天然なあの子の心に触れて   作:あまぽー

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遅くなりました……。

1度書いているときに消えるとか(=ω=.)

かなり凹みましたよ……。

では有咲回です。


第8話 どうすれば猫被りの少女と和解出来るのか

「見てんじゃねー!帰れぇぇぇぇえーーー!!」

 

 

静かな住宅地に響く市ヶ谷さんの大声。

 

正直大した用事ではなければ回れ右で帰りたいところだが……先生と約束したからなぁ。

 

ここはまず市ヶ谷さんに話を聞いてもらわなければ!

 

 

「市ヶ谷さん、聞いてくれ!」

 

「嫌だ!」

 

「ちょっと話を」

 

「話すことはない!」

 

「ちょっとだけだから!」

 

「知らねー!帰れ!」

 

 

 

あぁー話にならない!ホントに帰ろうか!?

 

そんな風に考えていると奥の建物から一人のお婆さんが出てきた。

 

 

「有咲、大声出して……あら、お友だち?」

 

「ち、違うよばーちゃん!」

 

「ど、どうもこんにちわ。市ヶ谷さんのクラスメイトの

九条 智之です」

 

「御丁寧にどうも。有咲の祖母です」

 

そうに言うとスッと頭を下げた。

 

 

「よかったら上がっておやつを食べて行きなさい」

 

「え、いいんですか!?」

 

「良くねー!帰れって!」

 

 

……そう簡単にはいかないかぁ。

 

そんな市ヶ谷さんの様子を見てお婆さんは頬に手を当ててため息をついて言った。

 

 

「もう……有咲?せっかくここまで会いに来てくれた九条くんが可哀想よ?」

 

「うっ……分かったよ」

 

「ふふふ。ほら、上がって上がって」

 

「ありがとうございます」

 

「全く……なんでこうなるんだか」

 

「あー……市ヶ谷さん、ごめんね?」

 

「いいから、早く行くぞー」

 

 

ゆっくりと建物に向かう市ヶ谷さんに付いていく。

 

ふいに吹いた風に揺られる市ヶ谷さんの髪を見ながらどう話を切り出すかを考えていた。

 

 

 

 

 

***

 

 

建物は古き良き日本家屋といった趣だった。

 

居間と思われる部屋に案内され、座るとお婆さんは部屋を出ていった。

 

市ヶ谷さんと二人になり部屋に沈黙が訪れる。

 

 

「……」

 

「……」

 

 

……気まずいな。

 

そんな中、先に言葉を発したのは市ヶ谷さんだった。

 

 

「で、なんでここまで来たんだ?ストーカー?」

 

「違うって……はい、これ」

 

 

俺は鞄から預かった書類を取り出す。

 

 

「これって……学校からの書類か?」

 

「そうだ。明日までに書いて欲しいって先生が言ってたから預かったんだよ」

 

「だったら先に言えよなー」

 

「いや、話聞いてくれなかったじゃん!」

 

「外から覗いてるお前も悪いだろ!」

 

「家合ってるか分からなかったし……」

 

「とゆーか、お前彼女いるんだろ?お前じゃなくても良かったじゃん」

 

「は?彼女?」

 

「昨日クラスでいちゃついてたじゃんか」

 

 

そうか。市ヶ谷さん今日来てないから誤解したままか。

 

それよりも……。

 

 

「あいつは昔からの馴染みだよ。それよりさ……」

 

「なんだよ?」

 

「今日体調わるくて休んだんじゃないのか?」

 

「ギクッ」

 

 

……この反応、やはりか。

 

 

「……優等生なのにサボりか」

 

「うるせー!勉強はちゃんとやってっからいいだろ!」

 

「そうだけどよ……まぁいいさ。無事ならいいか」

 

「無事って……もしかして心配してくれたのか?」

 

「そりゃ……体調崩したって聞いてたからさ。まぁ、元気そうでよかったよ」

 

 

そう言って市ヶ谷さんを見ると顔を伏せていた。

 

 

「……大丈夫?」

 

「ぅるせー……ばかぁ」

 

「えぇ……」

 

 

なんで心配したのに貶されなきゃいけないんだ。

 

 

「……お前」

 

「ん?」

 

「九条、智之って名前だったよな?」

 

「そうだよ」

 

「……また私が休んだらウチまで来てくれるか?」

 

「そうだな……用事なくて市ヶ谷さんに断られなかったら来るさ」

 

「有咲」

 

「えっ?」

 

 

市ヶ谷さんは顔を上げてこっちをジーっと見ながら言った。

 

 

「市ヶ谷って呼ばれるより名前で呼べよ。私もお前を名前で呼ぶからさ」

 

「じゃあ……有咲?」

 

「うっ!」

 

 

名前を呼ぶと山内市ヶ谷さんの顔がボンっと真っ赤に染まった。

 

いや、市ヶ谷さんじゃなく有咲だったな。

 

 

「もしかして照れてる?」

 

「っ!うるせー!智之のバカ!」

 

「バカって言うな!」

 

「二人ともおやつを――あらあら、またケンカ?」

 

 

おやつを持ってきたお婆さんに苦笑されながら俺たちはおやつのあんみつを美味しく頂くのであった。

 

 

 

 

 

***

 

 

「それじゃあそろそろ帰りますよ」

 

「げ、もうこんな時間かよ……」

 

 

あの後お婆さんを加えて3人で談笑しているとあっという間に時間が経ち、気づけば時計は6時を差していた。

 

さすがに帰らないとな。

 

鞄を持って立とうとした時、有咲が言った。

 

 

「智之、ちょっと待て」

 

「ん?プリントはもう貰ったぞ?」

 

「そっちじゃねぇ……スマホ」

 

「スマホ?」

 

「れ、連絡先分かったほうが、届けて貰ったりしやすいじゃん?」

 

「なるほどね。はい」

 

 

スマホの連絡アプリを起動して有咲に連絡先を教える。

 

すぐに友達登録が完了し、連絡先に有咲が登録された。

 

 

「これでいいな」

 

二人に見送って貰いながら玄関に行く。

 

 

「晩御飯も食べて行けばいいのに」

 

「さすがにそこまで迷惑をかけれませんよ」

 

「残念だなー、ばーちゃんのご飯すげー旨いのに」

 

「じゃあ今度来たときに是非頂きたいな」

 

 

そう伝えるとお婆さんは柔らかく微笑んだ。

 

 

「じゃあまたな。有咲」

 

「気が向いたら遊びに来いよー」

 

 

扉を開いて外に出て、駅に向かって歩き出す。

 

上を見上げると薄暗くなった空に一番星が輝いていた。




ちょまま!有咲回でした。

今後も更新していきますので良ければ感想、評価よろしくお願いします!ヽ(*゚∀゚*)ノ

今後ヒロインとして出して欲しい子は?

  • 有咲
  • 沙綾
  • 香澄
  • りみ
  • おたえのみ!
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