極東の城塞   作:アグナ

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正直言って作者がやりたかっただけの回。
飛ばしてオーケー、だからこその同日連続投稿。

会話オンリーですので物好きな方のみどうぞ。


幕間:会合
幕間:その権能の名は


女神の腕(プラトニック・デディケーション)

 

蓮:というわけで報告の通り我らが王は『まつろわぬ神』を鎮め、新たな四つ目の権能を得たというわけだが。

 

紳士シャーロキアン:極東でも相変らずお元気そうで何よりですな。

 

石油王:ハッハッハ。それについては既に私は知っていたよ。何せ我が母国エジプトの日本大使館が犠牲になったそうじゃないか。知り合いの魔術師が首謀者の名を聞いて頭を痛めていたよ!

 

雪:それは笑い事なのですか? まあ宜しいですが。時に新王との交流に関してはどうなのです? 蓮。先々月の報告会で不干渉と聞いておりましたが?

 

アメリカンでナイスガイ:確かに聞いたぞ! 後、稀代の女殺しともな! 我と仲良くできそうではないか。このアメリカが誇る……。

 

オルレアンの乙女:モテ話は余所でやるが良い。筋肉達磨。そんなことよりも蓮。私としては私の桜花とニート王との告白イベントに付いて……。

 

蓮:お前ら……少しは話題を纏めろよ。全員バラッバラじゃねえか。

 

紳士シャーロキアン:皆、趣味人ですからな。

 

オルレアンの乙女:一緒にしないでくださいます? それより桜花が何処まで

 

石油王:お前さん、そればかりだな。

 

雪:色々な意味で仲が宜しいですからね。お二人は。私としても興味はありますが、そちら風に言うならば「馬に蹴られたく」ありませんので。

 

アメリカンでナイスガイ:見るが良い。この筋肉を! 日本の文化たる『バ○』を読んで我が未熟を悟り、再び鍛え直したのだッ!!

 

蓮:誰も聞いてねえ! つか聞けえ! 勝手に話を進めんな! あー、もう! 何で俺がまとめ役に回んなきゃいけねェんだよ!?

 

紳士シャーロキアン:報告主が自動的にまとめ役になるシステムですから。少しは私の心労を理解してくれましたか?

 

雪:そういえば少し前までは貴方が報告をこなしていましたか。

 

石油王:英国の王子殿の世話になっていたからな我らが王は。それでどうだ? 一国を治めるようになり貫禄の一つでもついたか?

 

蓮:まさか、早々アレが変わるものかよ。大体、桜花の件に関しても大掛かりな事件が無いと進展しないヘタレだぞ。

 

オルレアンの乙女:み、乱れる桜花……ふ、ふふふふふ。

 

アメリカンでナイスガイ:筋肉が暴走だ!! 暴徒と化している!!

 

雪:我々の知らない世界にトリップしてますね。

 

紳士シャーロキアン:何時もの事でしょう。平和の証拠です。

 

石油王:嫌な平和だなそれ。で、だ、蓮。話を戻すと今回は結局なんの話し合いだ? お前が何の意味も無くこの暇人のあつ……ネット会議を開くはずが無かろう。世界同時チャットの所為で通信料が馬鹿にならないからな。

 

蓮:話逸らした連中がそれをいうんじゃねェ! ……会議自体は簡単だ、新たに掌握した第三と第四権能。その情報開示に関する話し合いだ。

 

石油王:ふむ、確か第三は権能封じ、第四は受けたダメージに応じて桜花くんを強化するっていうものだったかな?

 

蓮:簡単に説明するならその通りだ。ただ知っての通り神殺しの権能は割りと適当で大雑把だからな。今後、別の応用法、力が見つかっても不思議じゃねえよ。

 

雪:秘すというならば第三権能では? 権能封じともなれば神々との戦いでも十分な切り札となるでしょう。ヴォバン侯爵の『嵐』を断つともなれば恐らく権能の威力関係なしに干渉するもの……伏せ札として十分だ。

 

紳士シャーロキアン:ですが、既に新王に見られているのでしょう? それにヴォバン侯爵にも。後者に関しては周囲に言いふらすような性格をしていませんが新王は。その辺りどうなのです、蓮殿。

 

蓮:新王に関しては先の報告の通りだ。稀代の女たらしで表面上はただの好青年。だが理由さえあれば暴れまわる我が王に何処か似た奴だ。

 

石油王:女性関係にヘタレな部分と好戦的な部分に関しては違うがな。しかしそれはアレだな。ヴォバンやイタリアのサルバトーレと同じタイプか。

 

雪:そのようですね。理由が必要とはいえ、戦を好む性質は神殺しならばあって当然のものかと。寧ろ、我らが王や別の興味で動く黒王子が例外だ。

 

紳士シャーロキアン:片や親しきものを守るため、片や知的好奇心を満たすため、“勝利”を目指す動機が他の方々と幾分異なりますからな。

 

雪:我が国に住まう魔人殿についても要は見合う強者としか戦わないというものですからね。

 

蓮:ま、その誰かのためと知的好奇心で神様殺しちまうんだから他の連中と団栗の背比べだろ。それと伝え忘れたが、権能情報の流出関しては新王よりエリカ・ブランデッリの方がヤバそうだ。イタリアの俊英、聞いたことあんだろ。

 

石油王:ほう、あの才女を口説き落としたか。なるほど、女たらしとは伊達ではないようだ。

 

オルレアンの乙女:エリカ・ブランデッリ! 聞いたことがあるわ!

 

紳士シャーロキアン:おっと、お目覚めか。

 

オルレアンの乙女:身長164cm! バスト87! ウエスト58! ヒップ88! 今も、そして将来も楽しみなモデル体型の小悪魔系女子!!

 

石油王:うわあ……。

 

蓮:うわあ……。

 

紳士シャーロキアン:ふむ……凄まじい情報収集能力ですな。

 

雪:褒めるべき点ではないかと………待ってください。本当にどこでその情報を手に入れたのですか? というか彼女の個人体型を網羅しているとはもしや私の……。

 

オルレアンの乙女:勿論知っていますわよチャイニーズ。貴方はバス

 

雪:殺します。

 

蓮:おいぃ! 今なんかゾクって来た!!

 

石油王:純然たる殺意を感じたな。

 

紳士シャーロキアン:雪殿。余り老骨の肝を冷されるな。

 

オルレアンの乙女:身長157cm! バスト73! ウエスト50! ヒップ77! エリカちゃんに比べてスリーサイズは見劣りするものの、腰まで流れるような白髪と灰色の瞳は貴方が着こなす空色のチャイナドレスとマッチして清楚かつ高貴な雰囲

 

蓮:こいつッ!? 平然と暴露しやがった!!?

 

雪:精、気、神―――これら三宝、経て我が身を竈と転じたり。器とするは我が丹田。以って練れり、これぞ内丹。天地万素を汲み上げる極意なり。

 

石油王:やめ、ヤメロォー! リリーはただのオタクだぞ!? お前の『遠当て』なんぞ喰らったらガチで死ぬ!

 

紳士シャーロキアン:ふむ、大丈夫でしょう。流石に彼女もその辺りは分かっている筈。とはいえ、鍛えていない身体で直撃すれば肋骨程度ならば折れますな。

 

蓮:駄目じゃねえか!!

 

アメリカンなナイスガイ:筋肉か? 筋肉が必要か!? うおおおお筋肉百倍!!

 

蓮:誰も言ってねえ!

 

オルレアンの乙女:bnse58pj@;。

 

紳士シャーロキアン:おや、直撃を受けたご様子……まるで崩れ落ちたかのような適当押しですな。特に「@;。」は右手からすり落ちるように倒れたということを示すようで。

 

雪:悪は去りました。

 

石油王:こわッ!

 

蓮:加減したよな? 死んでないよなァ!?

 

雪:それよりだいぶ逸れた話を戻しましょう。第三が権能封じ、第四が桜花さんと分け合った変則的なカウンターでしたか。つまるところ、貴方が危惧するところは新王ではなくブランデッリの娘が外に洩らす可能性ですね?

 

蓮:平然と話を戻しやがった……。

 

紳士シャーロキアン:後で手間ですがシャルル殿に一報入れる必要がありそうですね。

 

石油王:流石にアイツでも死者蘇生は……。

 

蓮:いや死んでないだろ? ないですよねェ?

 

雪:切り札として残すには第三ですが、希少性は第四ですね。何より分け合うという形での取得は私が聞く限りは聞いたことのない話だ。ともすれば世界中の魔術結社が目を付けかねない異例。王はともかく桜花さんはただ人だ。守る意味でもこちらを隠蔽するべきかと。

 

蓮:駄目だ。話を聞いてくれねえ。

 

石油王:意地でも通す気だな。

 

紳士シャーロキアン:仕方がありますまい。一連の事件はシャルル殿に何とかしてもらいましょう。しかし、第三権能、第四権能とは。相変らず名前に拘りのないお方だ。

 

雪:寧ろ拘るほうが珍しいのでは。ああ、別にこれは我が国の魔人殿を馬鹿にしているわけではないのであしからず。

 

石油王:『賢人議会』が名付けたり、俺らが名付けたりだからなうちの王様は。で? どうするまた命名してみるか? 第三は知らんがこの流れは第四を伏せる流れだろう? なら、内々で呼び名決めたほうが良いだろう。番号で呼べば消去法でどの能力か分かっちまうからな。このチャットも万全だが完全じゃないし。

 

蓮:まあ、良いんじゃないか? 勝手につけてもうちの王は何にもいわなそうだし。

 

雪:チャットの件で一つ。蓮、今回はいつも以上にログをきちんと抹消しなさい。間違っても私の個人情報が流出した場合、命は無いという覚悟で後処理を頼みますよ。

 

蓮:それもうただの脅しですよね!?

 

紳士シャーロキアン:ふむ、恥じるほどのものではないと存じ上げますが。寧ろ、女性としては十分なプロポーションでは?

 

石油王:そういうことじゃねえんだと俺は思うぜ、英国紳士。

 

忠弐描:おはよう卿ら。呼んだかね。

 

蓮:………おい、今回は誰だ?

 

石油王:お前らの言うところの某黄金卿じゃないのか? ハサンの奴が少し前に勧めていたし。

 

紳士シャーロキアン:そもそも彼が所謂燃えゲージャンルに嵌り込む要因を作ったお方ですからね。ハサン殿は。

 

雪:他愛無し。

 

蓮:雪さん機嫌、戻ったのか?

 

雪:何のことでしょうか?

 

忠弐描:ふふ、何。そう喜ばなくても良い。卿らの思いは熟知している。新たな権能に名を与えるものがいなくて困っていたのであろう? 私に任せるが良い。

 

蓮:凄まじく不安だな。

 

雪:前に『自由気ままに(ルート・セレクト)』に『冥府交通(マクスウェルズ・デーモン)』と名付けようとしていましたか。

 

石油王:ラノベに嵌ってた頃だな。

 

紳士シャーロキアン:ああ、確かとある何とかという……。

 

忠弐描:フッ、しかし恋人と成す双翼の権能か……双翼の権能………『天地に響け、我らが恋歌(エターナル・ロマンシア)』などとはどうだろうかッ!?

 

蓮:今回は何の影響だ?

 

紳士シャーロキアン:さて、私はその辺り詳しくありませんので……。

 

石油王:順当にいって怒りの日からの逆襲譚じゃねえのか? コンマつけている辺りそれっぽい。

 

雪:現在のキャラ的にラテン語か何かが飛び出すと思っていました。ほら『恋人たちに困難無し(ニヒル・ディッフィケレ・アマンティー)』など、実にそれっぽいではないですか。

 

忠弐描:え

 

紳士シャーロキアン:確か……「恋している人間はどんな困難であろうと乗り越えられる」というラテン語の格言でしたかな?

 

石油王:マルクス・トゥッリウス・キケロの名言だな。それで良いんじゃねえの? ほら、新たに成立したカップルの今後を祈って、ということで。

 

蓮:ああ、変にルビ振っただけの格好付けた奴よりマシか。よし、雪さん。採用で。

 

雪:あら? 適当に言ったものだったのだけれど、いいのかしら?

 

石油王:他が酷かったからな。

 

忠弐描:馬鹿な、このような、このような不条理が……ああ、マリィ私は貴方の下に跪きたい……。

 

紳士シャーロキアン:マリィ? サークルの新しいメンバーですかな?

 

蓮:違うだろ、多分キャラクターのことだ。てか、黄金のモノマネは?

 

石油王:ラテン語命名のショックで水銀化したんだろ。

 

忠弐描:私は、私の思慮が足りなかったばっかりに……くっ、永劫回帰して鍛え直すべきか。

 

アメリカンなナイスガイ:鍛える? 筋肉だな!

 

蓮:まだログインしてたんかい!

 

雪:はあ、方針は固まったようで。名前はともかく、流れ的に第四を伏せる形で宜しいですね?

 

紳士シャーロキアン:そのようですな。ならば第三を大々的に喧伝すべきでしょう。権能封じの力ともなれば、かなりの注目を浴びますでしょうから、こちらに目線を向けさせ、第四を伏せる形で。

 

雪:では、そのように。

 

石油王:待った。忘れられているエリカ嬢に関する対応はどうするんだ? 新王はともかく明確に結社に属する彼女ならば自分ところに洩らすだろうし、その経由で世界的に知れ渡る可能性があるが。

 

雪:戦の流れから聞くにそう、長い時間、それも詳しく見せたのではないのでしょう? ならば能力の詳しい概要を知るまでには届いていないはずです。例えば力のエンチャントなど。近く遠い推察も浮かぶでしょうし。

 

蓮:だな。経過で対応を考えよう。今は第四、もとい『恋人たちに困難無し(ニヒル・ディッフィケレ・アマンティー)』を伏せる方向で。

 

雪:了解しました。

 

石油王:おう。

 

紳士シャーロキアン:分かりました。

 

忠弐描:永劫の敗者に甘んじるか? 否、断じて否! 次こそは……!!

 

アメリカンなナイスガイ:見よ! この弾けんばかりの上腕二頭筋!

 

蓮:おつかれー。

 

雪:では。

 

石油王:また変化があったら連絡くれ。

 

紳士シャーロキアン:何れまた。暫く振りにオフ会でも開催したいものですね。

 

 

《雪さんがログアウトしました》

 

《石油王さんがログアウトしました》

 

《紳士シャーロキアンさんがログアウトしました》

 

忠弐描:自然に従え……そうだ、純然たる格言、ことわざをただ技名にすることこそ真に中二病の極意……!?

 

アメリカンなナイスガイ:見るが良いこの腰の……む? いつの間にか人がいな

 

 

《蓮さんがログアウトしました》




以上、『女神の腕』幹部らの会議風景でした。
因みにメンバーは今後出るかはしらない。気分しだい。
なので一応、

・蓮
幹部の一人、日本人。快楽主義者

・紳士シャーロキアン
幹部の一人、イギリス人。シャーロックホームズのファン。ミステリ好き

・石油王
幹部の一人、エジプト人。石油王、エジプトの魔導結社に所属。

・雪
幹部の一人、中国人。実は天然。武術家、八極拳の使い手。

・アメリカンでナイスガイ
幹部の一人、アメリカ人。筋力だけならエリカ張りにある。素で。

・オルレアンの乙女
幹部の一人、フランス人。脅威のハッカー、別名:盗み見の百合(ピーピング・リリー)

・忠弐描
幹部の一人、アラブ人。カッコいい名付け親=中二病だと思っている。

以上、メンバーの概要でした。
次回は草薙くんとオリ主回です。それから次章になります。
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