私は前回部活で来られなかった空と一緒にショッピングモールに来ている。だが…
「あっちゃー…やっちゃった」
色々見て回っていたが別れて単独行動した拍子に迷子になってしまった。前回の立花さんと言いここは女二人を迷わせる百合殺し的な何かでもあるのかと冗談交じりに考えつつ空に電話して集合場所を決めてそこに向かう。その途中ふと見覚えのあるような姿が目に入ってきた。
「んー…?」
鮮やかな青い髪、すらっとした体躯。周りは分かっていないようだが私はリディアンで何度も見たから何となくわかる、風鳴先輩だ、やはりこういう所ではバレるとまずいのか変装をしている。そして横にもう一人数歳年上のピンクの髪の女の人を連れている。
(付き人…?いやプライベートだし…)
少し考えるとどこかで見たような気がする。確か何度か風鳴先輩とデュエットした事のあるマリア…えーと…まあ良いか、マリアさんが一緒に歩いている、それ自体食指が動くのだがまず変装してるとは言え有名人オーラがハンパない。
(うわぁ…リディアンで見慣れてるから分かったけどこれバレたら大変なことになりそう。あんまり見てて怪しまれてもヤダけどもうちょっと見てたいなあ…じゃねぇ!)
空を待たせてることを思い出し飛び跳ねん勢いでその場を去った。
「お待たせー、ごめんねはぐれちゃって」
「大丈夫だよ、僕も見てなかったのが悪いんだし。さ、行こうか」
「おーう!」
空と合流し歩いてる途中私は小声で空に話した。
「あのさ、合流する途中で風鳴先輩とマリアさんが一緒に歩いてるの見たよ」
「ホントに?」
「うん、それからは知らないけどまだここら辺に居たりしてね」
「そっかぁ…でもまあサインとかは良いかな、色紙ないし」
「まあね」
そうしてクスッと笑いながら歩いていると運良く再び風鳴先輩とマリアさんを見つけた、二人はマリアさんの服を選んでいるようだった。空も私もテンションが上がるがせっかくのプライベートなので邪魔せずにちょっと脇を通るくらいにしようと決めた。
「なんかドキドキするね?」
「まあもうあの世紀の歌姫と同じ空気吸ってるってだけでだいぶヤバいんだけど」
「ふふ、そうだね」
そしてスッと隣を通る瞬間。風鳴先輩の話し声が一瞬聞こえてきた。
「帰ったらファッションショーでもするか?」
帰ったら…?はて、どう言うことだろうか。私は歩きながら少し考えるとその答えはすぐに出たがここで止まると勘付かれかねないのでそのまま歩き続け十分に距離を取ってから空の肩を叩いた。
「ん?どうかした?まさか隣通っただけで尊いとかそんな感じかな?」
「風鳴先輩が…「帰ったらファッションショーするか?」って…マリアさんに…」
空はその言葉を聞いて少し考えると少し驚いたように言葉を返した。
「それって…」
「同棲じゃん…?まぁじかぁ…あの二人同棲してたのかぁ…でもなんかサッパリした関係っぽい…それはそれで良しッ!」
「良かったね、思わぬ収穫があって」
「うん…」
突然の百合に心を震わせながらモールを楽しみ帰る時分になった。出口への道なのでまた二人が服を選んでいたところに戻ると暁さんと月読さんが居た。
「…マジか」
「ほら、気を強く持ってね」
「応ッ」
空に励まされ歩いて行くと少し離れてても話し声が聞こえてくる。
「調、アタシどっちが似合うと思うデス?」
「んー…こっち、かな」
「ホントデスか!?アタシもこっちが似合うかなーと思ってたんデスよ!やっぱり調は私の事なんでも分かってるデス!」
「切ちゃんの事だもん、なんでも分かるよ」
そこまで聞いて話し声が聞こえなくなる。私はもはやヨロヨロだがここからまだ帰らねばならないのだ。かなりキツイ帰路を辿りなんとか家に帰り着くとベッドにボフンと寝転がって呟いた。
「あのバカップルめ…やはり要注意多少といったところ…容赦ない暴力で私を切り裂いてくる…怖い…けど歌姫二人は良かった…今頃ファッションショーしてるのかな…うわぁ…ええなあ…あの二人の家の壁になりてぇ…」
そんな事を呻いていたが疲れが出たのかそのまま眠りに落ちてしまった。晩御飯には起こされたがその時もにやけそうなのを必死に堪えながら食べてたのは内緒の話。
@touyama_kyouiti
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