・一年生の頃サッカー部を作った時にプロトコル・オメガの襲撃が無かった。
・この小説の本編における正史を辿った世界線からアレスルートに行った。
・その為化身を使えるのは主人公のみ。
vsバルセロナ・オーブ前編
side凪人
夜、熱狂冷めやまぬフットボールフロンティアスタジアムで俺達雷門イレブンは試合の準備をしていた。角馬王将さんの実況が俺達の気合いを更に引き上げてくれる。
『遂にこの日がやって来ました!日本とスペインの親善の意味を持った記念すべき試合です!!日本一になった雷門中とスペイン少年リーグ優勝チーム、バルセロナ・オーブの世界を股にかけた試合に日本中が注目しています!!』
突然だが、言わせて貰おう。
エイリア学園来なかった。
フットボールフロンティア全国大会で世宇子を倒して優勝した俺達雷門中だが、その日雷門中に帰ったあの日、黒いサッカーボールの落下は無くフットボールフロンティア優勝を祝う雷門中生に迎えられた。
その日の内に部室で円堂、修也、鬼道と一緒に世界を目指すという話を盛り上がった。イナズマジャパンとして世界と戦う事が夢だったからな。
そしてもしかしたらゲーム2のように優勝から一週間後に襲来するのかと考えて待っていたが結局来なかった。それはもうビックリしてそれはもうガッカリした。まぁ来たら色々大変だからこの考え方は不謹慎なんだろうが。
そして響木監督の提案の元、世界の強豪であるスペインの少年リーグ優勝チームであるバルセロナ・オーブとの親善試合が組まれた。それが今日この日、このフットボールフロンティアスタジアムで行われる試合だ。
エイリア編スキップして世界か……。これ勝てなくね?だってジェネシス倒した後ようやく世界と渡り合えたのが俺の知ってるストーリーな訳だから……エイリア学園との戦いがあったからこそ、日本代表は強くなって世界一になった訳だし……。
多分この試合は転生前に聞いた事がある『もう一つの27話』なんだろう。エイリア学園が来なかった世界線、『アレスの天秤』に繋がる話という訳だ。
転生前に『サッカー強化委員』なるものを聞いた事がある。確か染岡が白恋、風丸が帝国に所属しており……というか雷門イレブンが各地の学校のサッカー部に派遣されてそれぞれを強くするって話だった。
つまりこの試合でボロ負けして、世界に対抗する為に日本全体で強くなろう!その為に雷門がその扇動者になる。といった所か。
……なんか自分で予測しておいて腹立って来たな。ボロ負けするなんて性に合わないし、全力で足掻いて勝ちに行ってやる……!!
「燃えているな。凪人」
「!修也。……そうか?」
「ああ。目が絶対勝ってやるって語ってる。お前らしいな」
「……まぁ、やるからにはな」
今修也が言った通り、実はかなり燃えている自分がいる。自分で言うのも何だけど……多分俺は既にエイリア学園が来なかった事は割り切っちゃっているんだと思う。それよりも世界がどれだけ凄いのか……今の俺達がどこまで通用するのか楽しみになっている。
そしてストレッチを終えた俺は円堂の隣に行って楽しみだなという会話を少し交わすと二人して会場の客達に手を振ったりし始める。
「おーい!」
「皆ー!観に来てくれてありがとなー!」
『おや?雷門のキャプテン円堂守と副キャプテン斎村凪人が揃って大きく手を振っています!日本のサポーターは大興奮だ!!今や伝説の最強コンビ円堂守と斎村凪人が日本を代表して世界の強豪と戦うぞぉ!!』
伝説の最強コンビ……なんて良い響きなんだ!そんな感じでイェーイと笑っていると修也に注意された。
「円堂、凪人。二人共悪ノリし過ぎだ」
「そうか?良いだろ?偶には。な!斎村!」
「だな!この雷門で世界と戦えるんだ!ここで勝てば世界大会で日本代表!…なんて話も見えて来るぜ?」
そう。恐らく響木監督は負け試合として組んだんだろうけど、ここで活躍すればいずれ開催されるだろうFFIで日本代表になる為のアピールにもなる。
「世界大会に日本代表か……気が早過ぎるんじゃないか?」
「そうか?」
とは言え、エイリア学園が来る本来の歴史ならその三ヶ月後くらいにはFFIが開催するんだがな。
そして観客席には先日退院した夕香ちゃんが修也の応援に来ており、すぐ近くの席には円堂の両親と俺の両親が並んで座っている。またその近くには俺の幼馴染達がいる。他には鬼瓦さんやフットボールフロンティアで戦ったライバル達もだ。
そして仲間達が一箇所に集まって来る。
「俺達がどこまでやれるのか楽しみだよな!」
「しかし響木監督からの提案が世界を相手にした親善試合とはな」
「スペインの名門バルセロナ・オーブ……相手にとって不足無しだな。雷門の…いや、日本の力を見せてやるか!」
「なんかまたトイレ行きたくなって来たッス」
「ただのエキシビションなのにこの雰囲気はヤバいねぇ…」
「良いじゃねーか!声援は多い方が燃えるってもんだ!!」
「久し振りに味わってみるか。世界のレベルを!」
「弱小なんて馬鹿にされながらも皆で頑張って遂に日本一になったんだ。今回も一緒さ!このメンバーで世界に行こうぜ!!」
最後に俺がそう宣言して皆が頷く。そうだ。エイリア学園が来ないからなんだ。それで弱気になる必要なんて無い。どんな歴史だって俺達はこれまで通り、そしてこれまで以上に全力で戦うだけだ!!
そして円堂の号令一下、俺達は更なる気合いを込める。
「行くぞ皆!相手は世界だ!!」
『おおーーー!!』
****
side三人称
凪人達雷門イレブンは整列し、バルセロナ・オーブと挨拶を交わした後、それぞれのポジションに付く。
FW 豪炎寺 染岡
MF 一之瀬 鬼道 斎村 マックス
DF 風丸 壁山 土門 栗松
GK 円堂
そして主審がホイッスルを鳴らし、雷門ボールで試合開始。豪炎寺が染岡にボールを蹴り渡す。
「行くぞ!」
「おう!」
それからドリブルで斬り込んで行く染岡。相手FWに接触する寸前でバックパス。ボールは凪人が受け取る。
「さぁ!始めるか!俺達の……!!」
『サッカーを!!』
パスを受け取りドリブルで走る凪人の前にベルガモが立ちはだかる。凪人は瞬時に彼を観察して隙を見つけ、フェイントをかけて突破した。
「……!」
「おいおい何やってんだよ?舐め過ぎてやる気も出ねぇか?」
「……いや、奴は……」
ルーサーの軽口に対して反応せずベルガモは凪人の後ろ姿を見る。ベルガモは確かに油断はしていた。日本のレベルが低いと分かっていたから。しかしそれを差し引いても良い動きだった。
「……中々楽しめそうだ」
クラリオのその呟きを聞いた者はいなかった。
「凪人!」
「りょーかい!決めろ修也!!」
凪人のセンタリングを受けた豪炎寺は爆炎を纏い、回転しながら跳び上がってその炎を強めて行く。やがて左脚に集束された炎と共に蹴り出される技の名は…、
「ファイアトルネード…改!!」
「いっけえぇーーー!!」
迫り来る炎の弾丸シュートに対してバルセロナ・オーブのキーパーであるアロンソは右手の人差し指を立てるとそれをジッと見つめてから手を指一本からパー…五本指を立てて掌でファイアトルネードを受け止めた。
『!!』
キュルキュル…と音を立てて焦げを残す事なくファイアトルネードは止められた。誰もがそれに驚愕する中、凪人はアロンソの手を見ていた。
(……まさか、指一本で止めるつもりだったのか?それを右手一本に切り替えた……?)
そしてアロンソはボールをゆったりと蹴ってコロコロ…と豪炎寺の足元に転がす。それから指をクイクイ…と己に向けて動かし挑発する。もっと撃って来いと。
豪炎寺は鬼道に視線を向け、鬼道も凪人を呼ぶ。
「斎村!」
「おう!」
鬼道にボールが渡ると同時に上空に蹴り上げられるボール。紫色のオーラを纏いつつ、稲妻を帯びて落下してくる。それを鬼道、凪人、豪炎寺の三人で一斉に蹴り出す。
「「「イナズマブレイク!!」」」
そうして撃ち出した現雷門最強クラスの必殺シュート。しかしアロンソは跳び上がるとすぐに落下してイナズマブレイクに強烈なスタンプをお見舞いした上で三回程足踏みをしてその勢いを完全に殺した。
『なっ!?』
「馬鹿な…!?」
「あんな止め方をするとはな……流石は世界だ」
驚愕する雷門イレブンと会場のサポーター達。しかしそんな中でも凪人は彼らのプレーをよく観察し、分析していた。
(これが世界標準レベル……強い!でも分かった事がある。原作イナズマイレブンの基準で見れば……こいつらはジェミニストーム程じゃない!勝機は無くても、付け入る隙はある!!)
そう考えながら凪人が走り出すと同時にアロンソはクラリオにボールを投げ渡す。
「ディフェンス!準備しろ!!」
そして凪人はドリブルして走るクラリオに追い付き、タックルを仕掛けつつ、ボールを奪う瞬間を伺う。
「……ほう」
クラリオはそんな凪人を見てまるで感心するかのような声を出す。その瞬間に凪人は叫ぶ。
「風丸!土門!」
「「おう!」」
二人が同時に飛び出てクラリオがキープするボールに脚をヒットさせ、奪おうとする。クラリオは凪人に気を取られて反応が一瞬遅れたのだ。
しかしクラリオは意に介さずにボールを強く蹴り込み、二人をいなして突破した。
「……悪くない」
そしてFWのルーサーにパス。ベルガモとのツートップで駆け上がる。立ちはだかるのは壁山と栗松。二人をワンツーで突破しようとした瞬間に凪人と鬼道がそれぞれ叫ぶ。
「一之瀬!11番の前に!」
「マックスは9番に仕掛けろ!」
「「おう!」」
二人の指示に従ってパスコースを潰し、ボールを奪いにかかる。ルーサーは二人を軽く躱しながらも試合前の評価を改める。
「意外と普通に良いじゃねぇか。さっきのベルガモの件はそういう事か……」
そして凪人のマークを振り払ってゴール前に来たクラリオへとボールが戻り、円堂とクラリオの一騎討ち。
「来い!」
「ふんっ!」
シュートが放たれた。必殺技でも何でもないただのシュート。しかしそれは疾かった。日本のレベルでは対応する間も無くゴールを決められる程に。
しかし円堂は……円堂だけは違った。
「くっ!どりゃあああっ!!」
シュートに飛び付き、その手でボールを掴んだ。しかしそれまで。ボールの勢いは止められずに手は弾かれ、ボールはそのままネットに突き刺さる。
0-1
「……い、今のは……なんてシュートなんだ……!!」
華麗過ぎるシュートにスタジアムは静まり返る。円堂さえ反応して触れるので精一杯だった。
しかしクラリオ達の実力に唖然とする日本側とは対照的にバルセロナ・オーブもまた雷門を評価していた。
「……成る程。これは伸びしろがある上に成長力も爆発的に持っているようだ。向こうの監督は我々とぶつかる事でそれを彼らを飛躍的に急成長させる刺激にしようとしているのだろう」
「……まさか敵を強くする役割を請け負っちまうなんてなぁ。こりゃあここで勝ってもいずれ割に合わなくなるぞ?」
「……ならば手を抜いた上で勝つと?」
「それこそまさか。敵がより強くなってくれんならそれが一番だ。俺達のレベルを徹底的に見せた上で勝とうじゃねぇか」
「……決まりだな」
そしてバルセロナ・オーブの思惑を知らずして全力で戦う決意を改めて固める雷門イレブン。そしてバルセロナ・オーブと雷門はそれぞれに知る事になる。
世界との実力差と……日本の爆発的な潜在能力を。
正史の世界線から派生したアレスルートでもフットボールフロンティア優勝時点で全員原作より強いので原作リローデッドよりかは善戦します。
また、このバルセロナ・オーブ戦を始めとして原作アレスの天秤とのバタフライ効果が多く起こります。主に主人公が無印のフットボールフロンティア編から大きく無印キャラ達に影響を与えた事によって。
雷門サッカー部
監督:響木正剛
1.円堂守 GK(キャプテン)
2.風丸一郎太 DF/MF
3.壁山塀吾郎 DF
4.影野仁 DF
5.栗松鉄平 DF
6.半田真一 MF/DF
7.少林寺歩 MF
8.宍戸佐吉 MF
9.松野空介 MF/FW
10.豪炎寺修也 FW
11.染岡竜吾 FW
12.目金欠流 FW/MF
13.土門飛鳥 DF
14.鬼道有人 MF
15.斎村凪人 MF/FW(副キャプテン)
16.一之瀬一哉 MF
17.多摩野五郎 DF
本編の修正に伴って主人公の背番号は20番から15番に変更されてます。