この捻くれボッチに青春を!   作:ニシキノササキ

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ゆんゆん編その2

バニルのキャラちょと変かもしれん
材木座より簡単だろとか思ってたら意外とむずかった


こうして1パーティーが揃う

 「ふむ。レベル、ステータスリセット、魔法・スキルの使用不可・・・・」

 

 

ここは【ウィズ魔道具店】

ゆんゆんのステータスがリセットされた為佐藤達の提案でここに来ることになった

 

なんでもここには貧乏な店主が使えないアイテムを売っているお店らしい

こんな所に何故?と最初は思ったが目的はこの店の稼ぎ頭のこの仮面の男である

 

 

 「うむ。間違いなく悪魔の仕業であるな。」

 

 

男の名前はバニル

元魔王軍の幹部で今は【カラススレイヤー】と言う異名で近所の奥様方に親しまれているらしい

 

 

セナ「・・・・・・・・・・」

 

 

魔王軍幹部がいる事を知ったセナは珍しく機嫌が悪い

 

なんでもこのバニルという男は1度佐藤達パーティーに倒されたらしい

だが何とか生き残り今はこの店でアルバイトをして生計を立てているらしい

 

 

最初はもう1度バニルを倒そうとしたセナだったがゆんゆんを助ける為にはコイツの存在が必要な為堪えている

因みに1度倒された為既に魔王軍幹部では無いらい

その為魔王軍幹部の仕事である魔王城の結界の管理もしていないらしい

 

セナは今は昔と違い検察官ではなく権限が無いのと佐藤達一行の説得によりとりあえずは討伐や捕縛はしない方向で行くようだ

 

 

カズマ「バニル、どうだ?何か分かったか?」

 

バニル「【見通す悪魔】に見えぬ物などないわ。だがしかしだ小僧、勿論吾輩に依頼するのだから報酬は払ってもらうぞ?」

 

 

この男は自称【見通す悪魔】らしく

どんな物でも見通すらしい

その見通す力を使ってこの指輪の正体を知るつもりだ

 

 

カズマ「ああ、分かってる。おい!アクア、めぐみん。今回はお前ら持ちで支払って貰うからな!」

 

アクア「そんなぁ!カズマさん!私この前酒代に目一杯使っちゃったわよ!」

 

めぐみん「私も困りますね。私は【デストロイヤー】の報酬を貰って無いので・・・」

 

ダクネス「因みにいくらなのだ?」

 

 

その言葉を聞きバニルは紙にペンを走らせ何やら計算をしていく

 

 

バニル「しめてこれぐらいであるな」

 

カズマ「高っ!!」

 

アクア「む、無理よ!こんなの!払えないわ!」

 

めぐみん「そ、そうですよ!ボッタクリではないですか!?」

 

 

値段はここからだと見えないが高いらしい

 

 

バニル「これはかなり高度な術式で組まれた悪魔の道具。同じ悪魔の吾輩でなければ見破れん」

 

 

だから値段が高いのか・・・

 

 

ゆんゆん「あ、あの皆さんに払って頂かなくても・・・」

 

カズマ「それじゃあゆんゆんはこの値段を払えるのか?」

 

 

佐藤はバニルの紙をゆんゆんにみせる

すると瞬く間にゆんゆんの顔が真っ青になった

 

 

ゆんゆん「む、無理ですこんな値段!!」

 

カズマ「だろ?だから俺達に任せとけって」

 

八幡「俺も出すぞ」

 

 

一応原因を持ってきたのは俺だしな

 

 

カズマ「いや、いいよ。今回はこの2人が暴走したのがいけないんだし。金は俺達で持つよ」

 

 

その申し出は助かるがいいのだろうか?

 

 

バニル「それで、金の算段は付いたという事で良いのだな?ならこの指輪について説明をするぞ」

 

 「あっ、長くなるようでしたらお茶を用意したので良かったら飲みながらでも・・・・」

 

 

カチャカチャと食器の音を立ててやってきたのは紫のローブを羽織った美人の女性

この人はこの店の店主のウィズさん

なんでも使えないアイテムを探しだす天才だとか・・・

 

 

バニル「ポンコツ店主は・・・話の腰を折ってくれる・・・」

 

ウィズ「ちょっ、バニルさん!!殺人光線の構えを取らないで下さい!!」

 

アクア「ちょっと!ウィズ!!このお茶ぬるいんですけどー」

 

カズマ「アクア!お前はちょっと黙ってろ!!」

 

 

おいおい。こんな調子で話が進むのか?

 

 

バニル「話に戻ろう。この世界には時折変な人間が現れる。特殊な名前を持ち成熟しているにも関わらずこの世界について何も知らない。金も装備も持たないくせに何故か1つだけ力のある物を持っていた」

 

 

バニルはチラリと俺と佐藤を見ると次はアクアとクリスを見る

どうやら俺達が異世界から来てクリス達が女神だと言う事を見抜いたらしい

 

これが【見通す悪魔】の力か・・・

 

 

バニル「その力のある物とは、人間達の言う所の神器。人間達は神器の力を持って魔族を蹂躙していった」

 

バニル「この指輪を作ったのはそんな人間に対抗するためにある悪魔がとあるリッチーと共に作ったものだ」

 

ダクネス「悪魔と」

 

めぐみん「リッチー」

 

 

その言葉が気になったのか佐藤達のパーティーはバニルとウィズさんを見る

 

 

ウィズ「べ、別に私達じゃないですよ!!勘違いしないでくさい!!」

 

 

何故かウィズさんが動揺する

 

 

セナ「どうしてウィズさんが慌てるのですか?」

 

ダクネス「ああ、実はウィズは【リッチー】なんだ」

 

カズマ「しかも魔王軍の幹部の一人な」

 

セナ「なっ!魔王軍の幹部がもう一人!!」

 

 

その言葉を聞きセナがレイピアを抜き戦闘の構えをとった

 

 

クリス「ちょっ!セナ落ち着いて!今はそれどころじゃなくてゆんゆんの指輪を取るのが大事でしょ!!」

 

 

まぁ、悪魔のそれも魔王軍の元幹部の奴がこんな店でアルバイトしているから何かあるとは思ったがまさかもう一人幹部がいたとは・・・

 

セナはクリスに抱きつかれ徐々に落ち着きを取り戻していく

本当に君達仲いいね

 

 

バニル「話しを戻すぞ。その悪魔は自分達でも神器を作れないかと知り合いのリッチーに頼ったのだ」

 

バニル「【リッチー】とは魔導を極めた者が自らの力で人の体を捨てて魔族となる。いわば魔導のスペシャリスト」

 

ウィズ「いやぁ、バニルさんに褒められると照れますねぇ」

 

バニル「けして貧乏店主の事ではない!普通の【リッチー】話だ」

 

ウィズ「私も普通の【リッチー】ですよ!!」

 

ゆんゆん「そもそも【リッチー】の普通って・・・・何?」

 

 

そもそも人から魔族になるのが普通なのか?

 

 

バニル「再び話しを戻すぞ。そんなリッチーにとって人口神器の生成は自分の力と経験を試すのには持って来いだった。こうして2人は神器作りを始めたのだ」

 

バニル「そしてかなりの時間を経てこの人口神器は完成した。この人口神器には【対象者のステータスの改竄】と言う効果を持っている」

 

バニル「それを用いて2人は対象者である人間のステータスを下げたり、逆に仲間の魔族のステータスを上げたりをして逆に人間達を蹂躙していったのだ」

 

セナ「待ってください。それを使えば逆にゆんゆんさんをパワーアップする事ができるのではないですか?」

 

 

それはできるのか?

だが何故身に着けたゆんゆんのステータスが勝手に下がるのか・・

バニルの言い方では対象者を選んでいじれると言う捉え方ができる

 

 

バニル「それは、そうだな・・・そこの盗賊娘のパジャマ姿に毎晩悶々としていつも盗賊娘のパジャマの事ばかり考えてる腐った男よ」

 

八幡「いいい、いや、べべべ別に考えてねぇよ!」

 

 

腹が減ったら飯の事を考えるし仕事が終わる頃には頭回ってないし

別にいつもじゃねぇし

 

 

クリス「・・・・・ハチマン」

 

セナ「・・・・・ハチマンさん」

 

 

ちょっと?ひかないで?大体あんな格好をしてる君が悪いのよ?

 

 

 

バニル「何故、人工的神器が作れるのに全然作られてないのかわかるか?」

 

 

確かに、本当に神器が作れるならいろんな奴が作りだす

何なら人間だって同じく作るだろう

 

 

八幡「えーと。時間が足りないとか?」

 

バニル「ふむ、間違いではないな。実際人口的に作るにはかなり時間がかかる。だが違う」

 

 

ふむ。時間では無いとすると後はなんだ?

 

 

バニル「そこの腐った男が悶々としているのを初めは知らなかったが、最近気づき始めてわざと無防備な姿を見せてからかっている女よ。キサマならわかるのでは無いか?」

 

クリス「ちょっ!なんて事言うの!!」

 

 

どうりで最近ベッド代わりの藁の上で足をパタパタさせたり、ただでさえ布面積が少ない服を引っ張りパジャマの内側にうちわで風を送り混んでいたりが多くなったと思っていたら・・

 

 

セナ「まぁまぁクリスさん。今は抑えて抑えて」

 

 

うん。いつの間にか立場が逆転してる

 

 

クリス「うう、セナが言うなら・・まぁ・・。で、人口神器が作られない理由だっけ?そんなの簡単だよ。争いが起きるからだよ」

 

クリス「その神器って2人で使ってたんでしょ?普通神器は1つに付き1人、使用者が決まっていて他の人が使う事ができない。まぁ条件を満たせば使えるのもあるけど・・・基本的に使用者が死んで新しい使用者が決まらないと他の人は使う事ができないんだよ」

 

クリス「だからもし、その神器が使用者を決めなくても使えるなら皆欲しがるよ。そして、神器以外にも作った2人にも当然価値がつく」

 

バニル「うむ、正解だ。想像通り魔族の間で2人と人口神器をめぐって争いが起きた」

 

カズマ「クリス、神器について詳しいな。」

 

クリス「う、うん。アタシ結構神器について調べてるからねぇ」

 

 

少しはぐらかしながら答える

 

 

バニル「そこの【紅魔】の女がステータスの改竄で強くなれるかと言ったな?」

 

バニル「前なら出来たが今はできん。」

 

バニル「人口神器をめぐって争いが起き、製作者2人もついに追い詰められた。そして追い詰められた2人はこの人口神器にある仕掛けをした。」

 

バニル「悪魔は契約の力を使い、この神器を身に着けた者に神器を外させないと言う契約を無理矢理結ばせるまじないをかけ。リッチーは人口神器のプログラムを弄り【この神器を身に着けた者のステータスをリセット及び魔法・スキルの使用不可】と言う内容に変えた」

 

カズマ「結局、この指輪は外せないのか?」

 

バニル「いや、プログラムを弄った道筋を辿ればプログラムを弄ることができる。契約の方も契約の上書きをすればよい。そして、ここにはそれができる力を持つリッチーと悪魔がいる」

 

バニル「しかも貴様は運がいい。この指輪を身に着けたのが頭はおかしいが高い魔力コントロールをもつ【紅魔族】なら指輪の内側から弄ることもできる。」

 

めぐみん「頭がおかしいは余計です!!」

 

ゆんゆん「めぐみんはともかく私は普通です!!」

 

めぐみん「私はともかくって何ですか!!」

 

 

君達いちいちいがみ合わないといけないの?

そう言う決まりなの?

 

 

カズマ「よし。それじゃぁ頼む。金は俺達が何とかする」

 

バニル「少し道具が必要だからそれを集めるのを手伝ってくれれば値段を下げよう」

 

バニル「後はそこの娘のレベルを上げておく事を推奨する。魔力量を底上げしておけばプログラムの変更に役に立つ」

 

クリス「それじゃゆんゆんのレベル上げはアタシたちに任せて!」

 

ゆんゆん「そんな!ご迷惑になるんじゃ・・・」

 

セナ「そんな事無いですよ。一緒に頑張りましょう」

 

 

こうしてふた手に別れてゆんゆんの指輪の解除作業が行われた

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

ここはいつも通り露店街

うん、なんだろうね。新しく人が来たらここに来るのが決まりなの?

 

ここに来た理由は簡単だ

現在ゆんゆんは魔法を使う事ができない

それは【アークウィザード】にとっては攻撃手段を削がれたという事になる

 

攻撃できないと敵を倒して経験値を得ることはできない

 

だから俺達はゆんゆんの新たな戦闘手段になる武器を買いに来た

 

後はステータスがリセットされた為身を守る防具も買いに来た

今日は装備を整え明日狩りを行いレベルを上げる予定だ

 

 

クリス「さぁ、ゆんゆん。どの武器にする?支払いは全部ハチマンが持ってくれるから安心してね。」

 

八幡「ちょっと?何で君が決めるの?まぁいいけどね?最初からそのつもりだったし」

 

ゆんゆん「そんな!悪いですよ!」

 

セナ「気にしないで下さい。元々こちら側が原因を持ってきてゆんゆんさんは巻き込まれただけなので・・・」

 

セナ「それからハチマンさんも1人で背負わないで下さい。私も一部払いますから」

 

クリス「まぁ、冗談は置いといてアタシも出すよ。パーティーの問題は皆で解決しないとね。」

 

八幡「いや、いい。元々原因は俺一人だし俺が..ムグっ!」

 

 

喋っている最中にクリスの手によって阻まれる

口に柔らかな感触がするそしてややいい匂いも・・・

 

 

クリス「ハチマン!それ以上言うと怒るよ!前に言ったよね?1人で抱え込まないでって!」

 

 

 「1人で何でもしないでください!私をどうか頼って下さい!」

 

 

これは前に泣きそうな顔で言われた言葉だ

 

 

八幡「・・・・分かった。だが半分は俺が出す、残りの半分を2人で頼む」

 

 

まぁ、また泣かれても困るからな

 

 

クリス・セナ「「うん!(はい!)」」

 

 

横から視線を感じる

ゆんゆんが羨ましそうな顔で見ていた

 

 

ゆんゆん「仲間っていいなぁ」

 

 

ボソリとつぶやいた言葉だった

だがそういった言葉を聞き逃したりはしないのがコイツだろう

 

 

クリス「ゆんゆんは仲間が欲しいの?」

 

ゆんゆん「えっ!き、聞こえてましたか!?」

 

クリス「アタシは盗賊だから耳はいいんだよ!で、どうなの?」

 

 

流石に俺に話した女神の力云々の理由は言わずにゆんゆんに詰め寄る

 

 

ゆんゆん「そ、その私昔から友達がいなくて、誕生日会とかも1人でしてましたし・・学生時代にふにふらさんとどどんこさんという方々と友達になったんですけど、あまり友達らしいことをしてなくて・・・2人ともお金がないと私を遊びに誘ってくれませんし」

 

 

おいおい、また凄い名前が出たな

てか、お金ないと誘ってくれないって・・・それって・・

 

 

クリス「大丈夫だよ!今は私達は皆で協力して物事を解決する中間だよ!」

 

セナ「そうです!それに友達が少ないのであればこれから作ればいいんです!」

 

クリス「そうそう、それに友達がいるんなら凄いことだよ!ハチマンなんて完全にボッチで友達なんて1人もいないんだよ?」

 

八幡「おい!まて!そもそもボッチが悪いという考えが既に同調圧力になって差別的な意味合いにだな・・・」

 

クリス「あー、はいはい。そう言う御託はいいからいいから。それよりゆんゆん!早く決めちゃおうよ」

 

セナ「これなんてどうですか?」

 

ゆんゆん「わわわわっえ、えーと、ど、どれがいいんですか?私あんまり分かんなくて・・・」

 

 

もう、俺の話なんて聞いてないのね

まぁ、いいけどね

 

それにクリスのおかげで雰囲気が良くなった

この辺のさりげない気遣いができるのは流石としか言いようがない

 

案外、毎回露店街に来るのはマイナス思考になってもすぐに誤魔化せるからかもしれない

 

・・・いや、考えすぎだな

 

 

クリス「ほら、ハチマン!今回はしっかり服選びに付き合って貰うからね!」

 

八幡「・・わかったよ」

 

 

まぁ、今は俺もこの楽しそうな雰囲気に流されるのも悪くないかもな・・・

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

そして翌日

今日からモンスター討伐をしてゆんゆんのレベルを上げる予定だ

 

バニル曰く【紅魔族】は元々の魔力値が高くレベルアップによる魔力上昇値も高いためそこまで気張ってレベルを上げる必要はないらしい

 

とりあえず経験値が多めのモンスターを狩る予定だ

 

 

ルナ「あら、今日もクエストですか?精が出ますね。」

 

八幡「いえ、今日はクエストを受けずにモンスター狩りをしに来たんですけど・・・」

 

ルナ「クエストをお受けしないのですか?」

 

クリス「実は・・・」

 

 

とりあえず受付の人に事情を話して経験値の多いモンスターの情報とかが貰えればいいんだが

 

 

ルナ「そう言う事でしたら1つ頼まれ事を引き受けてくれませんか?」

 

セナ「頼まれ事ですか?」

 

ルナ「実はとある3人組のパーティーが最近発見された洞窟の【コボルド】の群れ討伐のクエストを受けまして。3日前から戻ってこないんです」

 

クリス「・・・3日」

 

八幡「ヤバイのか?」

 

セナ「【コボルド】はあまり強いモンスターでは無いのでそんな奴らに3日かかっているって事は・・・」

 

クリス「【コボルド】の群れが大きすぎて時間がかかっているか、他のモンスターが傭兵代わりに群れを守っているか、あるいはもう・・・」

 

 

どれが来てもヤバそうだが

3番目だけは合ってほしくないな

 

ルナ「ですので確認をしに行って貰ってもいいですか?【コボルド】なら群れで行動してるのでそこそこの経験値になりますし、もし無理そうなら逃げてもらっても構いませんので・・・・」

 

 

無慈悲な判断だが受付のお姉さんは淡々と答える

いや、唇は血が出るんじゃないかと言うほど端を噛んでいるし手は強く握り震えている

本当は自分で助けに行きたいぐらいなんだろうが受付嬢にはそんな力はない

1番辛いのはこの人だろう

 

 

八幡「ゆんゆん、それでもいいか?」

 

ゆんゆん「はい!勿論です、寧ろ早く行きましょう!!」

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

ゆんゆん「えいっ!」

 

 

力強い掛け声と共に白銀の刃が振り下ろされる

だがそれを赤土色をした巨大なトカゲが体をくねらせ避ける

 

 

セナ「【シール】。テヤぁ!」

 

 

避けた【オオトカゲ】をセナが盾魔法を展開して地面に押し付けるようにして抑えこみ隙を作る

 

 

セナ「ゆんゆんさん!」

 

ゆんゆん「はい!」

 

 

生々しい音と共に振り下ろされたダガーが真っ赤に染まった

 

 

クリス「ハチマン!こっちも!」

 

八幡「ああ」

 

 

俺は両手を前に出し前方のオオトカゲの口元に照準を合わせる

 

 

八幡「【ティンダー】」

 

 

「ボッ」と言う音と共にマッチより少し大きい程度の火がオオトカゲの目の前を占領する

 

オオトカゲは突然の火に本能的な恐怖を感じ慌てて逆方向を向き逃げようとする

 

 

八幡「【ティンダー】」

 

 

もう片方の手でもう一発火を放つ

今度は【オオトカゲ】が向いた先

オオトカゲは再び方向展開しようとするが流石に2回も方向転換する時間はない

 

 

クリス「よっと!」

 

 

すかさずクリスが【投剣】スキルを立ち上げ【オオトカゲ】の腱を切る

 

 

 とんでもない命中精度だな

 

 

ゆんゆん「ハァアっ!」

 

 

トドメはゆんゆんがダガーを振り下ろして終了した

 

 

俺達はコボルド退治に行った冒険者の確認をしに来た

だが途中でモンスターに襲われ今に至る

 

 

クリス「へぇ~【初級魔法】って習得しても使わない人が殆どなのに工夫すればこう言う風に使えるんだね」

 

八幡「まぁ、生き物ってのは火を嫌うものだからな。それにどれだけ小さな火だろうが目の前に現れれば恐怖を感じる」

 

 

今日の朝出発する際に佐藤が【初級魔法】のスキルを教えてくれた

 

 

カズマ「お前も【冒険者】なんだろ?だったら【初級魔法】は便利だぜ。組み合わせれば色々できるし。俺達のせいでこんな事しないといけなくなったしな、コレを使って少しは狩りに役立ててくれよ」

 

 

と言う事らしい

 

教えてくれたのは

 

火の魔法の【ティンダー】

 

水の魔法の【クリエイト・ウォーター】

 

土の魔法の【クリエイト・アース】

 

風の魔法の【ウインドブレス】

 

氷の魔法の【フリーズ】

 

の5つの魔法を使えることができる【初級魔法】のスキルである

 

【初級魔法】は消費魔力が少ない為非常にとりまわしがよく扱いやすい

俺の今まで唯一使えていた魔法の【バインド】は消費魔力が多くレベルが上がり魔力の上がった今の状態で1日に3回しか打てない

3回使って少し魔力が残る程度だ

 

だから連発できるのは非常にありがたい

まぁ威力が低いのが難点だがサポート程度に思っていれば問題はあまり無い

 

 

ゆんゆん「ふぅ。」

 

セナ「ゆんゆんさん、大丈夫ですか?」

 

ゆんゆん「あ、はい。何とか・・・」

 

クリス「レベルの方はどう?」

 

ゆんゆん「はい!また、1つ上がりました!」

 

 

ゆんゆんの方も順調らしくここまで来る間に3つほどレベルを上げていた

 

 

ゆんゆん「でもレベルを上げてスキルポイントを割り振っても魔法は全然使えないです」

 

 

まぁ、そういう効果の指輪だしな

 

 

ゆんゆん「それにしても前衛職の人って凄いですね。正直私にはシンドイです」

 

 

まぁ元が魔法職だしな

ここまで来るのにゆんゆんだけ少し息を切らしていた

 

まぁ、それもそうだろう昨日まではもう少し緩い格好をしていたが今はダガーで近接戦をしないといけない為服装がだいぶ変わっている

 

革の胸当てに革の肩パット

肘や膝にも革が当てられており見た目だけなら盗賊にも見える

だが何故かローブだけは昨日同様身につけておりそれがミスマッチだ

それと

 

 

八幡「そのタイツが重いんじゃ無いか?」

 

 

ゆんゆんはセナやクリス同様金属が所々配置されたタイツを履いていた

他の装備が全部革装備に対しコレだけ金属装備である

正直コレが1番重そうだ

 

 

クリス「キミ、普段あんまりそう言うの気にしない風にしてるのに意外と気づくよね。前も気づいてくれたし」

 

ゆんゆん「・・・・・・・」

 

 

だから別に服装変わったの気づいてますアピールじゃないからね?

ゆんゆんも顔を赤くしないで照れちゃうから!

 

 

クリス「まぁ、いいや。コレでゆんゆんもアタシ達とお揃いだね!」

 

 

そう、クリスは前の【新じゃが】のクエストからセナとお揃いのタイツを身に着け始めた

べ、別に足を隠し始めて残念とか思ってねぇからな!

 

 

ゆんゆん「お揃い・・・それって友達見たい///えへへ//」

 

 

ゆんゆんもそのタイツを気に入っているようで良かったんだが重くない?

大丈夫?

 

 

セナ「まぁ、レベルが上がれば筋力値も上がるので大丈夫かと・・」

 

 

一応俺の問に対して仕事モードのセナが答えてくれた

まぁ、今は普段使ってた攻撃手段が使えない分身を守るすべが必要か・・

 

 

クリス「それより、そろそろ休憩にしない?そこに丁度いい木陰がある事だし」

 

 

そう言ってクリスは1本の大木を指差す

その木は風通し良さそうな丘の上に根を貼っており非常に涼しそうだ

 

 

クリス「ね?ハチマン良いでしょ?」

 

 

クリスが珍しく甘えた声を出す

 

 

 何?急に?

 

 

正直普段と違う態度に少し気味が悪い

 

と、思ってたがクリスはチラチラとゆんゆん方を見ている

どうやらゆんゆんの息切れはクリスも気にしていたようだ

 

こういう気遣いができるのが彼女のいい所だろう

俺もセナも彼女のこういった所に助けられている

 

 

セナ「そうですね。周りに敵の気配はありませんし、足跡も無いので巣が近い訳でも無さそうなのでいいと思います」

 

 

対するセナは俺達よりも豊富な経験がパーティーを支えていた

俺達よりも年上でかつ冒険者歴も長いため、彼女の冒険者カードには記載されていない経験者のスキルというのが存在する

それは知識だったり技術だったり様々だがかなり助けられているのは確かだった

 

 

クリス「えーとここから先の牧場に行くんだよね?」

 

ゆんゆん「はい!そうです。まずは行方不明のパーティーの人達が受けていた依頼の依頼主にクエストが達成されたのか、それとも達成されずに行方不明になっているのか確かめないとダメですから」

 

セナ「それから実際にコボルドの巣にも行ってみないと行けません。後は周辺の地形の確認もしないと・・・。」

 

 

今後の方針を確認しながら木に背中を預け休憩にする

 

 

ゆんゆん「あ!ハチマンさんもコレをどうぞ!」

 

 

俺も腰を据えようとした時にゆんゆんがおずおずと大きめの布を差し出してくれた

よく見ると3人の下には既長方形の布が敷かれていた

どうやらこの世界でのレジャーシートのようだ

 

 

八幡「準備がいいな」

 

ゆんゆん「そ、その他の人とこうやってお出かけするの夢だったので色々準備してきたんです!」

 

 

俺は逆に他人と出かけるのを嫌うタイプだがこの子はそうではないらしい

むしろ憧れと期待に満ちた目をしていた

 

 

八幡「すまん、借りさせてもらうわ」

 

ゆんゆん「はい!」

 

 

折角なのでゆんゆんに布を借り木の近くに広げ腰を下ろす

そして昨日、露店街で買った黒のレッグポーチから長方形の石を取り出した

 

コレは砥石

つい最近よく剣をメンテナンスに出している店にあまりにも俺がメンテナンスに来すぎているため気を利かせた店主のおっちゃんがくれた物だ

 

そして一緒に【研磨】のスキルも教えて貰った

 

 

非常に情けない理由で貰ったものだが重宝している

俺の腕だとまだまだ剣を連続で運用するのは難しく

【片手剣】スキルと練習のおかげで12匹、13匹程度なら問題ないが使いすぎると血と油で切れ味が落ちる

だがこの【研磨】スキルのおかげで研ぎ直して切れ味を戻し磨き直して血と油を落とすことができる

その為最近は鍛冶屋に通う事がかなり減った

 

まぁそれでも刃が欠けたり剣筋が曲がったりはどうしようも出来ないためちょいちょい通ってはいるが・・・・

 

 

「シャキシャキ」と音を鳴らしながら研ぎ直す中女性陣は何やら騒いでいた

 

 

ゆんゆん「あの、良かったらコレを皆さんで食べてください。」

 

クリス「お弁当!わざわざ作って来てくれたの!?」

 

セナ「凄く綺麗に出来ていますね。本当に貰って良いのですか?」

 

ゆんゆん「はい!どうぞ!食べてください!」

 

 

どうやらゆんゆんがお弁当を作ってきてくれたらしい

道理で大きなリュックを背負ってると思ったら・・・

 

 

クリス「すごく美味しいよ!この唐揚げとか冷めてるのにサクサク!」

 

セナ「お料理上手なんですね?とても美味しいです。」

 

ゆんゆん「その、お友達とピクニックに行くことを想定して【料理】スキルを覚えたんです!まぁ結局そんな機会は無かったけど・・・」

 

 

凄く悲しい事を聞いてしまった・・・

 

 

セナ「あれ?今はスキルは使えないのでは・・・」

 

ゆんゆん「・・はい。スキルが無いのでもしかしたらお口に合わないかもしれませんけど・・・」

 

クリス「スキル無しでこの味!!凄すぎない!?」

 

ゆんゆん「いえ!そんな!私なんか全然・・・」

 

 

3人が盛り上がる中黙々と剣を研いでいく

だが急に物凄い視線を感じた

3人がいつの間にか会話をやめ俺を見ていた

 

 

ゆんゆん「あの!ハチマンさんも良かったら食べてください!」

 

 

 ああ、俺も食べていいのね・・・

 

 

八幡「お、おう。コレが終わったら貰う」

 

 

とりあえずこれを終わらせないと手があかない

俺は早々に終わらせるべくスピードを上げた

だが横に感じる圧力が気になり速度がすぐに戻る

 

 

セナ「ダメです。折角用意して貰ったんですから、すぐに食べて感想を言うべきです!」

 

 

圧力の正体はセナだった

セナは片手にサンドウィッチをもって俺を威圧していた

 

 

八幡「いや、でもコレがまだ少し残ってるし・・・」

 

セナ「それなら・・・」

 

 

はい。どうぞ。とでも言うようにセナが俺の口元にサンドウィッチを突き出す

そして目で「食え」と訴えかけてくる

 

 

正直恥ずかしい

 

 

八幡「い、いやそれなら自分で持つ」

 

 

流石に恥ずかしくなりセナからサンドウィッチを受け取ろうとするがサンドウィッチは俺の手をかいくぐり再び口の前へ

 

 

セナ「そんな汚い手で折角作って貰った物を汚す気ですか?」

 

 

言われてみれば俺の手は砥石の研汁で真っ黒になっていた

 

 

・・・うっ

ゆんゆんも「食べてくれないんですか?」とでも言うような捨てられた子犬見たいな目で見ないで

クリスも「食べてあげなよ」と言うようなヤレヤレ系の目で見ないで

 

 

八幡「わ、・・・・・分かった」

 

 

結局押し切られる形で食べてしまった

恥ずかしい

 

 

ゆんゆん「どうですか?」

 

 

まだこの羞恥の時間は続くようで今度は3人が俺の感想を心待ちにし始める

やめてなんか恥ずかしい!!

 

正直旨い

旨いがこれをこの空気で素直に言うのは恥ずかし過ぎる

 

 

八幡「コレ、作るのに時間かかったのか?」

 

ゆんゆん「へ?は、はい。昨日の夜に仕込んで、今朝出かける時間の2時間前に起きて作りました」

 

クリス「2時間!!すごいね!!」

 

セナ「これは、味わって食べないといけませんね」

 

 

いや、2時間ってすごいな

家なんてたまに弁当が出たと思ったら昨日の夕飯の残りの処理用だぞ?

製作時間30分もかからん

 

 

八幡「まぁ、それだけ時間をかける価値があったんじゃねぇの」

 

ゆんゆん「えーと・・・・褒められてる?」

 

クリス「うん。褒められてるよ」

 

セナ「大絶賛ですね」

 

 

なんか恥ずい

 

 

クリス「と言うかもっと素直になればいいのに、そうすれば彼女も友達もできたかもしれないよ?」

 

八幡「俺はボッチである事に誇りを持っている。それに面倒くさい人間関係はゴメンだ」

 

 

由比ヶ浜とか見てると特にそう思う

 

 

ゆんゆん「・・・・ボッチなのを嫌だとは思わないんですか?」

 

八幡「1人なのは社会的には評価対象だろ。海だって山だって単独で渡ったり登ったりするのが最高のステータスなんだぞ。それ考えたら産まれてから前線でボッチやってる俺とかもはや英雄でしょ」

 

ゆんゆん「なんか、違うような・・・・でも凄いですね。私はボッチなのは悪い事なんだと・・・」

 

八幡「そんなの人それぞれだろ?」

 

 

みんなが集まるから悪いことだってある

1人だから良いことだってある

 

 

八幡「自分には何が合うのか、親友を1人だけ作って孤高に高みへ目指す奴だっている」

 

 

ふと、美しかった氷の女王を思い出す

 

 

八幡「逆にみんなに気を使って上手く立ち回ろうとする奴もいる」

 

 

ふと、優しかったアホの子を思い出す

 

 

八幡「女の友情を捨てて、気の向くままに男との縁に重きを置く奴もいる」

 

 

ふと、あざとかった後輩を思い出す

 

 

八幡「別に友達が多いから良いとか少ないから悪いとかそんな物はただの強迫観念だ。自分らしく振る舞えばいい」

 

 

ボッチは悪い

友達を作らなきゃ

なんてくだらない事を考えて自分らしく居られないのはそれだけ自分の良さが減るということだ

そんなの本末転倒だろ

 

 

クリス「うーん。」

 

セナ「・・・・」

 

 

何故か2人は機嫌が悪そうにしている

クリスなんて分かりやすく頬を膨らませている

 

 

クリス「アタシ達はゆんゆんと友達だと思ってたんだけどなぁ」

 

セナ「そうですね。そう思われて無かったのは少し寂しいです」

 

 

 ああ、そう言うことね

 

 

ゆんゆん「え!友達!?と、友達になってくれるんですか?」

 

クリス「なるんじゃなくてもう既に友達のつもりだったんだけど」

 

セナ「ゆんゆんさんは違うのですか?」

 

ゆんゆん「い、いえ違いません!と、友達です。大親友です!」

 

 

なんか急に飛んでない?

レベルアップ早くない?

 

 

まぁ、3人が仲良くなるのはいい事だろう

こんな風景を眺めながら飯を食うのも悪くない

 

 

 

・・・あ、水の魔法で手を洗えば良かったのか 

 

 




うーん。申し訳ない

本当は2話編成のつもりが説明が長すぎた
ちょっと薄味回かもしれん・・・
申し訳ねえ

まさかの3話目になってしまった。
なので次回ゆんゆん編終了です

それでは以上!
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