「第十艦隊、損耗率10.07%に到達しました!」
「第十一艦隊、正面会敵中の一群、二群の被害拡大!消耗が30%超えました!」
「重力源への攻撃、中央にカラクルム級32,000が展開してきています!」
「主力艦隊並びに第一、第二艦隊、第十艦隊後方30宇宙キロ地点にワープアウト!砲撃掩護を開始!」
「第50BBB戦隊から第59BBB戦隊まで繰り上げで白色彗星内へ突入!出し惜しみは無しだ!」
「プランS用波動掘削弾の備蓄から120発の投入を許可する!敵重力源の破壊を最優先!」
「第十二艦隊、フェーベ別動隊から無人艦を吸収して白色彗星内へ突入!戦力を主力艦隊の直掩に回せ!」
艦隊司令部では、白色彗星に突撃した主力部隊からの情報も併せて、無人艦隊へ刻々と指示が出されている。
「火力を一点に集中しろ!波動掘削弾の集中投入で破壊できる筈なんだ!」
つい最近の人事異動で戦術指揮級の参謀に加わった若い将校が、握っていた万年筆をへし折りながら叫ぶ。
「BBB戦隊増援、突入開始しました!」
「波動掘削弾運用専門の第一施設隊より、小型無人機120機と搭載母艦のクラスS、3隻が白色彗星内へ突入!」
「主力艦隊より入電!エルナト級『
「何だと!?」
《艦隊司令部!直掩の第十二艦隊はまだなのか!?》
「第十二艦隊はどうなってる!?」
「現在、フェーベ別動隊の無人艦一群二群の分離が遅れています!」
「合流命令はキャンセルして「戦力不足です!纏めて潰されますよ!」
《艦隊司令部!急いでくれ!更に
正面モニターに『SOUND ONLY』と『旗艦:BLUE SKY』と表示され、半ば怒号にも近い叫び声がスピーカーから溢れて、混乱している司令部の空気を揺さぶる。
「白色彗星内部、主力艦隊後方にワープアウト反応!少なくとも2,000以上です!」
「IFF信号確認できない!」
「何だ!何が起こっている!」
《ワープアウト!?第十二艦隊か?……艦隊司令部どうした!第十二艦隊ではないのか!?》
「こちら艦隊司令部!そのワープアウト反応は第十二艦隊ではない!新手の敵の可能性もある!注意されたし!」
《そんなことできるかってんだ!》
罵声が返ってきた直後、新たな通信が司令部に割り込んでくる。
《こちら、ガルマン・ガミラス帝国選抜部隊。これより、ガトランティスに対する戦闘並びに、地球艦隊の援護に入る!》
「艦影識別、ゼルグート級120、ハイゼラード級760、ガイデロール級390、メルトリア級1,450、デストリア級多数!」
「IFF信号確認!2203年式識別コードに該当しました!」
「IFF、元月面大使館所属、ローレン・バレル大使座乗『ローレンス』含むバレル艦隊およそ720を中心とし……デスラー艦隊からゼルグート級100を含む2,000以上!」
《こちらローレンス、元ガミラス大使バレル。地球・ガミラス連合艦隊として作戦宙域へ突入する!》
「バレル大使、ガミラス艦隊には、地球部隊の直掩を依頼したい。間もなく、無人艦第十二艦隊も増援に入る。誤射を避けるため、IFF信号の敵味方識別コードを現行バージョンに更新してほしい」
《了解した》
「IFF信号、ガミラス部隊へ伝達完了!」
「第十二艦隊、フェーベ別動隊無人艦部隊との合流開始!」
「1分以内に合流・陣形再編を完了します!」
「各艦ワープ突入タイミングはこれより90秒後とする!」
「IFF表示、グリッド更新します!表示変更に注意!」
正面モニターに映っていた黄色の点群が緑へと変化し、尚も増える点群は、ガミラス部隊のワープアウトが依然として続いていることを伝える。
「ガミラス艦隊、ワープアウト収まりました……いや、陣中央に重力振!大きい!」
「重力振規模から、排水量70万tクラス、全長1,000m級と推察されます!」
正面モニターが切り替わり、ガミラス艦隊の陣形の中心部を映し出す。直後に、背景のゼルグート級が歪み、730mもの体躯を持つゼルグート級すら小さく見えてしまう巨大な艦影が姿を現す。
《こちら、ガルマン・ガミラス艦隊旗艦『レグ・デウスーラ』》
平たい六角形のデスラー砲口を艦首に備え、そこからなだらかに繋がる前甲板に*1長砲身四連装砲塔4基、その両舷へ繋がるなだらかな側面に*2無砲身四連装砲塔*36基*4を搭載する。
艦体中央から後方には、同じく長砲身四連装砲塔3基、舷側に*5長砲身三連装砲塔10基*6の重装備を誇り、艦底方向に関してもミサイル発射管60門を始めとして、*7長砲身三連装砲塔12基*8の大火力を発揮する。
全体が紫がかった青に染め上げられた艦体には、黒で宗教的紋様が描かれ、禍々しささえ感じさせる。
「フェーベ別動隊の無人艦部隊との合流完了!」
「戦隊単位での紡錘陣形構築完了!」
「第十二艦隊、突入準備完了!」
「カウント省略!全艦ワープイン!」
白色彗星から距離を保って後退し続ける第二遊撃部隊から送られてくるカメラ映像には、正面の白色彗星へ飛び込んでいく無人艦部隊の姿がくっきりと映っていた。
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