宇宙戦艦ヤマト 2221 ~悪魔との再戦~   作:柱島低督

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宇宙戦艦ヤマト2199・2202で土方艦長を演じられた石塚運昇氏が8/13に死去されていたそうで……(つい最近知りました)
って事は第六章の特報の「総員、退艦!」を最後に彼の演じる土方艦長の声は聞けないわけですね……
ご冥福をお祈りしつつ、第二話です。


再びの戦禍の中へ

「主砲1番、2番撃ち方始め!」

 

「うちぃーかたぁーはじめッ!」

 

主砲から青白い筋が吐き出され、一直線に闇の中へ伸びていく。緑に妖しく光る場所からは僅かにそれる。緑の光が輝きを増し、その色の筋がヤマトを掠める。そして白い帯を引き摺りながら鉄と火薬の塊が飛び込んでくる。

 

「現在位置は地球より201.32光年、増援到着まで22分です」

 

桜井の情報と共に更なる被弾による爆音が耳に入る。

 

「小林!取り舵一杯、離脱開始!補機、出力最大!」

 

「了解!」

 

小林が操縦桿を左に大きく倒し、鉄の巨体を操る。

 

「上条!後部砲塔射撃開始。艦尾魚雷発射管開け」

 

「了解!」

 

敵の凶弾が飛来する方向を睨んだ砲が火を吹き、艦尾から白煙を引いて魚雷が飛び出す。一際大きなノズルの下から顔を覗かせる補助エンジンのノズルが強く光り、船体を押し出す。

 

「敵艦より小型戦艦と思われる物体が放出!パターン分析中…反応が消失しッ…後方220宇宙キロに再出現!ワープをしたものと推定されます!解析終了、イーターと断定!」

 

「問題ない。06式波動コイルで防ぐことが可能だ」

 

真田さんが冷静に言葉を発する。

 

「波動防壁、艦尾に集中展開!」

 

「了解!」

 

木下がキーボードに凄まじい速度で文字を入力していく。

補助エンジンが唸りをあげ、より強く輝く。

 

「イーター接近!30宇宙キロ!迎撃不可能域まで3秒!」

 

「艦尾発射管、迎撃ミサイル発射!」

 

上条が指示を飛ばし、艦尾から6発のミサイルが放たれる。

 

「上条!主砲は敵艦隊に照準を続けろ」

 

「主砲、照準誤差修正よし!一斉射!」

 

小刻みに震え、敵を睨んでいた主砲から再び青い暴力が吐き出される。遥か遠くで微かに光る緑色の点に向かって伸びるそれは、飛んでくる緑色のものより太く、明らかに勢いがあった。一発目の着弾を待たずに二発目が打ち出され凄まじい勢いで敵に迫る。

 

「イーター、艦尾波動防壁に接触!」

 

鋭い先端を持った鉄の塊がそれを阻む壁に突き刺さり、沈み込んでゆく。しかし内側に突き抜ける事はなく、溶けて行くように消えていく。最後尾まですんなりと消えようとした瞬間、動力部の持つエネルギーが弾け、爆煙があがる。2、3回()()が起こり、また何もなかったかのような静寂が訪れる。

 

刹那

緑の筋と青の筋がすれ違い、交わり、彼方と此方で緑でも青でもない、橙が黒の中に混じった光があがる。敵の砲撃は波動防壁に阻まれる。しかし此方の砲撃はしっかりと敵を捉えていた。ミサイルを満載した艦が撃ち抜かれ、巨大な爆発が起こる。その火柱は僚艦のところまで威力を持って達し、艦体中に備え付けられた火薬に引火。より大きな華を漆黒の闇の中へ咲かせる。

 

敵大戦艦4隻の艦橋砲の第12斉射目、ヤマトの主砲の第5斉射目が同時に相手を捉えた。副砲もすぐさま照準を連動させ、一列に陣を組んで追ってくる大戦艦の先頭に雨あられと砲撃を浴びせる。お互いの砲撃の密度はすぐさま跳ね上がり、彼方で再び爆炎が上がる。

再びミサイル艦を捉えた砲撃がミサイルを誘爆させ、炎の濁流が横に伸び、大戦艦の艦体を真横から貫く。すぐにへし折れ、爆発が大戦艦を跡形も無く消し去る。

 

「敵艦隊後方に重力振!敵増援のワープアウトと思われます!」

 

主砲が撃ち出された方向の、背景を彩る星が微かに歪む。景色を切り取ったかのように黒い円が現れ、中から緑色の物体が出現する。それが幾度か繰り返された後には、緑の砲撃が絶え間なく津波のように押し寄せて、着弾の衝撃がより多く艦を襲うようになっていた。

 

戦況は緊迫の一途を辿っている。此方がより不利になりつつある。

 

「イーター第二波が出現。後方、距離30宇宙キロ。急速接近中!」

 

波動防壁に接触した()()()が再び消え去る。即座に艦尾発射管から放たれたミサイルが、後方に大きな盾を作る。敵の攻撃が吸い込まれ、表面で爆ぜる。

 

「正面に重力振!複数艦艇がワープアウト!」

 

「艦首発射管用意!」

 

ガトランティスの増援を警戒し、発射管にバリアミサイルが装填される。しかし、杞憂だった。

 

「IFF反応。地球防衛軍 第二遊撃部隊 基幹第201(にひゃくいち)戦隊です!」

 

水色の光が消え去ると、其処には改ドレッドノート級20隻、スーパーアンドロメダ級15隻、そして旗艦のアークツルス級1隻の艦影があった。

 

「更に基幹第202、203戦隊並びに、打撃第211戦隊がワープアウト。140隻を超えました!」

 

改ドレッドノート級60隻、スーパーアンドロメダ級85隻、アークツルス級1隻の計146隻が現れる。60隻の改ドレッドノート級が波動防壁を展開しながら紡錘陣形を作り上げ、ヤマトの右舷側を敵に向かって速度を上げ突撃し、すれ違う。主砲を雨あられと放ち、凄まじい密度の弾幕が壁となって突き進んでいく。

後方に展開した残りの部隊は旗艦を中心に2列の厚みを持ってマルチ隊形を作り上げる。前列の艦隊の波動砲口が青く煌き、先行する改ドレッドノート級の隙間を縫うように波動砲が放たれる。

一方的な蹂躙が敵艦隊を捉え、全てを無に返す。着々と波動砲発射の準備をしていた後列部隊はカウントを中止し、散開する。

 

「助かったぁ……」

 

第一艦橋の空気が緩む。その刹那、レーダーが()()を捉え警告を発する。

 

「後方距離1200宇宙キロ、未識別目標探知!イーターの改良型と思われます!10宇宙キロの地点にワープアウト!」

 

「艦尾発射管開け!」

 

「間に合いません!目標、迎撃不可能域に侵入!」

 

()()の尖った先端が波動防壁に衝突し、備え付けられた()()()()()()()()()()()()が波動防壁を喰い破り、船体へと迫る。

 

「波動防壁、貫通されました!」

 

木下の声が艦橋に響く。




・アークツルス級は、アンドロメダ級(2202版)の拡大発展型(改良型)という設定で、また改めて設定資料集の方に追記します。
・戦隊番号ですが、第◯艦隊は第◯+1~9の二桁。第◯遊撃部隊は第◯+基幹は0、打撃は1、+1~9の三桁の数字の戦隊で構成されます。因みに第1から第9までの戦隊は一個戦隊あたりの艦艇数が多く設定され、「主力艦隊(固有名詞)」を編成しています。
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