一応ムリヤリ理由付けする目処は立ったのでこのまま行きますが(だいぶあとの方で公開する予定)、一部手直し必要そうですね……
「主砲弾、複数弾着確認!」
一方的なまでの火力が装甲を貫き、機関部に致命傷を負わせたとして1隻が撃沈判定。推力を失った船体は落伍してゆく。
しかし、既にヤマトは繰り返される着弾に揺すられ、被害が拡大。継戦能力も限界に近付きつつあった。
「右舷発射管、全弾斉射!」
「テェッ!」
バリアミサイルが立て続けに放たれ、相手との間の空間を二分する。砲撃が表面に突き刺さるが、そこで爆ぜる。行手を妨げられたミサイルも自爆し、何波にも渡り襲来していたミサイルが誘爆して、後列がその爆炎へ突っ込み更に誘爆を繰り返す。
「機関は依然として健在。出力85%から95%へ!」
「全艦に達する。これより、全力での反航戦に移行する。衝撃に備え!」
「最大戦速、ヨーソロー!」
波動エンジンが湛えていた溢れんばかりの光が、更に力強く輝き、ヤマトが加速する。
「主砲、直撃弾観測!1隻轟沈!更に1隻の波動防壁を突破し、機関部に直撃弾!損害を与えた模様です!」
「波動防壁の消失を確認。波動干渉波の不規則変動並びに波動境界面の揺らぎを探知!機関不調であることを確認しました!」
主砲が波動防壁を貫き、一撃にして撃沈まで持ち込む。しかしそれだけでは収まらず、後方にいたもう1隻に大打撃を与える。
◆◇◆◇◆◇◆
「相対距離、2,000宇宙キロ。敵艦隊正面です」
「面舵一杯!反航戦用意!」
「右舷より接近するミサイル群を探知!」
「回頭やめ!この体勢で迎え撃つ!」
「当て舵10!直進!」
艦首の右に付いていたスラスターが大きな炎を吹き出し、小林の意思に忠実に、実際の動きに反映させる。
真横から迫るミサイル群を真正面に睨んだパルスレーザーが火を吹き、濃密な弾幕がミサイルを襲う。しかし、パルスレーザーが直撃弾を得る前に、ミサイルが起爆。
周囲に光を撒き散らしながら衝撃を広げてゆく。
「右舷、距離200でミサイル起爆!レーダー、機能停止!」
「レーダー受信機に過電流!」
「強力な電磁波を検知!電磁パルスです!」
西条が声を上げる。見下げているレーダー画面は砂嵐のように真っ白で何も写っていない。桜井、木下が立て続けに状況を報告する。残り4隻の内1隻はミサイル艦を想定して大量のミサイル兵装を発射できるよう設定されている。しかし未だ全力攻撃は行っておらず、電磁パルスミサイルという間接的な武装で攻撃している。
「レーダー、光学モードに切り替え。タキオン観測による補償を実行!」
「了解!光学モードで再起動!」
「タキオン観測の観測情報、送ります!」
桜井がタキオン観測の情報を西条へ送り、西条の光学モードの画面を補償している。使えないのは、あくまでレーダーのみなのだ。また、至近距離であればギリギリレーダー波吸収幕に遮られずに補足できる。至近すぎて迎撃は不可能だが。
「レーダー、至近にミサイル群を探知!数40!迎撃不可能域内です!」
「総員、衝撃に備え!」
言い終わるが早いか、複数のミサイルがほぼ同時に右の舷側を突き破り、立て続けに爆発を起こす。広範囲に渡ってミサイルの直撃を許した右側面は大損害を受けた。右舷の舷側発射管は8門中6門が破壊。パルスレーザー群も被弾による損壊43%と、熱による銃身の融解又は歪み・湾曲・褶曲から来る腔発回避のため使用不能が48%に達した。合計で、健在なのは僅か9%しか無い。
光学モードでは探知不可能なステルスミサイルが懐へ入るのを許し、一瞬にして被害は拡大する。その間にも敵の主砲弾は装甲に突き刺さり、新たに傷を刻み込んでゆく。
「ダメージコントロール!隔壁閉鎖!」
「被弾箇所各班、確認・応急修理急げ!」
矢継ぎ早に指示が飛ばされ、その間にも舟は進む。
「面舵一杯!予定通り反航戦に移行する!」
「了解!面舵一杯!」
艦首が大きく右へ首を振り、敵艦隊と正対して速力を上げ、バリアミサイルを放ちながら突っ込んでゆく。その間にも副砲は直撃弾を得て、波動防壁に傷を付けていく。
反航戦に相対距離は瞬く間に詰まり、僅かに艦首を右へ振っただけで後部の主砲、副砲の射線が通った。
「波動防壁、出力最大!左舷に集中展開!続けて左舷発射管、バリアミサイル一斉射!」
「波動防壁最大!右舷は30%未満です」
「主砲、撃ち方始め!」
「左舷発射管装填を確認、発射!」
メインノズルのみならず、補機のノズルも力強く輝き船体を押し出す。間髪いれずに主砲が火を吹き、至近距離からの一撃が先頭を行く1隻を貫き撃沈する。直後に左舷の舷側からミサイルが放たれ、壁を作り上げる。その壁に阻まれ、機関不調で波動防壁が展開できない艦の砲撃はヤマトへは届かない。
しかしその合間を縫って、正面に近い位置に陣取るミサイル艦が小型ミサイルを大量に放つ。その中には、また、電磁パルスミサイルが含まれていた。
「正面にミサイル群!数は200以上!小型高速誘導弾多数です!」
「艦首魚雷、一斉射!」
「発射管開けッ!……テェッ!」
艦首魚雷が濛々と煙を吐きながら、迫りくる敵ミサイルへ一直線に進んでゆく。そしてヤマトからある程度の距離で起爆し、バリアの壁を一気に広げてゆく。
しかし、隙間を潜り抜けた数発が艦首ギリギリまで迫る。
「7発、急速接近!迎撃不可能域です!」
刹那、眩い光を放ちながら強烈な電磁波を周囲に広げてゆく。それは、紛うことなく電磁パルスミサイルだった。
「レーダー、ダウンしました!光学モードに切り替えます!」
「対空戦闘用意!1番副砲乙弾装填して牽制射!」
再び、その砲へ
「左舷の敵艦、射線通りました!」
「後部副砲、上条の指示にて牽制射!続けて後部主砲、一斉射!」
「副砲、テェッ!」
副砲から青い筋が吐き出され、今にも主砲を放とうとしていた敵艦へ突き刺さる。しかし1発のみで、撃沈には至らない。それでも続けざまに撃ち込まれた主砲弾がその威力を以って一撃で葬り去る。
古代は間髪いれずに指示を出す。
「小林!面舵一杯!上条、パルスレーザー周囲に牽制射!残る副砲も乙弾装填、対空戦闘!主砲は敵艦を狙え!」
パルスレーザーが赤い破線を虚空に撃ち出し続ける傍ら、副砲は実体弾を発射する。小林の操艦によって大きく右を向いた船体から、主砲が発射される。一直線に向かうが、バリアミサイルによって弾かれ、その一瞬の間にミサイル艦最後の攻撃が行われる。
ステルスミサイルによって。
光学モードで探知できない大量のミサイルが、二手に分かれてヤマトに降り注ぐ。迂闊にもパルスレーザーの射界に入った1発が爆発し、襲来をヤマトに感づかせたが、左舷から接近する一群のみしか気取られる事はなかった。
「主砲乙弾!左舷に公算射撃!撃ち方始め!」
「レーダー回復!左舷ミサイル群を補ソ……ッ!右舷側に250以上のミサイル群!迎撃不能です!」
西条の叫びと同時に、先頭の直撃が、薄い波動防壁を突き破り後続の200以上のミサイルがヤマトに直撃する。
「こちらヤマト。被弾により機関破壊、戦闘続行不能。これを以って演習を終了する。各艦乗員は十分に休んで欲しい。解散!」
古代が艦隊へ通信を繋ぎ、演習の終了を告げる。(尤も、全艦が轟沈判定を受けているのだが)
ヤマトが戦闘のノウハウを仕込んだエリス艦隊は、冥王星とは違い盲点としてガトランティスから見落とされ、辛くも耐える事になる。結果として地球反撃の足掛かりとなるのだが、それはまだしばらく先の話である。
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