愛した人と学戦修行   作:白夜132

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星武祭など最初は漢字で書こうとしたのですが、たくさん書いていて自分が分からなくなってきたのでカタカナで書くことにしました。


第2話

白夜side

 

万由里とクローディアと一緒に決闘の現場に来たが、どうやら今しがた始まったばかりのようだ。

ユリスと呼ばれた女子はレイピア型の煌式武装を構え、綾斗と呼ばれた男子は剣型の煌式武装を構えていた。

 

「あの綾斗とかいう男、実力がよくわからんな。」

万「ん。でも、ユリスの方はページ・ワンだから強いわよ。」

「ページ・ワンてなんだ?」

ク「各学園のネームド・カルツという全七十二枠のランキングリストの最初のページに来る上位十二人のことです。」

万「で、ユリスは序列五位の実力者。」

「あれが、序列五位か。」

 

それだけ話すとユリスが攻撃を始めた。

 

ユ「咲き誇れーロングフローラム。」

 

ユリスが細剣を振ると、その軌道にそって巨大な青白い炎の槍が顕現する。テッポウユリの姿をしたその炎は、ロケットのように綾斗を貫こうと飛び掛かった。

 

綾「くっ!」

 

綾斗は剣を楯にしてなんとかそれを受け流したが、衝撃で大きくはね飛ばされる。

かろうじて受け身を取ったものの、ずいぶん息が上がっているようだ。

 

「なるほどな。」

万「どうかしたの?」

「あの男、力を封印されてる可能性があるな。」

万「どういうこと?」

ク「それは私も気になります。」

「あくまで推測に過ぎないが、あいつ自分の思ってるように体を動かせてない。身体能力だけを封印されてるのかプラーナも封印されてるのかはわからないがな。」

万「確かに動きからして剣術を習ってるみたいだから、自分の動きを把握してないわけないわね。」

ク「でも、どうして力を封印されてるのでしょうか?」

「そんなことは俺に言われても分かるわけないだろ。てか、それが分かったらただの化け物だろうが。」

万「今でも十分化け物染みてるじゃない。」

「そんなことはないと思うんだが。」

万「あんたからしたらね。」

 

万由里に言われて黙ることしか出来なかった。

俺は決闘の方に意識を戻したが、隣で万由里とクローディアが俺には聞こえない声で何かを話していた。

 

ク「あの万由里、白夜はどのくらい強いのですか?」

万「ん~、最近はあってないからわからないけど、昔は強かったわよ。」

ク「昔はどのくらいだったのですか?」

万「私、五歳の時から剣術習ってたって話したわよね。小学二年で奥義まで全部修めて小学三年で引っ越す時までずっと道場に通ってたんだけど。それでも剣術や武術を習ってない白夜に一度も勝ったことがないわ。」

ク「!?」

万「でも、引っ越してから今までのより遊ぶ時間も減ったから、その分修行して強くなったから今やったらどうなるかわからないけど、私でも勝てる可能性はほとんどないと思ってる。」

ク「それほど強いのですか?」

万「白夜は、ゲームやアニメ、小説を見て技や戦い方を学んでるみたいだから技も豊富なのよ。」

ク「それで技を学べるのでしょうか?」

万「まあ、白夜にとってはそれだけで技を使えるようになるのよ。だから、技を見ただけで大体は使えるようになるわよ。」

ク「なるほど、グランドスラムを成し遂げると宣言するだけはあるようですね。」

万「まあ、そういうこと。」

 

万由里とクローディアも話を終え、綾斗たちの戦闘に目を向けた。

 

綾「ええっと、ユリス・・・さん?そろそろ許してもらえないかな?」

 

と、ようやく息を整えた綾斗が眉を下げながら両手を挙げる。

 

ユ「ユリスでいい。で、それは降伏の意思表示と受け取ってもいいのか?」

綾「そりゃもう。いや、そもそも俺としては最初から戦いたくなんてなかったんだけど。」

ユ「ま、それはそれで構わないが、その場合おまえは変質者として私に仲間でじっくり焼かれるか、やはり女子寮の自警団に突き出されるかのどちらかになるぞ?ちなみに先日自警団に捕まった下着泥棒は、『おしおき』の結果カタコトしか喋れなくなった挙げ句に部屋から一歩も出られない精神状態になったそうだ。」

綾「・・・もう少し頑張ってみようかな。」

 

綾斗は引きつった笑みを浮かべながら剣を構えなおした。

 

「なあ、ユリスが今恐ろしいこと言ってたんだが気のせいか?下着泥棒をしたやつに同情することはないが、自警団の『おしおき』明らかにやばいだろ。」

万「まあ、女子寮は男子禁制だから。」

「恐ろしいな。」

万「白夜なら、自警団くらいあしらえるでしょ。」

「あしらえるあしらえないの問題じゃないだろ。」

 

そんなどうでもいい話をしていると、ユリスはプラーナを集中させていた。

 

ユ「咲き誇れーアマリリス。」

 

ユリスの前に巨大な火の玉が出現すると、ギャラリーがざわめいた。

 

ギャ1「やっべえ!大技だ!」

ギャ2「ちょ、冗談じゃねえぜ!」

ギャ3「退避退避ー!」

 

巻き込まれて怪我しても当然自己責任だ。ギャラリーがあわてて距離を取る。

クローディアもそれに乗じて距離を取った。

ユリスはそんな野次馬たちに見向きもせず、最適な軌道を瞬時に計算して火球を放った。綾斗が腰をかがめて身構えるが、かわされる直前でユリスはぐっと拳を握りしめる。

 

ユ「爆ぜろ!」

綾「!」

 

その命に、綾斗の眼前で火球が爆発した。

 

綾「天霧辰明流剣術初伝ー”貳蛟龍”!」

 

剣閃らしきものが煌いたかと思うと、炎の花弁が十文字に切り裂かれた。

 

ユ「なっ・・・・まさか、メテオアーツ!?」

万「あいつ、調整もされてない煌式武装でメテオアーツなんてよくやるわね。」

「いや、あれはメテオアーツじゃなくてただの剣技だな。

やはり、力を封印されていたか。今、一瞬だけ封印を破って本来の力で防いだんだろうな。」

 

ユリスが戦慄に近いものを覚えた次の瞬間、炎の切れ目から現れた綾斗が一息で間合いを詰めていた。

そうとうな速度だった。少なくとも先ほどまでの動きとは別次元だ。

一瞬、綾斗の周囲に薄い光の火花のようなものが散ったのを白夜は見逃さなかった。

 

ユ「こ、このっ!」

 

反射的に迎え撃とうとしたユリスを、綾斗の鋭い声が打つ。

 

綾「伏せて!」

 

その意味をユリスが理解する前に、押し倒された。

 

ユ「お、おまえ、なにを・・・・!」

 

抗議の声を上げようとしたユリスは、思わず目を見開いた。

今までユリスがいた場所に一本の光の矢が突き刺さっていたのだ。

 

ユ「どういうつもりだ。」

綾「どういうつもりだって・・・それは俺じゃなくて撃った本人に聞いてほしいな。」

 

綾斗は困ったように答えた。

 

ユ「そうではない!なんでわざわざ私を。」

 

ユリスはそこまで言って、はと気づいた。

綾斗がユリスの発展途上の膨らみを、思いっきり鷲掴みにしているのだ。

それを理解した途端、ユリスの顔がぼっと赤く染まった。

 

綾「・・・あ。」

 

遅れてそれに気づいた綾斗も、あたふたと飛びのいて頭を下げる。

 

綾「ご、ごめん!いや、あの、俺は別にそんなつもりじゃ全然なくて!」

 

その様子を見て、白夜は笑うのを必死にこらえていた。

 

万「あ~あ、折角助けたのに、やらかしちゃった。」

「いや~、あいつすごい才能があるんじゃないのか。

どうどうと女の胸を触るなんてな、男からしたらうらやましい限りだろうな。」

万「へえ~。じゃあ、白夜は私の胸触る?」

 

万由里は、白夜に向かって笑顔でそう言ってきた。しかし、笑顔なのに目が笑っていない。その顔を見て、白夜は血の気が引いた。

 

「いや、ただの冗談なんだが。

まあ、それに関してはまた今度な。」

万「そ。」

 

そんな会話をしているうちにクローディアがユリスと綾斗の決闘を止めていた。

そこに万由里も近づいて行った。なので白夜もついて行った。

 

ク「ふふっ、これで大丈夫ですよ。天霧綾斗くん。」

綾「はあ~。」

 

綾斗は額の汗をぬぐい、大きく息をはいた。

 

綾「ありがとうございます・・・え~と、生徒会長、さん?」

ク「はい、星導館学園生徒会長、クローディア・エンフィールドと申します。よろしくお願いします。」

ユ「いくら生徒会長といえども、正当な理由なくして決闘に介入することはできなかったはずだが?」

万「いいじゃないユリス、助けてもらったんだから。」

ユ「万由里!どうしてここに?

それに、隣にいる男は誰だ、見ない顔だが?」

万「この人は、神堂白夜。そこの男と同じで特待転入生で私の幼馴染。

それで、同じ特待転入生が決闘してるから見に行こうって白夜が言うから来たの。」

「そういうことだ。よろしくな、ユリス。」

ユ「ああ、しかし馴れ合うつもりはない。」

「そうか。」

 

そういうと、ユリスは綾斗の方を向いた。

 

ユ「ところで・・・先ほどは、その・・・あ、ありが、とう。」

 

ユリスはばつの悪そうな顔で綾斗にお礼を言った。

 

綾「ああ、それはいいんだけど・・・もう怒ってない?」

ユ「それは、まあ、怒っていない、こともないが・・・助けてくれたのは確かだからな。

私とて、あれが不可抗力だったことくらいはわかる。

だから、今度のことは貸しにしてくれていい。」

綾「貸し?」

ユ「ああ。分かりやすいだろう?」

ク「まったく相変わらずですね、あなたは。」

万「もう少し素直になった方が生きやすいわよ。」

 

クローディアと万由里が呆れた様子で言った。

 

ユ「大きなお世話だ。私は十分素直だし、これで人生になんの支障もない。」

ク「あら、でしたらタッグパートナー探しのほうもさぞかし順調なのでしょうね?」

ユ「う・・・そ、それは・・・。」

万「まさか、まだ見つけてないの?

フェニクスのエントリー締め切りまであと二週間しかないわよ。」

ユ「わ、わかっている!

そういう万由里はどうなのだ?お前も今回のフェニクスに出るのであろう!」

万「もう決まってるわよ。」

ユ「なんだと!いったい誰と!?」

万「ん。」

 

万由里はそういうと、白夜を指さした。

それを見てクローディアとユリスが驚いた顔をしていた。

 

ユ「そいつと出るのか?」

ク「そうだったのですか?なぜ先ほどは何も言ってくれなかったのですか。」

「俺も今初めて聞いたからな。」

万「私も初めて言ったから。」

 

その言葉に、万由里と白夜以外の三人は訳が分からないというような顔で首を傾げた。

 

綾「パートナーになる確認もしないで決めたってこと?」

万「ん。」

ク「あらあら。」

ユ「では、お前もつい先ほどまで決まってなかったのではないか!」

万「私は、白夜が転入してくるって知ってたからパートナー探さなかっただけだし。」

ユ「まるで、そいつが確実にパートナーになってくれる様な言い方だな。」

万「ようなじゃなくて確実だから。ね、白夜。」

「まあ、俺も万由里を誘うつもりだったしな。」

綾「白夜は、万由里が星導館学園にいるって知ってたの?」

「それは、今日知った。」

綾「そうなんだ。」

 

綾斗たちは呆れた顔をしていた。

 

「それより、時間は心配しなくていいのか?」

ク「それもそうですね。

では、綾斗君は話があるのでついていてください。」

綾「わかりました。」

 

そういって綾斗とクローディアは高等部校舎の方に歩いて行った。

 

万「ユリスはどうするの?」

ユ「私は、寮に戻る。」

万「そ。」

 

そういって、ユリスは女子寮の方に歩いて行った。

 

万「私たちはどうする?」

「まだ時間ありそうだし、この辺りを少し散歩でもするか。」

万「ん。」

 

白夜と万由里は、高等部校舎の近くを散歩し始めた。

 

万「白夜、さっきのユリスを狙った攻撃気づいてたでしょ。」

「なんだ、気が付いてたのか?」

万「何となくね。

私は、爆発越しで見えなかったけど、白夜は気づいてるだろうなって。」

「お前は、俺のことを過大評価し過ぎだ。

前の世界と違ってこっちの世界ではもう最強じゃないんだから。」

万「今でも十分強いくせに。」

「まあ、ある程度は強いけど、不利な状態になったら負けることもあるぞ。」

万「それが普通なんだけどね。

そういえば前に言ってたわね、いかなる状態でも負けない絶対の強さを持つ者こそが最強って。」

「ああ、世の中上には上がいる、じゃんけんのように相性がある以上必ず不利な相手も存在する。そんな中最強であるためには有利不利関係なく勝つだけの力がいる。でも今の俺にはそんな超次元の力なんてないからな。」

 

白夜は、そういって肩をすくめた。

 

万「それでも私は白夜は誰にも負けないって信じてるから。」

「!?それはうれしいな。」

 

微笑みながらそういう万由里に、白夜は一瞬目を見開いたが同じく微笑んで返した。

 

万「でも、いつか必ず私が白夜に勝つから。」

「負けないって信じるんじゃなかったのかよ。」

万「信じてるわよ。だから、私にとって最大の目標なんじゃない。」

「そうか。

なら、簡単に超えられてガッカリされないよう頑張らないとな。」

 

そんなたわいもない話をしながら時間まで散歩を続けた。

そしてちょうどいい時間になったので、職員室に行き綾斗と一緒に担任の先生である谷津崎匡子に連れられて教室に向かった。

教室に入って、黒板の前に立たされて事項紹介をさせられた。

 

綾「えーと、天霧綾斗です。よろしく。」

「神堂白夜です。よろしく。」

谷「席は・・・あの二つが空いているから、好きにしろ。」

 

そういって、先生が指さしたのはユリスの隣の席とその一つ前の万由里の隣の席だった。

俺は、先生に指さされた方に歩いていき万由里の隣の席に座った。

 

「綾斗は、火遊び相手の隣がいいだろ?」

ユ「だ、誰が火遊び相手だ!」

「お前以外に誰がいるんだ?今朝さんざん炎で遊んでただろ。」

ユ「あ、遊んでいたのではなく決闘をしていたのだ。」

「あんなの遊びと変わらないだろ。一方的に焼くだけなんだから。」

ユ「まあ、そうかもしれんが・・・。」

 

そんな話をしていると、綾斗もユリスの隣に座り声をかけた。

 

綾「まさか同じクラスとはね。」

ユ「・・・笑えない冗談だ。」

綾「今朝はいろいろあったけど、これからよろしく。」

ユ「お前には借りできた。要請があれば一度だけ力を貸そう。だが、それ以外で馴れ合うつもりはない。」

 

それだけ言うとユリスは顔を背けた。

 

夜「ははっ、振られたな。」

 

綾斗の後ろの席から同情半分からかい半分といった感じの声がかかった。

綾斗が振り向いてみると、男子生徒が手を差し出していた。

 

夜「まあ、相手があのお姫様じゃ仕方ないさ。」

 

綾斗が手を握ると、その男子は嬉しそうに手をぶんぶん振り回した。

 

夜「俺は夜吹英士郎。一応お前さんのルームメイトってことになってる。」

綾「ルームメイトって・・・ああ、寮の?」

夜「そういうこと。うちの寮は基本二人部屋だからな。」

 

そんな話をしている綾斗と夜吹を見ていると、前の席から声がかかった。

 

隼「よっ、俺は風林隼人だ。よろしくな、神堂白夜。」

 

俺の前の席に座っていたのは、俺と同じようにデアラの世界から転生してきた隼人だった。

外見もデアラのころと何も変わっていない。

 

「おう、よろしく。俺のことは白夜でいい。」

隼「わかった。俺のことも隼人でいい。」

凛「私は園神凛音。よろしくね、白夜。」

「ああ、よろしく。」

凛「万由里ちゃんの幼馴染なんでしょ。」

「ああ、そうだ。」

隼「俺たちは万由里の星導館での友達だ。

これから、仲良くしていこうぜ。」

「ああ。」

(前世のことなかったことにして話すの面倒だな。)

 

それからホームルームが終わると綾斗の周りにはたくさんの生徒が集まり質問攻めしていた。

 

「これはすごい。転入初日にページ・ワンと決闘するとこうなるのか恐ろしや。」

隼「まあ、そうだろうな。まあ、ユリスが人気者ってこともあるがな。」

万「そういうこと、でも大変そうね。」

凛「本当だね。綾斗君大丈夫かな。」

「まあ、質問されるだけだろ。」

 

そんな質問攻めは授業が終わるごとに続いた。

それにより綾斗はすっかり疲れ果てていた。

 

綾「はあ~・・・。」

夜「お疲れさん。人気者は大変だな。」

「まあ、あれだけ質問攻めされれば疲れるわな。」

綾「まあ、おかげさまでいろいろわかったよ。」

夜「ほぉ、例えば?」

綾「まず、人気者なのは俺じゃなくてユリスだってことかな。」

 

綾斗は隣の席を見ながら、わざとらしく肩をすくめてみせた。

ユリスは授業が終わるなり出て行ってしまったので、すでにいない。

 

綾「みんな俺に興味があるんじゃなくて、『ユリスと決闘した誰か』の話を聞きたいんだ。そうだろう?」

夜「おや、ご明察。」

「特待生だけあって、洞察力はいいのか。」

綾「そういう白夜も特待生じゃないか。」

「俺はお前が質問攻めされてるの見て気づいたからな。」

綾「そういえば、白夜はほとんど質問されてなかったね。」

隼「まあ、白夜より興味があるやつにみんな質問したいってことさ。」

万「野次馬根性も大したものだしね。」

凛「まあ、悪い人じゃないんだけどね。」

綾「でもそれならユリス本人に聞けばいいじゃないか?」

夜「それが出来れば苦労はないのさ。なにせ、あのお姫様ときたら人を寄せ付けない感じがあるだろ?」

綾「・・・確かに多少とっつきにくい感じはあるかな。」

夜「ま、どんな理由かは知らないが、あのお姫様が他人と距離を取っているのは間違いない。そもそも・・・。」

綾「ああ、ちょっと待って。いまさらだけど、そのお姫様っていうのはユリスのあだ名なのかい?みんなそう呼んでるみたいだけど。」

夜「んー、あだ名っつーかなんつーか・・・正真正銘のお姫様なんだよ、彼女は。」

綾「・・・は?」

「へー、アスタリスクにはお姫様も来てるんだ。」

綾「お姫様って・・・あの、おとぎ話に出てくるようなお姫様?」

夜「おうよ。悪い魔女に呪いをかけられたり、王子様のキスで目覚めたり、政略結婚をさせられそうになったり、魔法の国からやってきたり、オークや触手に責められたりする、あのお姫様だ。つまりプリンセス。」

「お前、ユリスのことそんな目で見てたのか?」

夜「は!?いや、違う。」

 

夜吹は白夜の言葉に夜吹は驚いた顔をして、白夜の言葉を否定した。

 

万「最低ね。」

夜「いや、だからちょっとふざけただけだって。」

「まあまあ、世の中いろんな人間がいるから安心しろ。お前がそんな風に思ってることはユリスには黙っといてやる。」

綾「夜吹ってそういう趣味だったから、お姫様に対するイメージがそうなの?」

夜「いやだから違うってば。

園神も風林も黙ってないでなんか行ってくれよ。」

凛「私もちょっとどうかと思っちゃったり・・・?」

隼「同じく。」

夜「俺に味方はいないのか!?」

「変態の味方なんて誰もしたくないだろ。」

夜「だから違うって言ってるだろ。」

万「白夜それくらいにしたら。」

「え~、もう少し遊んでもよくないか?」

綾「話が進まないからその辺にし解いたら。」

「それもそうだな。

じゃあ、続きよろしく。」

夜「お前らな~。」

「夜吹、情報は武器になるって知らないのか?」

夜「これでも一応新聞部だから、それくらいわかるさ。」

「じゃあ、俺が今の情報の伝え方によって、どうなるか分かるよな。」

夜「うっ、ま、まあな。」

「じゃあ、大人しく続きを話そうか。」

夜「おーらい、了解した。」

 

夜吹は観念したように両手を挙げた。

 

夜「インペルディア以降、欧州のあちこちで王制が復活しただろ?まあ、実質的に政治経済を取りまとめている統合企業財体にとっちゃ、象徴としての王家ってのがいろいろ便利だったんだろうな。とにかく、その一つリーゼルタニアって国の第一王女が、あのお姫様ってわけだ。ユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レナーテ・フォン・リースフェルト。ヨーロッパの王室名鑑にも載ってるぜ。」

綾「へえー。」

「それにしても、なんでユリスがこんなところで戦ってんだ?」

夜「さすがにそこまでは知らねーよ。てゆーかおれが聞きたいくらいだ。」

万「私は前に聞いたから知ってるけど、ユリスに悪いから言わないわよ。」

「そうか。まあいいよ、戦う理由に関しては興味ないからな。」

万「白夜は相変わらず人に興味を持たないからね。」

隼「少しは他人に興味を持った方がいいぞ。」

「知るか。」

夜「でも、フェスタで勝ち抜くには対戦相手の情報がないと厳しいぞ。」

「問題ない。」

夜「相当の自信だな。」

「そんなことはないさ。それよりもう帰らないか?」

万「それもそうね。」

凛「じゃあ、万由里ちゃん帰ろうか。」

万「ん。」

隼「じゃあ、俺たちも帰るか。」

夜「あれ、白夜の話はあっさり切るのか?」

綾「まあ、どうせ聞いても話してくれないだろうし。」

「そういうことだ。」

夜「あー、わかったよ。俺も一緒に帰るよ。」

 

そういって高等部校舎から外に出て万由里と凛音と別れた後男子寮に向かって四人で歩いていた。

 

綾「ああ、そうだ。一応ありがとうと言っておくよ。

まあ、これがなければユリスも見逃してくれたかもしれないから複雑ではあるけどね。」

 

そこで、綾斗が何かを思い出したかのように煌式武装の発動体を取り出し夜吹に渡した。

 

夜「なんで、俺だと?」

綾「ん、まあ、声かな。」

夜「あの状況で俺の声聞き分けて、それを覚えてたって言うのか?」

綾「借りたものは返すようにって姉さんが口を酸っぱくして言ってたもんでね。」

夜「・・・ははっ!やっぱりお前さん面白いぜ。」

「お前、今朝の本当は勝てたんじゃないのか?」

綾「いや、今の俺じゃ無理だろうね。」

「今の、ね。」

レ「答えろユリス!。」

 

そんな話をしていると大きな声が聞こえてきた。

 

「はあ、面倒なことになりそうだから先に寮に帰るわ。どうせ夜吹は見に行くんだろ。」

夜「当たり前よ。」

綾「俺も気になるからついていくよ。」

「お前はどうする?隼人。」

隼「俺も興味ないから帰ろうかな。」

「そうか。じゃあ、一緒に帰ろうぜ。」

隼「おう。」

 

そういって矢吹と綾斗を置いて寮に向かって歩き始めた。

そして歩いている途中周りに人がいないことを確認して隼人に話を振った。

 

「それにしても久しぶりだな。」

隼「ああ、でもお前が万由里と離れて生活してるとは思ってもみなかったよ。」

「それは俺も同じだ。

おそらく万由里が神様にお願いしたんじゃないか。理由としては修行に集中できるようにとかかな。」

隼「ああ、万由里がそう言っていた。」

「やっぱり。さてさて万由里はどれくらい強くなったのだろうかな。」

隼「それは手合わせすればすぐに分かるだろ。」

「まあな。お前はどれくらい強くなったんだ?」

隼「まあ、そこそこかな。前世のお前に比べたらまだまだだよ。」

「まあ、力を封印した今ならいい勝負ができそうだな。」

隼「おいおい、これでも俺はここの序列六位だぞ。そう簡単に負けられないさ。」

「それは意外だった。お前がユリスより下だとは思っても見なかった。」

隼「まあ、序列が上の奴と戦ってないってだけだよ。」

「へえ~、凛音もページ・ワンに入ってるのか?」

隼「ああ、序列八位だ。」

「みんな頑張ってるんだな。ちなみに万由里は何位なんだ?」

 

それを聞くと隼人は驚いた顔をして白夜の方を見つめた。

 

隼「お前、万由里の序列も知らないのか?」

「そりゃあ、今日まで星導館に万由里がいることも知らなかったからな。」

隼「はあ~、万由里は序列二位だよ。」

「へえ~。万由里は頑張ってるようだな。」

隼「まあな。万由里はストレガの能力を一度も使ってないから、俺も勝てるかどうかわからないしな。」

「とういうことは剣術のみで戦ってるのかかなり剣術の腕も上がってるんだろうな。」

隼「まあ、そういうことだ。

そういえばお前、万由里と一緒にフェニクス出るんだってな。」

「ああ、お前は凛音と出るのか?」

隼「おう、負けないぞ。」

「まあ、楽しみにしてるよ。」

 

そんな話をしていると、寮についた。

白夜は隼人と別れて自分の部屋に向かった。

部屋のネームプレートに俺以外に名前がなかったので、夜吹に代わって今度は白夜が一人のようだ。

 

「まあ、一人の方が落ち着くからいいか。

さて、さっさと飯食べたりして寝よ。」

 

白夜は食堂に行き晩飯を食べた後、風呂に入った。

その後は、持ってきた荷物の整理をしてベッドに横になって眠った。

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