僕のクラスメイトの一人がクソホモで困っています。   作:桃次郎

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他作品で散々一夏が如何にエロいかとか頭のおかしい事書いてたけど、1度くらいはこういう専用機の解説とか書いてみたかったんねん。


ISの二次創作をやるならオリ主の専用機の解説は必須だと思うんですよ

「専用機…ですか?」

 

「そうだ」

 

寮での騒動から一夜明け、夕陽はいつもの様に自身の教室に足を運んでいると、担任の千冬から呼び止められた。何でも世界的に見ても貴重な存在である夕陽に対し、自衛と稼働データの取得を名目に専用機を譲渡するとの事だった。

 

「倉持技研は知っているな?」

 

「あ、確か一夏くんと簪くんの専用機を作った所ですよね?」

 

「そうだ、お前の専用機もそこから支給される事になる」

 

何でもそのISは簪の専用機である『打鉄弐式』と同時進行で制作されていたが、一夏の登場で急遽制作の一時中止を余儀なくされ、暫くの間倉庫で埃を被っていたものだという。

そこに更に夕陽がISに搭乗出来る男子だと発覚し、大慌てで制作を再開して完成にまで漕ぎ着けたという。

 

「突貫工事で完成させた代物だが品質には問題はないそうだ」

 

「だ、大丈夫なんでしょうか…?」

 

夕陽は少し不安だった。専用機が渡されるのは確かに嬉しい、だが制作の経緯を説明されると手放しで喜ぶことが出来ないのが実情だ。

 

「安心しろ、何かあったら私がすぐに倉持に乗り込んでやる」

 

冗談っぽく言う千冬、それに夕陽は愛想笑いで応じた。

 

(…先生は冗談は言わない人だからなぁ)

 

この人がいう言葉は大体は『マジ』なんだと夕陽は短い付き合いながらも理解していた。こうして夕陽は地上最強のクレーマーをバックに付ける事に成功した。

 

「専用機は夕方までには届くそうだ、まあ楽しみにしておけ」

 

「はいっ!」

 

千冬は夕陽の元気の良い返事を聞くと、口角を僅かに上げた。こういう屈託のない反応は見ていて気持ちの良いものだ。

 

「私はまだ準備があるから先に教室に行け、何か聞きたいことがあったら暇をみて声をかけてくれ」

 

「ありがとうございます!」

 

話を切り上げると二人は別れた、千冬は振り向くと夕陽の背を見た。僅かに除く顔には笑みがあった事を確認すると千冬は彼の学園生活が健やかなものとなっている事を確信し、少し安堵した。

 

 

 

 

 

 

 

「夕陽!専用機が届くんだってな!」

 

夕陽が教室に着くと、一夏が笑顔で出迎えた。その後ろには当然の如くシャルルがまるで新妻の如く控えている。

 

「あれ、何で知ってるの?」

 

「もうクラス全員知ってるぜ」

 

どこから情報が漏れたのかは定かではないが、既にクラス全員が夕陽が専用機を渡される事を知っていた。この学校のセキュリティ大丈夫かなと夕陽は思っていると一夏は夕陽に抱きついてきた。

 

「わっ!織斑くんっ」

 

「でもよかったな!これで男子全員専用機持ちだぜ!」

 

「う、うん!」

 

一夏は良くも悪くも、パーソナルスペースが狭いというか、人との距離感が割と近い方の人間だ。スキンシップはボディタッチも良くする。

人と遊ぼうとじゃれてくる大型犬みたいだな夕陽は思った、そして同時に悪寒を覚えた。もはや見覚えすら感じるシャルルの絶対零度の眼差しだった。

 

「い、一夏ー…?夕陽も困ってるからそろそろ離したら?」

 

それとなく夕陽と一夏を引き離そうと誘導するシャルル、しかし一夏はシャルルの思惑通りには動いてくれなかった。

 

「何言ってんだよシャルル!お前も嬉しくねーのかよ!」

 

「わっ…!」

 

一夏はあろう事かシャルルの肩を抱き寄せたのだ。両腕に男子二人を抱えて笑う一夏。これが普通の男がやるならかなりむさ苦しい光景になっただろうが、ジャ〇ーズ顔負けのイケメンと、女と見間違える程の美貌の少年と、可愛らしい顔立ちの少年がそれをやるのだ。周りの女子生徒はもう堪らない。

 

「これで全員一緒だなっ!」

 

「う、うん!」

 

「…まぁ良いか…」

 

女子生徒達は千冬が来るまでの間、この光景を目に焼き付けようとガン見していた。

 

「…尊い」

 

あるものはそれを青春の1ページと感じて。

 

「ハァハァ…!」

 

あるものはそれを邪なものに脳内変換して。

 

 

 

 

 

 

時間が経つのは早いもので、あっという間に終業時間を迎え、遂に夕陽は自身の専用機を受け取る事となった。

千冬から伝えられた場所は『アリーナ』だった。ただでさえ広い学園でも特に広大な面積を誇る空間であり、学園の生徒達は主にここでISを使用した訓練や模擬戦などを行う。

 

「あ、花本くんだ」

 

「こんにちはー」

 

「元気ー?」

 

「お疲れ様です」

 

アリーナに入場すると夕陽を出迎えたのは見慣れぬ生徒達だった、どうも上級生の先輩らしく。夕陽は礼儀正しく挨拶をした。

 

「聞いたよー?専用機貰うんだって?」

 

「いいなー」

 

「ウチも欲しー」

 

学校という閉鎖空間は良くも悪くも情報の伝達は早い。本来夕陽と接点のない彼女たちですら夕陽が専用機を貰う事を知っているという事は、もう学園の生徒のほぼ全員がこの情報を知っているのだろうなと、夕陽は苦笑いをした。

 

「さっき見慣れないISが運ばていったから多分アレが花本くんの専用機だったんじゃないかな」

 

「うんうん、綺麗な紫色してた」

 

「えー?青色だったよー?」

 

「そうだったっけ?」

 

夕陽は先輩たちとの世間話ついでに自身の専用機のカラーリングが『紫』か『青』である事を知った。改めてこの学園のセキュリティ大丈夫かなと感じたが夕陽は敢えてそれを口に出す事はなかった。

 

「ついでに織斑先生も見かけたよ」

 

「確か第3デッキの方に向かってたよ」

 

「第3デッキ、ですか」

 

「あ、行き方はね…」

 

夕陽は先輩たちに第3デッキの行き方を教えてもらうと彼女たちと別れ、その場所へと向かった。

 

 

 

「来たか」

 

「お、夕陽早いな!」

 

「花本くん来たよー」

 

「あれ…みんな?」

 

夕陽の専用機を一目見ようと大勢の野次馬が第3デッキには溢れていた、クラスメイトやその他のクラス、上級生まで。夕陽は人混みをかき分けるとようやく専用機の所まで辿り着くことが出来た。

 

「これが…」

 

花本夕陽の専用機、世界にただ一つだけ、彼だけの為に用意されたIS。夕陽がそれを見た初めての感想は『綺麗』だった。

まるで磨かれたような光沢をもった機体装甲はマジョーラで塗装され、見るものの角度からその色を変える。先程先輩たちがこの機体を見たときの色の感想が違ったのはこれだったかと夕陽は合点がいった。

 

「綺麗な機体だろう、私も最初見た時は驚いた」

 

「はい…」

 

目の前機体の色彩に圧倒される夕陽、千冬の説明を聴きながら夕陽は機体に見とれる。

腰から下にかけて地に広がるようなスカートアーマーと、IS特有の肘から先を覆う手甲と胸部を守る装甲がそれに威容を付け加えている。

機体の両脇には流線型の非固定浮遊部位(アンロックユニット)とおぼしきものが浮いており、この機体が尋常ではないものだという事を夕陽に対し視覚的にそれを示していた。

 

「打鉄をベースとしたカスタム機だそうだ」

 

「え!?これ元は打鉄なんですか?」

 

打鉄とは日本の量産型ISであり、このIS学園でも訓練に使用される機体だ。夕陽自身、何度も搭乗した馴染み深い機体だ。だがこの目の前の機体はその色をとっても形状を見ても、あの打鉄とは結びつける事は夕陽には出来なかった。

 

「機体の各所を見直し、装甲、武装、システム、その他パーツ単位まで調整を行ったそうだ」

 

もはや別機と断言して良いだろうと千冬は説明を続けた。何やらとんでもない事になっていたようだと夕陽は青ざめる、大事である。

 

「第2.5世代型IS『菫(すみれ)』、お前機体だ、大事に使え」

 

すみれ、その名前を小さく呟いて、夕陽は何度も何度も反芻した。

 

 

 




機体解説

『菫』

元々は政府及び、IS委員会からの要請で篠ノ之箒の為に倉持技研が制作していた機体であり、制作は順調に進んでいた。当初の予定では箒がIS学園に入学する直後の段階で箒に渡される筈だった。

制作を指示した者達は専用機を箒に渡すことにより恩を売って、あわよくば箒の姉であるISの生みの親たる篠ノ之束へのコネクションを作ろうとしていたようだが。一夏や簪、さらにラウラやシャルルといったISを操縦出来る男子が国内外から次々と発見され、政府とIS委員会はその対応に追われる形となり、倉持技研は彼らの専用機の制作を最優先させよとの指示を受け。本機は1度制作中止を言い渡された。

その後騒動も収束してゆき、倉持技研も制作再開をする頃には他ならぬ箒本人が姉の束から専用機を渡され、本機の存在理由が失われてしまう形となってしまった。
本来の主を失った本機はその後解体され、元の打鉄に戻される予定だったが、状況は更に一変する事になる。
なんと新たにISを操縦出来る男子『花本夕陽』が日本国内から発見され、政府と委員会は再び倉持技研に彼の専用機の制作を依頼する事になり、技研は本機に白羽の矢を立てた。

政府、委員会も『せっかく現れた貴重な存在に渡す機体なのだから、性能及び装備を吟味したものを譲渡すべし』とし、本機は更なる性能の向上を言い渡された。
技研のスタッフたちも解体予定だった機体を完成させられるとそのモチベーションを上げ、本機の制作に不眠不休で没頭する事となる。

その甲斐あってか、本機は当初予定されていたカタログスペックを大幅に更新し、もはやただの既存の量産機のカスタム機とは一線を画す性能を得ることに成功する。
制作スタッフからも『これはもう第2世代機の範疇ではない』との意気込みから。予定されていた名称である『打鉄・菫』から打鉄の文字か外され、『菫』とその名を変える事となる。



ちなみに箒自身は自分に専用機が渡される事は知らなかった。政府も委員会も、どうもサプライズ的に渡す事により、より一層深い恩を感じさせようとしていたようだ、その目論見は完全に裏目に出てしまったが。

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