第511統合戦闘航空団ファントムウィッチーズ   作:クー

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第1話 魔女の亡霊

今日から私、松山洋海はウラジオストク基地配属となった。元々は扶桑海軍所属で神戸から出て広島の呉にいたんや。国外に配属されるってことは、もしかして501や502みたいな部隊なんやろか、楽しみや。でも待てよ、私みたいな新人同然で度々ネウロイとやり合ったけどそこまで戦果は上げてへんし、ここまで無傷なんは奇跡やのに...

 

「ま、細かいことは気にしない気にしない、気にしたら負けや。おっ、あれ私が乗る巡洋艦の摩耶や!おーい!おっちゃーん!」

 

「おや、君がウラジオストクに行く松山曹長かい?」

 

「はい、そうです!お世話になります。」

 

「こちらこそ、では、乗艦のほうをお願いします。」

 

「はい!ありがとうございます。」

 

こうして私は摩耶に乗り、ウラジオストクを目指す。

 

「あなたが松山洋海曹長でありますか?」

 

「せやで、私がどうかしたん?」

 

「いえ、お話は伺っております。数々の激戦をくぐり抜け、一度の負傷もせず帰ってきたって。」

 

「いやいや、そんなんまぐれやまぐれ。戦果なんて全然上げられてへんし...。」

 

「いや、しかしそれだけでも凄いですよ我々からしたら。ウィッチ達のおかげで扶桑の平和は守られているんですから。」

 

「そんな、照れるやないか!このこの!」

 

乗組員の背中をバシッと叩くと痛そうにしていた。

 

「ごめん、強すぎた?」

 

「い、いえ...平気です。あはは...。」

 

艦の仕事を手伝ったりしてウラジオストクに着くまでを過ごした。艦内での食事は美味しくて、好物だった焼きそばが出たときなんてお腹いっぱいになるまで食べた。そうしてウラジオストクに着く少し前のこと。

 

「ふむ、そろそろ目的地か。松山曹長、荷物はそろそろまとめたほうがよいかと。」

 

「はい、ありがとうございました。」

 

「いえいえ、これもウィッチへの恩返しですよ。」

 

「そんな、私なんて何もしてないです。」

 

「何、艦内で仕事を手伝ってくれたと皆さんから聞いているが?」

 

「いえ、私ってほんと何もできなくて。いわゆる不器用ってやつです。ですから、少しでも皆さんの力になれるならって...。」

 

そんな時、強い衝撃が艦内の人達を襲った。

 

「何事だ!?」

 

「前方1時方向と11時方向にネウロイです!それも多数。」

 

「何!?やむを得まい...総員戦闘準備。」

 

「私、行きます!時間を稼ぎますからその間に皆さんは。」

 

「しかし...それでは君が!」

 

「いえ、私は大丈夫です。時間稼ぎは得意ですから。」

 

こうして私はストライカーユニットを装着する。私が皆を守らないと、私だけが、頼りなんや。

 

「発進っ!」

 

艦から発進すると、すぐに私はネウロイを牽制する。私が標的になることで艦への攻撃は収まる。少しでも私が時間を稼がなあかん。

 

「ほらどうしたネウロイ、お前ら思ったより弱いなぁ?」

 

私は両方向からくるネウロイの間に入り、攻撃を避けていく。その攻撃はネウロイ同士に衝突し、損害を与えていく。

 

「ほらほら、もっと狙わな当たらんでぇ!」

 

ストライカーを加速させていき、更に激しい攻撃を回避する。ある一発の攻撃が、ネウロイの装甲を破壊し、コアを出現させる。

 

「そこや、もらったで!」

 

私は銃の引き金を引き、コアに攻撃を命中させる。しかし、他ネウロイからの攻撃は私に集中する。

 

「ったく、しつこいやつやなぁ。しつこい奴は女子に嫌われるで!」

 

ネウロイ達の攻撃は更に激しくなり、私もシールドを使わなければ防ぎきれないようになっていた。

 

「あかん、このままやとやられる。調子乗りすぎたわ...。」

 

そして、ついにシールドで防ぎきれず、押されてしまう。

 

「っ!あかん...!」

 

あかん、終わってもうた。ごめんなかーちゃん、とーちゃん。私何もできんかった。あかんかったわ。

目を閉じながらそう思い落ちていく。だが、まだ私は生きていた。

 

「こちら、第511部隊。聞こえるか、巡洋艦摩耶!こちら511部隊隊長ナタリア=ヴォルドスカヤ中佐だ。」

 

「おお、511部隊が来てくれたぞ!」

 

511部隊?何や?501みたいやけどそうじゃないんか?

 

「そこの者、いけるか?」

 

「ええ...いけます...。って、貴方は華族の人ですか!?」

 

「ああ、自己紹介が遅れたな。私は扶桑陸軍所属だった仙石千速少佐だ。貴方は?」

 

「え?ああ、私は松山洋海曹長です。私は扶桑海軍所属です!」

 

「そうか、態勢を立て直していけるか?」

 

「はい!」

 

「そうか、ならば私に続け!」

 

仙石少佐と名乗る人は、扶桑刀を二本持ち、その刀身は水を纏っていた。

 

「総員、フォーメーション・グングニル!」

 

「了解ッ!」

 

全員がそう言うと、先頭に眼帯を付けた方、その後ろに続いて数人。そして先頭の両斜め後ろに仙石さんと他1人が隊形を組み、前方ネウロイの群れに突撃していった。

 

「す、すごい...一瞬でネウロイが撃破されていく。」

 

出現したネウロイは全て殲滅し、全員が摩耶の艦上に着陸した。

 

「こちら、511部隊の隊長ナタリア=ヴォルドスカヤ中佐である。そちらの松山曹長を迎え入れる予定であったはずだがまさかこんな歓迎になるとはな。」

 

「いえいえ、それではよろしく頼みました。」

 

「ありがとう!松山曹長!」

 

「オラーシャでの土産話、期待してるぞ!」

 

「皆ありがとう!頑張るわ!気ぃつけて帰るんやで!」

 

こうしてウラジオストクの港で別れると、私は隊長に連れてかれ、基地に案内される。

 

「こちらだ、曹長。」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

「ああ。」

 

なんだか少し気難しい人なのかな、やっていけるんやろか...。でも、仙石さんは頼りになるしなんとかなるやろ。せや、細かいことは気にせえへんで。

ここから、私は頑張るんや。今度こそ、皆を守ったる。

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