決闘当日、ダンテ達はリアスとソーナのレーティングゲームが行われる会場であるグレモリー邸地下の転移ゲート前に来ていた。
「試合まで短い期間だったがお前らに教えられることは教えた、後は気張れ、それが俺から言える応援の言葉だ」
アザゼルは親指を立ててエールを送った。ダンテも共に成長を見てきたのでリアス達に声を掛けた。
「お前らは二十日前に比べてかなり成長した。だが油断するな?ソーナ達も二十日間何もしない訳がないからな、ここからでもあいつらの力は感じる、ライザーの時も言ったが最後まで気を抜くな、いいな?」
ダンテの言葉にリアス達は目つきを鋭くさせて頷いた、ダンテも頷くと各自にアドバイスをした。
「イッセー、お前はあの二十日間で禁手に至れなかったが気にするな、アザゼルの言う劇的な変化は何処で遭遇するかわからねぇ、もしかするとこのゲームで遭遇するかもしれないからな」
「はい!わかりました!あの地獄の特訓を思い出して禁手無しでも勝利してみせます!頼むぞドライグ!」
『あ、あぁ…頑張ろう相棒…』
気合い十分でイッセーは手の甲に宝玉を出現させドライグに呼び掛けたが、ドライグの返事は微妙だった…どうしたんだ?調子が悪いのか?ドライグの調子が気になったが次に祐斗の前に来た。
「祐斗、お前はリベリオンとアグニ&ルドラの技はマスターしたが、スタミナ切れに気をつけろ、どれも体力を消耗しやすいからな」
「わかりました、師匠から伝授していただいた技をフルに使って勝利してみせます!」
祐斗は跪くように頭を下げた。祐斗はドライブやオーバードライブなども教えたが魔力を飛ばす系の技はまだ不安定だった、本人もそのことはわかっていたのであまり多用はしないと言っていた。アグニ&ルドラも出て来て祐斗にエールを送っていた。
「朱乃、お前は堕天使の力を使えるようになったがまだ完璧じゃねぇ、無理せずまずは雷から行け」
「はい…わかりましたわ」
「白音も俺と黒歌の特訓でかなり魔力を持たせるようになったが使い過ぎに気をつけろ、ライザー戦の時みたいにならないようにな?」
「…はい、頑張ります」
「「あ、あの…ダンテさん(兄様)」」
二人にエールを送ると朱乃と白音が不安そうな表情でダンテに擦り寄って来て抱きついた、その体は少し震えていた。
「ダンテさん…勇気をください。堕天使の力を使えるようになっても本当は怖いんです…だから…勇気をください…」
「…私にも勇気をください…猫魈の力を使いこなしてると言っても今回は黒歌姉様もティア姉様もいません。正直勝てるかどうか不安なんです…だから私に勝てる勇気をください…」
「お前ら……フッ」
フッと笑うと震える二人の肩を抱き、勇気をあげる様に二人の頭に優しく手を置いた。二人は撫でられると体の震えが徐々に収まり、顔を上げると頬を染め笑顔になった。
「頑張れよお前ら!」
「「はい‼︎///」」
「頑張ってにゃ白音!応援してるにゃ!」
黒歌も優しく白音を抱きしめ額にキスをした。
アーシア、ゼノヴィア、ギャスパーにもエールを送り、全員を勇気付け最後にリアスの前に来た。
「アザゼルも言ったが俺もお前らに教えられることは教えた。後はお前ら次第だ、仲間と自分を信じろ、そうすれば勝てる。これがお前らに言える言葉だ」
「ありがとうダンテ、貴方には本当に感謝してるわ。私達は一度ゲームに敗北しているわ、各界の注目も高いこの試合で負けるわけにはいかない…さぁ行くわよ皆!グレモリーとして恥じぬ戦いを!!」
『はい!部長!!』
転移ゲートが光り出しリアス達は戦闘フィールドに転移して行った。頑張れよグレモリー眷属!
「さて、俺たちも行くとするか」
リアス達の出発を見届けたダンテ達もサイラオーグとの決闘の場に向かうことにしたがアザゼルがダンテを呼び止めた。
「ダンテ、悪いが俺も今回はリアス達のゲームの方を見る、サーゼクス達も同様だ。だからお前とサイラオーグの決闘は見ることができない、すまないな。こっちのゲームは録画しておいてやるから決闘の方も終わった後に教えてくれ。それから俺からも言っておくがサイラオーグは若手ナンバー1だ、お前なら負けないとは思うが油断するなよ?」
「あぁ、そうでないと面白くねぇ」
「ハッ、余計な心配だったな。あぁそれと…例のオーフィスの件…伝えといたぞ」
「…そうか、すまねぇな」
真剣な表情で以前のオーフィスの件をダンテに伝えた。ティアも反応し真剣な表情になった!唯一この件を知らない黒歌は不思議な表情をしていたので隠さず教えると数秒間信じられない表情をして固まっていた。
「…信じられないけど……ダンテ達が納得したならあたしも信じるにゃ」
黒歌も信用してくれたみたいだ、素直な娘だ。
「サーゼクス達は決闘の後にダンテに事情を色々聞くと言っていた…頑張れよ?」
「…いずれ話さないといけないんだ、覚悟を決めるさ。じゃあ俺達もそろそろ行くぜ」
後ろに手を振ってダンテ達も出発した。
▽
サイラオーグとの決闘の場へと歩き始めたダンテ達三人。
ダンテは少しワクワクしていた、サイラオーグはリアスの婚約騒動で式の会場で見かけて興味を持ち、この冥界で再会して久しぶりに血が騒いだほどの男だ。その男と今から闘う…血はより一層騒いでいた!
「ふふ、楽しそうだなダンテ?お前のそんな表情は初めて見たな」
ダンテの様子を見てティアは笑みを浮かべ聞いてきた。流石相棒、俺の気持ちがわかっているみたいだな?
「あぁ、俺は戦闘狂じゃねぇが、久しぶりにワクワクしてるぜ」
「そうか、それは何よりだ」
「頑張ってにゃダンテ!あたしはダンテが勝つと信じてるけど油断しないようににゃ?」
「わかってる、確かにサイラオーグは強い奴だが俺が本気を出したらおそらくサイラオーグに勝ち目は無いだろう、だからせめて本気のほの字くらいは出そうと思ってる」
ダンテ達は笑いながら歩いていたが、黒歌がある事を聞いた。
「ところでダンテ、決闘の場所って何処なのにゃ?」
「あ?何言ってんだそりゃお前……………何処だ?」
「だぁぁぁ!!?」
「しっかりしろよ⁉︎おいぃぃぃ!!」
つまり決闘の場所も知らずに歩いていたという事!黒歌はズッコケ、ティアは頭を掻き毟りながら盛大にツッコんだ!
「果たし状にも書いて無かったんだからしょうがねぇだろ。こうなったら魔力を探るしかねぇな」
目を閉じてサイラオーグの魔力を探り始めた、あれほど強大な魔力の持ち主ならすぐに見つかるだろ。
「心配すんな、これですぐに見つかるからよ…え〜と…サイラオーグの魔力は………見つけたぞ、あっちだ」
「ったく、あっちは確か…コロシアムの方だな」
「コロシアムか、いいねぇ!決闘に相応しいじゃねぇか!そんじゃ行くぞ!」
三人はサイラオーグが待つコロシアムに向かって歩き始めた、今度は間違い無いから大丈夫だ。サイラオーグの魔力を感じたってことはもう待っているということだ、ダンテ達は少し急いでコロシアムに向かった。
町の中央にあるコロシアムまでの道を歩いていると黒歌がさりげなくダンテに聞いてきた。
「ねぇダンテ?昨日パーティーで女の子にいっぱい囲まれてたにゃね?何してたのにゃ?」
昨日のパーティーでダンテがライザー眷属に囲まれていた事を笑顔で聞いてきた、おいおい…これから決闘だぜ?説教は勘弁だぜ…
「あぁ、あいつらはライザー眷属だぜ?先に言っとくが別に大したことは無かったぜ?」
「ホントかにゃ〜?残念だけどあたしと白音の耳は誤魔化せないにゃ!あの子達に眷属にしてほしいって言われてたじゃにゃい!」
「何⁉︎それは本当か⁉︎詳しく聞かせてもらおうか?」
ったくこの地獄耳が…それを聞いてティアも食いついて来た!ここで説教はやめてくれよ?
「心配すんなって、俺は元より眷属を持ってないしな。それに仮に眷属を持ってたとしてもお前ら以外に眷属はいらねぇよ」
「「…えっ?」」
さりげなく言ったダンテの発言に不機嫌な表情だったティアと黒歌は呆けた。
「な、なぁに言っちゃってるのにゃダンテ⁉︎///ねぇ?ティア姉?」
「そそそそうだぞダンテ!わ、わたわた私達以外に眷属はいらないだなんて!じょじょじょ冗談もほどほどほどにしろ!」
(めっちゃ動揺してる〜⁉︎)
かなりテンパってるティアに黒歌は内心驚いたが、そんな二人にダンテは続けた。
「別に冗談じゃねぇよ、白音と朱乃とゼノヴィアはリアスの眷属だから元々眷属にはできねぇからな。だがお前らは俺がこの世界に来て初めて出会った存在だ、俺は眷属以上の存在だと思ってる、それこそ眷属という言葉じゃ足りないくらいにな?だから俺は眷属なんて必要無いと思ってるさ………ん?どうしたお前ら?」
「「…な、何でも無い(にゃ)!///」」
ポカーンとした表情のティアと黒歌にダンテが呼び掛けると二人は我に帰り頬を染めてそっぽを向いたがダンテの想いを知り二人はますます彼に惚れたのであった。
◇コロシアム
数分後、決闘の場のコロシアムに着いたダンテ達。
コロシアムの中央には貴族服を肩に羽織ったサイラオーグが背を向けて立っていた。そして顔を上げダンテたちが来たのに気づくと振り向いた。
「待っていたぞダンテ、遅かったな?」
「悪りぃな、決闘の場所が分からなくて少し迷ってたんだ。決闘の場所くらい書いといてくれよ?」
「それはすまなかった、うっかりしていた」
「まぁいいぜ、辿り着けたからな。それじゃ早速始めるか?」
「フフ、まぁそう焦るな、ルールの説明とお前に紹介したい奴らがいるからな」
コロシアムの観客席から数人の人影が降りて来てサイラオーグの後ろに並んだ。
「紹介しよう、俺の眷属達だ」
サイラオーグの眷属達は前に出て来てダンテ達に自己紹介を始めた。
「はじめましてダンテさん、私は女王のクイーシャ・アバドンです、よろしくお願いします」
「私はベルーガ・フールカス、騎士です、よろしくお願いするダンテ殿」
「僧侶のコリアナ・アンドレアルフスです、よろしくお願いしますダンテさん♡うふっ♪聞いてた通りカッコいいわぁ♡」
サイラオーグの眷属は個性豊かな奴が多かった。金髪ポニーテール美人に金髪グラマーな美女、魔法使いに全身甲冑姿の見るからに騎士の奴や断絶した家の末裔、特に戦車のガンドマ・バラムって奴は巨人…ほとんど怪物じゃねぇか!それから兵士のレグルスって奴、見た目は仮面を付けた少年だが…只者じゃないな。眷属の自己紹介が続く中、ひょろ長の体格の男がティアに話し掛けた。
「私はラードラ・ブネ、戦車です。ティアマット様、お会い出来て光栄です」
「何だ貴様は?…ん?その力…貴様はドラゴンか?」
「はい、我がブネ家はドラゴンを司る一族、私はその血を引きドラゴンになることができます、貴女には一度お会いしたいと思っていました」
「ふむ、同じドラゴンの者に会ったのは久しぶりだな、よろしく」
ティアはラードラと握手をした。眷属達の自己紹介が終わりダンテも眷属達に軽く挨拶した。
「おぅよろしくな、個性豊かな奴がいっぱいの眷属だな?こんな美人が女王とは羨ましいなサイラオーグ?」
「あら?嬉しいことを言ってくれますね?」
「痛で⁉︎何だよお前ら?」
サイラオーグの女王クイーシャを褒めたその時黒歌に睨まれ、ティアに蹴りを入れられた!
「別に?自分に聞いてみろ!」
「あら?焼き餅ですか龍王様?…クスッ」
「あ?貴様…殺されたいのか?」
クイーシャの発言にキレたティアが殴りかかりそうになり黒歌が慌てて止めに入っていた!
「お、落ち着くにゃティア姉‼︎まったく…すぐムキになるんだからもう〜」
ったく、女相手でも容赦無いなこいつ…いや、女だから余計容赦無いのか?
「ハハハ!眷属達は仲良くなったみたいだな?ではそろそろ始めよう!」
仲が良いかどうかはわからんが、勝負が始まるみたいだ。
奥からスーツ姿の紫の前髪に整った口髭の男性が前に来て頭を下げた。
「今回、審判と実況を担当させていただきます、冥界メディアアナウンサーのナウド・ガミジンです、よろしくお願いします。今回の闘いはサイラオーグ様による非公認の私的な決闘になります。ルールは至ってシンプル、相手が降参するか戦闘続行不可能となった時点で勝負が決まります。なお、サイラオーグ様の希望により自身の戦闘スタイルで挑んでよろしいとのことです」
「あ〜、ちょっといいか?」
「はい、どうぞ」
ダンテは手を上げて質問した。
「サイラオーグには屈辱かもしれねぇが俺は本気は出さねぇ、それでも構わないか?」
「わかりました、サイラオーグ様もよろしいでしょうか?」
「うむ、確かに本気を出されないのは悔しいが…今の俺では本気のお前に勝てる自信は無い、わかったそれでいい」
サイラオーグも承諾し勝負のルールが決まった。サイラオーグ眷属とティアと黒歌はコロシアムの観客席に移動し、フィールドにはダンテとサイラオーグが残りお互い笑みを浮かべて立っていた。
「この時を待ち望んでいたぞダンテ!」
「あぁ、悔いの無い闘いをしようぜ!」
「それでは行きましょう!時間無制限!お二方ご存分に闘いください!では始め!!」
ゴングが鳴りダンテとサイラオーグの決闘が始まった!
「では行こうかダンテ‼︎……ん?どうしたダンテ?何を見ている?」
サイラオーグは肩に羽織った貴族服を勢いよく脱ぎ捨て動きやすいタンクトップ姿になったが、ダンテが不満そうに周りを見ていたので不思議に思った。
「いや、せっかくの決闘でしかもコロシアムなのに観客があいつらしかいないのは残念だと思ってな」
「ふむ、そうか…確かにこの素晴らしい闘いにこの殺風景さは勿体ないな。よし、ではこうしよう」
指を鳴らすと観客席が光り出し本物と変わり無いホログラムの観客が席いっぱいに現れた!ティアと黒歌は突然現れた観客に驚いた。さらに観客達は現れただけでなく…
『ダンテ!ダンテ!ダンテ!ダンテ!!』
『サイラオーグ!サイラオーグ!サイラオーグ!サイラオーグ!』
それぞれダンテとサイラオーグの名を叫び応援していた!
「おお!俺達を盛り上げてくれるのか!いいねぇ、やる気が出てきたぜ!サンキュー!サイラオーグ!」
テンションが上がりダンテはリベリオンを勢いよく抜いた!
「これで決闘の条件は全て揃っただろう?さぁ!始めようか!」
「それではコロシアム内が賑やかになったところで試合再開です!」
再びゴングが鳴り試合再開となった。
サイラオーグは腕をクロスして腰の辺りで構えると徐々に闘気を高め始めた。
「ハァァァァァ……ハアァァ!!!!」
『サイラオーグ様!激しいオーラを身に纏いました!!』
激しい衝撃波に包まれ風が吹き飛ぶと黄金のオーラを纏ったサイラオーグが立っていた!大した力だ!上級悪魔を軽く超えてやがる!だったらこっちもそれ相応の力で応えなければな!
「…ふん!」
『ダンテ様も凄まじい魔力を解放!!これは凄い!コロシアム全体が揺れております!!』
ダンテもサイラオーグと同等の魔力を解放した!その余波でコロシアム全体が激しく揺れた!サイラオーグ眷属はその力に驚愕の表情をしていた。
「軽く俺の力に追いつくとは…いいぞダンテ、こうでなくては面白くない!行くぞ‼︎」
「Let's Party‼︎」
二人は同時に地を蹴り距離を詰めた!
二人が接触すると凄まじい衝撃波が発生した!その中央ではオーラを纏った腕でリベリオンを受け止めていたサイラオーグとダンテが押し合っていた!
『サイラオーグ様!ダンテ様の剣を素手で受け止めています!両者の力は互角か⁉︎』
「リベリオンを素手で受け止めるとはな、お前は武器は使わないのか?」
「俺には生まれつき大王家の証である『滅びの力』は受け継がれなかった、それどころかまともな魔力すら持っていなかった。そこで俺は己の肉体を極限まで高め鍛え上げることにした、その心身を自己修練で鍛え抜くことに道を見出し、無類の武力を身につけたんだ。本来なら大王家に反する事だが俺はその力で若手ナンバー1までのし上がって来た!だから俺が信じるのはこの拳のみ!これこそが俺の最大の武器だ!」
サイラオーグは拳を握りさらに闘気を跳ね上がらせた!ダンテもニヤッと笑いリベリオンを構え直した。
「ほぉ?それじゃあ、その武器でどこまでやれるか見せてもらうぜ!」
リベリオンを振り抜くとサイラオーグは大きく後方へ吹き飛ばされコロシアムの壁に激突した!
『サイラオーグ様!ダンテ様の力に押し負け吹き飛ばされたーー!!』
「どうした?もう終わりか?」
「流石だなダンテ、こうも容易く吹き飛ばされるとはな、だが!まだ始まったばかりだ!ハァァァ!!」
瓦礫から勢いよく飛び出すとオーラを纏った拳を構え突っ込んで来た!ダンテもスティンガーを繰り出し応戦した!拳と刃がぶつかりコロシアム内に再び突風が吹き荒れた!普通なら粉々になっているはずのサイラオーグの拳はスティンガーに耐え切りリベリオンを受け止めていた。しかし完全には防げなかった様で拳からは少し血が出ていた。
「大したもんだな?スティンガーを素手で受けて形を保ってた奴に会ったのは久しぶりだぜ!やっぱお前は凄い奴だ」
「嬉しいことを言ってくれる、ではもっともっと楽しもう!いくぞ!ハァァ!!」
サイラオーグは拳によるラッシュを放ってきた!ダンテもすかさずミリオンスタッブで迎え撃った!
『両者今度は激しいラッシュとなりました‼︎凄い凄い突きの嵐!眼では追えません!!』
数秒間突きの連打は続きダンテがとどめにスティンガーを放ちサイラオーグは腕をクロスして防ぎ後方に吹き飛ばされた!
『突きの嵐に勝利したのはダンテ様!サイラオーグ様またまた吹き飛ばされたーー!!』
リベリオンを肩に担ぎサイラオーグが出てくるのを待っているとサイラオーグは騎士に匹敵する速度でコロシアム内を動き回った!
『サイラオーグ様、コロシアム内を素早く動き回り始めました!速過ぎて見えません!!』
コロシアム内を動き回ったサイラオーグはダンテに鋭い拳を放って来た!ダンテは装備をケルベロスに変えるとその場から動かずケルベロスを振り回すだけで拳を防いだ。
『ダンテ様、武器をヌンチャクの様な物に変えてサイラオーグ様の拳を防いだ!!』
ダンテの周りを素早く動き回りあらゆる角度から拳を放ったが全てその場から動かずケルベロスで受け流された。完全に見切られていると判断したサイラオーグは今までで最高速度でダンテの頭上から拳を放った!ダンテは気づいていない!もらった‼︎しかし行けると思ったサイラオーグの拳はダンテが展開した氷の結界アイスエイジによって防がれ、バランスを崩したサイラオーグはそのままダンテが追撃に放ったリボルバーで吹き飛ばされとどめに氷の柱クリスタルに包まれ凍りついた!
『サイラオーグ様!凍りついたーー!!』
「ハアアアアア!!!」
氷漬けにされたサイラオーグは氷を砕き出てきた。
「はぁ、はぁ、はぁ…まさか一発も当たらない上に氷漬けにされるとはな、やるなダンテ」
「おいおい息が上がってるぜ?まさかもうへばったんじゃねぇだろうな?」
「フッ、まだまだこれからだ」
サイラオーグは指を鳴らすとファイティングポーズを取った。
「行け行け〜ダンテェ‼︎(*≧∀≦*)そのまま攻めるにゃ〜〜‼︎何にゃ?サイラオーグさん全然ダンテに敵わないにゃん?これじゃ勝負にならないにゃ、ねぇ?ティア姉?……ティア姉?」
観客席で応援していた黒歌はほぼ一方的な勝負にダンテの勝利を確信していたが、ティアは腕を組んで表情を険しくしていた。
「確かに側から見ればダンテの圧勝に見えるが…しかし妙だ、先ほどからサイラオーグは簡単に吹き飛ばされているし、まるで力を温存しているようだ。私が思うに奴はまだ力を隠している、そう思うのだ、少なくともダンテが本気のほの字を出さなきゃいけないほどの!」
ティアの言葉に笑いながら応援していた黒歌は真剣な表情になり観戦に戻った。
サイラオーグは拳を構えると素早く距離を詰めて来たが、サイラオーグのスピードを見切っていたダンテは装備をアグニ&ルドラに変えると二刀をクロスして振り抜き拳ごとサイラオーグを吹き飛ばした!壁に激突したサイラオーグにダンテは追撃に巨大な火走りクロウラーを放ち火走りが直撃したサイラオーグは燃え上がった!サイラオーグは炎を振り払うとすぐに拳による連打を放ってきたが、連続斬りジェットストリームによって阻止され再び吹き飛ばされた!
『サイラオーグ様!またまた吹き飛ばされたーー!!』
「…どういうつもりだこいつ?」
退屈そうにダンテは頭を掻いた。先ほどのティアの言葉は聞こえてはいないがダンテもサイラオーグの動きを不審に思い始めた。
(こいつが放つ魔力は間違いなく上級悪魔を上回るほど、なのに不釣合いの力にさっきから俺の攻撃に吹き飛ばされてばかり…何かの作戦のつもりか?それにしては弱すぎる……まぁどんな作戦か知らねぇが、俺が思うのは…こいつはまだ力を隠している!そう思うんだ)
サイラオーグがまだ力を隠していることに気づくと溜め息を吐いた。サイラオーグは瓦礫から出るとダンテに笑い掛けた。
「ハハハ、敵わんなダンテ!お前からすると俺は赤子だな?だが俺は諦めんぞ、勝負はこれからだ」
(これも演技。間違いない、こいつはまだ力を隠してる、どういうつもりで本気を出さないのかは知らねぇが、これじゃ勝負にならないのは変わらない……仕方ねぇここは…)
サイラオーグが演技をしていることに気づいたダンテはサイラオーグに本気を出させようとある事を思いついた。
ダンテはリベリオンを肩に担ぐとあくびをしながら尋ねた。
「なぁサイラオーグ?お前は魔王になるのが夢だと言ってたな?この程度でなれると思っているのか?」
「…確かに今はこれほどだが、いつか冥界の民が俺が魔王になるに相応しいと思う力を身につけてみせるさ!」
「ハッ、夢見てんじゃねぇよ」
「…何だと?どういうことだ!」
サイラオーグの目つきが変わった!
「簡単な話さ、唯の筋肉にしか取り柄の無い奴に冥界の民がついてくる訳ねぇだろって言ってんだ」
「ッ!黙れ!!」
サイラオーグは先ほどより素早いスピードでダンテの前に現れ拳を放った!
「(スピードが上がった!)それからお前、大王の証の滅びの力は受け継がれなかったんだよな?冥界の民が求めるのはそれを受け継いだ者だと思うぜぇ?筋肉馬鹿に用は無ぇんじゃねぇか?」
「ッッ‼︎黙れ黙れ!!」
サイラオーグは凄まじい速度で連打を放ちダンテはかわしていたがだんだんスピードに負けてきて拳が腕や肩に掠っていた。
「(大分いい感じになってきたな、よしそろそろとどめだ)アザゼルに聞いたがお前の母親は難病を患って寝込んでいるらしいな?母親も言ってるぜ?恥ずべき息子だとな!」
ブチン!!
「ウオオオオオォォォォっ!!!!」
その言葉にキレたサイラオーグの魔力が跳ね上がり、今まで見せなかった凄まじい速度でダンテの前に現れ凄まじいオーラを纏った拳をダンテに放った!!ダンテもかわせないと判断してリベリオンを盾にして防いだが凄まじい威力に後方に跳ね飛ばされた!
「(拳の威力が上がった!)くっ⁉︎」
サイラオーグは吹き飛び掛けたダンテの足を掴むと勢いよく引き寄せダンテの顔面目掛けて拳を振り下ろした!拳はダンテの顔面に直撃し二人の周りには巨大なクレーターが出来た!!リベリオンがダンテの手から離れ地面に突き刺さった。サイラオーグはダンテに馬乗りになると拳をダンテの顔に連打した!
「お前に何がわかる!?お前に!お前に俺の気持ちがわかるかぁぁ!!!!」
ダンテの胸ぐらを掴むとコロシアムの壁に向かって投げ飛ばした!追撃に地面に突き刺さっていたリベリオンを引き抜くとダンテに投げつけた!コロシアムの壁に叩きつけられたダンテは激突と同時に追撃に投げつけられたリベリオンに串刺しにされ壁に貼り付けられた!貼り付けられたダンテは死んだ様に手足をだらんと下げた…
「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!…」
「サ…サイラオーグ様……」
「はぁ、はぁ………ハッ!しまった⁉︎つい本気を!」
眷属の呼び掛けで我に戻ったサイラオーグは壁に貼り付けられたダンテを見て自分がしてしまったことに焦り始めた。
「ああああああ!??!…ダ…ダンテェ〜……あぁ…」
「お、おい黒歌⁉︎しっかりしろ黒歌⁉︎…ダ、ダンテ…?生きてる…よな?」
黒歌は目の前の光景に衝撃が強過ぎて気絶し、ティアが慌てて抱き止めるとダンテの安否を心配した。
「まだ間に合うかもしれん!すぐに救護班を!!ガミジン!試合は一時中断だ!ダンテを死なせてはならん!!」
「わかりました!試合は一時中断します!今はダンテ様の救助を!」
コロシアム内がバタバタし出しダンテの救助が始まろうとしたその時!
「…何だよ?出せるんじゃねぇか本気」
慌ただしくなっていたコロシアム内が一瞬で静まり返った。全員が声の発声元のダンテを見た、何とダンテは生きていた!胸にはリベリオンが突き刺さり普通では生きているのがおかしい状態であったが…
「…よっ…と…」
壁からリベリオンを抜くとダンテは地面に着地した、胸にはまだリベリオンが刺さったままだったが…
「…ダ、ダンテ…?無事なのか…?」
サイラオーグも今の状態で生きているダンテを信じられない表情で見ていたが、ダンテはリベリオンを挟んで掴むとゆっくりと引き抜き地面に立て深呼吸した。
「あぁ平気だ、俺の体は自分でもよくわからないくらい頑丈でな、どういうわけかちょっとやそっとじゃ死なねぇんだ、まぁ流石にこいつに刺されるとちょっとは痛ぇな。それよりどうだ?本気を出す気になったか?」
「⁉︎……ダンテ…お前まさか…わざと?」
「あぁ、お前の本気が見たくてなちょっと罵らせてもらった。悪かったな?下手な悪役しかできなくて、お前を侮辱したことは謝るぜ。それで、どうだサイラオーグ?お前の本気を見せてくれるか?」
さっきまでのは自分に本気を出させる為の演技だと知ったサイラオーグは目を閉じ顔を伏せていたが、フッと笑うと頷いた。
「…いいだろう!」
「そうこなくちゃな!」
「ここからは俺も本気で行こう!それでは第2ラウンドと行こうか!」
後編に続く
次回サイラオーグの禁手登場!お楽しみに!