異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術「神の記録帳」   作:新人ガイア

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異なる世界で恐れられているプレイヤーたちはひょんなことから異世界に飛ばされた。
同じ境遇である彼らは協力し合えるのか?それとも役柄の違いで戦争か?
答えは作者の見知る(なんかメタい)。


魔王と神はベストマッチ?

MMO―RPG【ラグナレク】多種多様な種族でプレイし『神々の黄昏』と言う運営が用意する大規模レイドを攻略するのがメインなこのゲームは種族ごとに設けられている特性により戦況を左右される。

俺「神谷翼(かみや・つばさ)」が操作する「ヴァルハラ」は天使族。高い魔力と飛行能力を持ち同じ飛行能力を持つ悪魔族よりも機動性が高いのがウリだが防御面が紙装甲並みでボス戦向きでない。その為人気操作種族ランキングワースト一位に登録される程だ。だが俺はあえて天使族でプレイし続けた。技や魔法を研究しプレイヤースキルを上げていき他者の追随を許さず戦い続けた。三年が過ぎたころには『神』と呼ばれ恐れられるようになった。いつの間にか俺を討伐するクエストまで出るほどだ。だがどれだけ数を揃えようとと薙ぎ払ってやった。

 

俺自身も満更ではなく『神たるこの私に挑もうとは、愚かなる下級種族よ。身の程を知るがよい!!』など強敵感をだす演技演出をし楽しんでいた。

でも俺の心は満たされることは無い。こんなのタダの弱い者いじめ、ヌルゲーだ。達成感もなく面白味もない。だがそれでもやり続けるのは俺がこのゲームのやりこみ要素をコンプしてないからだ。レベルは200のうち189。スキル熟練度はあと少しでコンプ。アイテム図鑑コンプはあと28%その他諸々のやりこみ要素をコンプしないとどうしても落ち着けないのだ。とはいえ両親が毎月ゲームのアップデートをおこなうからフルコンプが遠退くのだが・・・

 

この時の俺はこの生活がいつまでも続く引きこもり人生で幕を迎えると思っていた。

まさかホントの神として魔王と共に戦うなぞ考えもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・まぶしい。それにギャーギャーうるさい。

一体何事だろうと目を開けた時

 

「「「えええええええええええええええええええええええええ!?」」」

 

目の前で三人の見知らぬ男女が叫んでいた。

 

「騒々しいッ!静かにせんか!!」バサッ!

 

ん?バサッ?

 

さっきから背中から伝わる謎の感触?感覚?に恐る恐る首を回してみると大きな純白の翼があった。

それはどう見ても俺の背中から生えていた。

 

(えええええええええええええええ!?どゆこと!?何で俺の背中に羽生えてんの!?と言うかここ何処だ!?)

 

たしか夜が明けて眠たくなってきたので椅子に座ったまま仮眠をとっていたはずなのになんで見晴らしのいい塔のようなところにいるの!?そして気づいたけど、俺、ヴァルハラになってる!?それによく見たら俺の眼前にいるこいつ等全員人間じゃねぇえ!?獣人にエルフにこいつは・・・悪魔?どれも【ラグナレク】の操作種族だ。ということはここはラグナレクの中なのか?理解が追い付かない。なにがどうなってるんだ・・・

 

「なんだ貴様は、このディアヴロに意見とはたいした度胸だな」

 

悪魔ディアヴロが殺気を向けて声をかけてきた。そういえばつい癖でヴァルハラの口調でしゃべってしまった。

どうする?どうこたえる?アレは絶対怒っているよなぁ!?気に障る事言ったら殺すレベルで怒ってるヨなぁ!?

いやまて、今の俺はヴァルハラだ。もしかしたらこの姿にも何かしらの意味があるはず。・・・ならば!!

 

「・・・・・意見だと?いいや違うな。私は静かにしろと、命令したのだ。下界の民よ」

 

そうだ言ってやる!ヴァルハラは何者にも妨げられない最強の神なんだ!!決して屈するな俺!!

 

「ほう?ずいぶんと見下した物言いだな?貴様、何者だ?」

「ふっ、この私を知らぬとは所詮下級種族、教養が成ってないと見える。ならば言わねばならぬな。我が名はヴァルハラ。異世界より来た神である!!」バサッ!

 

また羽が動いた!もしかしてかっこつけようとして無意識に羽広げた!?まぁ、かっこいいからいいんだけど・・・

 

「ククク・・・神とでたか、ククク・・・道化にしては愉快なもの(ピッ!!)・・・」

 

ディアヴロの頬から血が垂れる。

『ソードガーディアン』レベル60の中級召喚技。刃物系のモンスターを召喚し目標に向かって攻撃する。垂直に飛ぶため召喚技より遠距離技に近い。

 

「私を愚弄するか?よかろう。愚かな下級種族だ、それなりの慈悲を与えねばならない。」

 

恐らくこの三人が俺をこの世界に連れてきた張本人だ。無力化して白状させてもらおう!!

 

「魔王たるこの俺に傷を付けるとはなかなかやるようだな。」

「魔王の分際で『ソードガーディアン』の対処も出来んとは、魔王の質がうかがえるな。」

 

ディアヴロは腰から杖を取り出し構えを取る。俺も召喚陣を複数展開し臨戦態勢をとる。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

 

お互いにらみ合い出方を伺う。殺気のぶつかり合い、一瞬の油断も許さず手に力を込める。

俺達の間を風が通り、それが開始の合図となった。杖を俺に向け呪文を唱えようとするディアヴロ。対する俺は手のひらをディアヴロに向け遠距離攻撃技のイメージをする。『ソードガーディアン』が無意識で出来たのなら射撃も出来るはずだ!光が渦巻き弾が成形され射撃準備が整うとした時だった。

 

「「ストォオオオオオップ!!」」

 

二人の少女が叫んだせいで俺もディアヴロも意識がそがれ力が霧散した。

 

「二人ともケンカは駄目だよ!!召喚獣同士仲良くしなきゃ!!」

「何処をどう見たらケンカに見えるんですか!?明らかに殺し合おうとしてたでしょ!!」

 

召喚獣?召喚獣て召喚技や使い魔のあの召喚獣か?と言うことは彼女たちは俺とこのディアヴロを召喚し契約しようとしたのか?何故に?

 

「俺は召喚獣などではない。」

「私もだ。付け加えるなら私は貴様らに召喚されたのではない。貴様らの召喚の呼び声に応えてやっただけだ!」

 

あくまで強めの態度で言ったが応える間など無かったし実質彼女たちに召喚された事実は変わらないだろう。何でこんな口調になったんだろう…これじゃどっかの英雄王みたいじゃないか。いや、英雄王好きだよ?なりたくはないけど。

 

「それで?貴様らは何者だ?この私を呼び、何を企んでいる?くだらん目的ならば帰らせてもらうぞ」

「うわわッまって!帰らないで!!お願いだから話を聞いて!!」

 

エルフの少女が今にも泣きそうになりながら俺にすり寄ってきた。

 

「えぇい引っ付くな!!話だけは聞いてやる!故に離れろ貴様!!」

「貴様じゃないよ!あたしにはシェラ・L・グリーンウッドていう名前があるんだよ!!」

「知らんわ!貴様で充分だ。」

 

ヒドイ!!と泣いているがスルーすることにした。

 

「バカエルフは無視して話を進めましょう。わたしはレム・ガレウ。貴方たちを召喚した召喚士です。」

「ちがうよ!あたしが呼んだんだよ!!」

 

この期に及んでまだそれで言い争うか!もう少し譲り合う精神を持ったらどうだ!?

 

「貴様らどちらが召喚したとかどうでもよいわ。それはディアヴロだけであり私は自分で来たというておろう。」

 

これ以上召喚獣と言われるのはごめんだ。同じ境遇のディアヴロには悪いが生贄になってもらおう。なに、神には生贄がつきものだからな!!

 

「おいお前!この俺を囮に使う気か貴様!?」

「魔王なのだろう?ならラノベでも定番なネタとして召喚されてもおかしくない。神である私とは扱いが違うのだよ扱いが。」

 

『待ていまラノベと言ったか?ライトノベルの?』

『?あぁそうだが。』

 

突然ディアヴロが小声で耳打ちしてきた。

 

『ひょっとしてお前、プレイヤーか?』

 

意外な言葉に目を見開いてしまった。そんな単語を知っていると言うことはコイツもプレイヤーなのか?お互い情報を共有したいが優先すべきことがある

 

「『その話はあとだ。先にあいつらの話を聞こう。』で、貴様らの目的は何だ?召喚獣を呼んでまで求めるものなのか?」

 

話を打ち切り彼女らの目的を問う。最初に応えたのはレムだった。彼女は胸に手をあて何かを躊躇してるようだった。

 

「……私の目的はこの世界の魔王、『クレブスクルム』を打倒すること。あなた達を召喚したのは、それを為すために力を貸して欲しいからです」

『クレブスクルム?誰だ?』

『知らんのか?クロスレヴェリ公式最強の魔王だぞ?』

『クロスレヴェリ?何を言ってるんだ、そんなゲーム聞いたことないぞ?』

『何?』

 

どうやらお互いに齟齬があるな。後で詳しく情報を共有しなければいけない

 

「ふむ、、、で?貴様は何を望んで召喚獣を呼んだ?」

「あたし?あたしは召喚士として冒険者登録する為に召喚獣が欲しかったの!」

「・・・・・・・・・・そんな理由?」

 

えぇ~何その自己満足的な答えぇ、それで召喚された俺達にはとんだ迷惑なんですがぁ~

いや、この娘の事だ。他意の無い純粋な思いで冒険者になりたいのだろう...もう少し聞き出してみるか

 

「他にはないのか?何かを成すために召喚獣が必要な明確な理由など、それで冒険者となりどうするのかとか?」

「う~ん、、、そうだねぇ、、、うまく言えないんだけど、自分の力で生きていくことを証明したいなぁて。それに一人は寂しいし」

 

自分の力で生きていくための証明。なにか訳ありなのだろうか?理由としては問題はないと思うけど、なんかなぁ、、、もっとレムみたいな覚悟を決めれるようなのが欲しかったなぁ。

 

「フン、なんとも面白味の無い答えだ。わざわざ私が出向いたのは間違いであったか。」

「ッ!待ってあたしは・・「だがッ!」!」

「寂しいというのはもっとも信用にたる言葉よな。人は孤独に耐えられんからなククク・・・」

 

とわいえ現状から考えるに元の世界に戻る方法も解らないし、この子達と一緒にいた方が得策だと思うからここは協力的に振る舞いつつ信頼関係を築いておこう。

 

「よかろう!貴様らの目的などどうでもよいが実に面白い!しばらくこの世界で貴様らの足掻きを楽しませてもらおう!!。」バサッ!

 

高らかに宣言すると翼が盛大に広げ周囲に風を巻き起こす。・・・この翼のキメポーズどうにかならないかなぁ・・・・

 

 

 

                      ◇

 

あらかた話がまとまった俺達は星降りの塔と呼ばれる塔をおりレム達の案内のもと、街に向けて歩きだしていた。

緑が綺麗な平原を見ながら男女四人徒歩で歩いている。とてもシュールである。街までどのくらいかかるのか考えていたらふと気になることを思い出した。

 

「ところで貴様ら、あの時なにを驚いていたのだ?」

「あの時?・・・あぁこの首輪の事ですね。この首輪は『隷従の首輪』といい本来は召喚獣に付く物なのですが・・・」

「ディアヴロに付かず貴様等に付いたと・・・成程。してディアヴロよ、何故そうなったのだ?『隷従の儀式』とやらを行ったのであろう?」

 

儀式と言うことは魔法の類と同じ。それがレム達に影響が出ると言うことはおおよその見当は付くのだがあえて聞く。今後の為にも彼らのスペックは知っておく必要がある。もしも敵対することが起きた時の為に。

 

「フン。俺に魔法は効かん。あらゆる魔法を跳ね返す力が俺にはあるからな。その為首輪がレム達に着いたのだ。」

 

やはりな。大方奴の装備の能力であろう、俺もこの『破邪の衣』に付与されている『魔法無効』のスキルがあるくらいだ、『魔法反射』なんかの能力がある装備があっても不思議ではない。

 

「それよりもあの攻撃は何だ?魔術とは違うようだったが」

「ん?召喚術技のことか?あれは自分が使役してるモンスターを召喚しその力を行使する技だ。あの時のは『ソードガーディアン』という中級召喚技でな刃物系のモンスターを矢のように射出し、数を増やし連射も行える使い勝手の良い技の一つだ。」

「聞いたことのない術ですね。貴方は私達には無い力を持っているんですね。」

 

初めて聞く術技にレムは関心を示し、シェラも目を輝かして「すごいなぁ~!」と感想を述べていた。

 

「して貴様等よ、街までまだ掛かるのか?」

「そうですね、あと三時間もすれば『ウルグ橋砦』に到着するでしょう。」

「ねぇねぇ、ヴァルハラのその羽って空とか飛べちゃう?そしたらビューンて『ファルトラ』まで一っ飛びだよ!!」

 

確かにそれはそうだ。この体がヴァルハラと同じなら飛ぶことは可能の筈だ。だが・・・それって三人抱えて運べと言うことか?いや可能かもしれないが、えぇ・・・・

 

「たわけぇ!神であるこの私が何故貴様らを担いで飛ばねばならんのだ!!我が飛翔は貴様らなどが見るのすらおこがましいと知れ!!」

「えぇ!?そんなぁ・・・」

 

断固拒否する!!絶対苦しいしなにより三人も抱えられるかぁ!!

いくら残念がっても駄目だシェラ、俺はまだ飛べるかすら解んないんだ、無様を晒すのは嫌なんだ!

 

「さぁお喋りは終わりだ!速やかに街に向かい、今後の方針を話し合うなどしなければいけ「ガアァァァッ!!」騒ぐな雑種がァッ!!」

 

俺が話してる最中にオオカミ系のモンスターが俺に向かって跳びかかってきた。あまりにも空気が読めない屑モンスターであったため声を荒らげてしまった。

 

「レーザ!!」

 

右手をモンスターに向け、手のひらから白い光線が放たれた。光線はモンスターを消し炭に変え空へと消えていった。

遠距離攻撃技『レーザ』。レベル10の下位技ではあるが発射までの時間が早い牽制用に使われる技だ。

一撃で死んだ辺りレベルはそんなに高くないみたいだな。

 

「ふむ、こんなものか。さて、街へ向かうとしようか。」

「「「今の何ぃ!?」」」

 

どうやら遠距離攻撃技もこの世界では無縁の物だったらしい。ますます俺の知る世界とは違うのを実感せざるを得ないな。

 




 レポート
『今日からこの手帳に自分の活動を記録することにする。
星降りの塔と呼ばれる塔に召喚され訳の分からないことに巻き込まれてしまったが現在一時の安住を求め彼らとともにファルトラという街にむかうことにした。この先無事に生きて帰れるか不安だが今はとにかく横になって眠りたい。                現在地・よく解らない平原』
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