という嬉しさとやべえプレッシャーがというダメージ。
すまない……メンタル貧弱ですまない。
十話越えたのも久し振りなんだ……(エタ作者)
ともあれ投稿。
感想・評価、または「ひゃはあ、心折れろやァ!」という一撃を入れる批評……は待ってないけど宜しくネ!
―――或いは、生まれる星すら違ったならば、その老人にも隠居と言う選択肢があったのかもしれない。望む全てを手に入れ、多分な畏怖を受け、数世紀をまたにかけて生きた。常人ならばもう十分と往生するだろう。しかし、彼は飢えていた。どれ程のモノも、どれ程の畏怖も、どれ程の寿命も彼の飢えを満たすに能わず。
何故ならこの身はカンピオーネ。神すら喰らった覇者の星なれば、その身を満たすは誕生の快楽。即ち―――飽くなき神と神殺しとの闘争なり。
「クラニチャールの孫娘か。確か―――四年前の儀式で顔を合わせたか。ふむ、しかし……君の顔には覚えが無いな。君頃の年代は成長が早すぎるのだよ。私ではなくとも早々顔を合わせないものは同じ感想を覚えるだろう」
だから物覚えの悪い老人と思わないでくれたまえ―――響く声は明晰。学者の知的染みた言い分にも似ている。御歳
「無理もございません。あの時の私はまだ幼く、候とお会いした時間も十分とありませんでしたから……どうかお気になさらぬよう」
「そうか。それは結構。何分、別に面白い些事が前後したからだろう。どうにも記憶が曖昧でね」
老人―――サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン侯爵に今まさに謁見している少女、リリアナ・クラニチャールは騎士の如く、儀礼的に返す。その返答を聞いて、ヴォバンはワイングラスを片手に小さく肯き……自らの言動で思い出した過去にクツクツと喜悦を浮かべる。
その様を見て、魔術結社《青銅黒十字》に属する今年十六歳の少女リリアナは過去の出来事を追憶する。
(そういえば極東の巫女と候の小競り合いがあったのだったな……)
ヴォバンを王と崇める己が祖父の命に従い、推参した四年前の『ジークフリート招来の儀式』。あの時、皆が怯え竦む中、たった一人、目の前の恐ろしき魔王に挑んだ勇者が居たのだ。名は確か……。
「さて、知っていると思うが私は短気な性分でね。さっそく話を始めさせてもらおう、態々君をミラノから呼び寄せた件についてだ」
ハッ、とヴォバンの声にそれかけていた思考を元に戻す。
「君は一から説明する必要は無いだろう。四年前の儀式。まつろわぬ神を招来させるそれを、私はもう一度行なおうと思うのだよ」
この言葉に、リリアナの身体が堅くなる。まるで今日の夕食を決めるように、少なからず巫女や魔女らの犠牲を払ったあの儀式をもう一度執り行うとヴォバンは言い切った。
「あのときは……まあ結果だけを見るならば悪くない。サルバトーレの奴めにはしてやられたがそれ以外でも興味深いものは見れた。巫女を従者に加えられなかったのは残念だが、あの若造との闘争は実に面白いものだった」
そう、あの儀式は奇しくもヴォバンが思い描いていた結果より斜め上に着陸した。儀式開始前にヴォバンに剣を向けた巫女の存在。イタリアの新参、六人目の神殺しサルバトーレ・ドニの乱入。そして―――六人目と時期を僅かに遅らせて誕生していた七人目の神殺しと儀式に呼び寄せられた『ある女神』との三つ巴の戦い。
残念ながら本命のジークフリートは七人目と『女神』を相手取っている間にサルバトーレに掠め取られたが、もとより戯れ。まつろわぬ神との闘争を望んで行なった儀式だ。着地点は想定と違っていたがアレはアレで悪くない。悪くないのだが……。
「同時に私はこうも思ったのだよ。結局、儀式自体は失敗しているとな。初志貫徹とはあの若造の国の言葉だったかな? つまりはそういうことだよ」
淡々とヴォバンは滅茶苦茶を口にする―――つまり、目的は果たしているが儀式が失敗したのでもう一度行なうと……。巫女や魔女を犠牲にする儀式をただそれだけの理由で行なうというのだ、この魔王は……!
「あと三月もすれば招来の儀に必要な星の配列、地脈の流れが四年ぶりに整うらしい。その辺りの知識は私も疎いのだが……詳しいものに確かめさせたのでな、カスパール」
言って、ヴォバンはリリナアを……その背後を見た。悪寒が背を奔る―――ぽっと幽鬼染みた様相で、突如として大騎士たる己の背後を取った不気味な気配にリリアナは思わず振り返って、嘆息した。
死相―――端的に言って、その人物は死んでいた。黒衣を纏った老人、その顔は蒼白色で瞳には生命の輝きを見出せない。表情も虚ろに抜け落ちており、ヴォバンの声掛けにも淡々と機械的に応じるのみ―――これこそ―――これが、
(侯爵の『死せる従僕』たち!)
死者の魂を縛り、己が従属とするヴォバン侯爵の権能―――『死せる従僕の檻』。間違いない、この老人の死者もまたヴォバンに死後を縛られたものなのだろう。
(―――なんと、惨い)
恐らく、老人はヴォバンに逆らったのだろう。悪逆非道のかの王に。そうして戦い、敗れ、死した。ゆえにこそ……老人を従属と加えることが出来たのだろう。魔王に立ち向った老人の勇気には騎士として敬意を覚える。だが、そんな勇者の結末が死後、魔王に奴隷と使役されることであるとは……。
リリアナはイタリアの名門クラニチャールの血を引く騎士。このような王に仕えることなど本来ならば否と唱えたいところだが、残念なことにイタリアを統べるサルバトーレ・ドニは現在、万全とはとても言いがたい。その庇護は望めない。
加えて、彼女が属する結社は、というよりも祖父はヴォバン侯爵の信奉者。結社の重鎮たるものの決定は絶対であるがゆえ、騎士とて、騎士であるがゆえに命令には逆らえない。
「クラニチャールよ、四年前の儀式で最も優れた巫力を見せたのか誰か、覚えているか? ああ、優れた巫力を示した者だぞ? 私に歯向かったあの娘ではない」
神ならざる人の身で、異能を宿すとはいえ『まつろわぬ神』を招来するなど分不相応にも程がある。ゆえにあの儀式では数十人の巫女や魔女のうち、その三分の二が精神に異常を覚え、心に傷を負った―――幸いリリアナは内の三分の一に属したために無傷、そして、かの王がいう優れた巫力を見せた者も、また。
「あの折、私は気付かされた。量より質。有象無象を何十人と集めるよりも選りすぐったを揃えるべきであったなと」
エメラルドの邪目がリリアナを射抜く。『ソドムの瞳』、眼光自体が権能として機能している老王はリリアナの本心に眠る叛意を見抜いた上で、面白げに問いを投げる。
「あの娘や若造と同じ東洋人だったな……その名と素性、覚えていないかね?」
「………」
一息の沈黙。この時、リリアナは躊躇う。何故ならば、この身は騎士。言った瞬間、降りかかるであろう少女の危険を考えれば、言うべきではない。しかし同時に騎士であるために、仕えた主に偽りを進言するわけにもいかない。また、ヴォバンが乗る気である以上、ここで知らぬ存ぜぬと通しても勝手にヴォバンは目的に辿り着くだろう。
ならば、いっそ此処はこの件に深く関わり、無用な犠牲を出さぬように力を尽くすべきだ。娘の不幸には胸を痛めるが……しかし別の打算もあった。彼女が住まう極東には、他ならぬヴォバンの儀式を台無しにしたうちの一人……七人目の王が居る。民を守ることに心を向けるという変わり者の王の実力は儀式の折、確かめている。ゆえに……。
「名はマリヤ。日本人、東京の出身だと申しておりました―――しかし、極東の島国には候と覇を競い合った七人目の王がおります。無辜の民をかの地から攫うとなれば、あの王が黙っていないでしょう。臣下の身にて無礼でありますが……ご再考を」
雷を操り、それのみでヴォバンと戦った七人目の神殺し。その強さは百戦錬磨のヴォバンですら突破できなかった最堅の守り。しかもそれは四年前時点での話。かの王の勇戦は時折耳に入って来る。権能も増やしているだろう。実際、『賢人議会』を通して得られる資料にはヘルメスを殺し、二つ目の権能を手にしていると聞く。
他にもこれはまだ噂程度だが、極東で女神を弑逆し、三つ目の権能も手に入れたとの話もある。どうあれ、四年前より手ごわくなっているのは間違いない。不確定情報として極東にはもう一人『王』が誕生しているとの噂も聞く。事実ならば如何にヴォバンとて安易に手を出せるものではない。
だが―――
「その心配は無用のものだ。何故ならば、私が直接出向くからだ」
「……候自ら、ですか?」
「ああ。ふむ、思えば海を渡るのは久し振りだな―――そうだな、諸々の手続きは君に任せよう、供のものは居た方が便利だ。それと、若造への言葉は要らぬぞ。何、老人のささやかなサプライズ、という奴だよ」
全く笑えないサプライズ宣言に流石のリリアナもたじろぐ。
「お、お待ちください! 言葉も無く日本に渡るなど、宣戦布告と取られかねません。ここはかの王に候の来訪を事前に―――」
「要らぬよ―――サプライズついでに雪辱を晴らしておこうかとも思っているのでね。何、一度失敗した儀式を再び行なうのだ。清算するなら纏めてやった方が早いだろう?」
清算、その言葉にリリアナは殆ど確信同然の嫌な予感を覚える。まさかこの魔王は―――。
「一度は突破できなかった無敵城塞。破ってみるのも一興だとは思わないかね?」
儀式も含めて全ての清算を。闘争に餓える狼は極上の獲物を前に舌なめずりするようにして喜悦の笑みを浮かべる―――嵐が、来る。
☆
「インドの神話はバラモン教っていう宗教と深く関わりがあるんだよ」
神奈川某所にある高校。そのテラスのようになった、ガラス張りで外の景色を見ることが出来る食堂での談話だった。
「詳しく語ると休み時間を使い切るんでざっくり言うと、バラモン教はアーリア人って民族が信仰していたゾロアスター教の後身みたいなモンでね。ゾロアスター教自体、いろんな宗教に影響を与えているが、その元型を一番多く残しているのがバラモン教だ」
窓際に一番近い人気席。そこを占有するのは三人の生徒だ。一人は閉塚衛、一人は姫凪桜花、一人は―――『サークル』仲間の友人、
「例えばインドのカースト制度。コレなんかもゾロアスター教の流用なんだぜ? バラモン教……今じゃヒンドゥー教か、はこれを始めとして結構多くをゾロアスター教から引き継いでいる。分かりやすい例を言うなら神様か。大将がやりやった『まつろわぬダヌ』と敵対するインドラ。これもゾロアスターに神と数えられる神様なんだぜ?」
まあ、こっちでは悪神だけど、と付け加えながらホットのブラック珈琲をずびずびと音を立てて飲む蓮。聞く側二人も一息つくように手元の飲料に口をつける。
「で? 俺としては神様の薀蓄は良いからダヌについて聞きたいんだけど?」
「はいはい、宿敵相手でも興味なしか、流石は我らが大将。器がデカくて何よりだよ」
ハッと楽しげに笑う蓮。自己申告で曰く快楽主義者の彼の琴線に触れたのだろう。まあそんなことはどうでも良くて……。
「早く話せ。休み時間が無くなるだろ?」
「衛さん、そんな急かさなくても物事には順序がありますし」
「っかー、さっすが嫁殿! 話を分かってくれて助かる。そちらの婿殿にもよろしく言ってくれや」
「誰が婿だ……」「誰が嫁ですか!!」
「息バッチリ。お似合いだぜ?」
呆れたように、或いは顔を赤くして言い切る二人。因みにどっちがどっちとは態々説明するに無粋だろう。分かりやすい両者の反応に蓮はケラケラ笑う。
―――これは蓮のみ知ることだが、両者この調子なので詳しい事情抜きでクラスメイトは、その辺りの事情を心得ている。そもそも入学からして別々のクラスにも関わらず衛さん衛さんとどこぞの娘が付き纏っていれば嫌がおうにも両者の関係は察することが出来る。ゆえに両者のクラスメイトらは生暖かな視線で全く進展しないこの馬鹿共を見守っている。
「知らぬは本人ばかりってね」
「何の話だ?」
「さてね♪ ともあれ、話を続けるぞ」
外国の神話に詳しくない桜花とそもそも興味のない衛。その両者の知識を補完するのがいつの間にか衛の旗下の呪術サークル……ということになっていた『女神の腕』メンバーである蓮の役目だった。
「さて、短気な大将に倣って結論からいうならダヌって女神は
「ん? 元々? どういうことだ?」
蓮の言い回しに疑問を覚えた衛が即座に問う。
「言っただろう? ヒンドゥー教もとい、バラモン教っていうのはゾロアスター教が元ネタだってさ。そこで問題、そのゾロアスター教をインドに持ち込んだのは誰でしょう? ヒントはゾロアスター教を崇めていた民族だ」
「殆ど答えじゃねえか……アーリア人だろ」
先ほど他ならぬ蓮自身が口にしたことをそのまま返す。
「正確にはインド・アーリア人だけどな。ま、そこら辺はいいか、本筋にはあんまし関係ないし、余計な説明で時間を削ると大将怒るし」
「別に怒りまではしねえよ……」
「で、だ。歴史をまともに学んでんなら宗教の伝来には基本的に民族移動が関わってくるのは理解してるだろう。インド・アーリア人もその口でね。元々、定住者がいた土地に押し寄せたんだなこれが。ぶっちゃけいえば侵攻行為だ。全てが全て戦で解決ってわけじゃあなかったらしいが、インド神話に深く関わる古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』のインドラ神の武勇伝に反映されていることから分かるだろう?」
異なる文化、思想の導入は決して全て平和的に行くとは限らない。紛争絶え間ない中東を例に取れば分かりやすいが異なる信条を抱く者同士が分かり合うのは難しいことだ。今でこそ無いが過去、日本にも仏教やキリスト教伝来に関するいざこざが多数あったということは周知の事実であろう。
「インドラの武勇伝に反映ね。つまりそういうことか?」
「そそ、ダヌって女神は元々、インド神話に登場する神じゃない。いや、本来のインド神話に登場していたって意味じゃあ正しいか。ともかく、バラモン教導入以前よりその地で信仰されてきた河川の女神が女神ダヌだ。そして、新しいバラモン教にとっては元来の信仰は邪魔だろう?」
「だから敵対者としてやられ役に、っていうことですか?」
神妙な顔で桜花はおずおずと言う。
「そういうこと。そんな観点から見てインド・アーリア人もといインドラにとってはヴリトラは厄介な敵対者であったが、原住民たちには案外英雄だったのかもな。河川の女神に由来する竜。ハッ、分かりやすい《蛇》の神格だろうに」
英雄譚に語られる竜の多くは曰く、《鋼》と通称される英雄神や剣神に屈した女神の零落した姿である、とは地母神ひいては《蛇》の神格を知るものならば常識である。ヴリトラとはダヌの零落した姿であり、原住民らの希望であったと蓮は言う。
「だが、結果は神話の通りに。墜ちた女神はインドラ神によって破られ、阻む者は消えインド・アーリア人の栄華が始まる、と。そういうことだな。因みにヴリトラ含むダヌの子供たちはダーナヴァと呼ばれる一族でね。神話的観点からこいつらがアーリア人と敵対していた定住者の暗喩とされている―――インド・アーリア人はこれをアスラと呼んだ。面白いのはこのアスラって言葉、ゾロアスター教に記される善神の名が語源と考えられていることだ」
痛快な皮肉だと蓮は笑いながら語る。善悪二元論で教えを唱えるゾロアスター教は善神と悪神、二つの勢力が合い争うことが記されている。
善神を最高神アフラ・マズダー、悪神を大悪魔アンラ・マンユ。
「初期の神話だとアスラはインドラの敵対者として記されるもののそれほど悪役的扱いを受けていたわけじゃないんだぜ? ゾロアスター教が周流となっても絶大な支持を受け続けたミトラ神と並ぶ大人気の神様、天空神にして司法の神ヴァルナの眷属だ。なんていわれてた時期もあったぐらいだし」
アフラ・マズダーから転じたアスラの名。善神の名を元にしたインドラの敵対者は当初から悪役としてあったわけではない。
「でも言ったろう? インドラってのは元々、悪神。インドラが属するデーヴァ神族のデーヴァって言葉の語源は悪神仕えのダエーワっていう悪魔から流用したものだ。まさか自分たちが崇める英雄様を悪魔崇拝よろしく扱うわけにはいかないだろう?」
アスラ=ゾロアスター教、善神の名。デーヴァ=ゾロアスター教、悪魔の名。自らが悪魔を崇拝していますなどといえないように。自分たちの神々という呼称が悪魔の呼称であったなどと言えるはずもなし。だから……。
「悪と善が入れ替ったのさ。アスラっていうのは神々の王インドラに歯向かう魔族。デーヴァはインドラを代表した天に在りし神々の事だってね。とんだ皮肉だな、被征服者が持つ名は元を善の神とし、征服者が崇める神は元を悪魔にするんだからな」
愉快愉快と笑う蓮。相変らず悪趣味な奴、との目線を二人は送る。因みにデーヴァの語源に関してはラテン語のデウスと同じ起源なのだが……蓮は好みの問題から此処を語らなかった。
「あ、ダヌがヴリトラに格落ちした理由は付け加えるともう一つ。インドラと敵対していた《鋼》に討伐される《蛇》って関係以外にもあってね。教典『リグ・ヴェーダ』でも頻繁に出るがどうもインド・アーリア人にとって河川っていうのは重要なものだったらしくてね。ま、水が乏しかった連中だから水には特別な思い入れがあったんだろう、でそのせいかは知らんがインド・アーリア人は自らが興した地を「七つの川の地」と呼んでいたみたいだな。河川に思い入れがあるなら現地信仰されている自分たちと違う河川の女神なんか、許すわけ無いだろうさ」
「成る程な……」
「納得しました」
長々と語られたダヌの来歴についての話に納得がいったと肯く両者。それはなりよりだと蓮は続ける。
「ダヌから転じたヴリトラは障害を始めとして「阻む者」という意味合いを持つ竜でね。さて、そんなヴリトラと来歴を近くするダヌから奪った権能……大将らしいぴったりの形になりそうだとは思わないか? 今からレポート書くのが楽しみだぜ」
「俺は全然嬉しくないけどな……思い出したくないことをよくも、ああ……また権能が増えた。平凡から遠くなる……」
フッと遠い目をする衛。そう、堂々と正面から女神を打ち倒したため、衛は新たにその権能を入手していた。まつろわぬダヌの権能、未だ掌握には至っていないが蓮の言う通り
「元々、大将は平凡から遠かったろ。ま、頑張ってくださいよ魔王様。俺らもその王道は応援するからサ! あ、ダヌの権能、試運転終わったら報告よろね」
「誰がするかよ。暫くはダラダラする予定なんだ俺は」
「どうかねえ。案外、新しい権能手に入れたってことで使う機会が早々に来るかもしれないぜ?」
「不吉なことを言うなよ……」
「でも案外当たっているかもしれませんね。衛さん、実際最近ピリピリしているようですし、私自身も嫌な予感を感じています。もしかしたら何か良からぬことが起こる前兆かもしれません」
「神殺しの野生と巫女の直感か。当たるかもな」
「……えぇー」
相変らず人生楽しそうに笑う蓮と蓮のふざけた言い分に用心を促す桜花。基本ニートな衛としては全く嬉しくない自体であり……思わず気の抜ける声が出る。そんな学生生活の一コマであった。
ざっくばらんに語る、まつろわぬ神ダヌの設定。
あ、「そうも考えられる」であって、「そうである」わけではないのであしからず。一応神話はきちんと調べていますがウチの主人公は神話を暴き立てるというコンセプトのキャラじゃあありませんしね。
今回はフラグ回でした。