イナズマイレブン -もう一つの伝説-   作:メンマ46号

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これまでの事からどうせまた三話くらいで終わるだろとタカを括って今回は「前編」と付けました。

これで四話以上行ったら私には計画性が無いという事になるのだろうか?なるんだろうな。


リベンジマッチ!雷門vs星章 前編

 side三人称

 

 -雷門スタジアム

 

 今日はいよいよフットボールフロンティア予選大会、関東Aグループの最終戦、雷門中vs星章学園の日だ。この試合の結果によって、全国大会に出場するチームが決まる。

 

 星章学園が勝てばそのまま彼らの全国大会への進出が決まり、逆に雷門が勝てばその枠は木戸川清修のものとなる。そして引き分けならば星章と木戸川清修の双方が全国大会へ出場する事になる。

 

『フットボールフロンティア予選もいよいよ最終戦だぁ!対戦相手が大会を棄権した事により、初戦でぶつかった雷門中と星章学園が再びぶつかる事になりましたぁ!!』

 

 そんな重要な試合を見守る…はずだった斎村凪人は少しばかり辟易した表情で目の前にある物体を見ていた。

 

「……野坂、一応聞いておくが……これはなんだ?」

 

「スタジアムグルメ、棘もじゃ焼きそば雷おこしサンドです」

 

「なんだこの炭水化物に炭水化物を合わせたカロリーのバケモンは。大体焼きそばとサンドイッチを同時に食う気になれるか。てゆーか、和菓子をパンで挟んで食うなんて発想よく思い付いたなオイ。胸焼けするわ」

 

 先程偶然鉢合わせた野坂が持っていたスタジアムグルメを見て凪人はドン引きしていた。ボリュームが異常というのもあるが、それ以上に焼きそばに雷おこしのサンドイッチをセットするというある種の凶行にだ。

 

「これは敢えて炭水化物に炭水化物を重ねているんじゃないでしょうか。試合観戦にはエネルギーを使いますからね。焼きそばからサンド、サンドから焼きそば……どちらから入っても楽しめる上にサンドから焼きそばからサンドというように焼きそばをサンドでサンドする形でも楽しめます」

 

「焼きそばサンド焼きそばサンドうるせーよ!ゲシュタルト崩壊起こすわ!そもそもそのサンド自体、雷おこし挟んでんの忘れんな。和菓子挟んでる時点でまともなサンドとして成立してねーよ」

 

 流れるようにツッコミを連発する凪人に対し、よく分からない解説でこの焼きそばとサンドイッチについて語る野坂。

 

「つか何この焼きそばの上にある棘って…」

 

「さあ?取り敢えず西蔭の分は棘大盛りにして貰っています」

 

「それただの嫌がらせじゃね?」

 

 後から来るであろう西蔭に僅かながら同情しつつ、凪人はふと気になった事を尋ねる。

 

「つーかお前、行く先々のスタジアムで観戦中に買い食いしてるの良く見るけど、最早ただのB級グルメ担当になってねーか?」

 

「その自負はあります」

 

 自覚ではなく、自負と言う辺り、野坂のグルメ趣味の真剣さが伺える。仮にも『アレスの天秤』を背負う彼がこんな調子で大丈夫なのかと思いつつも、待ち合わせがあるので野坂とはここで別れる事にする。

 

「あ、待って下さい。折角ですから雷おこしサンド、お一つどうぞ」

 

「この流れで普通それ渡すか?」

 

****

 

 そしてスタジアムのピッチでは雷門イレブンと星章イレブンが並び、睨み合う。そこには当然星章のエースである灰崎と強化委員としてこのチームを成長させた、『ピッチの絶対指導者』鬼道有人の姿があった。

 

(この試合は絶対に負けられん。この試合の結果次第で全国大会に進めるか否かが決まる。そしてそれはFFIにおける日本代表の選考にも影響してくるだろう……)

 

「よォ、てめーらのサッカーごっこを今日ここで終わらせてやるよ」

 

「俺達は俺達のサッカーをやる。そして勝つ!」

 

「!……稲森」

 

 最初は嘲笑の笑みを浮かべていた灰崎だが、稲森は何処までもまっすぐに灰崎を見て、返答して来る。そんな稲森が気に入らないのか、灰崎は少しばかり目付きを鋭くして彼を睨んだ。

 

 そして灰崎への宣言を済ませた稲森はチームメイトの元へ駆け寄る。全員が揃ったのを確認した道成はキャプテンとして仲間達を鼓舞する。

 

「これまで俺達は幾度となく敗北し、辛酸を舐める事になって来た。だがそれでも敗北から得るものは沢山あった!」

 

「ああ。最初に戦った時より、確実に強くなっているはずだ!」

 

「スランプだって乗り越えたしな!」

 

「絶対豪炎寺さんを全国に送り出すんだ!!」

 

「皆!この試合、必ず勝つぞ!!」

 

『おおーっ!!』

 

 雷門側は気合充分。拳を振り上げ、各々がポジションに付く。

 

(勝負する前に気持ちで負けてちゃ駄目なんだ。この試合、絶対に勝つ!!)

 

 新たな決意を胸に、雷門と星章は全員がポジションに付き、試合開始のホイッスルを待つ。前半は星章のボールで試合が始まる。

 

『雷門中対星章学園!星章と木戸川清修の全国大会進出を賭けた運命の一戦が始まります!!いざキックオフ!!』

 

 実況に合わせて試合開始のホイッスルが鳴り響く。星章は鬼道がボールを最初に蹴る。そしてまず灰崎が前方に飛び出した。

 

「寄越せ!鬼道!!」

 

「……」

 

 灰崎の要求を飲み、まずは様子見も兼ねて鬼道はボールを灰崎へとパスをする。すると灰崎は雷門のゴールを睨み、全力キックでボールを蹴り出した。

 

「食らいやがれえぇぇっ!!」

 

 鋭く、周囲の空気を巻き込んで竜巻をコーティングされたシュートはセンターサークルからペナルティエリアの距離を軽々と飛び越え、雷門イレブンに反応する暇も与えずにその隙間を潜り抜けてゴールネットへと突き刺さった。

 

「……え?」

 

 0-1

 

『ご、ゴォール!!試合開始から僅か数秒で星章が先制!!決めたのやはりこの男ォ!「フィールドの悪魔」灰崎凌兵だぁぁーーー!!!』

 

 対して雷門は今の失点を愕然とした表情で見て、表情を暗くする。

 

「マジかよ…」

 

「まだ一歩も動いてないのに……!?」

 

「あんなシュートを撃たれたら…」

 

「スランプを克服しても、切り札があっても勝ち目無いでゴス……!!」

 

「チッ…あん時のお返しって訳か」

 

 小僧丸の脳裏に過ったのは初めて雷門と星章がぶつかった日の先制点となったファイアトルネード。開始早々に決めたあの1点の趣返しとして、灰崎はそれをも上回る早さで先制点を挙げたのだ。

 

「どうだ?稲森、これが絶望的なまでの力の差って奴だ…」

 

 灰崎はこの1点で稲森の顔に絶望を植え付けようと思っていたのか、ちょっとしたドヤ顔で実力差を語る。しかし稲森の表情にそれによる憂いはない。むしろ笑っていた。

 

「っ…!」

 

 そして稲森は灰崎の挑発を意に介する事なく、仲間達を励ましていく。

 

「皆ごめん!シュートを簡単に撃たせ過ぎた。俺達FWがガンガンプレッシャーかけていくから、ディフェンスもまずはゴール前をガッチリ固めよう!」

 

 そして稲森に励まされたチームメイト達の顔も次第に明るくなっていく。それが灰崎を苛立たせた。

 

「稲森ィ…!!その打たれ強さだけは褒めてやる……!!だが、何処までそんな顔でいられるかな…?」

 

「いくぞ!まだまだこれからだ!!」

 

 そして今度は雷門のボールで試合再開。彼らは星章のゴールを奪う為に駆けて行く。

 しかしそんな稲森が心底気に入らない灰崎は即座に稲森からボールを奪い、雷門陣営に駆け上がる。

 

(絶望って奴を見せてやる!!俺のサッカーはてめーらのとは違う!始まりも!ボールを追う理由(わけ)も!何もかもが!!)

 

「てめーらのごっことは違えんだよォォォ!!!」

 

 小僧丸や剛陣、雷門のFWを軽々と突破し、中盤に差し掛かる。当然、雷門のMF達も縦横無尽に駆け回る悪魔そのものと言える灰崎に対抗出来るはずもなく、ただただ翻弄される。

 

(灰崎……お前の抱える闇は分かっている。闇が深く、影が濃い程、太陽の眩しさは刺さって来るんだ)

 

 鬼道はそんな灰崎の後ろ姿を追いながら、かつて自分を変えた太陽(円堂)と今灰崎を変えようとしている太陽(稲森)を重ね合わせる。

 

(稲森ィ…!お前如きに俺のサッカーを語る権利は無え!!)

 

 しつこく喰らい付いて来る稲森を引き離す為、灰崎は一旦折緒にパスを出し、それに稲森が驚いた隙を突いて一気に加速して引き離し、反射的に返されたパスを受け取ってまた走り出す。

 

(俺のやろうとしている事はお前如きに止められねえんだよ!!)

 

 灰崎はかつてのただ暴れるだけの悪魔ではない。チームメイトと連携をする事が出来るエースストライカーだ。彼自身も成長し続ける。故に雷門がどれだけ成長していようと、灰崎と星章学園は止められない。

 

「灰崎の奴、荒れてんなぁ」

 

「だが連携に滞りもミスもない。荒々しいプレーとは裏腹に冷静な思考も残っているだろう」

 

 凪人と豪炎寺は観客席から灰崎を冷静に分析する。豪炎寺は今回全国大会への進出がかかっているこの試合を見逃す訳にはいかず、こうして観戦している次第だが、やはり今のペースでは雷門の勝利どころか引き分けすら期待出来ない。

 

「その灰崎をどうにかしないと雷門は攻撃に転じる事も出来ねぇ。それが出来たところで鬼道を封じなきゃカウンター食らって終わりだな」

 

「……だが、お前は期待しているんだろう?雷門ではなく、趙金雲に」

 

「……調べたらかなり不可解な経歴持ってたんだよ。あのおっさん。あのスタンフォード大学を主席卒業後、カンフー師範、軍人、野球選手、サッカー選手を三年ずつ転々と渡り歩いてから満を持してサッカーの監督をしたらたったの一年で引退してたんだ。その後10年くらいスポーツ界の歴史から姿を消していた。んでその理由が世界サッカー協会に除名処分を下されたんだと。サッカーへの批判的行動を取ったのが原因らしいんだけど、あれだけサッカーを知り尽くした男がそんな事をするとは思えねえ。どうにもキナ臭いんだよ」

 

「……それは、確かにそうだな」

 

 凪人は閃電中のスポンサー企業である神童インストルメントと知り合いのツテで得た趙金雲についての情報を豪炎寺に語り、それを知った豪炎寺も驚きを隠せない。あの趙金雲とは本当に何者なのか。

 

「けど、今はそれは良い。それより気になるのは……これだけ実力差がかけ離れたチーム同士で、圧倒的不利な雷門を星章相手にどうやって勝たせるつもりなのか……鬼道やあの久遠監督をも上回る戦術を編み出せるのか……俺はそれがとても気になる。この試合の価値はほぼあのおっさんの戦術にあると言っても良い」

 

****

 

 攻める手を休めない灰崎に雷門は圧倒され続ける。仲間達のアシストを受けてゴール前に躍り出た灰崎は飛び上がり、全力を込めた咆哮によって八匹のペンギンを召喚する。

 

「うおおおおっ!!パーフェクトペンギン!!」

 

 ボールを器にしてその中にエネルギー体としてペンギン達は入り込む。そんなボールを灰崎がボレーキックで蹴り出すと同時にペンギン達は再び姿を見せる。すると今度はゴールに向かうボールの中に再び入り込むだけでなく、ボールを媒体に融合を果たし、金色の巨大ペンギンとなって雷門のゴールへと襲いかかる。

 

 当然、これ程のシュートが海腹が止められる訳がない。彼女はなす術なく弾かれ、ゴールネットにペンギンがダイブする。

 

 0-2

 

『ゴール!!灰崎、新たな必殺技で星章に追加点!!既に2点ものリードだぁーー!!』

 

 雷門は誰もが灰崎による無双状態に驚愕を禁じ得ない。前回の13点もの大差を付けられての敗北すら霞む程の圧倒的な力。

 灰崎は自陣に戻る途中、すれ違い様に稲森に苛立ちを向けて吐き捨てる。

 

「これが俺のサッカーだ。てめぇは精々負け試合を楽しんでろ」

 

 しかしそんな灰崎を仲間達は放ってはおかない。

 

「どうしたんだ灰崎、勝つのは分かってる試合だろ?」

 

「何故稲森をそこまで敵視するんだ?」

 

 折緒と水神矢に問われ、灰崎はイラつきながら答える。

 

「ムカつくんだよ。勝手な綺麗事を並べる奴が!」

 

 彼の脳裏には先日の稲森の言葉が過ぎる。

 

『サッカーはすげー楽しいのに、灰崎は純粋にサッカーをやりたいって思った事は無いの?』

 

(そんなもんに何の価値がある?俺はサッカーに楽しさなんざ求めてねぇんだよ!!!)

 

 全ては幼馴染であり、大切な友達である茜の為に……。彼女の心を破壊し、廃人にした全ての元凶が『アレスの天秤』だと分かったその時から灰崎はその復讐の為にサッカーをしてきた。

 

 王帝月ノ宮を叩き潰し、『アレスの天秤』に何の意味も無い事を証明する。その為だけにサッカーを始めたのだ。

 

 それなのにお門違いの意見を押し付けて来る稲森明日人が……灰崎にとっては目障りで、どうしようもなく気分を騒つかせるのだ。

 

 稲森の言葉を……価値観を認めてしまえば、自分の……復讐の為のサッカーが間違っている事になってしまう。だからこそ稲森の全てを叩き潰したいのだ。

 

「……イライラさせやがって」

 

 一方、雷門側のベンチでは灰崎達星章の勢いとこの劣勢に対し、コーチである亀田とマネージャーの大谷と神門は苦々しい想いで観戦していた。

 

「やっぱり前回の試合からの短期間で実力差が埋まるはずもなかったんだ……!」

 

「このままじゃ前回の二の舞ですよ…!?」

 

「監督〜!」

 

「心配いりませんヨ」

 

 しかしそんな三人の弱音を趙金雲はあっさりと一蹴し、ニヤリと薄ら笑みを浮かべて続ける。

 

「この試合、予め出しておいた指示以外は好きに動いて良いと彼らには伝えてありマス。……今の彼らには必要以上の作戦はいらないでショウ。……恐らく斎村君は私の作戦目当てでこの試合を観戦しているのでショウけど…」

 

「……?何で斎村君…?」

 

「彼は自分で思っている以上に、このチームを強くしてしまったのデス」

 

 そしてまたフィールドの上では3点目を奪い取りに灰崎が爆走する。この試合では徹底的に雷門を打ち負かし、彼らのメンタルを粉々に打ち砕くつもりなのだろう。

 

「おおおおおおっ!!」

 

「これ以上…好きには、させないっ!!」

 

 しかしFWであるにも関わらず、ディフェンスに回って来ていた稲森が死角からのスライディングを仕掛け、遂に灰崎からボールを奪い取る。その様子を鬼道は感心したように見ていた。

 

「ほう…」

 

「氷浦っ!」

 

「ああ!氷の矢!!」

 

 そのままダイレクトに氷浦へとパスを繋ぎ、彼もまた必殺技でボールを前線へと届ける。それを受け取ったのはエースである小僧丸だ。

 

「決めてやる!このシュートは豪炎寺さんと並び立つ為の第一歩だ!!」

 

 そのままファイアトルネードを撃つ為に星章ゴールに接近する小僧丸。しかしDFである星章キャプテン、水神矢はそれを許さない。

 

「通させるか!ゾーン・オブ・ペンタグラム!!」

 

 水神矢を中心にドーム状のエネルギーが展開され、それに包囲された小僧丸の動きが極端に遅くなる。その事に自覚はあるようで、苦々しい表情になってシュートではなく、味方へのパスをしようとボールを剛陣に向けて蹴り出す。

 

 しかし、ボールの軌道はエネルギードームの外を出た瞬間に全くの別方向へと逸れた。これが水神矢の必殺技、ゾーン・オブ・ペンタグラムの効果なのだ。

 

 そしてコースが大きく逸れたパスは鬼道へと向かって行く。また星章のターンかと思いきや、鬼道とボールの間へと道成が割り込み、ボールをその胸でトラップした。

 

「何!?」

 

「道成!こっちだ!」

 

「ああ!剛陣っ!!」

 

 即座にパスを要求した剛陣へと迷いなくボールを蹴り渡す道成。ボールを受け取った剛陣は他のDFが小僧丸と稲森ばかりをマークして、彼自身は完全にスルーされていた事からディフェンスも間に合わず、すぐにゴール前へと辿り着く。

 

(ずっと練習して来たんだ…!今がここぞって時だよな!父ちゃん!!)

 

 過去編とか読まないとよく分からない感じのモノローグ語りをしつつ、剛陣はシュートを撃つ宣言をする。

 

「食らえ!これが俺の必殺技!」

 

「トルネードですよ!剛陣先輩!」

 

「いや、斎村さんのアドバイスがあったんだ!あいつはファイアレモネードを完成させたんだ!」

 

 日和はいつものように剛陣の間違いを訂正するが、道成は真剣に剛陣のやろうとしている事を予測した。そして直後に剛陣の周囲が炭酸ジュースのような水っぽいエネルギー的なものに包まれ、彼はボールを踏み付けてゴールを睨む。

 

「ふんっ!」

 

 ボールを踏んでその反動で宙に浮かせて炭酸パワーと水分、風圧の層でボールを包む。そしてそれが落ちてくるタイミングに合わせて炎のエネルギーを内包した右脚によるシュートをぶちかました。

 

「ファイアァァ…!レモネェード!!!」

 

『!!』

 

 フィールドだけでなく、スタジアム全域に衝撃が走る。蹴り出されたボールはジャイロ回転しつつ、注がれた炎と炭酸のエネルギーを放出して纏う。炎の周りを緑色に変質した炭酸エネルギーもなんか良い感じにジャイロ回転してゴールへと向かう。

 

「もじゃキャッチ!!」

 

 それを迎え撃つキーパーの天野。その右腕から羽毛のような紫色のもじゃもじゃが展開され、ファイアレモネードを包み込む。しかしファイアレモネードの炎がなんかこう…ぶわ〜っともじゃもじゃを焼き尽くして消し飛ばす。

 

 もじゃもじゃを失った天野は直接ボールを掴みにかかる。幸い、もじゃもじゃを焼き消した炎はそれによって鳴りを潜めている。止められない威力ではなかった。そのままなら。

 

 天野が受け止めにかかってるボールはエネルギーが今にも爆散しそうな……なんかそんな感じで破裂しそうになっている。

 

「な、なんだこれは!?」

 

 そして破裂の瞬間に合わせて剛陣は後ろ側に向けていた左手を前方に向けて、握りっ屁でも解放すんのかと思わせる感じで掌を開いてそこから緑色の淡いエネルギーを解放する。

 

「SPLAAAAAAASH!!!」

 

 瞬間、ペットボトルのキャップを開けたら炭酸の所為で中身が噴き出て来たのと同じようにボールから炎とレモネード炭酸が爆発して、その衝撃が広がり、同時に焼けたレモンの匂いも充満する。

 

 そして天野とボールは星章のゴールネットを大きく揺らした。

 

 1-2

 

「バカなぁっ!?」

 

『ゴォール!!雷門、1点を返したぁぁぁっ!!その得点を挙げたのはまさかの剛陣だぁぁっ!!』

 

 歓声が上がる中、予想外の事態に星章イレブン……中でも灰崎、そして鬼道までもが状況を理解し切れずに呆然と雷門を……剛陣を見ていた。




主人公「……ゑ?」

いやぁこの試合、改変が難しい。良い意味で勢いがあり過ぎて改変の余地を見つける、割り込む要素を考えるのも一苦労です。とりあえず監督のハリボテは無しという改変をしました。

ついでに剛陣の技の描写を所々いい加減な感じにしてみました。本質はギャグキャラだと思ってるので。
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