イナズマイレブン -もう一つの伝説-   作:メンマ46号

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令和最初の投稿。

やはり三話で終わった。前回と前々回のサブタイも修正。世宇子戦、決着です。


稲妻走る!閃電vs世宇子・後編

 side三人称

 

 後半が始まって暫く。閃電と世宇子の試合は2-2の同点のまま、より白熱した勝負を繰り広げていた。

 

 センターサークルを少し越えた地点を凪人がドリブルで駆け上がる。そしてその目の前に立ち塞がるのはアフロディ。もう何度目になるか……この二人のマッチアップに観客も実況も…誰もが熱くなり、盛り上がる。

 

『おおーっと!またしても斎村とアフロディのマッチアップだぁーーー!!昨年のフットボールフロンティア決勝を彷彿とさせる雷門の副キャプテンと世宇子のキャプテンによるボールの奪い合いが繰り広げられているーーー!!』

 

 スタジアム全体が二人に注目する中、凪人とアフロディはお互いの顔を見て同時にクスリと笑って、呟き合う。

 

「……楽しいな」

 

「ーーーああ…!」

 

 アフロディを抜き去る為に凪人は彼の右側を通り抜けようと身を乗り出す。しかしアフロディもそれを読んでいるのか、身体の左側を偏らせ、突破コースを身体で塞ぎにかかる。しかし凪人も即座に切り返して逆サイドで走り出す。アフロディもそれを追う。

 

「くっ…!」

 

「はぁっ!」

 

 足を伸ばしてボールを奪おうとするアフロディに対し、凪人はボールを足で転がし続けてどうにかボールをキープし続ける。互いが互いを出し抜くその瞬間を狙い続け、ボールを巡って戦うその様に魅入ってしまう者は多かった。

 

 そして凪人は己の背中を壁にアフロディとボールを阻む事に成功した。アフロディはどうにか凪人の前へ行こうともがく。同時に後ろのアフロディに気を取られているであろう凪人からボールを奪う為に世宇子の他のメンバーが迫る。

 

「それっ!」

 

 しかし凪人はアフロディが凪人の前側に行こうとして足と足の間ーーー股が大きく開いたその瞬間を察知してそのまま踵で後ろへとボールを蹴り込み、股抜きによってボールをアフロディの真後ろへと運んだ。

 

「なっ…!だが……!!」

 

 このプレーには驚いたものの、逆にアフロディにはチャンスと言えた。すぐに後ろを振り向いてボールを確保しようとその身を動かす。だがその前にいつの間にかアフロディの背後でスタンバイしていたサトルが先にボールを確保し、そのまま真上にセンタリングを放った。

 

『!?』

 

「ナイスプレーだ!星宮!!」

 

 それから凪人は流れるように地面を踏みしめて右回転で身体を回転させながら飛び上がる。そしてその周囲には強い熱気を放つ爆炎が渦巻く。それを纏った右脚でボールをゴール目掛けて蹴り出した。言うまでもなくファイアトルネードだ。

 

「ファイアトルネード…改!」

 

「いっけえええっ!!」

 

「ファイアトルネードだと!?」

 

 ペナルティエリアから少しばかり遠いが凪人の実力ならば充分な威力を保てる距離だ。凪人のシュートが相手では二代目ポセイドンと言えど分が悪い。だがこのファイアトルネードによる脅威はそれだけではなかった。

 

「ナイスタイミングだぜ斎村っ!!」

 

 ファイアトルネードは直接ゴールまで向かわず、その手前の所で急降下。そこで待ち構えていたのは桐林だ。桐林は全力のシュート体勢を整えて落ちて来たファイアトルネードをそのまま前方へと蹴り出した。

 

「「ツインブーストF!!」」

 

 ファイアトルネードとツインブーストのオーバーライド。至極単純な組み合わせ方だが、単純故に威力を非常に効率良く合算出来ている。津波ウォールやギガントウォールなど容易くぶち抜くだろう。

 だが世宇子とてこのシュートを通すつもりは全く無い。ディオとアレスがシュートコースに立ち、シュートブロックを仕掛ける。

 

「裁きの鉄槌!!」

 

「メガクエイク!!」

 

 天から降りたエネルギー体の足が上から抑え付け、盛り上がった巨大な断崖絶壁が下と前から衝撃と壁を作ってツインブーストFの威力を殺しにかかる。二つの技はツインブーストFの前に砕け散ったが、確かにその威力は徹底的に削がれていた。

 

「フンッ!!」

 

 二代目ポセイドンがその身を独楽のように回転させ、そのスピンによってシュートを弾き、ハデスの元へとボールは転がっていった。

 

「「くっ!」」

 

 世宇子の連携ディフェンスによって得点を阻まれた凪人と桐林の顔は当然苦々しいものになっていた。決められる自信があったのなら尚更だ。

 

 今度は世宇子の攻撃。ハデスがボールを前方へとロングパスを出し、デメテル、ペルセウスを経由して早速アフロディへとボールが渡った。アフロディの進行を止める為に閃電のディフェンス陣が一斉に必殺技を仕掛ける。何よりもヘブンズタイムを発動させない為に。

 

「ブレードアタック!!」

 

「スピニングカット!」

 

「フレイムダンス!」

 

「サイクロン!!」

 

「えげつなっ!」

 

 予め指示していた凪人が言うのもなんだが明らかにオーバーキルでえげつないディフェンス技の嵐だった。四つのエネルギーがアフロディに直撃し、その場に砂煙が舞う。

 

「……え?」

 

 砂煙が晴れればそこには金色の翼がアフロディを守るように包んでいた。そしてその翼が広げられれば無傷のアフロディが立っていた。

 

(……ゴッドブレイク?いや、何か違う……?)

 

 凪人の知る知識の中にあるゴッドノウズの上位互換と言える究極奥義が浮かぶが、それとは少し異なる。正確にはゴッドブレイクの領域にまだ届いていないような……そんな翼だった。

 

「この技を応用しなければ……僕は成す術無く、ボールを奪われていただろう。君達はやはり強い…!だが僕は…僕達はそれを超えていく!!かつての過ちも…敗北も……全てを乗り越える!!」

 

 アフロディはボールを蹴り上げ、その金色の翼によって大空を飛翔する。そして凄まじい稲妻のエネルギーをボールに注いで蹴り出した。

 

「ゴッドノウズ・インパクト!!」

 

「ゴッドノウズを進化させたのか!?」

 

 神のみぞ知る衝撃。ゴッドノウズを凌駕するパワーによってゴール前のペナルティエリア内の地面がみるみる砕け散って行く。威力こそ凪人の知るゴッドブレイクには及ばないだろうが、そのゴッドブレイクではなく、このシュートこそがゴッドノウズの正当進化なのではないか。凪人は素直にそう思った。それ程に強く美しい必殺技だった。

 

 そのシュートを止める為にキーパーの堂本は怯む事無く、その右腕に黒い稲妻を纏って龍の腕を創り出す。

 

「ドラゴンスクラッチ!!」

 

 衝突する進化した神の御技と龍の鉤爪。堂本のドラゴンスクラッチによる爪の斬撃でゴッドノウズ・インパクトのパワーを消し飛ばしにかかる。しかしそのパワーはゴッドノウズの比ではない。そのパワーを消し飛ばす事は出来ず、逆に堂本の必殺技のパワーが押し負け、消し飛んだ。

 

「何ぃっ!?」

 

「勝つのは……僕達だ!!」

 

 ドラゴンスクラッチ……龍の腕が消し飛び、元に戻ってしまった以上、堂本に勝ち目は無かった。ゴッドノウズ・インパクトはそのままゴールに直進し、それをどうにか押し止めようとした堂本諸共ゴールネットに突き刺さった。

 

 2-3

 

『き、決まったぁーーー!!アフロディの新必殺技、ゴッドノウズ・インパクトによって世宇子が逆転し返したぁーー!!再びリードを勝ち取った世宇子が一気に有利になったぁーー!!後半は残り半分!閃電には苦しい展開かーー!?』

 

 スタジアムが最高潮に盛り上がった。角馬王将の実況が更にそれを後押しする。後半残り15分、この15分で閃電は2点を奪わねばならない。

 

「……ちっくしょ〜!俺のドラゴンスクラッチがこんな簡単に破られるなんて……!!」

 

「ま、アフロディだって円堂のマジン・ザ・ハンドを破る為に新必殺技くらい開発してただろうからな。予想はしていた」

 

 軽く言う凪人だったが、その顔には確かな冷や汗と焦りの表情があった。そして意を決したようにチームメイト達を集め、これからの策を告げる。

 

「まずは俺があの技で世宇子のディフェンスを蹴散らす。星宮、桐林、刀条……お前達であの技を決めろ。そして最後はーーーー…」

 

****

 

 観客席では2-3という世宇子リードの閃電が苦しい展開を円堂達が見守っていた。

 

「これだけ激しい試合だ…。どっちも体力はあまり残っていないだろう。閃電が逆転するには斎村に優れた戦術が要求されるな」

 

「アフロディ達、本当に強くなったな。そりゃ去年も強かったけど……重みが違う。神のアクアなんて無くても、やっぱりあいつらすっげー強え。今のアフロディ達はサッカーを楽しんでる」

 

 風丸と円堂はそれぞれ閃電と世宇子の現状について話している。一方で昨年世宇子にズタボロにされた佐久間と源田は黙って試合を見守る。世宇子への恨みはもう無い。だからこそ、結果で世宇子が本当のサッカーを示してくれる事を願う。

 豪炎寺は何も語らない。ただ己の相棒でありライバルである凪人が閃電を率いてどう戦うのか……闇から抜け出した世宇子が見せるサッカーの行き着く先は何なのか……それを見極める。

 

「……さて、見せて貰おうか。『フィールドの軍神』と『天空の支配者』、どちらが勝つのか」

 

 不動は不敵に笑いながら、この熱き試合を誰よりも楽しんで観ていた。

 

****

 

「赤木!アポロンをマーク!海原は…」

 

 凪人の指揮によって閃電イレブンはフィールド上を縦横無尽に駆け回る。圧倒的な運動量だがそれに耐えられるだけのスタミナが彼らにはある。そして残り時間が少ない故の消耗を度外視したプレー。やれる事を全力でやらなければ勝っても負けても後悔する。それが分かっているからこそのものだった。

 

「はぁーーー!」

 

 デメテルのスライディングをサトルが躱して突破する。そして隣に並走する凪人へパス。そして凪人の左手でジェスチャーを出すとサトルは頷き、別方向へ移動を始める。

 

(1…2…駄目だ。もっとだ…!!)

 

 凪人は前方へとドリブルで全力疾走。直接ゴールを狙う為に走っていると誰もが思った。当然、アフロディを始めとする世宇子の面々が全力で阻止しにかかる。

 

「敵はなり振り構わず来る!彼に化身を出させるな!!」

 

 世宇子イレブンが何人も固まって凪人の前に出て来るご丁寧で前方へのパスが出来ないように味方同士、ある程度の距離を保って。

 

(4…5…充分だ。だが範囲外…!もっと近くに来い……!!……来たっ!!)

 

 凪人は凪人で人数とタイミング、距離を図り、彼らの接近を待っていた。そして凪人の狙った全ての条件が整ったその時、凪人は一瞬だけだが立ち止まって、その手にエネルギーを集め、剣を具現化した。

 

『!!』

 

「行くぞ…!」

 

 そして高い瞬発力で前に出ると同時に横に一閃。目の前にいる世宇子メンバーを全員纏めて弾き飛ばした。

 

「王の剣!!」

 

 具現化された聖剣エクスカリバーを振り、世宇子のディフェンスを完全突破。そして右前方へとパス。それをサトルが受け取り、その両隣を桐林と刀条が並走する。

 

「決めろ!」

 

 そして三人の加速が沸点に達した瞬間に三人の走る道は交錯し、それが成功した瞬間に道跡がメラメラと凄まじい豪火を発する。

 

 そこから発生した火柱が巨大な火の不死鳥を形成する。三人は飛び上がり、両脚を使ってボールを蹴り込んで発射。爆炎より生まれ出た不死鳥はシュートと共にゴールへと向かって行く。

 

「「「ザ・フェニックス!!」」」

 

 かつての雷門の必殺シュートの一つ。一之瀬、円堂(または風丸)、土門の必殺技を凪人は閃電に伝授していた。その中でも最強の必殺技、それがザ・フェニックス。元々はとあるオーバーライド技の為に覚えさせた技だが、この技だけでも相当の威力を持つ。

 

「う、うおおおおおっ!?」

 

 二代目ポセイドンにはこの技を止めるだけの力は無く、そのままゴール。ゴールネットを焦がしながらもボールが突き刺さる。

 

 3-3

 

『よっしゃあーーーー!!』

 

 閃電は世宇子を相手に同点ゴールを決め、見事に追い付いてみせた。後半も残り5分。決着の時は迫っていた。

 

****

 

『さぁー、フットボールフロンティア予選大会、関東Cグループ最終戦、閃電中対世宇子中の試合も残り時間はあと僅か!たった今アディショナルタイムに突入!勝つのは世宇子か!?閃電か!?このまま引き分けで終わるのか!?勝利の女神はどちらに微笑むのか!これは見逃せないぞぉーー!!』

 

 実況が述べた通り、残り時間は本当に僅かだった。一進一退の攻防の末、どちらもまだシュートに持ち込めていない。世宇子で堂本からゴールを奪えるのはアフロディのみ。閃電の方はとにかくシュートに持ち込めればゴールを奪えるだけの必殺技も人員も揃ってはいるが、両者のその微妙なバランスこそが互いに決してシュートを撃たせまいとする想いに拍車をかけていた。

 

「堕天の王 ルシファー!!!」

 

 凪人がとうとう化身を発動し、迫り来る世宇子メンバーを纏めて蹴散らしていく。世宇子はそのパワーに成す術なく、押し負けると思われたが、凪人の体力もまたこれまでの激しい攻防や運動量から万全とは言えず、化身も本来のパワーを殆ど発揮出来ていなかった。

 

「メガクエイク!!」

 

「「裁きの鉄槌!」」

 

 故に世宇子は大技のディフェンスで凪人とその化身を攻略しにかかっていた。

 

「はぁ…はぁ……!」

 

 そしてそれらの大技から仲間をかばう為に化身を使って凌いでいたからこそ、凪人もここに来て更に急激な消耗を余儀なくされていた。

 

(考えろ…!一気にゴール前まで行き着く為の策を……!!どうすれば良い……?ディフェンスを完全に突破してキーパーとの一騎討ちに持ち込むんだ!!)

 

「スーパースキャン!」

 

 するとアテナがここに来て凪人を即座に分析する事でボールを奪う動きを弾き出すスーパースキャンという必殺技を使い、見事に奪い取った。化身を出し続ける事により、アテナ個人に向ける集中力が欠如していた故の痛恨のミスだった。

 

「し、しまった!!」

 

「キャプテン!」

 

 そしてペナルティエリアにいるアフロディへとボールが繋がってしまった。アフロディはゴッドノウズ・インパクトを撃つ為にパワーを背中に集中させる。

 アフロディと対峙する堂本は考えていた。どうすれば良いか……これまで経験や今の実力からして天地がひっくり返ろうとも今の堂本にゴッドノウズ・インパクトは止められない。

 

(だったら……!)

 

「撃たせねぇーーーーーーーーーー!!!」

 

 キーパー特有の脚のバネと鍛えられた走力を生かした全力ダッシュでアフロディの元へ駆け出し、ボールへと飛び付いた。そしてアフロディが蹴り上げる前にボールをその手に掴んでその場を転がった。

 

『と、止めたぁーー!!堂本、アフロディのゴッドノウズ・インパクトを不発に抑えたーーー!!』

 

(な、なんて執念なんだ……。本当に…円堂君を見ている気分になってくる……。これが……彼こそが、君が閃電を選んだ理由なんだね、斎村君……)

 

 アフロディは堂本の執念のプレーを前に驚愕と円堂を見ているような錯覚を覚える。

 そして凪人は一瞬だけ目蓋を閉じ、カッと見開くと同時に叫ぶ。

 

「上に上げろ堂本ォーーー!!」

 

「っ!おうっ!!」

 

「石島、種田、赤木、刀条!お前達も飛べっ!!」

 

 堂本は凪人の指示に迷わず従い、ボールを右方向の上空に蹴り出す。そして他のメンバーもまた凪人の指示に従って飛び上がる。ボールは石島が空中でキープしてある事に気付く。

 

「こ、これは……空中にパスルートが!?」

 

 そう。空中にはパスを阻む者は誰もいない。それどころかパスを出す味方がいる。石島、種田、赤木、刀条……と流れるように素早くパスを出す。

 

『こ、これは世宇子が得意とする空中戦術!閃電が徹底して地上戦に持ち込んでいた為に世宇子は空中戦をしなかった!!だがその裏をかいて逆に閃電が空中戦をここで仕掛けたぁーーー!!』

 

「必殺タクティクス、ルート・オブ・スカイ…ってな」

 

 凪人は世宇子イレブンが空中に気を取られている間に一気に前線へ駆け上がる。そして空中のパスルートの最後にいた刀条からパスを受け、ゴール前へ飛び出した。

 

「くっそお!!」

 

「撃たせん!!」

 

 だがディオとアレス、ハデスが凪人の前に立ちはだかる。化身を出すだけの体力がもう無い凪人からすれば非常に嫌なタイミングでのディフェンスだった。

 

(シャイニングランスを撃ってもシュートブロックされちまう…!化身はもう出せねえってのに……!!)

 

「僕が一緒に撃つ!」

 

「!」

 

 そんな凪人の隣をいつの間にかサトルが並んで走っていた。何故……とは聞かないし思わない。それが仲間。チームメイトなのだから。凪人はフッ…と笑うとサトルに呼び掛ける。

 

「行くぞ……“サトル”!!」

 

「ああ…“凪人”!!」

 

 本人達にその自覚はあるのかは分からない。だが確かに彼らは互いを名前で呼び合った。それを引き金とした信頼が…彼らの新たな力を引き出した。

 

「オラァ!!」

 

 凪人は真上に向かって全力で光のシュートを穿つ。サトルはそれを追って飛び上がり追い付くと同時に両腕両脚を広げて力の限り叫び、溢れる全てのパワーを放出する。

 

「うあああああああああああああっ!!!」

 

 それによりその周囲に広大な星雲が広がる。すると凪人のシュートによって光のエネルギーが込められていたボールがその星雲を吸い込み始め、その全てを吸収するとボールは凄まじいエネルギーを感じ取れるまでにその力がチャージされる。

 そしてサトルはそのままボールに両足の裏でのキックを……凪人は飛び上がってのオーバーヘッドキックを……同時に叩き込んだ。

 

「「ネブラ…スピアー!!!」」

 

 そして蹴り出されたシュートは超巨大な一本の光の槍となってゴールに突き出された。そのパワーはこれまでに類を見ない程の圧倒的な威力を誇っていた。

 

「止めろぉーーー!!」

 

 アフロディの叫びと全く同じタイミングで世宇子のディフェンス陣とキーパーである二代目ポセイドンは蹴散らされた。

 そのシュートはゴールを突き破って後ろの壁へと減り込み、その摩擦で煙と焦げを発生させた。

 

 4-3

 

『き、決まったぁーーー!!最後に決めたのはキャプテン星宮と強化委員斎村だァーーー!!』

 

 ピッ、ピッ、ピーーーーッ!!

 

『ここで試合終了のホイッスル!!かつてないまでの激戦の末、勝利を掴み取ったのは閃電中だぁーーーーー!!!』

 

「「や…!」」

 

『やったぁーーーーー!!』

 

 凪人とサトルが勝利の喜びの叫びを上げようとしたその寸前、それより先に二人の元へ駆け寄って来た閃電イレブンが叫び、二人にのしかかった。

 

 電光掲示板には今回のMVPのイレブンライセンスカードが表示される。今回のMVPはゴッドノウズを止め、更にゴッドノウズ・インパクトを不発に抑え、最後の逆転勝利のきっかけを生み出した堂本だ。

 

「……今の僕達が負けるとは……やっぱり雷門魂は一筋縄ではいかないな」

 

 敗北したアフロディ達世宇子イレブンは勝利を掴み、喜びを分かち合う閃電イレブンを見て悔しがりながらも何処か清々しい表情で彼らを見ていた。

 

(やっぱり負けるのは悔しい……!でもそれ以上に…楽しかった……)

 

 すると凪人がアフロディの前に駆け寄って来た。そして笑顔で握手を求めながら同時に同意を求めて告げる。

 

「アフロディ、良い試合だったな!」

 

「!……ああ。凄く楽しかった。またやろう。そして次こそ僕達が勝つ!!」

 

 アフロディは握手に応じ、爽やかにリベンジを宣言する。その様子にこの世宇子スタジアム全域から惜しみない賞賛の拍手の嵐が巻き起こった。

 

「次はお互い全国だ。別々のブロックに配置されるだろうから、当たるとしたら決勝以外あり得ないぜ?」

 

「元より優勝するつもりさ。君達こそ僕達に勝っておきながら、決勝に来る前に負けないでくれよ?」

 

「お互い様だ」

 

 こうして関東Cグループ予選は全試合が終了した。全国大会に出場するのは1位通過を決めた閃電中と2位の世宇子中となった。そしてこの試合を観ていたほぼ全てのチームがある目標を掲げただろう。

 

 打倒閃電中、打倒世宇子中。

 

 そして世宇子スタジアムのフィールドのど真ん中で堂本が観客達に向かって叫んだ。

 

「次は…全国だぁーー!!」




これにて世宇子戦も終了!閃電の次の舞台は全国大会です。……けどその前にもうちっとだけAグループの方をやるんじゃ。

オリジナル技解説

【ネブラスピアー】
シュート
属性・山
TP アレス・70/ オリオン・70(仮定)
威力:ラストリゾートと同等

本編より先に出た主人公とサトルの連携シュート技。威力はラストリゾートクラスというチート。名前は正史・本編のエイリアルートでのサトルのエイリアネーム、ネブラから。なんでこんな奇跡的な偶然の一致をしたのかは不明(作者の意図)。

ゲーム風説明文
星雲の光が槍となって敵のゴールを穿つ!友情の究極奥義。
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