オーバーロード The true end 作:やみ もとよし
「次元封鎖(ディメンジョナル・ロック)」
パンドラズアクターはデミウルゴスに変化し転移阻害スキルを発動させる。
「ペロロンチーノさん!」
「ルベド!」
たっち・みーとアルベドが同時に叫ぶ。
ペロロンチーノの射撃が即座に開始される。
ルベドはたっち・みーへ突進。
アルベドのシモベ達からペロロンチーノに向け魔法が乱れ飛ぶ。
「飛行(フライ)」
パンドラクズアクターがシモベを除く3人に魔法を掛ける。
アルベドの狙いはタブラ・スマラグディナだ。
タブラは信仰系魔法詠唱者。復活の魔法を使われると非常に厄介だ。
なんとしても最初に落とさねばならない。
アルベドは鎌で真空の刃を飛ばしながらタブラに突進する。
タブラはそれらを避けながらも距離を取ろうとするが、
戦士職と魔法詠唱者では動きに圧倒的な差がある。
あっと言う間に鎌の間合いに詰め寄りタブラに直接攻撃を仕掛ける。
「損傷移行トランスロケーション・ダメージ」
タブラは体力ダメージを魔力ダメージに変換。
叩きつけらえる暴風のような連撃のうち1発をタブラは杖でガードすることに成功するが、相手は対物最強の世界級アイテム。1撃で杖は破壊される。
転移阻害により一気にタブラの形成が悪くなった。
パンドラズアクターは全体の状況を見て各戦線にサポート魔法を飛ばしている。
「ふむ、私の作りしアルベドよ。良い。とても良いぞ」
劣勢に立たされながらもタブラは呟く。
その平坦な声にはどういった感情が含まれているのかわからない
たっちみーとルベドは激しく斬りあっているがルベドの方がじりじりと削られる。
自力でたっち・みーが勝っているのだろう。
シモベたちもペロロンチーノに削られている。
アルベドとパンドラクズアクターも爆撃で少しづつ削られる。
最も消耗しているのはタブラだ。
タブラは新たな杖を取り出し
「超位魔法。終焉の大地(エンド・アース)」
突如タブラを中心に10メートルにもなろうかという円球状の魔法陣が展開された。
青白い光を放ち、半透明の文字が円の表面を駆け巡っている。
これは。アインズ様がシャルティア戦のときにお使いになられた超位魔法!
発動まで時間がかかるはず・・。
でもアインズ様がそうだったようにタブラ様も課金アイテムという物をお持ちだとしたら・・!?
「逃げなさいパンドラズアクター!」
この距離では自身は逃げられない。そう判断したアルベドはタブラに切り掛かるが・・
超位魔法の発動阻害までは至らない。
タブラはすっと砂時計を取り出し、即座に破壊する。
周辺一帯の地面が赤黒く変化し熱を帯びる。
中心から発生した赤い閃光が一気に膨れ上がり周囲を飲み込む。
効果範囲内に特大ダメージを与える超高熱を帯びた破壊魔法だ。
・・・視界が晴れるとアルベドの漆黒の鎧がひび割れ崩れ落ちた。
たっち・みーは純白の装備で軽傷。ルベドは大分削られたようだ。
パンドラズアクターもたっち・みーの装備に着替え軽傷だ。
シモベたち4匹は巻き込まれ姿は見当たらない。
ペロロンチーノは遠距離におり余裕で回避している。
(まずい。タブラ様は超位魔法をあと何回使えるの?
タブラ様もダメージを受けているはずだが魔法防御力の高さに加え装備で耐性を
上げているかもしれない。このままではルベドがもたない・・。)
そう考えたアルベドは作戦を変更、指示を出す。
「パンドラクズアクターはペロロンチーノ様を」
「はっ、しかしそう長くは持ちませんよ。」
「わかっているわ。少し時間を稼いでちょうだい」
パンドラクズアクターはびしっと敬礼するとフライで上空に上がって行く。
「やりなさい。ルベド」
ルベドは頭だけを動かしぎょろんとタブラを見ると右こぶしにエネルギーを貯めていく
「そうはさせませんよ。」
たっち・みーがタブラの前に立ち塞がる。
ルベドはそのまま突進、たっち・みーに大技が炸裂する
「超新星爆発(スーパーノヴァ)」
ルベドの拳が物に触れるとその物自体が爆発し大ダメージを与えるという
武器、防具破壊を含んだ反則技だ。
「次元断層(ワールド・フォールト)」
ワールドチャンピオンの固有防御スキルが発動。
タイミング良く発動すれば世界級アイテムさえ防げると言われる究極の防御スキルだ。
何も起こらない事に驚いたルベドが下がりガルルルと唸っている。
(そんな・・、これがワールドチャンピオンの力だというの・・。この1手は非常に痛いわ)
「そろそろ終わらせます。」
たっち・みーが盾をしまい両の手で剣を握り構える。
「次元断切(ワールド・ブレイク)」
大上段から振り下ろされたそれは
ワールドチャンピオンのクラス、最終レベルで習得できる超弩級スキルであり、
その一撃は次元を切り裂くと言われる。
「ルベドッ!」
アルベドがルベドを後ろに跳ねのけ庇う。
たっち・みーの放った一撃は地平線の彼方まで切り裂く。
アルベドを切り裂き、ルベドも強大な亀裂に引き裂かれる。
アルベドの鎧が弾け飛ぶ。
ルベドは大きく吹き飛ばされ、ぴくりとも動かない。
(次元断切(ワールド・ブレイク)を私が受けるのは予定通りだけど想像以上の威力・・。ルベドごめんなさいね・・。)
「・・・さてこれで3対2です。我々には課金アイテムもあります。勝敗は決したと思うのですが?」
たっち・みーが相変わらず冷静に問う。
「そうですね。さすがは至高の御方々。想像以上です。でも・・」
アルベドはナザリックから持ち出した、二十と呼ばれる世界級アイテムを取り出す。
取り出したのは聖者殺しの槍(ロンギヌス)
自分の命と引き換えに範囲内の全ての生命を消滅させる対生命では究極のアイテム。
デメリットも強力でこのロンギヌスを使用した者の復活にはワールドアイテムが必要だ。
ナザリックでもこの世界級アイテムを手に入れたものの
こんなの使えないよね~。と言われていた。
「それは・・・。それを使用してしまえばあなたはもう二度と復活することはできないのですよ」
「構いません。この戦いに敗北した場合私にはアインズ様に合わせる顔がありません」
アルベドが本気であると判断したたっち・みーがじりっと後ずさる。
「一旦引きましょう。タブラさん」
初めてたっち・みーが焦ったようだ。兜を被っており顔は見えないのだが。
「恐らく逃げられないでしょう。たっちさんは先に逃げて下さい。
魔法三重化音速の風(トリプレッドマジック・ニアソニック)」
タブラが使用した魔法でたっち・みーがふき飛ばされる。
「タブラさんっ!」
(仲間を見捨てるなんてしたくない・・しかし・・。)
「逃がしません。聖者殺しの槍(ロンギヌス)」
アルベドがロンギヌスを掲げると空が割れ、数多の巨大な槍が姿を見せる。
(ペロロンチーノ様には届かないかもしれないけれどパンドラクズアクターが勝つことにかけるしかないわ。アインズ様。共に生きられない事。お許し下さい。)
「アルベドよ。お前は私が作った人形。
しかしその人形が意思を持ち、その結果私を殺すという発想に行き着いたのなら
それは私の意志とも言える。良い・・。これで良いのだ。」
「タブラ様・・。」
雹のように槍が降り注ぎ周囲一帯の全ての生命に突き刺さる。
二十を使用したアルベドは透明になっていく。
―――――アルベドはかつての記憶を蘇らせる。
それはアインズ第一の嫁が決定した日であった。
「シャルティア。あなたの身長ではまるで大人と子供じゃない。その点、わたくしならキスをして頂く際にもアインズ様にご不便をお掛けする事はないわ」
シャルティアの精神に大ダメージ。
それは以前から考えていた事だ。アインズ様にキスをするのであれば飛行(フライ)で飛ぶか抱っこしてもらうしかない。これに反論しても分が悪い。
シャルティアは別の切り口で返す。
「そんな事は些末な問題でありんす。大事な事はどれだけアインズ様を愛しているかでありんすよ」
「くふふふ、シャルティア。墓穴を掘ったわね。わたくしはアインズ様直々に愛するように仰せつかった身。ナザリック広しといえどもわたくしだけ。わたくしの愛に偽りなし。言ってしまえば相思相愛なのよ。くふふふふっ」
「そ、それはあなたの勘違い、という事もありんすことよ。
ア、アインズ様はどちらを第一妃とされるのでありんすか?」
「アインズ様のお傍により長く使仕えてきたわたくしですよね?アインズ様』
主人が一度決定してしまえば覆すのは困難だ。
あーでもないこーでもないと2人は姦しくまくしたてる。
(こうやってこの二人が嫁論争で喧嘩する事も最後か・・。しかしアルベドは設定からして完璧な女性として作られている。シャルティアは分が悪いな。これは創造主の差とも言えるか。・・タブラさん、ペロロンチーノさん)
「う、うむ。第一妃を決定する。どちらになったとしても従うように。
だが私は二人とも同じくらい愛しているぞ。その事に嘘偽りはない。
では発表する。第一妃は・・アルベド。お前だ。」
「きゃーっ、やっぱりアインズ様は私を一番に愛してくださっていたのですね」
「そ、そんなアインズ様は胸が大きい方がお好きなのですか・・?」
「お、おほん。ま、まぁどちらかと言うとだな。そうなのかもしれないな」
両膝をついてがっくりとうなだれるシャルティア。
「うっ、うぅ・・。この胸はなにゆえに小さいの・・。ペ、ペロロンチーノさまあああああああああうわーん」
――――――「さようならアインズ様。私は幸せでした・・」
アルベドは跡形もなく消滅した。
降り注ぐ槍は2人に突き刺さりタブラとルベドはその後消滅。
たっち・みーは・・
無事だった。
ワールドクラスの装備は世界級アイテムの効果を打ち消したようだ。
身に纏う装備自体が世界級アイテムと認識されているのか、まさに生きる伝説。チートである。
何かが起こった事を感じたペロロンチーノとパンドラクズアクターは地上に戻る。
辺り一帯の植物を含む全ての生命が消滅していた。
膝を折って呆然としているたっち・みー。
「たっちさん、これは一体?」
「すみません。タブラさんが・・。私だけが残りました・・。」
「そう・・ですか。」
「アルベド様、あれを使ったのですね・・。」
パンドラクズアクターはどうするべきか考える。
きっとアルベド様は私がペロロンチーノ様に勝つことを期待して逝ったのだ。
敗北濃厚になった時点でアインズ様の元には帰らないという不退転の覚悟を持って。
しかしたっち・みー様が生き残る事は恐らく計算されていないでしょう。
2体1ではもはやこれまで。
我々がナザリックに戻らなければアインズ様は必死の捜索をして
いずれはこの至高の御方々に辿り着くでしょう。
ならば私のするべきことは。
「ペロロンチーノ様、たっち・みー様。まことに勝手ながらわたくしめは引かせて頂きます」
「おー。別に俺らはお前たちを殺したいわけじゃないからな。
・・タブラさんは蘇生できるんだよな。」
「はい。生き返る意思がお有りでしたら、恐らく復活はできます」
「じゃあ問題はないな。な、たっちさん」
「ぁ、はい・・」
たっち・みーは死にかけた事で放心状態のようだ。
「転移阻害(ディメンジョナルロック)解除」
「いずれまたお会いすることになると思います。その時はアインズ様と共に」
「おーそうか。こんな事はもうごめんだぜ。モモンガさんによろしくな」
「はい。間違いなくお伝え致します。それでは。テレポーテーション」
パンドラクズアクターはいつもの大げさなアクションはせずに転移していった。
アルベド走馬燈追加。
シャルティアとアルベドの口喧嘩でシャルティアがアルベドより勝っている部分を探しましたが、無理でした。シャルティアごめん!
――次回
アインズ様に主人公交代。
アルベドを失い。かつての仲間の転移報告を受けるアインズ様。
アインズ様はどう考えどう動くのか。
――
聖者殺しの槍(ロンギヌス)は本来ナザリックは入手していません。
効果も敵と味方を1人ずつ完全消滅させる効果ですが改変しています。