◇デビルメイクライ
討伐依頼を終えダンテ達とグレモリー眷属は事務所に戻ってきた。翌日リビングルームに集まり今回戦った悪魔について話し合っていた。その表情は全員いつに無く険しかった。
「まさか、奴らがこの世界に現れるなんてな」
「ダンテ、もう一度確認するけど、あの悪魔達はダンテの元の世界の悪魔で間違い無いのね?」
リアスは戦闘中に撮っていた7ヘルズが写った写真をテーブルに並べて訊いてきた。
「あぁ、間違いねぇ、紛れも無くそうだった。お前らも今まであんな奴ら見たこと無いだろ?」
「えぇ、私も最初見た時に死神…グリムリッパーと勘違いしたくらいだったもの」
同じくグリムリッパーを知る朱乃やティア達も頷いていた。
「「「しかし…何故奴らがこの異世界に現れたのだ?そして一体誰が送り込んだのか…」」」
「7ヘルズ達が出てきたあの門も元の世界でも見たこと無い物だったわ。一体どういうことかしら?」
ダンテの体の中からケルベロスが、外に出ていたネヴァンも意見を述べた。二体もわからない様だ。
「確かに…わからないことだらけだな。まぁ今アザゼルがさっき持って帰ってきた門の石盤の一部を調べてるとこだ、その結果を待つことにしようぜ」
そこへタイミングよくリビングルームに解析結果が記された紙と石盤の欠片を持ったアザゼルが入ってきた。
「どうだアザゼル?何かわかったか?」
「うーん…ダンテ達が持って帰ってきた石盤の欠片を調べてみたが、ダメだな。隅々まで調べたんだが…やっぱりこいつはただの石ころみたいだ。魔力の欠片も無いし何も感じないぜ」
頭を掻きながらアザゼルは解析結果をテーブルに置いて見せてきたが、透視した写真を見ても結果はわからなかった。
「そうか、ダメだったか」
「サーゼクスにも報告はしたんだがあちらも難航してるらしい。すまないなダンテ、解析できなくて。一応その悪魔だったって言う砂も調べてみたんだが、やっぱりこっちもただの砂だったぜ」
アザゼルは解析できなかったことを謝罪した。
「気にすんなよアザゼル。しっかしこうも魔力が綺麗さっぱり消えちまうと解析どころか奴らがどうやってこの世界に来たかも見当もつかねぇな」
「せめて砂に戻る前の生身の一部があれば解析できるんだがな。ダンテ、次に奴らが現れたら砂に戻る前に体の一部を回収してくれないか?」
アザゼルは生身の体の一部の回収を頼んできた。まぁ確かにその状態なら魔力も残っているだろうし、解析もできるだろう。
「あぁわかった。次に奴らが現れたら回収しておくぜ」
「頼んだぜ」
「えぇわかったわ、皆も回収できそうだったらお願いね?」
『はい部長!』
イッセー達は返事をするとそれぞれ確保の仕方などを話していたが、そこへリビングルームにロスヴァイセが依頼書を持って入ってきて報告した。
「ダンテさん!リアス部長!また討伐依頼が来ました!今回も正体不明の反応らしいです。これは、また…」
ロスヴァイセは表情を険しくして依頼書をダンテに渡してきた。正体不明…ってことはまた奴らか?こんなに早くまた現れるとはな。でも丁度いいぜ、さっさと解析結果が知りたいし今度こそ回収してやるぜ。
「わかった、それじゃ行くとするか。待ってろアザゼル、今度は砂に戻る前に回収してくるぜ。行くぞお前ら」
すると出発しようとしたダンテ達にロスヴァイセは追加報告した。
「ダンテさん、もう一つ報告があります。今回は以前と違って反応が大きいみたいです、おそらく大型の個体かと」
「ケルベロスみたいな大型悪魔ってことか。ならその一部を斬り落とせば回収できるかもな」
「ありがとうロスヴァイセ、さぁ皆!いくわよ!」
ダンテ達とグレモリー眷属は討伐依頼に出発した。
▽
今回の討伐対象がいると思われる廃坑にやって来たダンテ達とグレモリー眷属。その場所は初めての討伐対象バイサーが潜伏していた場所と同じ所だった、久しぶりだぜ。
「今回はお前もついて来たのかオーフィス」
「うん ダンテの世界の悪魔 見てみたい」
そう、今回の依頼にはオーフィスが一緒に来ていた、ダンテの肩に肩車して乗っていた。その様子を黒歌と白音が羨ましそうに見ていたがオーフィスは気にせず乗っていた。まぁこいつはこの中で一番強いからついて来ても問題ないだろ。
「皆、今回は7ヘルズと違って大型悪魔みたいだから油断しない様にいくわよ!」
『はい‼︎』
おーおー、気合いが良くていいな!前はヘル=バンガードに敵わなかったからな。まぁ大型の個体ならケルベロスくらいの強さはあるかもしれないが、油断するなよ?
廃坑の中を進み以前バイサーがいた広めの部屋の扉の前に着いた。
「ここから魔力を感じるわ、開けるわよ?」
リアスは確認をするとノブに手を掛け扉を開けた!開けた瞬間、中から激しい吹雪と突風が吹き荒れ今の季節にはありえない景色になっていた!さらに部屋の奥は完全な暗闇になっていて見えない状態になっていた!そして何より……
『くっさ!??!』
全員揃えて声を上げ鼻を塞いだ!何だこの悪臭は⁉︎トイレとか糞なんて比べ物にならないぞ⁉︎全員気持ち悪そうに顔を青くしていた!特にその中でも…
「にゃああぁぁぁあああぁぁぁっ!??く、臭いにゃあぁぁぁああっ!!!何なのにゃこの臭いィィィッ!!鼻が曲がるゥゥゥッ!!」
「…うううぅぅ!!…うぷっ!?あっ…やっぱりダメ…臭いですゥゥゥッ!!」
黒歌と白音が痙攣してダウンしていた!耳と尻尾の毛が逆立っているし、やっぱ猫魈で他のやつより数倍鼻が効くこの二人にとってはキツかったか。
「黒歌!白音!大丈夫か⁉︎マシになるかわからんが鼻を魔力で覆うと少しは耐えられるぞ?」
ティアがダウンしてる二人に寄り添い起こした。ティアのアドバイスを聞いてリアス達も鼻を魔力で覆いいくらか顔色が良くなった。流石のオーフィスもこの臭いには…
「あっ!いねぇ⁉︎」
いつの間にかオーフィスはダンテの肩から消えていた!あのヤロ〜自分だけさっさと独自の転移方法で逃げやがった!
「あっ⁉︎部長!扉が魔力の結界で塞がれてます⁉︎」
「完全に逃げ道を塞がれましたわ!」
入ってきた扉は既に攻撃してこないタイプだが魔力の結界に覆われていた!倒すまでは逃げられないってことか。
「くっ!逃がさないって訳ね。でも、この臭いは確かに普通じゃ無いわ、早いとこ討伐対象を倒して一部を回収して帰るわよ!こんな所にいつまでもいたら臭いが着いちゃうわ!」
ダウンし戦えそうにない黒歌と白音を下がらせ結界で覆い討伐対象を探そうとしたその時、奥から女性の笑い声が聞こえてきた。
…ウフフフ……アハハハ……フフフ…
「…何?この声?」
「女性の…声?」
警戒しながら周りを見ていると暗闇の奥から青く光る体に触手に似た髪の二人の妖精と思われる裸の少女が現れた。二人の少女は宙を舞い、まるで踊る様に動き、抱き合ったり、互いの胸や尻を触ったりし時折色っぽくこちらに手招きしていた。
「あの子達が声の正体?」
「え、えぇ、でもどうしてこんな所に妖精さんが?」
祐斗とアーシアは何故こんな悪臭漂う場所に妖精がいるのか不思議に思っていた。その舞にイッセーは…
「迷い込んできたのか?ならここから出してやらないと。でも……デヘヘ♡なんてエッチな妖精なんだァァ!!」
妖精の舞いを見てイッセーは鼻の下を伸ばしてにやけ顔になり吸い込まれる様に妖精に近づいて行った!
「イ、イッセーさん⁉︎」
「ッ!この馬鹿者が!どう見てもこちらを誘う罠だろうが!」
白音がダウンしている為ツッコミが無かったので代わりにティアが忠告した。
「まったく、ダンテも何か言ってやれ……ん?ダンテ⁉︎」
ダンテにも意見を求めたティアはダンテを見たが思わず目を疑った!
「ひゅ〜♪ベイビーちゃん!」
ダンテまで口笛を吹き鼻歌を歌いながらスケートの様に滑り妖精の方へ近づいて行った!
「お、おいダンテ⁉︎お前までどうした⁉︎おい‼︎」
まさか⁉︎術的なものに掛かったのか⁉︎ティアは叫んでいたが、ダンテは妖精の周りを滑りながら胸や尻を見ていた。
「ハッハー♪いいねぇ!最高だぜ♪」
「うっひょー♡」
ダンテは寝そべるとメロメロになっているイッセーと一緒に妖精の舞いを楽しんでいたが、その時!前方の暗闇から鋭い牙が生えた巨大な口の怪物が飛びかかってきた!!
「ガアアアアアアア!!!!」
怪物はダンテとイッセーを巨大な口で一飲み…にできず空振りに終わった。リアス達の側にイッセーの首根っこを掴んだダンテが着地した。
「チッ!ワシに気付いとったのか!」
怪物は不意打ちに失敗し舌打ちしていた。
リアス達も突然現れた怪物に驚愕した。暗闇から姿を現したのは巨大な口に白い体、頭に生えた無数の氷の角、カエルの様な足に太い短い尻尾の怪物だった!そして妖精の正体は同じく怪物の頭に生えた触覚に付いた擬似餌だった。その正体を知り騙されていたことに気づいたイッセーは口を開けて絶望していた。
「あぁ、姿は隠れてたがその臭いがな…ひでぇもんだぜ。お前が臭いの元か?なら倒させてもらうぜ、カエル野郎?」
するとカエルと呼ばれた怪物は激怒し突風と口から悪臭漂う液を撒き散らした!
「ボケがァ!!誰がカエルじゃあァ!?」
「何だ?違うのか?だったら謝るぜカエル野郎?」
相変わらずの軽口の挑発をしダンテは腕を組んで笑っていたが、怪物は叫びながら名を名乗った。
「生意気な小僧がぁ!ワシの名はバエル‼︎ワシをナメると痛い目を見るぞ!貴様ら全員ワシが一飲みにして消化したるわ!!グワアアアアァァァァッ!!!!」
「ナメる?ハッ、気持ち悪くて舐めたくも無いぜ」
バエルは雄叫びを上げ周りに激しい突風と意識を失いそうになる悪臭を吹き上げた!
「にゃあ!?臭さ倍増!??!」
「…うぅ…ね、姉様…私はもう…ダメかもしれません…意識が……あっ…亡くなった母様がおいでおいでしてます…」
黒歌はさらに叫び散らし、白音は幻覚が見え始めていた。
「バエル?フッ、何だよ、カエルと一文字しか変わんねぇじゃねぇか。まぁいいぜ、いく…」
ダンテは再び挑発しリベリオンに手を掛けバエルに向かおうとしたが、それよりも早く朱乃とゼノヴィアが飛び出して行った!
「うふふ、カエルさん?ダンテさんを誘惑するなんて許しませんわ」
「その罪万死に値する!動けない黒歌さんと小猫の分も含めて断罪してくれる!」
朱乃は笑顔で激しい落雷を発生させ、ゼノヴィアはデュランダルで斬りかかった!
「このカエル野郎ォ!!俺の心を傷つけやがってェ!!許さねぇ!もう手加減しねぇぞ!!いくぜ!禁手!!」
『Welch Dragon balance breaker‼︎』
イッセーもキレながら禁手を発動させ背中のブースターを噴かしバエルに突撃した!ダンテは出にくい空気になりリベリオンから手を離すと頭を掻いた。
「ったくあいつら、また勝手に突っ走りやがって…」
「完全に出遅れたなダンテ?」
「あぁ、あいつらまた怪我しても知らねぇぞ?」
「まぁ、それは大丈夫だろ。それよりもダンテ?さっきはわざととは言えあのカエルの誘惑に乗ったな?フフ…これはお仕置きが必要だな」
「おいおいティア、今は…」
「問答無用‼︎」
イッセー達がバエルと戦闘を開始する中ティアはダンテに説教を始めた。
バエルに向かって行ったイッセー達。朱乃は落雷を落としながら援護し、イッセーとゼノヴィアはバエルの足や体を攻撃していた。その巨体故に怯まないので攻撃が効いているかわからなかったがデュランダルの攻撃を受けてバエルは小さい悲鳴を上げていたので効いてはいる様だ。
「よし効いているぞ!朱乃先輩はもっと雷を!イッセーは倍加の力をデュランダルに!」
「わかりましたわ!」
「よしいくぞゼノヴィア!ブーステッド・ギア・ギフト‼︎」
『Transfer‼︎』
力を譲渡されてデュランダルが輝き出しゼノヴィアは頷くとデュランダルを振り上げ刃から大出力の聖なる斬撃をバエルに放った!
「いっけぇぇぇぇぇぇっ!!!」
「グオオオオッ!!ナメるな小僧どもがぁぁぁ!!」
バエルは巨体に似合わないジャンプ力で飛び上がり斬撃を避けると勢いよく降下しボディプレスを仕掛けてきた!イッセー達は何とかかわしたが、バエルは触覚を振り回しイッセー達を吹き飛ばすと頭に生えた氷の角を飛ばし降らせてきた!イッセーとゼノヴィアはかわせたが飛んでいた朱乃は全てかわせず撃ち落とされてしまった!そこへバエルが巨大な口を開けて食らいついてきた!
「朱乃さん!危ない!!」
「ドライブ!!」
朱乃がバエルに飲み込まれる寸前で飛来した赤い斬撃により阻止され朱乃は助かった。
「大丈夫か朱乃?」
「ダンテさん!はい!おかげで助かりましたわ!ありがとうございます!」
ダンテは説教中だったがドライブを放ち朱乃を助けた。
「こらダンテ!まだ説教は終わってないぞ!」
「うるせぇなぁ…もういいじゃねぇか」
ティアの説教は続く…
朱乃がダンテに助けられ事なきを得て戦闘を再開するとバエルは再び大きく飛び上がり離れた場所に着地すると大きく息を吸い込み腹を膨らませると雄叫びを上げ暗闇に姿を消してしまった!完全に姿を消す前にイッセーとゼノヴィアは攻撃を仕掛けたがバエルの姿は闇に溶け込んだ。
「くそっ!何処に行きやがった⁉︎」
「気配はしますわ!気をつけて!」
「ん?あれは!」
その時再び笑い声が聞こえ振り向くと擬似餌の青い少女が現れこちらに向かってきた!擬似餌の少女は手を鞭の様にしならせ攻撃してきた。
「もう正体がわかってんだ!騙されないぜ!」
「その通り!もう遠慮はしないぞ!」
「うふふ、いけない子にはお仕置きですわ♪」
擬似餌の攻撃をかわしながらイッセー達は確実にダメージを与え擬似餌を追い詰めていった!擬似餌もクラゲの様にゆらゆらしながら動いてイッセー達を惑わしていたがイッセー達には通用しなかった。
「へへ!その程度の動きに惑わされないぜ!こちとらティアさん相手に修行してんだぜ?」
イッセーの拳が擬似餌の顔にヒットし擬似餌は体が黒ずみ倒れ込んだ。イッセーはとどめを刺そうと拳を構えたが、それは罠だった!擬似餌は突然立ち上がると両手と頭の触覚の髪を広げて抱きつくとイッセーの体を凍りつかせた!
「しまっ…」
ゼノヴィアがイッセーの氷を砕こうと近づいたが再び氷の雨が降り注ぎゼノヴィアは足止めされた!その隙に暗闇からバエル本体が現れイッセーを飲み込もうと口を開けて飛びかかった!
「させないよ!ソードピアス‼︎」
その時祐斗の聖魔剣が一本飛来しバエルの額に突き刺さり攻撃を阻止した!その隙に祐斗はイッセーの体の氷を砕き肩を貸しその場から離れた。
「部長!今です!」
「ありがとう祐斗、くらいなさいバエル!」
祐斗が叫ぶとリアスがバエルに巨大な滅びの魔力を放ちバエルの頭に生えた氷の角を破壊した!すると氷の角を失ったバエルは悲鳴を上げながらダウンした!コイツの弱点は角か⁉︎全員で攻撃を仕掛けようとした時イッセーが祐斗の肩を借りながら立ち上がった。
「このヤロ〜よくも氷漬けにしてくれたな、この借りは何倍にもして返してやるぜ!くらえ!ドラゴンブラスタァァァァッ!!!」
僧侶の力のトリアイナを発動したイッセーは肩からキャノン砲を発射しバエルを呑み込んだ!周りの被害を考え出力は抑えていたが充分な威力である。
「グアアアアアァァァァアアアアッ!!!」
バエルの悲鳴が上がり、煙が収まるとダウンして息をしているバエルが見えた。体から煙が上がっていた為確実にダメージは与えた様だ。
「ぜぇ!ぜぇ!ガキどもがァ!よくもやってくれたなァ!許さん!!ぶっ殺してやる!!グワアアアアァァァァッ!!!!」
バエルは立ち上がると激しい雄叫びを上げ魔力を跳ね上がらせた!バエルの体は黒く変色しさらに紫色の禍々しいオーラを纏っていた!
「ッ!コイツまだこんな力を!気をつけて皆!」
リアスは警告すると攻撃を仕掛けようとしたがバエルはかなりのスピードで触覚を振り回すと一撃で全員を弾き飛ばし大きく息を吸い込み氷のブレスを放ってきた!やられる‼︎
「っと、危なかったなお前ら?そろそろ交代だ」
その時、説教が終わったダンテが兜割りで氷のブレスを相殺し阻止した!
「ダンテ!」
「ダンテさん!」
「ここからは俺がやる、お前らは下がってな」
リアス達はダンテにお礼を言うと肩を貸し合いながら下がった。ダンテはリベリオンを担ぐとバエルに笑い掛けた。
「よぅ、負けそうだったのにパワーアップして逆転するなんてやるじゃねぇか。思ったより歯応えがありそうだな、楽しませてくれよ?そんじゃいく…」
リベリオンをバエルに向け戦いを始めようとしたその時!ダンテの左右から黒と白の影が勢いよく飛び出しバエルを大きく吹き飛ばした!おいおい…今度は何だよ?ダンテの前に着地したのはデビルトリガーを発動した黒歌と白音だったが、その表情は…怒っていた。
「おい黒歌、白音、邪魔するなよ?コイツの相手は今から俺がするんだからよ」
「…ごめんにゃダンテ、でももうあたしたち限界にゃ…下がってて」
「…これ以上ここにいたら私達の鼻が馬鹿になります。だからコイツは私達が倒します。ダンテ兄様は手を出さないでください」
その二人の様子を見たダンテはすぐに察した…これは逆らうと危険だと。ダンテはやれやれと溜め息を吐くと渋々この場を譲った。
「ったく…しょうがねぇな、わかったよ。まったく、俺の出番を奪いやがって」
ダンテも下がると戦いを見守ることにした。
黒歌と白音はオーラを纏ってバエルにゆっくりと近づいて行った。
「グハハ!小娘ども!たった二人でワシと戦うつもりか?馬鹿め!一飲みにしてくれるわ!グハハハハハ!!」
バエルは黒歌と白音の愚かさに嘲笑っていると次の瞬間黒歌と白音の姿が消えた!バエルは慌てて周りを見渡すと突然体が宙を舞った!一瞬で背中を取った白音がバエルの尻尾を掴んで振り回していたのだ!
「ぐあぁぁぁぁ!?ば、馬鹿な!このワシを投げ飛ばしただとォ⁉︎」
地面に叩きつけられたバエルは振り向きざまに擬似餌を伸ばしてきたが黒歌はあっさり受け止めるとバエルごと反対側に叩きつけ白音が触覚を間から爪で切り落とした!
「グォォォォ!??貴様ァ!よくもワシの触覚をォォ!!」
白音は切り落としぐったりしている擬似餌を掴んだ。
「…触覚のくせに何でこんなに胸が大きいんですか⁉︎嫌味ですか⁉︎嫌味なんですか⁉︎」
白音は擬似餌の上に跨ると擬似餌の胸を握り潰し顔を連続で殴りつけた!その姿を見たリアス達は白音の闇を知ったのだった。
「おのれぇ!!もう許さん小娘どもがァ!ぶっ殺してやるゥゥゥッ!!」
怒り狂ったバエルはオーラを纏い黒歌と白音に飛びかかったが白音が死んだ擬似餌をバエルの顔に投げつけた!怯んだ隙に黒歌が懐に飛び込んだ!
「そろそろ終わりにするにゃ。はあぁぁぁ…‼︎…にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!!」
黒歌は目にも留まらぬ速さで連続で拳を叩き込みとどめにアッパーカットで打ち上げた!
「グアアアアァァァッ!?ぐっ!こ、これで勝ったと思うな!まだワシは…」
宙を舞ったバエルは振り向いたがそこへ白音がとどめに入った。
「…残念ですけどこれで終わりです!デスガロン・バスターブレイド!!」
デスガロンの全ての刃を両手を合わせて作った巨大な刃でバエルを脳天から一刀両断した!!
「…グッ…ハァ……み、見事だ…小娘ども…だがワシが負けても…まだ…ワシの弟が…!…グ…ハハ……やれ!ダゴン!!」
バエルの体は一瞬で凍りつくと爆発して粉々になった!…何?弟、ダゴンだと?
グルルル…
その時、ダンテ達の背後から唸り声が聞こえ振り向くと黒い体に赤い擬似餌の別の個体ダゴンが現れた!リアス達は突然現れたダゴンに咄嗟に反応が遅れた!しかもその目の前にはアーシアがいた!間に合うか⁉︎
「アーシアァァァァッ!!」
その時、イッセーがアーシアを突き飛ばしそのままダゴンに飲み込まれてしまった!
「イッセーさぁぁぁぁん!!」
「グアハハハハ!!一飲みにしてやったわ!!バエルの仇を取らせてもらう!!」
「くっ‼︎」
リアス達も飲み込まれたイッセーを助けようと構えたが、次の瞬間ダゴンの体内から音声が響いた!
『チェンジ‼︎ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク!!』
「グッ⁉︎…な、何だァこの力は⁉︎」
『チェンジ‼︎ソリッド・インパクト!!』
「グッ⁉︎グアアアアアァァァァッ!??!か、体が!体が破られ……」
ダゴンの体は風船の様に急激に膨らむと大爆発した!!ダンテ達は結界を張り爆発を防いだが、イッセーはどうなった⁉︎
爆発が収まると結界を解きどうなったか確認したが、そこには腹が裂けた瀕死のダゴンが倒れておりイッセーの姿は無かった。リアス達がイッセーを探そうとしたその時!ダゴンの体が盛り上がりそこから禁手を解除したイッセーが出てきた!
「ぶっはぁ!!ぶえっ!ぺっ!ぺっ!くっせぇぇぇっ!!最悪だぜくそっ!!」
イッセーは体中ダゴンの体液まみれだったが無事の様だ。すぐにリアスとアーシアが駆け寄り抱きついた。
「イッセー!無事でよかったわ!大丈夫?」
「イッセーさん!無事でよかったです!お怪我はありませんか?」
「部長…アーシア…大丈夫だ。アーシアも怪我は無いか?」
「はい!」
互いの無事を確かめ合いイッセー達は再び抱きしめ合った。その様子にダンテはフッと笑うと瀕死のダゴンの前に来た。
「さてと、死ぬ前に答えてもらうぜ?お前らを送り込んでるのは誰だ?何が目的だ?」
ダンテの問いにダゴンは弱々しく口を開いたが怪しく笑い出した。
「…フハハ…ハ…知りたいか?…あのお方は…もう…」
「あのお方?誰の事だ!」
「…知りたければ…戦い…続けるがいい……」
ダゴンの体が徐々に凍りつき始めた。
「ッ!おい!」
「グハハハ……」
ダンテはエボニーを向けたが遅かった、ダゴンはバエルと同じく一瞬で全身凍りつくとバラバラになった。チッ!あのお方って一体誰なんだ⁉︎ダンテは拳を強く握り締めた。
「ダメですダンテさん。ダゴンが死んだら回収した一部も氷になっちゃいました…」
ダゴンの体の一部を回収していたロスヴァイセがただの氷の塊になった肉片を見せてきた。チッ、回収も失敗か。何も得られなかった戦いにダンテは舌打ちした…自分の出番も無かったし。
「しょうがねぇ、帰るぞお前ら」
丁度出口を塞いでいた魔力の結界も解除され暗闇に包まれていた部屋も元に戻った。
外に出て新鮮な空気を吸ったダンテ達は帰路に着いた。
数分後、デビルメイクライに帰ってきたダンテ達だったが、自分達ではわからないくらい臭いが染み付いていた為出迎えたイリナやミッテルトに叫ばれていた。
あのお方とは一体誰なのか⁉︎次回、それが明かされます。
次回、デビルメイクライ襲撃!お楽しみに!