「ダンテさん!今月の依頼量ですが、先月より少なかった様です!なので来月はこの倍は行く様に頑張りましょう‼︎」
「あぁ…わかったわかった」
椅子に座るダンテの前のテーブルにスケジュールと分厚い資料みたいな物をパンツスーツ姿の銀髪ロングヘアの美女、ロスヴァイセが積んだ。
「もう!なんですかその返事は!やる気はあるんですか?いいですか?ダンテさんがこの事務所のオーナーなんですからダンテさんがしっかりしていただかないとこの事務所は……あっ、ちょっとダンテさん⁉︎何処に行くんですか?まだ話は終わってませんよ!」
ダンテは片耳を塞ぎながら席を立ちその場を後にした……ったく勘弁してくれ、オーディンのじいさんの言ってた通り堅い女だぜ…あれじゃ確かに男が寄ってこない訳だ。
……ん?何でロスヴァイセがこの事務所にいるのかって?そうだな、まずはそこからだな。
◇数日前
朱乃がバラキエルと和解した次の日の夜。
コンコン…コンコン…キンコーン(インターホン)
時刻は深夜3時、全員が寝静まり照明も消えたデビルメイクライにノックとインターホンの音が響いた。
「…う〜…ん……ふあぁ〜ぁ……はぁぁ…い……ちょっと待ってくださ〜い……まったく…誰っすかこんな時間に……」
パジャマ姿のミッテルトが目を擦りながらおぼつかない足で玄関のドアに向かった。
「…はぁ…い…どちら様っすか?…ふあぁぁ〜ぁぁ…」
「…ぅぅ…こん〜ばん〜わ〜……うぅぅ……」
ドアを開けると目の前に薄汚れたスーツに乱れた銀髪、どんよりとした目のロスヴァイセが立っていた!
「ひぃ‼︎ヒィアアアアァァァアアアアァァァァ!??!」
ジリリリリリリリリリリリ!!!!
その表情を見たミッテルトはオバケを見たかの如く叫び散らし、さらに勢い余って事務所の非常ボタンを押してしまい事務所内には警報音がけたたましく鳴り響いていた!!
「何事だミッテルト⁉︎どうした⁉︎」
「敵襲か⁉︎」
「怪我は無い⁉︎ミッテルト⁉︎」
そこへダンテの部屋から飛び出しニ階の廊下の手摺から飛び降りて来た、上だけ羽織った下着姿のティアとゼノヴィアが現れ状況を確認しリアス達も集まってくるとそれぞれ訪問者ロスヴァイセを包囲した!
「えっ?…あ、あなたは!ロスヴァイセ⁉︎」
「どうしてここに⁉︎先日オーディン様と冥界へ帰ったはずでは…?」
「…あ…リアス様……うぅ……グスッ!…う…う…うああぁぁ〜ん!!」
ロスヴァイセはリアスの顔を見て安心した様な顔になると突然大粒の涙を流して泣き出した!
「えっ⁉︎ちょ、ちょっとロスヴァイセ⁉︎一体どうしたのよ⁉︎」
「…うるせぇなぁ…今何時だと思ってる?…ん?何だロスヴァイセの姉ちゃんじゃねぇか」
泣いているロスヴァイセを落ち着かせていると不機嫌な表情のダンテが来て見窄らしい姿のロスヴァイセに驚いた。
○●○
「…い、いただきます」
とりあえずロスヴァイセを風呂に入れ朱乃と黒歌が簡単な食事を作った。食事を食べ終わり落ち着いてきたところでロスヴァイセの話を聞いた。聞けばおっパブに出かけたオーディンに事務所に残る様に言われたロスヴァイセは聞かずについて行ったらしいが、途中で撒かれオーディンを街中探している内にそのまま忘れられオーディンに置いていかれたとのこと。さらに持ってるお金も数える程しか無く通貨も違う為何も食べられず彷徨っていたところでここにたどり着いたらしい。
「つまり…リストラされたのか姉ちゃん、ハッ、泣けるねぇ…」
Σ「うっ!うえぇぇ〜ん!!!!」
「ちょっとダンテ⁉︎とどめ刺してどうするのにゃ!」
ダンテの一言にとどめを刺されロスヴァイセは再び泣き出した!リアス達がダンテに文句を言う中、ロスヴァイセは泣きながら叫び出した!
「ひどい!長年オーディン様に仕えて頑張ってきた私を忘れて冥界に帰ってしまうなんて!もう今更どんな顔してオーディン様の元へ帰ればいいのかわかりません!!いえ、もう帰れません‼︎どうせ私は仕事ができない女よ!彼氏いない=年齢ですよ!!」
ロスヴァイセはほとんどヤケクソになって叫んでいた!叫び倒したロスヴァイセは頭を伏せて体育座り状態になってしまった。
「泣かないでロスヴァイセ、ほら涙を拭いて?…でも、どうしましょう?」
ロスヴァイセを慰めていたリアスはどうしようか悩んだ、相手は今まで神に仕えていたヴァルハラの者、下級悪魔の様に簡単には扱えない。
「なら姉ちゃん、ここで働いてみるか?」
「…えっ?」
ダンテがロスヴァイセにデビルメイクライで働くことを提案した。ダンテの提案にロスヴァイセは顔を上げた。
「よ、よろしいのですかダンテ様…?」
「あぁ、大して稼げるかわからねぇが、彷徨うよりいいだろ?そのかわり、しっかり働いてもらうぜ?」
「フッ、普段サボってばかりのお前が言えることか」
「ほっとけ。で、どうだ姉ちゃん?」
ティアにツッコまれたがダンテはロスヴァイセに返事を訊いた。
「…帰ったところで私の居場所はもうありません。わかりました、よろしくお願いしますダンテ様!私を雇ってください!」
「わかった、よろしくな姉ちゃん。それから様付けしなくていいぜ」
「わかりましたダンテさん!なら私のこともロスヴァイセと呼んでください!」
ロスヴァイセがデビルメイクライで働くことが決まりティア達にも頭を下げていたが、ティア達は歓迎ともう一つ別の意味の警戒の目で見ていた。ロスヴァイセの新たな職場が決まったところでリアスも提案してきた。
「ところでロスヴァイセ?今冥界に来るとね、こんな特典が付くのよ?」
リアスが見せた書類を見た瞬間ロスヴァイセが驚愕の表情になった!
「えっ⁉︎ウソ⁉︎保険金がこんなに⁉︎しかもこっちは掛け捨てじゃない!」
「そうなの、さらにほらこーんなサービスまで!」
「す、すごいです!悪魔ってこんなに貰えるんですか⁉︎基本賃金が違うし、ヴァルハラと比べても好条件ばかりじゃない!」
…この女、ヴァルキリーを買収してやがる!フッ、これがホントの悪魔の囁きってか?すると勧誘を続けるリアスはポケットから紅い駒を取り出した。
「そんなわけでロスヴァイセ、ここで働くついでに私の眷属にならない?前の戦いで見たあなたの魔術は戦車として役立てると思うの。どうかしら?」
リアスはロスヴァイセに戦車の駒を差し出した。確かに前の戦いで少し見たがロスヴァイセの魔術のフルバーストは中々凄かった、テクニックもすごそうだし、こいつが眷属になればリアス達の大きな戦力になるだろう。
「わかりました。ふふ…不思議です、冥界であなた方に出会った時からこうなると決まっていた気がします」
ロスヴァイセは戦車の駒を受け取った。紅い光が発生しロスヴァイセの背中に蝙蝠の様な悪魔の翼が生えた!
「皆さん!悪魔に転生しました、元ヴァルハラのヴァルキリーのロスヴァイセです!どうぞよろしくお願いします!グレモリー眷属兼ダンテさんの秘書として頑張ります!」
…洗脳された様にも見えたがロスヴァイセは新しいリアスの眷属の最後の戦車になった。ま、おめでとう。
「何だロスヴァイセ?秘書になるのか?」
「はい、ここにいる間は経理などを担当します!私これでも祖国の学び舎を飛び級で卒業してますから。なんだったら皆さんの家庭教師もやりましょうか?」
ロスヴァイセは笑顔で色々提案してきた。さっきまでとは大違いだ。
「まぁ、元神に仕えてきた者同士仲良くしようじゃないか、私も破れかぶれだったしね」
「仲間が増えて私も嬉しいです!ロスヴァイセさん、よろしくお願いします!」
「よろしく!ロスヴァイセさん!」
イッセー達もロスヴァイセに挨拶しロスヴァイセが新たな住人兼仲間になった。
「フフフ、オーディン様…この次会ったら覚悟してくださいね…フフフフフフフフフフフフ…」
ロスヴァイセは小言を言いながら怪しく笑っていた…オーディンのじいさん、まぁ頑張れよ?
▽
そして現在。
「いいですかダンテさん?事務所のオーナーたる者はですねーー」
ダンテはロスヴァイセからオーナーとしての責任やら色々説教される様に説明されていた。なんだかソーナみたいなやつだなこいつ。
「あっそうだ!事務所の名前も少し変えません?『株式会社デビルメイクライ』なんてどうです?」
「…勘弁してくれ」
今回は短くしました。原作と違いロスヴァイセは駒王学園の教師になりませんでした。
次回からオリジナル展開!敵としてある奴らが登場します!お楽しみに!