ちょっと長過ぎたな
すまねぇ
つたない文章だけど許してください
クリス「ねぇねぇ。これセナに似合いそうだよ!」
セナ「そっ、そんな!こんなフリフリな服私には・・・」
いつの間にかさん付けから呼び捨てに代わりスキンシップも増えどこかの世界のアホの子と部長のユリユリしい姿をほんのりと思い出す
ここはお決まり露店街
今はここでクリスとセナがお互いに服を体に合わせアレじゃないコレじゃないと話し合っている
クリス「ねえねえ!ハチマン!コレとコレだとどれがいいかな?」
クリスが水色のフリルの付いた可愛らしい服と黒の落ち着いたシックな服を見せつけながら俺に詰め寄る
八幡「・・・・どれでもいいんじゃない?どれも可愛いんじゃない?似合う似合うよく似合う」
クリス「キミ、反応適当すぎない?女の子としてちょっと傷つくんだけど・・・」
いや、だってここに来てもう大分時間が経ってるよ?
待っているだけだが足が棒状態ですごく疲れた
しかも今クリスが俺に聞いてくるまで俺などそっちのけで2人でファッションショーである
正直俺が居る意味ある?
クリス「もういい!セナに聞いてくるから!」
クリスは俺に背を向けセナの元に戻るとまた明るい声で服選びを再開させた
俺は流石に暇なので近くの店を覗き込む
「へいっ!らっしゃい!いろんなポーションを取り扱ってるぜ!良かったら見てってくんなァ!」
どうやらここはポーション専門店らしく露店の台には所狭しとポーションの瓶が立ち並んでいた
そういえば回復ポーションが切れそうだったな。買っておくか
この露店街はかなり特殊な店が多い
【機動要塞デストロイヤー】の報酬金がこの街の殆どの冒険者に支給された事により商人達がこぞって稼ぎ時だとこの街で露店を開き始めた
当然狙いは財布が膨れた冒険者の報奨金である
だがそもそもこの街は魔王城から1番遠い
なので出てくるモンスターも弱く危険度が薄い
そのおかげで街の住人は多く当然街の発展レベルも高いらしい
だから並大抵の物は案外探せば売っている
だからこそこの街で露店を始めた商人はこの店のような言ってしまえばニッチな店を開いている
ポーションなら道具屋に行けば軽い食料や松明などの冒険者セットと共に買えるだろう
だがこういう店ならではの物もある
「兄ちゃん!コレなんてどうだい?今日仕入れたばかりの発光するポーションだ!」
店のおっちゃんがアゴ髭を撫でながら紹介を始める
「これは世にも不思議なもので暗い場所だと青白く光りだすってもんだ!どうだい?」
要するに蛍光塗料だろうか?
「他にもモンスターを寄せ付けるフェロモンを凝縮したモンスター寄せのポーション!」
「塗ると撥水性が上り水を弾くようになるポーション」
「ニンニクやニラとかの臭いの強い物の臭いを落とすポーション。どうだい?キスをする予定があるならコレも買ってかねぇかい?」
こう言ったかなりマイナーな商品等はこう言った店でしか売ってない
ニッチ具合がよく分かる物としてモンスター寄せのポーションの値札には【ドMクルセイダーイチ押しアイテム!】とデカデカとした字で書かれている
八幡「層が限定的で個性的なんだよなぁ」
クリス「個性的な目をしたキミが何言ってるんだか」
どうやら買い物は終わったらしく袋をいくつか持った2人がこちらに近づいてくる
クリス「と言うかアタシ達の服には興味を示さないのにこう言うのは見るんだね」
クリスは先程の事もあってか少し機嫌が悪そうに俺に棘のある言葉を連ねる
クリス「もうちょっとアタシ達の買い物に協力してくれてもいいんじゃない?」
八幡「はぁ・・・分かったよ」
俺はその言葉を聞いてクリスの手に自分の手を伸ばす
ソレに合わせてクリスが素早く後ろに下がり怪訝な顔をし警戒心をあらわにする
八幡「いや、何その腹立つ顔。荷物持ってくれアピールじゃなかったの?」
いつかどっかでやったやり取りにすこし懐かしさを感じる
クリス「いや、今のは嫌味で言ったんだけど・・・」
クリスは少し考えた後俺にそっと荷物を渡した
そして俺の顔のすぐ横に自分の顔を近づけてきた
クリス「キミって気とか使えるんだね。ちょっとだけ見直したかも」
クリスのキラキラとした瞳が俺を吸い込むように見つめてきた
もうその表情に負の感情は見えずニコニコとした笑顔を浮かべるのみだ
俺はセナの方に向き直りそちらにも手を伸ばす
セナ「いっいえ、私のほうは!!」
セナは顔を少し赤らめながらワタワタと体を震わせた
てか本当に俺を捕まえようとした時とはエライ違いだな
さっきのが気の強い狼だとすると今はまるで子犬である
クリス「いいじゃんいいじゃん。アタシ達の服選びに協力しなかった罰だよ!」
対してこちらの遠慮の無さは猫に等しいだろう
よく家のカマクラが俺のベットの上で堂々と大の字になって寝てたよ?
セナ「いっいえ!遠慮している訳ではなくっ!」
煮え切らない態度に少しだけ強引に奪い取ろうと腕を更に伸ばす
だが、セナは抵抗し何故かどんどん顔を赤く染めていた
セナ「そっその//パッパパパッ///パンツも入っているので!!///」
大きな声
それはもうこの通りの端まで聞こえるんじゃ無いかって言うほど大きな声
そして聞こえるヒソヒソ声と女性冒険者の冷たい視線
クリス「あははー誤解されてるねぇー」
セナ「すっすみません!私たらまたっ!」
突然グイッと腕を引かれた
見てみるとクリスが俺とセナの腕を掴み走りだす
クリス「もういいよ。行こ!」
俺達は鋭い視線に晒されながら走りだした
ーーーーーーー
セナ「昨日のお詫びをさせて下さい!」
俺が人を縄で拘束しパンツを奪い取ると言う尾ひれの付いた噂が流れた翌日
てかマジで噂した奴誰だよ
周りの目線が痛いんですけど?
クリス「お詫びなんていいよ別に」
八幡「ちょっとクリスさん?何で君が応えるの?おかしくない?ねぇおかしくない?いや、まぁ確かにそんな物はいらないけどね」
セナ「いえ!そう言う訳にはいきません!何でも言って下さい!お詫びさせて頂きます!」
何でもだと!?
何でもってのはいわゆる何でもって言う事ですよね!?
ゴクリ
クリス「ハチマン、目が血走ってて怖いよ!エッチな事は考えたらダメだからね!!」
八幡「バッカッお前。男がみんなエロい事ばかり考えている訳じゃ無いからな!」
クリス「じゃぁ何考えてたのさ」
八幡「えーと・・・世界平和とか?」
クリス「間があったし疑問形だし絶対変な事考えてたでしょう」
何で分かんだよ
八幡検定2級なの?
何それ全然取る価値なさそう
セナ「えーと、世界平和は私の力では難しいので出来れば他の事にして頂けると・・ 何か困った事とかありませんか?」
困った事ねぇ
しいて言うなら
八幡「・・・・金とか?」
クリス「うわっ・・お願いしたい事がお金って真っ先に言っちゃう人って。 正直ちょっと引くよ?」
いや、だって他に困った事とかねぇし
一応あると言えば寝床の問題があるが
それをこの場で言ってクリスに「何で?」と聞かれるのは困る
「クリスのパジャマ姿に毎日悩まされてます!」何で言ったらキモがられる未来が分かりきっている
だから人に言える範囲で困っていることはお金だろう
クリスへの借金も返さないといけないし
セナ「・・・分かりました。少し待っていて頂けますか?」
そう言うとセナは俺達のテーブルから離れギルドの受付へと向かう
セナが居なくなったので食べかけの朝食に手を伸ばす
今日の朝食はニシンの油漬けが挟まったサンドウィッチと目玉焼き
野菜たっぷりのスープ
ヨーグルトとバナナ
飲み物のコーヒーである
クリス「ねぇ?砂糖入れ過ぎじゃない?」
八幡「そんな事無いだろ、まだまだ5つ目だぞ?」
クリス「いや!十分多いよ!」
いや、まだまだMAXコーヒーには程遠い
やはりこの世界ではMAXコーヒーの再現は無理なのか?
いや、俺は諦めないぞ。MAXコーヒーだけは何としても完成させる!
セナ「お待たせしました。」
そうこうしているうちにセナが紙を1枚持って帰ってきた
セナ「3人でこちらのクエストに向いませんか?」
そう言ってセナは俺の朝食の横のスペースを台拭きで拭き取ると俺によく見えるように用紙をテーブルの上においた
クリス「これは!?」
クリスが驚くのも無理はない
まず1番最初に目に入るのはそのドクロマークの多さだろう
クエスト用紙に押されたドクロマークの印鑑はそのクエストの難易度を表す
この用紙には最上級相当のドクロマークが押されまくっていた
八幡「いや、無理だろこれは」
最上級クエストなんてまだまだひよっこの俺には絶対に無理だ
セナ「いえ、お2人は私の後ろで攻撃して頂ければ大丈夫です。私は【ルーンナイト】なので魔法と剣を使います」
セナ「魔法で生み出した盾を使ってお2人を守ります。このクエストは【ルーンナイト】や【クルセイダー】などの防御力が高い役職さえいればそこまで難しくないクエストなので・・」
なるほど
たまにクエストの中には依頼者が冒険者の特に強い冒険者を集めやすくする為にあえて高めの難易度にしたりする
他にも報酬金が少し高かったり、レア度の高いアイテムが貰えたりなどクエストによってはそう言ったいわゆるボロいクエストがあったりする
セナの口ぶり的にこのクエストはボロいクエスト何だろう
セナ「いかがですか?自分は今はレベル1ですが初期のスキルポイントで盾魔法のポイントはカンストしましたし、何度もやった事のあるクエストなのでやり方は分かっていますし、必ずお2人をお守りしますので!」
ふむ
チラリと見ると報酬金もかなり高額で3人で分けてもかなりいい値になる
上級クエストのモンスターなら経験値も多いだろうし
八幡「それならよろしく頼む」
セナ「はい!」
ーーーーーーーーー
ガヤガヤと喧騒が入り乱れる
ここは街の入り口
目の前には馬に繋がれた馬車が5両
そして膨大な数の冒険者達
八幡「なにこれ?コミケ?みんなディスティニーにでも行くの?」
クリス「何言ってるの?ハチマン」
セナ「こみ?でぃす?なんの事でしょう?」
まぁ、千葉ネタは通じんわな
クリス「これは今からアタシ達が行くクエストと同じクエストを受ける人達だよ?ほらこのクエスト集まった人達皆でやる大規模クエストだから」
八幡「マジか。正直難易度と報酬金以外見てなかったわ」
クリス「ダメだよ、ハチマン。ちゃんとクエスト用紙を見てしっかり準備しないと」
八幡「準備ってお前が着込んでるソレの事か?」
そう今クリスはいつもと少し違う格好をしている
いつもは大胆に出している腹や肩はジャラジャラとした鎖帷子で覆われ
いつも太陽の光を反射している脚は一部が銀色に光るタイツが装着されていた
クリス「おっ気づいた?いいでしょ!このタイツ!セナとお揃いなんだよ!」
いや、別に女の子の服装に気づいてますよアピールとかじゃないから
正直クリスがこんな重装備してると凄く怖いんだが
もう帰って寝たいまである
クリス「むっ!服装に気づいたんだから何か言う事あるんじゃない?」
八幡「世紀末見たいだ。頼りになる」
今から何をさせられるか分かんないからその強そうな見た目は頼りになる
クリス「せいきまつ?うーんよく分かんないけどいつも捻くれてるハチマンに素直に頼りにされると・・・」
いや、別に褒めた訳じゃないから?
照れないで?俺も照れちゃうでしょう?
セナ「お待たせしました。馬車の搭乗券を貰ってきました。これがお2人の搭乗番号です」
セナ門前にいるギルド職員の元から帰ってきて俺達に札を渡した
もうすでに仕事モードに入っているのかさっきまでのオドオドした感じは微塵もなくキリッとして声もハキハキしていた
セナ「自分達の馬車はあっちの茶色と白のまだら模様の馬の馬車ですね。行きましょう」
どうやらセナは仕事モードになると一人称が【自分】になるらしい
馬車のおじさんに搭乗券を見せ馬車に乗り込む
搭乗券には41・42・43とそれぞれ書かれていた
つまり最低でも40人はこのクエストに向かうという事になる
マジで怖いんだけど
こんな事ならもっとしっかりクエスト用紙を見ておくんだった
難易度と報酬金に気を取られて見そびれてしまった
何をするかも何を倒すのかも何もわからん
クリス「うーん、流石にあの子は居ないか・・・」
八幡「誰か探してるのか?」
馬車に乗り込んだところでクリスがキョロキョロと周りや他の馬車を見ながらつぶやいた
クリス「うん。親友の【クルセイダー】の女の子何だけど今日は居ないみたい」
クリス「まぁ、あの子不器用で攻撃が当たらないから、もしかしたらパーティメンバーが止めたのかも」
いや、攻撃の当たらない【クルセイダー】って何?
前衛職として致命的何じゃ・・・・
俺もクリスにつられて周りを見てみる
聞こえてくるのはヒソヒソ声と少し鋭い視線
えー。昨日の今日で俺の噂ここまで広がってるの?
「おい。あの子・・・」
「あぁ、検察官の・・・」
「カズマ達を苦しめた・・・・」
どうやら台風の目は俺では無く少し肩を落としシュンとしているセナの事のようだ
そういえば煙たがられてるって言ってたっけ
クリス「大丈夫だよ、セナ。アタシ達はセナがいい人だって知ってるから」
セナ「・・・クリスさん」
ちょっとそこ?急に抱きしめて百合百合しないで?
ヒソヒソ話の系統がかわってきてるから!
クリス「ちょっと?なんか視線がやらしい」
八幡「やらしくねぇよ!」
そんなこんなで馬車が走りだした
景色がどんどんと変わりそれに伴って俺のやる気もどんどんと変わっていく
クリス「はい、ハチマン。これ飲んどいて防御力を上げるポーションだよ。本当はかなり高額なポーションだけどあげるよ」
いやいやいや、いつもはすぐに借金に加算するのにその優しさが怖いんだけど
下方向にやる気が変わっていく
見て見てると馬車が進むにつれ黒と黄色の警戒を示す看板の量が増えている
出発してから40分だがもう10分前からすでにこの看板達である
クリス「それでね、あそこの露店街の奥のお菓子屋さんが・・・」
セナ「そうなんですか!それじゃぁ今度一緒に行きませんか?」
女子会に花を咲かせる中俺は恐怖の花を咲かせていた
「はーい。皆さんもう見えてきましたよー。準備して下さーい」
搭乗していたギルド職員に言われ前を見てみる
草木は生えておらず一瞬荒れ果てているようにも見える
杭が打ち付けられその杭に巻き付くように有刺鉄線の様なトゲトゲした鉄の糸が張り巡らされている
黄色と黒の危険色あふれるゲートをくぐる
マジで俺は何をさせられるのか
超怖い
八幡「なぁ、今から何をするんだ?クリスの格好的に討伐系だよな?」
なぜ今まで聞かなかったのか
今になって聞いてみる
セナ「【前衛キラー】討伐です」
八幡「は?何だって?」
クリス「何って?【前衛キラー】だよ。ハチマン知らない?」
いや、知らねぇよ
てか何その名前凄くヤバそう
てか怖そう
もう、脚がガクガクして汗がヤバイんだが・・・
てか何でクリスは「え?知らないの?」見たいな不思議な顔をしてるんだ?
俺が怪訝な顔をしてるとクリスは気づいたのか「ハッ!」とした顔をした
クリス「そうかそうか、ハチマンの世界では呼ばれてないんだっけ。なるほど」
八幡「いや、一人納得されても・・え?なに?その口振りからして俺でも知ってる奴?」
クリス「うん、知ってるよ。八幡の知ってる言葉で言うと
【新じゃが】だよ」
ーーーーーー
ガチャガチャと金属の装備を着た屈強な男達がゾロゾロと馬車から這い出てくる
【新じゃが】を倒すために
後衛職の【ウィザード】や【アーチャー】ですら金属製の防具を着込んでいる
【新じゃが】を倒すために
八幡「新じゃが?ってあの新じゃが?揚げてもよし焼いても良しのサイゼで199円でグリルにされてるあの新じゃが?」
クリス「さい?何?最後のはよく分かんないけど多分合ってるよ。その【新じゃが】」
意味が分らん
なぜじゃがいを相手にこんなガチガチの装備を・・・・
クリス「補足しとくけとこの世界の【じゃがいも】特に【新じゃが】はヤバイよ?」
八幡「じゃがいもが?」
クリス「この世界では栄養と魔力の詰まった野菜達が動き出すのは知ってるよね?」
クリス曰く
この世界の【新じゃが】は冬の始めに種芋を植えられる
そしてそのまま春先まで雪の下で過ごすらしい
冬の寒さと雪の重みと言う過酷な環境に置かれた【じゃがいも】は自分の身を守るために大地の魔力を吸収し自身に耐性をつける
そして魔力を吸収し続けた【じゃがいも】には自身の魔力許容量の限界を超え魔力が蓄積される
【じゃがいも】は不器用らしく魔力コントロールや魔力の発散などはできないらしい
なので春
農家の人が【じゃがいも】を掘り起こそうとクワを振るった瞬間
その衝撃により魔力を抑えこむ事ができなくなり爆発する
危険なため防御力の高い冒険者が代わりに収穫するのだが【クルセイダー】や【ルーンナイト】をもってしても毎年死者が出ることから【前衛キラー】と言う異名で呼ばれているらしい
八幡「それ、どうやって収穫するんだ?危害を加えたら爆発するんだろ?」
クリス「ダメなのは衝撃を与えるのがダメなんだよ。【新じゃが】の表面に少しでも傷をつければそこから魔力が漏れだして魔力許容量内に収まるから爆発しなくてすむよ」
何と言うか農家の人達大変だな
セナ「お2人とも自分の後ろへ!そろそろ始まりますよ。」
その言葉に促され前を向くとウィザードが魔力を練っているのが見えた
「【ヒートウェーブ】」
暖かな風が吹き始め体が暖かくなる
クリス「ハチマン、構えて!熱の魔法で【新じゃが】を目覚めさせて飛び出た所を切るよ!」
八幡「・・・おう」
ムクムクと土の中が動き出してるのがわかる
俺は腰の鞘から剣を抜き構える
ここ数ヶ月クリスの教えにのっとり剣の練習をしていた
おかげて多少はさまになってきたように思える
【敵感知】
視界が一瞬暗くなり徐々に真赤な色の物体が映り込む
これが新しくクリスに教えてもらったスキル【敵感知】である
モンスターの場所を赤色の光で見えるようにするスキルである
これにより土の中にいても敵の場所の特定ができる
クリスも同じようにスキルを立ち上げているようで目を凝らしている
クリス「セナ!くるよ!」
セナ「いつでも来い!」
ヒュン
土の中から茶色い物体が飛び出す
間違いなくあれは俺が慣れ親しんだじゃがいもに他ならない
だがそのじゃがいもは殺意をもって俺達に襲いかかる
セナ「【シール】」
セナが【新じゃが】と俺達の間に割り込み魔力を込める
セナの左手が光りだしそこから魔法陣が現れた
セナ「ハァァア!」
【新じゃが】はセナの魔法陣に当ると数秒の硬直のあと巨大な爆発音と共に飛散した
ふむ。どうやらあの魔法陣が盾魔法と言うものらしい
盾魔法は一切の傷はなく変わらず紫色に発光している
クリス「ーーーッ!!」
クリスが「スパスパ」と音をたてながら【新じゃが】を解体していく
【新じゃが】は爆発するまで数秒のラグがあるようでその隙をついて手早く切り裂いていた
俺もそれに続きセナが守っている間に表面を切り裂く
周りを見るとそれぞれの方法で【新じゃが】を無力化していた
前衛職は普通に剣で切り裂き
後衛職の【ウィザード】は風の刃を飛ばす魔法
【アーチャー】は弓でそれぞれ【新じゃが】の体表面に傷をつけていた
どうやら傷さえできてしまったら例え物理でない方法や突き刺すといった方法でもいいらしい
かれこれ数十分の時間が経った
すでに地面は穴だらけでクレーターが山のように出来ていた
八幡「数が・・・多い」
クリス「まぁ・・じゃがいもは・・・1つの種芋に・・・・沢山出来る・・・ものだからね。」
お互い息も絶え絶えで正直しんどい
セナが守ってくれているおかげで効率よく狩りが出きてはいるが他のパーティーと違い後衛職がいない為どうしても移動して狩り、移動して狩りを続けなければならない為体力を消費する
セナ「囮スキル【デコイ】を使えれば良いのですが【デコイ】を使って一斉に襲われると流石に【クルセイダー】や【ルーンナイト】を持ってしても危険なので・・・」
クリス「まぁ、しょうがないよ。それよりしっかり守ってね!」
セナ「はい!」
大変ではあったが何とか俺達は順調な狩りをしていた
だが・・・・
「うわぁ!!」
男性冒険者の叫びが1つ
見てみると【新じゃが】の爆発で出来たクレーターに冒険者がはまり転んでいた
「大丈夫か!」
セナ「!!!近づいてはダメです!」
男性冒険者を助けようと別の冒険者が助けに行こうとする
だが気を抜いた瞬間【前衛キラー】の異名が顔を出す
負傷者に駆け寄ろうとして背後はがら空きである
ボォォォオオン
「ぐわぁあ!」
巨大な爆炎と地響きそして冒険者の悲鳴
冒険者は焼け焦げになり地面に突っ伏していた
転んだ方の冒険者も爆炎に巻き込まれたのか痛々しい悲鳴をあげた
セナ「ーーーッ!」
セナが負傷した冒険者の前に立ち盾魔法を展開する
セナ「今のうちに負傷者の確認と救護を!!」
「あ、ああ。すまねぇ!」
まだ続く【新じゃが】の猛攻
これが順調だったクエストの勢いの変わり目だった
「まだ、2人とも息はある!おい!だれか【ヒール】だ!」
「は、はい!キャっ!!」
【プリースト】が近づいて【ヒール】をかけようとするがそんな事はさせないと【新じゃが】の追撃
【新じゃが】にとっては負傷者が出来て守る対象の範囲が増えた今の状況は好機なのだろう
セナへの追撃が増える
「俺達の事は捨ててけ! 【前衛キラー】の前じゃ俺達はお荷物だ!」
セナ「嫌です!自分は【ルーンナイト】元検察官の人間。人々を守り魔物を狩るのが役目です!」
「・・・あんた」
セナが腰を落とし両手を使ってさっきより大きな盾魔法を展開した
どうやらそこから動く気は無いようで完全に守りの体制である
クリス「まずいね、加勢したいけど爆発で近づけないし遠距離攻撃も爆風で吹き飛ばされちゃうよ!」
先程から負傷者とセナを助けようと他の冒険者が攻撃を仕掛けようとするもうまくいかない
くそ!何か無いか!
さっき言っていた一斉に襲われると流石の【ルーンナイト】も危険だと
ピキピキピキ
セナ「ーーーッ!」
げんにセナの盾魔法は少しだけヒビが入り始めていた
八幡「ーーーッ!」
何か・・・・何か方法は・・
【新じゃが】を無力化する方法・・
表面に傷をつける・・・
大量の敵相手に・・・・
八幡「!!!」
1つだけ思いついた
俺は足を動かすとある場所に移動する
クリス「ハチマン!どうしたの!?」
クリスが何か言っているが気にしない
【新じゃが】の植えられた場所の端に着くと目の前の杭を思いっきり引き抜いた
何本か抜いて目的の物に手を伸ばす
クリス「ハチマン!!どうしたの!!」
目的の物は手に入った
後は実行するだけ
クリス「ハチマン!!」
パァァァアン
両頬に痛み
それはクリスに両頬を思いっきり手で挟まれたのだと理解するのに数秒かかった
クリス「何をするか知らないけどちゃんと教えて! アタシはハチマンのパーティーメンバーだよ!」
クリスの目から少しだけ涙が出ていた
怒っている目と悲しんでいる目が混在した瞳
クリス「1人で何でもしないでください!私をどうか頼って下さい!」
少しだけ昔の記憶がダブつく
「もっと人の気持ち考えてよ」
いつかの彼女の表情と目の前の女神の表情がシンクロしていた
冷静にならなければいけない
今は前とは違う
むしろ人の生死がかかっている分こちらの方が酷い
今は頼るべきかもしれない
八幡「すまん、手伝ってくれ」
クリス「うん!」
俺は手に持っている物に魔力を込める
「検察官の嬢ちゃん!もう下がれ!このままじゃ盾魔法が壊れちまう!」
セナ「いえ!下がりません。自分は何としても皆さんを守る!」
パリィィイイン
大きな音と共にセナの盾が遂に壊れた
セナ「ーーーッ!」
まずい!
俺は腕を伸ばし狙いを定める
そして力を込めて
八幡・クリス「「【バインド】!!」」
俺の手から長い鉄製の紐が飛び出す
それはさっき杭から取った有刺鉄線
【バインド】は長い紐であれば操る事ができる
もしかしたら有刺鉄線も操れるかもと思っていたが成功した
有刺鉄線の棘が【新じゃが】の体に突き刺さりそこから魔力が流出する
一部の【新じゃが】は爆発しているがこの距離なら問題はない
だが【新じゃが】は構わずセナの方に襲いかかろうとする
クリス「させないよ!」
クリスが【バインド】を使って有刺鉄線の一部を操りセナに向かっている【新じゃが】を弾き飛ばす
流石クリスである
俺よりも【バインド】のコントロールがいい
俺はコントロールが悪いから少し工夫しなければいけない
俺は腰のポーチから一本のポーション
昨日露店で買った【モンスター寄せのポーション】を取り出し頭の上から思いっきりかける
途端に【新じゃが】のターゲットがセナから俺に変わる
だが好都合
向かってくる【新じゃが】の前には有刺鉄線を【バインド】で操って作った網
【新じゃが】は勢いそのまま網の棘に全身を貫かれ動かなくなった
クリス「ねぇ・・ハチマン。」
効率よく倒せているがクリスは何か煮え切らない顔をしていた
クリス「流石に魔物相手とはいえちょっと残酷過ぎない?」
こちらに向かってくる【新じゃが】を有刺鉄線を使って串刺し状態である
確かに少しムゴイようにも見える
特にこの世界の人の認識では野菜は動くものである
意識のある生命を串刺しにしてるのは、野菜は動かない事が常識の俺よりもムゴク見えるのかもしれない
その証拠に何故か周りの冒険者達が少し引いていた
えー。せっかく考えて一掃したのに・・・
なんかに試合に勝って勝負に負けた気分である
ーーーーーーー
「ありがとう!アンタのおかげで助かったよ!」
「あの時はパーティーに入れるのを渋って済まない。良かったら今度一緒に冒険しないか?」
「いえ、ぜひ私達のパーティーに!私達はセナさんの行動に心打たれました!!」
クエストが終わったギルド内
セナは昨日とは打って変わってギルドの人気者になっていた
クリス「良かったね。これでセナのパーティー入りを煙たがる人はいなくなるよ。まぁ、あんな残酷な倒し方をしたハチマンが今度は煙たがられるかも知れないけどねー」
八幡「うるせぇ、別に良いんだよ。どうせ俺はボッチだし1人超好きだし。」
クリス「今はアタシがいるんだけどなぁー」
その上目遣いやめて?今はテーブル席が一杯でカウンター席に座ってるから超近いんだから余計にハズい
セナ「あ、あの!」
クリス「あ!セナ!」
後ろには顔を少し赤くしたセナが立っていた
八幡「どした?」
セナ「えっと//あの//!」
えっ何この雰囲気
何故かセナの目線が少し熱く顔もどんどん紅みをましている
なんか俺まで緊張してきたんだけど?
そしてセナは意を決したように口を開いた
セナ「その!!!わ、私//私を!
パーティーに入れてください!!」
へ?
クリス「え?」
セナ「い、いえ!そのわ、私、お2人とパーティーを一時的に組んで楽しかったですし・・それにクリスさんもいますし・・・」
ちょっと?君達本当に変な関係になってない?
お父さん許しませんよ?
セナ「も、勿論ハチマンさんもいますし・・・」
・・・とって付けた感半端ないな
クリス「勿論いいよ!・・でも」
八幡「いいのか?せっかく疎まれなくなったのに他の奴らに誘われてんだろ?」
セナ「いえ!勿論、誘っていただけたのは嬉しいんですがやっぱりその!私もお2人と一緒に冒険したいんです!!」
その目は真剣で本当に仲間になりたいんだと思った
当然そんな事を言われればうちの女神様が捨て置くわけもなく
クリス「うん!大歓迎だよ!これから一緒にがんばろうね!」
セナ「はい!!」
目の前の女性は満面の笑みで嬉しそうにそう答えた
セナ編終了
セナの立ち位置はお色気体要因ダクネスポジション前衛職役です
個人的には1番キャラデザが好きなキャラ
あと、勝手な設定と魔法を作ってすいません。
たぶん今後増えます
てか、都合よく増やさないと多分うまく書けん
次回はめぐみんポジションを探してきます
んじゃ次回