オーバーロード The true end   作:やみ もとよし

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第2話 アルベドチーム出立

エ・ランテルの玉座の間。

ナザリックほどではないがこの世界の城と比較すれば広く、赤を主色として豪華な調度品が置かれている。

 

「お早うございます、アインズ様。世界会議の予定日には少々早いですが、準備が必要なため明日出立いたします」

 

「おおそうかアルベド。例年の事とはいえ大陸中央ビーストマンの国は遠いからな、気を付けて行くんだぞ」

 

とは言ったものの今となっては転移魔法等で一瞬だ。

 

「はい!アインズ様のお心遣い感謝致します。それでパンドラズアクター、ルベドを含む私の配下を共に連れて行きたいと思います」

 

(ん?パンドラズアクターはともかく、もはや敵のいなくなった世界でなぜルベドを?)

 

アルベドの顔にはいつもの微笑が浮かんでいるがその胸の内はわからない。

 

「そうか、手が足りないというのであれば私も行こうか?その他にも・・」

 

慌てたアルベドに遮られる。

 

「い、いえ!アインズ様に動いて頂くほどの事ではありません。世界会議の案件で各方面に説明するために人数が必要なだけでございます」

 

「そうか・・、ならば構わないぞ。ただあまり力に頼った解決はしないようにな」

 

「はい。心得ております。アインズ様」

 

 

自室に戻ったアルベドはメッセージを起動させる。

「パンドラズアクター。私よ。例の件に進展があったわ。エランテルの私の自室まで来てくれる?」

 

ちなみに漆黒のモモンは世界統一をした翌年、エ・ランテル建国11周年の日に冒険の旅に戻ると言って旅に出た。出たという事にした。

 

力による支配を極力抑え属国にはアメを与え続けた結果、世界は驚くべき速度で魔導国の傘下となっていった。

と言っても法国や大陸中央連合軍との戦いは別だが。

 

結局のところ法国以外の国で武力行使をしたのは大陸中央の4ヶ国連合との戦いだけであった。

 

この世界の最強種族であるドラゴン達は―主に評議国だが―平和に統治されている魔導国を見て属国となる事をあっさり承諾した。

 

隠れ住んでいるドラゴン達はあえて無視だ。向こうも行動を起こさないところを見ると自らに火の粉が降りかからなければもはや関心がないのだろう。

 

モモンを演じる必要の無くなったパンドラズアクターは現在エ・ランテルのマジックアイテムの流通管理部門の長に就いている。

 

 

十数分後アルベドの部屋のドアがノックされる。

 

「パンドラズアクター参りました」

 

「入りなさい」

 

「失礼致します。・・・至高の御方わたくしの創造主である、んぁーいんず様のお妃であられるアルベド様には」

 

「そこに座りなさい」

 

「ぁ、はい」

 

「それでパンドラズアクター。以前に話していた、ぷれいやーとおぼしき存在を確認したわ。数は2人まで確認が取れているわ」

 

「2人ですか。それでどうなさるおつもりですか?アインズ様にご報告は?」

 

「しないわ。驚くべきことにこのぷれいやー達が出入りしている場所はナザリック地下大墳墓とそっくりな形状をしているそうよ。もしかしたら至高の御方々である可能性があるわ」

 

「なんとその様な事が・・・。なにゆえ同じものが存在するのでしょう?」

 

「わからないわ。転移についてはいまだ解明されてない事の方が多いの。

分かっていることは100年の間隔で強大な力を持った者達が転移してくるという事だけ。転移してくるぷれいやーが至高の御方々であった場合が最悪のパターンね」

 

「はい。承知しております。アインズ様には申し訳ないですが。予定通り協力させて頂きます」

 

「ありがとうパンドラズアクター。それであなたにはナザリックに戻って

宝物殿の中に2つある世界級アイテム二十のうちの一つを持って来てちょうだい」

 

「おぉ・・世界級アイテムとは。アインズ様のご許可はお取りで?」

 

「いいえ。でもあなただけは自由に宝物殿に出入りが可能でしょ?使う気はないけれどすぐに片づけて戻せばいいだけの事だわ」

 

「そうですか・・。畏まりました。しかし一つお聞きしたいのですが、我々が勝てない可能性は?」

 

「そうね・・。相手の戦力は2人という事しかわかっていないわ。内部にはまだ戦力が眠っている可能性もあって正直に言って未知数ね」

 

「仮にですが・・我々が負け世界級アイテム二十を奪われた場合。世界が混乱の渦に飲まれる事になるでしょう」

 

「そうね。平和的に解決するのが一番なのだけど想定通りに事が運ばない場合は

私は文字通り全てを賭けるわ。

ぷれいやーの力は強大であるがゆえにすぐにアインズ様のお耳に入るでしょう。だからなんとしてもその前に片づける」

 

「そうですね・・。この身アルベド様、並びにナザリックの為全力で取り組むことを誓いまっす。」

 

「質問は以上かしら?では明日の0300にナザリック玉座の間に集合よ」

 

 

(さてと、次はルベドを起こしに行かなければ)

ナザリック第五階層にて氷漬けになって眠っているルベド。

アルベドの妹でありナザリック最強の個体である。

 

かつてアインズ・ウール・ゴウンに攻め入って来たぷれいやー連合との戦いで力を使い果たし眠っていたがこちらの世界に転移してきたときに起動は確認できた。

その後は第五階層にて眠らせたままであった。

 

なにぶん他の守護者達と違って制御が非常に難しい。

命令は聞くが放っておくといつ誰に襲い掛かるかわからない。

 

 

(もうエ・ランテルに用事はないわね)

アルベドはナザリック地表に転移する。

 

現在のナザリック地下大墳墓は、魔皇ヤルダバオトとして死んだ事になっているデミウルゴスを始め、異形の者が今も生活している。

 

アルベドはログハウスに入る。

ログハウスの今日の当番はシクススだった。シクススは深々とお辞儀をしていた。

かつてログハウス番を任せていた戦闘メイド、プレアデス達は現在各方面で働いてもらっている。

というのもナザリックは戦闘に関しては得意な者が多いが頭を使う事が得意な者は少ないからだ。

アインズが作り出すエルダーリッチも大量に生み出され働いてもらっているが教育には時間がかかる。まだまだ管理者は足りているとは言えない。

 

アルベドはシクススに目礼をすると転移門から中に入る。

 

アルベドは転移指輪を受け取り第五階層ルベドが凍っている近くに転移する。

ルベドの前まで来るとアルベドは黒いバルディッシュを取り出す。

 

バルディッシュを横向きに持ち、腹の部分でルベドごと凍っている氷塊に振り下ろす。

バキィン。綺麗に氷塊が砕け散る。多少力を入れてもルベドはLV100のNPC。ダメージは皆無だろう。

それよりも綺麗に氷を割る事を優先する。

 

「ルベド。起きなさい」

 

「・・・オ・ネエサマ」

 

ルベドは小柄の少女でアルベドの妹。真っ黒な髪で左右を三つ編みで結い胸のあたりまで下ろしている。

前髪は左目が隠れるように垂れ下がっている。

左腕、右脇腹、右足には縫った跡がありまるで人形のような印象を受ける。戦闘スタイルは肉弾戦特化だ。

 

「ルベド久しぶりね。最後に会ったのは100年前ね。ぁぁあれから100年経ったのよ」

 

「・・・こんど・・こそテキ、デスか」

 

「そうよ。あなたの力が必要なの。存分に暴れてちょうだい」

 

「たのしみ・・デス」

 

 

アルベドはルベドとアインズより借り受けたLV90にもなるシモベ達を玉座の間に集める。その数8体。

そこにパンドラズアクターがやって来た。全部で11人だ。3人と8体とも言う。

 

そこにデミウルゴスが通りかかる。

 

「おや、アルベドではないですか。それほどの戦力を集めてどちらに行かれるので?」

 

(面倒な奴に見つかったわね。集合場所をエ・ランテルにするべきだったかしら。

いえ無理ね。ルベドをあの都市の中に入れる訳には行かない。さてなんと言い繕ったものか)

 

「世界会議の前に色々と根回しが必要なの。もちろんアインズ様にご許可を頂いているわ」

 

「ほう、そうですか。・・しかし根回しにルベドが必要でしょうか。それにそのシモベ達。一体いくつの国を滅ぼす気なのですか?」

 

デミウルゴスが真剣な眼差しで問う。

 

「そんなことはしないわ。アインズ様にも暴力的解決は止められているもの。この子たちは私とパンドラズアクターの護衛よ」

 

「はぁ・・。そうですか。いずれにしてもアインズ様にご迷惑をおかけしないようにお願いしますね」

 

「もちろんよ。デミウルゴス」

 

デミウルゴスには何かしら感づかれているようだ。

とはいえこの計画は極秘であり、パンドラズアクター以外には言った事がない。

いかにナザリック随一の頭脳を持つデミウルゴスといえども私の、いえ私達の真の目的には気づけないでしょう。

 

「では私は失礼しますよ」

 

デミウルゴスが去った事を確認してからアルベドは再度確認をする

 

「さてパンドラズアクター。例の物も大丈夫ね?」

 

「えぇ、間違いなく」

 

「では行きましょう」




突拍子もない部分を改変。
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