◇デビルメイクライ リビングルーム
「あー、あー、お、俺はグレモリー眷属の…いや、僕の方がいいかな?僕はグレモリー眷属の兵藤一誠です!」
『おい相棒、赤龍帝を忘れるな?』
「おっとそうだったな、自分の肩書きを忘れるとこだったぜ。じゃあもう一回、僕はグレモリー眷属の赤龍帝…」
リアスから冥界TVの出演が決まったと聞き、グレモリー眷属達は挨拶の練習や発声練習などをしていた。俺たちデビルメイクライも出演のオファーが来ていたが俺は特に何も練習とかはしていない、いつも通りにしていればいいだけだしな。しかし黒歌はやたら張り切っておりさっきから着る服を何度も選び直している。
「ねぇダンテ!この服とこの服どっちがいいにゃ⁉︎」
黒歌がラフな服とドレス系の服を持ってソファに座っているダンテの前に来て聞いてきた。
「あ?あぁ…そっちでいいんじゃねぇか?(適当)ふあぁぁ〜ぁ…」
「もう!もっと真剣に決めてにゃ!TV出演なんにゃよ⁉︎…う〜ん、やっぱりあっちの服の方がいいかにゃ?」
黒歌は別の服を選びにまたクローゼットに戻ってしまった。
「…なんだよ、選び直すなら聞くなよ。大体気合い入れ過ぎだぜ、なぁティア?」
ダンテはティアに意見を聞いたが、隣にはいつもの服装とは違うティアが立っていた。
「いやいや、TV出演となれば女なら気合いの一つや二つくらい入るさ。私も龍王代表として恥をかかない様にしなければな!という訳で…この服はどうだろう?輝いているか?」☆☆
そう言うティアの格好は、いかにも高そうな服にブレスレットに指輪…こいつも気合い入りまくりじゃねぇか!
「なんだお前もか…あぁ、いいんじゃねぇか?眩しいくらい輝いてるぜ」
ダンテは簡単は感想を述べるとソファに寝そべりあくびをした。
「ハハハダンテ!褒め過ぎだぞォ♪」
ティアは満足そうに笑うと鼻歌を歌いながら黒歌と同じくクローゼットに歩いて行った。その後も白音、朱乃、ゼノヴィア、バーニィ(幼女)と各自服を見せに来てダンテはそれぞれ感想を述べた。
「やれやれ…」
「ほら?ダンテもTV出演に相応しい服にしないと!こっちに来るにゃ!」
「お、おい、黒歌…」
ダンテも黒歌に手を引かれ無理矢理クローゼットに連行されて行った。
ダンテ達がいなくなっても発声練習をしていたイッセーをリアスが後ろから優しく抱きしめた。
「なーにをしてるの?イッセー?」
「あっ部長、TV出演なので少し練習を」
「ふふふ、大丈夫よ、普通に受け答えをすればいいだけだから。一番インタビューをされるのは私でしょうし」
リアスはイッセーの頭を優しく撫でて緊張を解いてあげると声のトーンを落として訊いた。
「ねぇイッセー?アーシアのこと、そこまで背負わなくてもいいのよ?あなたはここ最近アーシア以上にディオドラを意識していたわ。もちろん私も気にしていたけれど、それでもあなたはそれ以上にアーシアを心配している様に見えたの。…アーシアをこちらの世界に引き込んだこと、自分のせいだとまだ思ってる?」
リアスはイッセーの心中を見抜いていた、イッセーは俯いたまま頷いた。
「…はい。でもアーシアは今の生活に満足していると言ってくれました。俺もそれでいいんだと思ってます。……でも…それでも俺は…」
リアスはイッセーを優しく抱きしめた。
「私とイッセー、そして眷属の皆であの子を幸せにしましょう。でもあなたや他の皆も幸せにならないとダメよ?そうじゃないと私が悲しいわ」
「…部長……」
イッセーはリアスの言葉に涙を流していた。その様子をクローゼットから戻って来たダンテ達は微笑んで見ていた。
「部長!俺、皆と楽しく暮らせる為にもこれからも頑張ります!」
「えぇ、期待してるわ。私の愛しいイッセー」
▽
TV出演当日。
グレモリー眷属とデビルメイクライは魔法陣で転移して再び冥界にやって来た。この前来たばかりだったがこんなに早く来ることになるとはな。
「また来ちまったな冥界」
「あぁそうだな、だが前来た時には無かった建物が増えているな」
「ビルも増えてきたし、一気に発展したって感じにゃね」
今いるのは港町だが確かに建物が増えている。またサーゼクスが人間界のを真似て作ったのか?相変わらず凄い建造技術だぜ。
「それじゃ皆、これから撮影をするTV局まで電車で行くわよ、はぐれない様にね?」
『はい!』
まるで遠足だな。TV局に行く為電車の駅に歩き始めたが道中リアスのポスターが至る所に貼られていた!アイドルみたいだな。すると向かい側の道からリアスに気づいた若い女性悪魔達が声を上げた。
「あっ!見てリアス様よ!リアス様〜!」
その声に応える様にリアスは笑顔で手を振った、その瞬間女性悪魔達はさらに叫び出しそれを皮切りに男性悪魔や老悪魔達まで手を振っていた、流石お嬢様大人気だな!するとダンテの姿に気づいた女性悪魔が次にダンテの名を叫び出し手を振ってきた!
「ねぇ?リアス様達の後ろにいる人ってもしかして…ダンテ様⁉︎」
「そうよ!間違い無いわ!ダンテ様〜‼︎ダンテ様〜‼︎」
「おぉ!ダンテさんだ!英雄のダンテさんだぁ!!」
やはりダンテの存在は冥界中に知れ渡っているみたいだ。今度はダンテの名が響いた!ダンテはフッと笑うと女性悪魔達に向かって軽く指鉄砲のポーズをした、それを受けた女性悪魔数人が撃ち抜かれた様なリアクションをして赤くなって倒れた。
「にゃあ♪凄い人気にゃダンテ」
「すっかり有名人だなダンテ?私も誇らしいぞ」
「まぁ、悪い気はしないな」
ティアと黒歌も誇らしく思った。よく見ると途中からポスターがリアスからダンテたちデビルメイクライのポスターに変わっていた、ダンテとティアと黒歌の三人がアクションポーズを取った絵でまるで映画の宣伝に見えた!おいおいサーゼクス…盛り上げ過ぎだぜ…それを見た黒歌がスマホを取り出し撮影していた。
電車に乗っても乗客から声を掛けられたり握手を求められたりした。そんな状態が続くこと数十分後、撮影が行われるTV局に着いた。
中に入ると待機していたスタッフが笑顔で出迎え頭を下げて挨拶してきた。
「お待ちしておりました、グレモリー眷属の皆様、デビルメイクライの皆様。さぁこちらへどうぞ」
プロデューサーやマネージャー達に案内されエレベーターでスタジオがある階まで上がった。このビル内は人間界の物とあまり変わらない作りであるが魔力で動くと思われる装置や機材などがあちこちにあった。
ビル内の作りを見ながらスタジオまで歩いていると廊下の先から見知った顔の一団が歩いて来た。おぉ!こんな所で会うとはな。
「サイラオーグ!あなたも来てたのね?」
「おぉリアス!そちらもインタビュー収録か?」
同じくインタビュー収録に来ていたサイラオーグがリアスに挨拶した。サイラオーグはダンテに気づくと頷き、その後ろにいたサイラオーグの女王クイーシャも頭を下げてきた。
「えぇ、サイラオーグはもう終わったの?」
「いやこれからだ、おそらくリアス達とは別のスタジオだろう。それから…試合、見たぞ」
サイラオーグの言葉にリアスは顔を多少しかめた。
「お互い新人丸出し、素人臭さが抜けないものだな」
サイラオーグなりにリアスを励ましたのだろう、サイラオーグはフッと笑うと視線をイッセーに向けた。
「アスタロトの次はお前達と戦うことになるだろう、お前とは理屈無しのパワー勝負をしたいものだ。期待しているぞ赤龍帝、兵藤一誠」
サイラオーグはイッセーの肩をポンと叩いたがイッセーは冷や汗を流していた。イッセーは最近ティアと鍛錬しているがサイラオーグと対等に戦うにはまだまだ無理そうだ。
サイラオーグはダンテの前に来ると笑みを浮かべて声を掛けた。
「ダンテ!お前も来たのか。まぁお前程の男ならば出演のオファーが来てもおかしくないな」
「あぁ、ここに来る途中かなり声を掛けられたぜ」
「ハハハ流石だな。まぁ積もる話もあるがとりあえず後にしよう。ではまた会おう」
「失礼しますダンテさん」
サイラオーグは眷属達と共に別のスタジオに入って行った。
サイラオーグと別れた後、一度楽屋へ案内されそこに荷物を置いた。今回は天使のイリナは事務所にミッテルトとオーフィスと一緒に留守番だ。
数分後、女性陣は撮影用の服に着替え髪をセットしイッセー達男性陣も服と髪をセットした。スタジオに入るとスタッフが忙しそうに準備をしていた。するとインタビュアーの女性が近づいてきてリアスに挨拶した。
「はじめまして、冥界第一放送の局アナウンサーをしている者です。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いしますわ」
「さっそくですが、打ち合わせを…」
リアスとダンテ、スタッフとアナウンサーを交えて番組の打ち合わせが始まった。打ち合わせは順調に進んで先にリアス達グレモリー眷属のインタビューでダンテたちはその後にやることになった。視線をイッセー達に向けると朱乃や祐斗は落ち着いていたがイッセーとアーシアはそわそわして周りを見ていた、特にギャスパーはぶるぶるに震えて白音の後ろに隠れていた!冥界修行で引きこもりはいくらか直ったがTV出演はまだキツそうだ。
「眷属の皆さんにもいくつかインタビューが行くと思いますが、あまり緊張せずに」
スタッフがイッセー達に声を掛けるとさっそくインタビューを受ける人の名をスタッフが呼んだ。
「えー…木場祐斗さんと姫島朱乃さんは?」
「あっはい、僕が木場祐斗です」
「はい、私が姫島朱乃ですわ」
祐斗と朱乃が呼ばれ手を上げた。
「お二人にも質問がそこそこ行くと思います、お二人とも現在人気上昇中ですから」
その言葉にイッセーが激しく反応した!なんでも祐斗は女性ファン、朱乃には男性ファンが増えてきているとのこと。流石イケメンと美女ってとこか?祐斗はイッセー達に頭を下げ朱乃はダンテにウィンクするとスタジオに入って行った。
「この調子だと俺らの出番までまだかかりそうだな?リアス、俺たちは少し外に出てるぜ」
「いいけど、出番までには戻ってきてね?」
「わかってる、ティア、黒歌行こうぜ」
退屈なダンテは出番になるまでティアと黒歌と一緒にスタジオから外に出た。自販機で飲み物を買い窓から外を見ていると丁度インタビューが終わったと思われるサイラオーグが別のスタジオから出てきた。
「ん?おぉダンテ!休憩中か?」
「あぁ、出番がくるまで暇でな、暇つぶしだ」
「そうか。ではダンテ、それまでの間軽く手合わせしないか?」
「「ぶふぅぅぅぅっ!?」」
サイラオーグは挑戦的は笑みでダンテに手合わせを申し出た。その言葉にティアと黒歌は飲み物を吹き出していた!あの凄まじい闘いをまたやるのかと思ったからだ。
「手合わせ?そりゃまぁいい暇つぶしだが…このビルが壊れるぞ?」
「心配するな軽いスパーリングだ、本気は出さんさ」
本気は出さないと言うサイラオーグにダンテは承諾するとビルの外に繋がる広めのバルコニーに出てきた。ティアと黒歌が一応防壁代わりに結界を張りダンテとサイラオーグはその中で向かい合っていた。
「スパーリングとはいえまたお前と手合わせ出来て嬉しく思うぞダンテ」ボキッボキッ
「フッ、まぁ軽くやろうぜ」トントン
ダンテとサイラオーグは軽い準備体操をし構えると同時に地を蹴り拳をぶつけ合った!
「ハァ!!」
流石サイラオーグ!前より力が上がってやがる!ダンテはサイラオーグの力に関心した。
「良い拳だ、流石だなサイラオーグ!」
「まだまだこれからだ!いくぞ!!」
スパーリングは続き体が温まってきた二人は良い調子になってきたのでペースを上げた!最初は軽く拳をぶつけ合っていたが段々と火がついてきたのか威力と衝撃が強くなっていた!結界を張っていたティアと黒歌は焦り出した。
「お、おい!軽くするのではなかったのか⁉︎」
「にゃ⁉︎凄い衝撃⁉︎結界が壊れるにゃあ‼︎」
そのあまりの衝撃に気づけば近くの警報器が鳴っていた!しかし二人はヒートアップしさらに激しく殴り合いをしていた!
「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
「おおおらぁぁ!!」
二人が拳を構えて突撃したその時!
「ダンテ様、ダンテ様?いらっしゃいますか?そろそろ準備をお願いします…って!何ですか⁉︎この惨状は⁉︎」
拳がぶつかる直前でスタッフが呼びに来て驚いていた。拳が互いの顔面を捉える前にスパーリングという名の殴り合いは終わった。丁度黒歌も限界だった様で結界が崩れた、結界を張っていてもバルコニーは見るも無惨な姿になっていた…当然その後二人揃って弁償しろと怒られた。
○●○
サイラオーグと別れスタジオに戻って来たダンテたちはスタッフとアナウンサーと再び打ち合わせをするとインタビューが始まった。
「ダンテさんはネフィリムというこの世界唯一の存在ですが、これから先、冥界ではどの様にしていかれますか?」
「レーティングゲームに出られるご予定は?」
「今後眷属を持たれるご予定は?」
次々ダンテに質問がくる。ダンテも出来るだけ丁寧に返していたが段々面倒臭くなっていた。ティアと黒歌にも相棒としてなどの質問があったが黒歌がダンテのお嫁さんと口を滑らせると黒歌に質問の嵐がきた!やれやれ…
数十分後、インタビューが終わり、別室でダンテたちは写真撮影になった。数パターン撮り終わるとティアと黒歌は別室で写真撮影になりそれが終わるとダンテたちは楽屋に戻った。
楽屋には先に終わっていたグレモリー眷属がいたがイッセーの姿が無かった。
「あらダンテ、お疲れ様」
「おぅ、イッセーはどうした?まだインタビュー中か?」
「部長、戻りました」
丁度イッセーが戻って来たが、その顔は少し恥ずかしそうだった。
「どうしたイッセー?赤龍帝だから質問責めでもされたか?」
ダンテの問いに代わりに楽屋にいたスタッフが答えた。
「兵藤一誠さんは別のスタジオで収録を行なっていました。何せ『乳龍帝』として有名になってますから」
「乳」
「龍」
「帝?」
スタッフから告げられた珍妙な名にダンテたちはポカーンとした顔をした。なんでもシトリー戦でリアスの乳を突いた場面(胸の部分だけモザイク付き)をTVで見た冥界の子供達におっぱいおっぱいとかなり人気になっているとのこと。イッセーもあははと笑いながら頬を掻いた、ドライグに至っては大声で泣いていた!
「ブフッ!ブハハハハハ!!ち、乳龍帝だと⁉︎何だよそりゃ⁉︎」
「にゃははははwww‼︎な、何それ⁉︎何の冗談にゃ!?」
ダンテと黒歌は腹を抱えて爆笑した!
『うおおおおおおんっ!!うああああああんっ!!』
「ダンテさん!黒歌さん!ドライグがマジ泣きしてますからやめてくださいよ⁉︎」
泣き声が聞こえる程泣いているドライグにイッセーが爆笑する二人を止めていたが、ここで救世主が現れた!
「やめんか二人とも!笑うな‼︎」
ティアが二人に手刀を入れ黙らせた!その行為にドライグはティアに歓喜の声を上げた。
『おお‼︎ティアマット!笑わずにいてくれたか!』
「あぁ、確かにその名はドラゴンの誇りに傷が付く呼び名だからな」
『ありがとう!ありがとうティアマット‼︎やはりお前はドラゴンの鏡だぁ!!』
ティアの言葉に感動したドライグはティアに感謝して嬉し泣きしたが…よく見るとティアはフルフル震えていた。
「その事に関しては同情してやろう、だがな……フフ…ブッ‼︎…フハハハハハハハ!!乳龍帝か!傑作じゃないか!アハハハハ!!」
∑『ティアマット!?』
ドライグは突如爆笑し出したティアにショックを受けた!ダンテと黒歌も突然笑い出したティアに不思議に思った。
「忘れたか?私はお前を恨んでいることを!その恨みを込めていると思えば貴様にはその名がお似合いだぁ!!良い名じゃないか!乳龍帝!さしづめ…おっぱいドラゴンと言ったところか?」
矛盾している様に聞こえるがティアはドライグに『乳龍帝おっぱいドラゴン』という不名誉な名前をつけた!その瞬間ドライグは再び激しく泣き出した!慰めにアーシアが籠手に回復の光を当てていた。
「お気の毒様にゃドライグちん……にゃ?でもさぁ?どちらかと言うとティア姉の方がおっぱいドラゴンじゃ…」
「あ"ぁ⁉︎何か言ったか黒歌?」
Σ「い、いえ…何でもないにゃ…」
黒歌のツッコミをティアは鬼の形相で黙らせた!
「…コホン、ところでイッセー?別のスタジオで何を撮ったの?」
「内緒です、スタッフの人にも放送するまで出来るだけ身内にも教えないでくれって言われたんで」
リアスの問いにイッセーは悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「わかったわ。放送されるのを楽しみにしましょう」
スタッフからこれで収録は終了と言われグレモリー眷属とダンテたちは帰宅準備を始めたがドアをノックする音が聞こえリアスが入室許可すると一人の少女が入ってきた。金髪縦ロールのお嬢様風の少女…確かこの娘は…
「失礼します、ダンテ様とイッセー様はいらっしゃいますか?」
「よぅ、レイヴェルの嬢ちゃんじゃねぇか、どうしたんだ?」
ライザーの妹、レイヴェル・フェニックスはダンテとイッセーを見つけるとパァっと笑顔になったがすぐに不機嫌な表情に変わった。レイヴェルは部屋に入ってくると両手に持ったバスケットをそれぞれダンテとイッセーに差し出した。
「こ、これ!ケーキですわ!イッセー様にはチョコケーキ、ダンテ様にはストロベリーサンデー風ケーキですわ!この局に次兄の取材がありましたからそのついでですわ!///」
恥ずかしそうに目を逸らしながら言うレイヴェルからバスケットを受け取り中身を見るとストロベリーサンデーのトッピングに見えるケーキが入っていた、イッセーの方にも高級チョコケーキのザッハトルテが入っていた、中々美味そうだ。
「これお前が作ったのか?」
「え、ええ!当然ですわ!ケーキだけは自信がありますのよ!そ、それに以前ケーキをご馳走すると約束しましたし!」
ダンテとイッセーはレイヴェルにお礼を言うレイヴェルは照れ臭そうに鼻で笑った。
「で、では、私はこれで!」
レイヴェルはそそくさと退室しようとしたがイッセーが呼び止めケーキを一口食べ感想を述べると最大級の笑顔になった。
「次の試合、応援していますわ!」
レイヴェルは一礼すると足早に去って行った。ダンテは貰ったケーキを指で掬い一口食べた。
「…美味い」
こうしてTV出演も終わりダンテ達は人間界へ帰って行った。
▽
デビルメイクライに帰ってくると留守番組が出迎え、今日別の番組の出演に行っていたアザゼルも帰って来てそれぞれ報告し合った。特に乳龍帝の話にはアザゼルも爆笑していた!またドライグが号泣していたが…
「そうそう、帰り道にこれを買ったんだ。ダンテたちの写真集だ、多分今日撮ったやつだろう、発売して5分で完売したらしいぞ?」
アザゼルが取り出した写真集の表紙にはダンテとティアと黒歌の三人の絵…冥界で見かけたポスターと同じ絵が描かれており『劇録!デビルメイクライ特集!!』と書かれていた。
「もう出来たのか?相変わらず早ぇなぁ」
アザゼルから写真集を受け取り開こうとしたら後ろに朱乃、ゼノヴィア、ティア、黒歌、白音が鼻息を鳴らしながら集まっていた。
「…こういう時は速いなお前ら」
ダンテは溜め息を吐きながら写真集を開いた。そこには上半身裸のダンテが写っていた、引き締まった胸板、六つに割れた腹筋、首から下がったパーフェクトアミュレットが光る写真だ。その瞬間後ろから「おお!!」と声が響いた!ページをめくると次にポケットに手を入れカメラ目線でエボニーを構える写真、次に飛び上がりながらエボニー&アイボリーを構えてる写真と次々カッコよくポーズを決めている写真に彼女達は興奮していった。
「にゃあぁ…最高にゃダンテ…」
「…姉様、鼻血出てますよ?」
「うふふ、カッコイイですわダンテさん♡」
「流石はダンテさんだ!良く撮れている」
興奮する彼女達と数ページ自分の写真を見ていると写真がティアと黒歌の物に替わり『デビルメイクライ、相棒特集!!』と書かれていた。
「あっ、次はあたしとティア姉の写真にゃ」
「フッ、心して見るがいい」
いつの間にかリアスとイッセーも後ろに来て見ていたがダンテはページをめくった。ラフな服装、和服、ドレスなど二人ともモデル並みのプロポーションなので様になっていた、その二人を見るとドヤ顔で頷いていた。数ページめくったところで二人の水着姿の写真になった、ビキニやハイレグなど中々過激な物もありこれにはイッセーは鼻血を噴き出しアザゼルは口笛を吹いていた。ティアは不本意なのか腕を組んで顔を赤くしていた。
「ティアさん、黒歌さん、ありがとうございます…!」
「にゃはは…改めて見ると凄いの着てたんにゃね…」
「…姉様、エロいです」
「うーむ、流石ティア姉さんと黒歌さんだ、スタイル抜群だな」
その時ページをめくっていたダンテがある物に気づいた。
「ん?何だ?袋とじになってるところがあるぞ」
「あっほんとにゃ、白音、定規持ってきて」
「……袋とじ?…‼︎ま、まさか!」
ティアは思い当たる物があったのか袋とじを開こうとするダンテを止めに入った!
「ま、待てダンテ!それを開くな!!」
「あ?」ビリビリ…
しかしティアの叫びは虚しく袋とじは開かれた…そこに隠されていた写真を見た瞬間!イッセーから鼻血の噴水が噴き出した!そこにあったのは途中乱入したネヴァンに水着をずり下ろされ胸が丸出しになったティアのヌード写真で『脱ぐと凄いんです!!龍王幻のヌード!!』と書かれていた!
「お、おっぱい…あっ…もうダメ…」
「イ、イッセーさん⁉︎」
「あらあら…大胆ね///」
「うわぁ…ティア姉、相変わらずの爆乳にゃ。てゆうかこの写真って……にゃ?ティア姉?どうしたの?」
黒歌はティアの方を見たがティアは凄まじいオーラを纏って拳を震わせていた!
「あ、あのカメラマン…‼︎この写真は絶対使うなとあれ程言ったのに……許さん!!今すぐ編集し直させて慰謝料請求してやる!!」
そう言いティアは魔法陣で冥界TV局に転移して行った!
「まぁ今更やっても遅いと思うけどな」
ビリビリ…ズダン!!
「あっ、なんだよダンテ、もったいねぇな」
「あぁぁ⁉︎お宝写真がぁ‼︎」
アザゼルは残念そうにしていたがダンテはヌードのページを破くと放り投げエボニーで撃ち抜きバラバラにした!イッセーが嘆いていたがティアの気持ちを考えてあげたダンテの行為に黒歌達は微笑んで頷いた。
翌日、再び発売された写真集はヌードのページが削除されたが、同じく初日に購入されてしまった物は消せないのでヌードの写真は初回限定の幻の写真となった。そして例のカメラマンからはティアに謝罪の手紙が届いた。
写真集のダンテのポーズは実際ある公式イラストです。
次回ディオドラ戦!お楽しみに!