隙もないな朱乃?」
「ホントにゃ!神社の日から警戒してたけど、どんどん接近してるにゃ」
「…抜け駆けは許しません」
「やはり今ここで断罪するべきか?」
「あらあら残念、惜しかったですわ…」
朱乃は拘束されながら残念がっていた。そこにリアスが呆れながら車掌と思われる男性と一緒に来た。
「まったく貴方達は…場所を考えなさい!」
「お楽しみのところ申し訳ありませんが、手続きの方をしてもよろしいですかな?はじめまして、車掌のレイナルドと申します」
レイナルドは帽子を脱ぎ丁寧に挨拶してきた。すでにイッセー達の手続きは済んだ様で残りのダンテとティアと黒歌の手続きを始めた。
「ありがとうございました、全員の確認が取れましたのでこれで入国の手続きも完了となります。それでは引き続き旅をお楽しみください」
レイナルドは頭を下げると同車両で寝ていたアザゼルの手続きを済ませ車両から出て行った。
「リアス、到着までどれくらいかかる?」
「そうね…後一時間くらいかしら?それまでゆっくり寛いでいてちょうだい」
「一時間か…よしお前ら、それまでゲームをしないか?」
静かになった車内、個室型の座席を回転させテーブルを出しダンテ達は真剣な表情で互いの顔を見ていた!そう、ダンテ達はポーカーをしていた。
「それでは勝負!」
「スリーカード!」(イッセー、祐斗)
「ストレート!」(リアス)
「フラッシュ!」(黒歌)
「フルハウス!」(ティア)
「……マジかよ…ツーペア」(ダンテ)
普通じゃ有り得ない役ばかりが連発し結果はダンテの惨敗に終わった…初心者がいるからトランプの量を増やして良い役が出やすいようにして手加減してやったが、まさか負けるとはな。
「にゃはは!言い出しっぺのダンテが負けてるんじゃ世話無いにゃ!」
「うっせ、今のは調子が悪かったんだ、おいティアもう一度勝負だ」
往生際が悪くダンテはティアに再戦を申し込んだが、ティアは鼻で笑っていた。
「フッ、何度やっても同じだと思うがな?まぁそこまで言うならやってもいいが?」
「ハッ、言ってろ、勝負はやってみないとわからねぇもんだぜ」
ダンテとティアのポーカー二回戦が始まった!結果は…
「フルハウス!フフフ、悪いなダンテ?私は勝利の女神と親友なんだ」
ティアは勝ったと思っていたが、ダンテの役は…
「ロイヤルストレートフラッシュ!悪いなティア、俺は勝利の女神と大親友なんだ」
「おぉ!ダンテさんの逆転勝利だ!」
なんとダンテの逆転勝利!リアス達はまさかの展開に声を上げていたがティアはダンテのカードを見てある事に気づき手に取った。
「…おいダンテ、一枚…多くないか?」
エースのカードに重なっていたもう一枚のカードを両面テープを剥がす様に見せるとティアは睨んできた。
「あぁ、おまけ付きだ」
「ふざけるなよ!イカサマに失敗したくせに、お前にはプライドが無いのか?」
「よーしわかった!じゃ今度は手加減無しだ」
「いいだろう!ボロ負けにしてやろう!」
三回戦が始まろうとしたが…
『まもなく次元の壁を突破します、まもなくグレモリー領でございます』
車内アナウンスが流れダンテとティアはフリーズしていたが、リアスは深呼吸するとトランプを片付けた。
「残念だけどここまでね?もうすぐ到着するみたいだからこの続きはまた今度にしなさい」
「チッ、まぁいいぜ。おいティア、帰ったら勝負だ」
「望むところだ!」
まもなくして列車はグレモリー領に到着した。
◇グレモリー領
「リアスお嬢様!お帰りなさいませ!!」
『お帰りなさいませ!!』
魔王領に向かうアザゼル以外が列車を降りるとレッドカーペットが敷かれ空砲やトランペットの音が響きたくさんの衛兵達が出迎えてきた!ハッ、流石お嬢様だな。衛兵達を見てギャスパーが悲鳴を上げて白音の後ろに隠れていた、俺もこういう歓迎はあまり好きじゃねぇな、ティアも同様の様だ。
レッドカーペットを歩いているとグレモリー家まで行くための馬車が停まっていた。でもこれ普通の馬じゃねぇな、脚の数が多いし人間界の物より数倍デカいし。するとダンテの体から反応する様にゲリュオンが飛び出してきた!突然出てきたゲリュオンに冥界馬達は激しく反応し衛兵達が落ち着かせていた。ゲリュオンは鼻と蹄を鳴らすと挨拶する様に冥界馬に頭を下げていた、その様子に冥界馬達も落ち着きを取り戻した。
「よしリアス、俺たちはゲリュオンの馬車に乗ってグレモリー家に向かうから、お前らはその馬車に乗れ」
「わかったわ、じゃ皆乗るわよ」
馬車が動き出し一行はグレモリー家に向かい始めた。ゲリュオンの馬車に乗るダンテは何となく見覚えのある景色を懐かしむ様に見ていた。
「この景色久しぶりだな、初めてこの世界に来た時に来たから懐かしいぜ」
しばらく走り続け町を進むと巨大な城が見えてきた、グレモリー家の城だ!馬車は城の前に停車しダンテ達は馬車から降りた。降りるとゲリュオンはダンテの中に戻った。
「ここに来るのも久しぶりだぜ、変わってないな」
「そういえばダンテは一度ここに来てるのよね?」
しみじみと語っていると城の扉が開きグレイフィアが出てきて丁寧に頭を下げて出迎えた。
「お早いお着きでしたね、お待ちしておりました」
「リアスお姉様!お帰りなさい!」
グレイフィアの後ろからリアスと同じ紅い髪の可愛らしい少年が走ってきてリアスに抱きついた。リアスの弟か?
「ただいまミリキャス、大きくなったわね」
リアスも笑顔で紅髪の少年、ミリキャスを撫でると抱きしめた。
「部長、この子は?」
「はじめまして!ミリキャス・グレモリーです!」
「お兄様の子なの、私の甥という事になるわね」
つまり王子様か、イッセーは慌てて跪いていた!アーシアも同様に頭を下げていた。
「つまり次期当主候補ってことか、よろしくな未来の魔王様」
ダンテもミリキャスに挨拶するとミリキャスは目を輝かせてダンテの前に来た!
「あなたがダンテ様ですね?お話はお父様から聞かされていました!僕あなたに憧れているんです!もしよかったらお話を聞かせてください!」☆☆
「ミリキャス様、お話はまた後に致しましょう。さぁ皆様、夕餉のご用意が出来ておりますのでご案内致します」
グレイフィアに案内され、ミリキャスと話しながら夕餉が行われる大広間に向かう途中、階段前である女性に声を掛けられた。
「あらリアス、帰ってきたのね」
「お母様!ただいま帰りましたわ」
リアスの母親か…さてさて、どんな姿をしてるのか?そこには亜麻色の髪のリアスによく似た顔つきのそれほど歳の変わらない美女がいた!その姿を見てイッセーが顔を赤くして反応した!
「ぶ、部長のお母様ぁ!?若‼︎どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃないですか!」
「あら?女の子だなんて嬉しい事おっしゃいますのね、フフ」
「…悪魔は歳を経れば魔力で見た目を自由にできるのよ、お母様はいつも私と同じくらいの年格好のお姿で過ごされているの」
リアスが小声でイッセーに教えた、なるほどつまり本当はとんでもなくババ…
「あなたがダンテさんですね?直接お会いするのは初めてですね」
ダンテの考えを遮る様にリアスの母親が聞いてきた……もしかして心読まれたか?
「俺のことを知ってるのか?」
「はい、夫とサーゼクスから聞かされてますわ。とても面白いお方だと」
面白い…か、サーゼクスのやつ何て教えたんだ?
「はじめまして、私はリアスとサーゼクスの母、ヴェネラナ・グレモリーですわ。よろしくお願いしますダンテさん」