ムンドゥスによって復活したベオウルフを助っ人として駆けつけたサイラオーグに任せてダンテ達はマレット城へ突入した!城壁を破壊して入ると破壊した壁がシャッターが閉まるかの如く閉じ修復された。
「壁が…まるでこの城自体が悪魔そのものみたいですね」
壁が閉じたのを確認するとダンテ達は部屋の内部を警戒しながら見ていた。今いる場所は大ホールの様で電気の代わりに蝋燭が置かれ、所々に槍を持った聖騎士の像が置かれていた。
「それにしても、何でベオウルフはダンテを裏切ったのかしら?」
リアスは今までダンテと共に戦ってきたベオウルフの裏切りに表情を顰めた。
「ベオウルフはね…かつてダンテの父の魔剣士スパーダと戦ったの。その時に片目を失ってその後に私達がいたテメンニグルに封印されていたのよ」
事情を知っているネヴァンが説明をした。
「封印されている間もベオウルフはずっとスパーダへの復讐の機会を狙っていたわ。それからその血族のダンテがテメンニグルに来た時に襲いかかったけど、その際に残ったもう片方の目まで失ったの。両目を失ってもベオウルフは諦めないで復讐を誓っていた、けど匂いを頼りにたどり着いたのは…ダンテではなくバージルだったの」
「バージルさんの所に?…じゃあベオウルフは…」
「えぇ、ダンテじゃないと気づかないで攻撃してバージルに瞬殺され強制的に魔具にされたわ…」
ベオウルフが魔具にされた経緯を知りリアス達は衝撃的な表情をしベオウルフが裏切った理由を知った。
「復讐を果たせず強制的に魔具にされた…ベオウルフにとっては屈辱でしかないだろうね」
理由は違えどかつて復讐心に囚われたことがある祐斗は表情を歪めていた。
「お喋りはその辺にしとけお前ら、早速邪魔者だぜ?」
ダンテはリアス達に声を掛けて中断させると魔剣スパーダに手を掛けた。目の前の扉には魔力の結界が張られ通れない状態であった。ダンテはスパーダでこじ開けようとしたがその時声が聞こえてきた。
『この扉を開けたければ血を捧げよ』
「血って…私達が血を捧げろって言うの?」
突然の難題にリアス達は顔を見合わせていたが、ダンテは無視してスパーダを振り下ろそうとした!すると白音がある匂いに気づいた。
「…何か匂いがします」
「にゃ?…ほんとだ匂うにゃ。これは…血の匂いにゃ」
黒歌も匂いを感じ取り匂いの元が血の匂いだとわかった。ホール内を見渡すと階段の影などに赤く光る顔の形をした結晶が落ちていた、それはホール内のあちこちにあった。
「これは…何でしょうか?」
アーシアは結晶体を拾い上げるとダンテに見せてきた。
「おっ、レッドオーブじゃねぇか」
「レッドオーブ…?何ですかそれ?」
「悪魔の血が結晶化した塊だ。こいつを使えばこの結界を解けるんじゃねぇか?」
結界の解除の仕方がわかりアーシアからレッドオーブを受け取ったダンテは結界に捧げたが反応しなかった…どうやら足りないみたいだ。そこでリアス達は散開しホール内のレッドオーブを回収しに行った。
「おいダンテ、白いオーブも見つけたんだが…これは何だ?」
ホール内のレッドオーブを回収したリアス達は戻ってきたが、ライザーは白いオーブを持っていた。すると白いオーブはライザーの体に入り込み脈打った!
「何だ⁉︎魔力が…回復した!」
驚くライザーにダンテが説明した。
「そいつはホワイトオーブだ。失った魔力を回復する力があるオーブだ。よかったじゃねぇか?お前さっきグリフォンと戦って魔力を消費してたしな。さてと、ご苦労だったなお前ら、早速このレッドオーブを使って解除するか」
ダンテはリアス達が集めてきたレッドオーブを受け取り結界に捧げた。オーブを捧げた結界は手の形になると粉々に崩壊し解除された。
○●○
結界を解除し隣の部屋に入ってきたダンテ達だったが、部屋に入ると再び扉が結界に囲まれてしまった。
「チッ、またかよ…面倒臭ぇな。ここはスパーダでこじ開けるか」
再び現れた結界にダンテは舌打ちするとスパーダで無理矢理開けようとしたがティアに止められた。
「待てダンテ、この部屋はさっきのホールと比べたら狭いぞ。スパーダを使ったらその衝撃波は凄まじい…私達はタダじゃ済まないぞ?」
確かに、スパーダならこの結界を破るのは容易いだろう。だが代わりに凄まじい衝撃波が発生する、この部屋の狭さじゃリアス達が怪我をしてしまうし、最悪部屋ごと崩壊するかもしれない。
「ったくしょうがねぇな、じゃさっさと結界を解除する方法を見つけようぜ」
溜め息を吐き渋々了承したダンテはスパーダから手を離した。リアス達は再び散開し結界を解除する仕掛けを探しに行った。扉に鍵穴もあったのでそちらの鍵も探すことにした。
イッセーとアーシアは隣の部屋にあった螺旋階段を登るとその部屋の中を捜索することにした。その部屋は本棚やテーブルが置かれ、住居スペースと言った感じであった。
「…ここには特に何もありませんね」
「う〜ん…そうだな、別の部屋を見てみるか…ん?おいアーシア、ここ天井が崩れてるぜ!この上も部屋みたいだ、行ってみようぜ」
部屋の天井の一部が崩れている場所を見つけイッセーとアーシアは翼を出して上の部屋に入った。その部屋も似た様な感じの部屋だった。
「…ここも住居スペースか」
「そうですね、ここも調べてみま…あっ、イッセーさん、あそこのお人形さんの手に…」
アーシアは部屋の奥に立て掛けてあったカラフルな服を着た大柄な人形の手に鍵らしき物が握られているのに気づいた。イッセーとアーシアは人形に近づくと人形を見つめた。
「…大きなお人形さんですね?」
「あぁ…住人を模して作られたのかな?アーシア、鍵取れそうか?」
「あっはい、なんとか…お人形さん、ちょっと鍵をお借りしますね」
アーシアは断りを入れると人形の手から鍵を拝借した。少し古びた鍵だが、おそらくあの結界の扉の鍵だろう。
「よし、一応手掛かりは見つけたな。それじゃ戻ろうぜアーシア」
「はいイッセーさん」
イッセーとアーシアが床に開いた穴に向かおうと本棚の前に来た次の瞬間!
カッ‼︎
二人の間を何かが擦り抜け本棚に刺さった!それは…ナイフだった!
「「…えっ?」」
イッセーとアーシアは顔を見合わせると恐る恐る後ろを向いた、そこには先程鍵を持っていた人形が投げたフォームをしていた!…えっ?ま、まさか…すると二人の前方に何処からともなく長い糸を伝って違う色の服の同様の人形が現れた!しかもその手にはナイフなどの武器を持っている!
「うわぁぁぁぁっ!??」
「きゃあぁぁぁぁっ!??」
イッセーとアーシアは再び顔を見合わせると絶叫し急いで床の穴に飛び込んだ!
「か、勝手に鍵を持って行ったことに怒ってるんでしょうか⁉︎」
「いや、ちゃんと断りは入れただろ⁉︎それ以前に魔力を感じた!あれは悪魔だ!早くダンテさん達の所に…うわっ⁉︎ここにもいた⁉︎」
下の部屋に下りるとそこにも人形の悪魔達がいた!
「くそっ!ブーステッド・ギア!」
『Boost‼︎』
イッセーは赤龍帝の籠手を出し構えたが既に包囲されている!さらにアーシアも守らないといけない!状況的に芳しくないと考えたイッセーは一体に狙いを定めた。
「アーシア、俺が合図したら走れ、いいな?」
「イッセーさん…はい!」
人形悪魔達が動き出し二人に攻撃しようとした瞬間イッセーは叫んだ!
「今だアーシア!走れ‼︎」
イッセーは螺旋階段の前にいた人形悪魔を殴り倒すとアーシアの手を握り急いで階段を下った!よし!撒いた‼︎人形悪魔の包囲を突破した二人はダンテ達がいる部屋に飛び込んだ!
「ダンテさん!部長!大変です!人形の悪魔が…」
イッセーは叫んだが、既に室内では…ダンテ達が人形悪魔達と戦闘中であった!
「イッセー!アーシア!無事だったのね!」
「はい部長!俺達は無事です!ついでにその結界の扉の物と思われる鍵も見つけました!それより部長、今の状況は?」
イッセーはリアスに報告をするとアーシアを庇いながら戦闘態勢を取った!
「えぇ、私達も手掛かりを探していたんだけど、そしたら突然この人形の悪魔達が次々現れたの!一先ず相手をすることにしたわ!この人形悪魔…私達はマリオネットと呼ぶことにしたわ!」
説明が終わるとリアスは人形悪魔…マリオネットに滅びの魔力を放ち消滅させた!マリオネットは天井にある魔法陣から次々と出てくる!イッセーも相手をすることにしたが離れた場所にいたマリオネットは突然糸に引っ張られた様に急接近してきた!
「うおっ⁉︎ビビったぁ!この野郎!!」
籠手でマリオネットの胴体をブチ抜き消滅させた!体が木で出来ている為微妙な手応えだった。周りを見るとダンテは蹴り上げて踊る様に蹴散らし、ティアはマリオネットに付いている糸を掴んで振り回して他のマリオネットにぶつけて倒し、黒歌と白音は仙術の力でマリオネット同士で同士討ちさせていた。オーフィスはアーシアに近づくマリオネットを手から衝撃波を放ち守っていた。
それぞれマリオネットを倒す中、祐斗は赤い服のマリオネットに向かい聖魔剣を振り下ろしたがマリオネットは聖魔剣を受け止めると反撃してきた!祐斗はかわすとマリオネットの体を斬りつけたがマリオネットは聖魔剣の一撃を耐え切った!
「この個体…強い!聖魔剣の一撃に耐えるなんて…!」
その個体は人間の血を吸収しパワーアップしたマリオネットの上位種ブラッディマリーだった!ブラッディマリーは腕の振り子状の刃を再び振り上げた!
「木場!援護する‼︎」
ブラッディマリーの背後からゼノヴィアがデュランダルで袈裟斬りにして消滅させた!祐斗はゼノヴィアに礼を言うと再度出現したブラッディマリーに向かった。
マリオネットとブラッディマリーの攻撃パターンを理解したイッセー達は確実に数を減らしていったが、奴らが出てくる魔法陣をどうにかしなければ無限に出現する!作戦を考えていたその時、魔法陣から黒っぽい体色に車輪の様な武器を持った個体が現れた!ブラッディマリーより上位種の個体フェティッシュだ!フェティッシュは車輪状の武器に炎を纏わせるとヨーヨーの様に投げつけてきた!かわすとイッセーが籠手を構えて突撃したがフェティッシュは口から炎を吐きイッセーを吹き飛ばした!
「うわっ⁉︎コイツ!」
イッセーが吹き飛ばされると魔法陣からさらにマリオネットが大量に現れた!このままではキリがない‼︎
「チッ、キリがねぇな、やっぱりあの魔法陣を潰すしかないみてぇだな」
「そうは言っても近づけないぞ!」
歯痒い状況に舌打ちしていたその時、突然マリオネット達の動きが止まった!何事かと見るとギャスパーが魔力を纏って神器の眼の力でマリオネット達の動きを止めていた!あの数を止めるとは…かなり無理しているな。
「うううう…‼︎ダンテさん!部長さん達!今です‼︎今のうちにあの魔法陣を破壊して…」
ズダン‼︎
ギャスパーが叫ぶ中、一発の銃声が響きギャスパーは吐血すると膝をつき倒れ込んだ!
マリオネット達の中に動きが止まっていなかった個体がいたのだろう、その個体は手にコヨーテの様な小型のショットガンを持っていた!まさか…アレに撃たれたのか⁉︎
「ギャスパー‼︎」
リアスは急いでギャスパーを抱き起こすと生死を確認した!腹部を撃たれていたがかろうじて致命傷には至っていない!すぐにギャスパーはアーシアによって治療が施された。ギャスパーが倒れたことによりマリオネット達は動き出したが、リアスは鋭い目つきでマリオネット達を睨みつけた‼︎
「…よくも私の可愛い眷属を傷つけたわね!許さないわ!絶対に…!!」
リアスの怒りで部屋全体が揺れていたが、リアスよりも怒りが爆発しそうになっている者がいた…イッセーだ!
「…部長、ここは俺にやらせてください。ギャスパーの…後輩の仇は俺が取ります!」
「イッセー…」
イッセーはリアスに手を向けると前に立った。その姿を見てリアスは怒りを鎮めると任せた。ダンテ達もイッセーの様子から大丈夫だと信じ任せることにした。
「てめぇら…よくもギャスパーに怪我させたな?覚悟しろよ!いくぜ!禁手!!」
『Welch Dragon balance breaker‼︎』
激しい魔力を纏い赤い全身鎧を纏ったイッセーが立っていた!その姿を初めて見たレディは驚愕した!
「こんな奴ら一瞬で片付ける!いけるかドライグ?」
『あぁ、お前のやりたい様にやれ相棒』
「ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト‼︎」
イッセーの鎧の一部がパージされスリムな鎧になった瞬間、イッセーの姿が消えた!気づいた時にはマリオネットとブラッディマリーが数体バラバラになり消滅し、瞬きした時にはフェティッシュ以外が消滅していた!
「モードチェンジ‼︎ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク‼︎」
イッセーの声が聞こえフェティッシュの前にイッセーが現れると肉厚になった籠手をフェティッシュに叩き込んだ!
「おおおおらァァァァッ!!」
『ソリッド・インパクト‼︎』
拳を受けたフェティッシュは爆発する様に粉々に粉砕され血と一緒にレッドオーブだけが残った。レッドオーブはイッセーの体に吸収されると脈打ちイッセーの魔力を上げた!イッセーは頭上の魔法陣を見上げた。
「チェンジ!ウェルシュ・ブラスター・ビショップ‼︎」
とどめにイッセーはビショップの力を発動させ両肩にキャノン砲を形成し魔力をチャージし始めた!流石にリアス達も結界を張って身構えた。
「これで終わりだ!ドラゴンブラスタァァァァッ‼︎」
キャノン砲から大出力の魔力の波動が放たれ魔法陣を呑み込んだ!!凄まじい衝撃波が発生し部屋内に突風が吹き荒れた!爆発が収まり少しして煙も引くと魔法陣は無くなり部屋の壁には大穴が開き外が見えていた。穴がシャッターの様に閉じるとイッセーも禁手を解除して戻ってきた、その表情はやり切った様に清々しかった。強くなったなイッセー!
「終わりました部長。ギャスパーの様子は?」
ギャスパーの容態を確認したがギャスパーはアーシアの治療によって一命を取り留め体を起こすとイッセーに謝罪してきた。
「イッセー先輩、すみませんでした…僕が足を引っ張ったばっかりに…」
「気にするなよギャスパー、お前は俺達の大切な仲間で大切な後輩だ!足手纏いなんかじゃないぜ‼︎」
「イッセー先輩…はい‼︎」
イッセーはギャスパーの手を握ると立たせた。ダンテ達はその様子を微笑んで見守っていた。
魔法陣が消えたことによりマリオネット達は出現できなくなった為、扉に張られていた結界も解除された。これで先に進める!いくぜお前ら!
次回、グレモリー眷属があの悪魔達と対決!次回もお楽しみに!