僕のクラスメイトの一人がクソホモで困っています。   作:桃次郎

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作者的に1番出したかったキャラ更識簪”くん”初登場です!

あ、話変わるけどゼロカロリーって糞だと思わない?(唐突)


ゼロカロリーなんて

「酷い目にあった…」

 

結局僕たちはあの後、織斑先生からの説教と折檻を受けた。主犯であるパ…ラウラくんはそのまま首根っこを掴まれ生徒指導室まで連れていかれてしまった。

僕もとばっちりで頭に1発出席簿の表紙のところでパンとやられた、何で僕まで…

あぁ、織斑くんは出席簿の角のところでやられたせいか気絶してしまった。大丈夫なんだろうか?

 

「とりあえず織斑くんをベットに寝かせて…うーん、なんか喉乾いたな…」

 

疲れているのかな、何か飲み物が欲しい。僕は室内に備え付けられている冷蔵庫の扉を開け、中を見渡す。

 

「あー…切らしてたか」

 

寮の1階エントランスにある自販機まで行って何か飲み物を買ってこようかな、コーラが良いな、うん。あ、でもゼロカロリーのヤツは駄目だ、あれはコーラの皮を被った偽物だ。ペプシも駄目だ、あれは天下のコ〇・コーラに弓引くサ〇トリーの回し者だ。

 

「コーラコーラ…」

 

ついでに何か織斑くんにも何か買ってこよう、僕はコーラを買うために部屋を出た。

 

 

 

「コーラ、コーラ…」

 

途中、クラスの子達に話しかけられて適当に受け答えをしながら僕はエントランスまで降りて来た。僕の目線の先には例のあの赤い色をした自販機がそびえ立つ、テンション上がるなぁ。青いヤツだとこうはいかない、サ〇トリーは駄目だ。面白味も何もない。

 

「コーラ!コーラ!」

 

僕は勢いよく自販機の前に立つと小銭を投入口に流し込み目線を上に上げた。さあコーラは目の前だ!

 

「コーラ!コーラ!コ………」

 

僕の視界に飛び込んできたのは、黒いラベルのコーラだった。ラベルの下側、白い文字で「ゼロカロリー」の文字が無機質に主張していた。

 

「な………なんでぇ」

 

僕は項垂れた、ゼロカロリーだと?ふざけるなよ、コーラなんていくらゼロカロリーなどと主張しても中身は炭酸と甘味料と香料とその他添加物の混ぜ物じゃないか!!中途半端に健康志向を志すな!!

 

「うぅ…」

 

そうか、ココはIS学園。たった5人の男子生徒を除けば全員女性しか居ない異常な場所だ。カロリーマシマシのコーラなんて誰も飲まないんだ…需要が全く無いのか…!

 

「コーラぁ」

 

世の無常を嘆く僕、そこへ1人の子が僕に話しかけてきた。誰だろうこんな時に?

 

「あ、夕陽くんどうしたの?」

 

「コー…ん…?あれ、簪くん?」

 

更識簪くん、僕と同じISを使える男子生徒だ。けど制服は女子と同じものを着ている、なんでも家のしきたりらしく、成人するまで女性の格好しかしてはいけないらしい。何だか大変だなぁ。

 

「簪くんも飲み物買うの?」

 

「いや、なんか夕陽くんが落ち込んでる様だったから話しかけたんだけど…」

 

どうも僕を心配して声をかけてくれたらしい、優しい子だなと思う。

 

「見て!かん夕よ!かん夕!」

 

「カン・ユー!」

 

「人間のクズめ!」

 

何やらまたラウラくんと手を繋いで歩いてた時と同じく女の子達が離れたところで何やら騒いでいる、僕は人間のクズでも最低野郎でもない。

 

「コーラがね…」

 

「コーラ…?」

 

僕は簪くんにコーラの素晴らしさとゼロカロリーへの意を唱えた。

 

 

 

「…って事なんだよ」

 

「そ、そう…」

 

ちょっと困ったような顔で僕の話を最後まで聞いてくれた簪くん、良い子だとつくづく思う。

 

「何かごめんね、こんな話に付き合わせて」

 

「良いよ良いよ、私も夕陽くんとお話出来て楽しかったよ」

 

にこりと笑う簪くん、端整な顔立ちと白い肌、綺麗な髪と相まって本当に女の子にしか見えない。

 

「更識くんとお話してる花本くん可愛い!」

 

「更識くんも可愛い!」

 

「すっごい可愛い」

 

他の子達がまだ何か言っている気がするけど気の所為だろう、気の所為だよね?

 

 

 

「この泥棒猫…!!」

 

 

 

今のだけはハッキリと聞こえた、泥棒猫って。シャルルくんも言ってたな、流行ってるのかな。

 

「花本くゥん…?”ウチ”のかんちゃんと何を話してたのかなァ…?」

 

「うわっ!?」

 

「お、お姉ちゃん…」

 

ドス黒いオーラをその身に纏わせて音もなく僕たちの側まで忍び寄ってきたのはこのIS学園の生徒会長で、簪くんのお姉さん『更識楯無』会長だった。

 

「か、かんちャァん?その泥棒猫から離れなさァい…」

 

「お姉ちゃん!夕陽くんに酷いこと言わないで!!」

 

「かんちャァん…!?私はかんちゃんの事を想って…!」

 

更識会長は重度のブラコンとして学園でも有名だ、この間だって簪くんに話しかけた子を…いや、これ以上言及するのはやめておこう、それよりも目の前の驚異に対応するべきだ。

 

「あ、あの…僕は別に簪くんに何かしようとした訳では…」

 

「アナタは黙っていなさァい…?」

 

「ア、ハイ」

 

ビキビキと額に漫画みたいな青筋をたてまくる更識会長。怖い、人間ってあんなに血管浮き出るものなの?

 

「お姉ちゃん!私が誰と話をしようと勝手でしょ!?」

 

「かんちャァん…大変…!かんちャんが不良になっちゃった…!!!」

 

人と話しただけで不良ってどういう事なんだ、不良のハードル低すぎでしょ…

 

「もう良い!お姉ちゃんなんか嫌い!!」

 

「か、かんちャァんんんんんんんッッッッ!!!」

 

まるでムンクの叫びのような顔で絶叫する更識会長、怖い。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

会長はこの世の終わりのような叫びを上げながらそのまま何処かへ走り去って行ってしまった。出来れば二度と会わない事を祈る。

 

「ごめんね…お姉ちゃんが”また”おかしな事言って」

 

「い、いや…良いよ気にして無いし」

 

「お姉ちゃん頭おかしい人だから…」

 

簪くんの実の姉へのあんまりな評価に僕は力なく愛想笑いをした。

 

 




楯無さんファンの皆さんごめんなさい、何か楯無さんが頭おかしい人になってしまって…けど書きやすいねんこの人、ネタにもシリアスにも振れるしISの二次創作だと束さんに次ぐ便利キャラだと思う。


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