しばらく忙しい日が続いたため書く時間がなかったので遅くなりました。
万由里side
白夜と綾斗が飲み物を買いに行った。
紗「・・・リースフェルト、もう一度聞きたい。」
ユ「なんだ?」
白夜達が行ってすぐに、ユリスと紗夜が話し始めた。
紗「なぜリースフェルトが綾斗の案内をすることになった。」
ユ「お前もなかなかしつこいな・・・まあいい、答えてやる。私はあいつに借りがあるからだ。それだけにすぎん。」
紗「借りとは?」
その問いにユリスは一瞬口ごもったが、仕方なく素直に答えた。
ユ「・・・決闘の最中に助けられた。」
紗「決闘?リースフェルトは綾斗と決闘したのか?」
ユ「そうだ。知らなかったのか?
流石に理由までは答えんぞ。プライバシーの問題だからな。」
紗「・・・結果は?」
ユ「途中で邪魔が入ってな。不成立となった。」
紗「・・・それはおかしい。」
ユ「なにがだ?」
紗「綾斗と闘ってリースフェルトが無事なわけがない。」
紗夜の言葉にユリスは少々面食らた。
ユリスは冗談かと思ったみたいだが、紗夜の瞳はいたって真面目だ。
万(紗夜の言い方からして、綾斗はかなり強いみたい。やっぱり、白夜が言っていたように力を封印されているってことかな。)
私は、二人の会話を黙って聞きながら白夜の考えが正しいのか一人で考えていた。
ユ「これはまた過小評価されたものだ。」
紗「・・・リースフェルトは強い。それは知ってる。」
紗夜は淡々と語る。
紗「でも、せいぜい私と同程度。それじゃあ綾斗の相手にはならない。」
ユ「—――ほう。今度はずいぶんと大きく出たな。」
紗「水樹はともかく、リースフェルトの実力は私と同程度なのは事実。」
ユ「いいだろう。試してみるか?」
紗「・・・。」
紗夜は、立ち上がり無言のまま距離を取った。
それを同意と受け取ったユリスも立ち上がり、距離を開けて胸の校章に手をかざした。
私は、二人の中間あたりにあるベンチに座ったまま二人に声をかけた。
万「ほどほどにね。」
ユ「わかっている。」
紗「ん。」
ユ「我ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトは、汝沙々宮紗夜へ決闘を―――。」
ユリスが、そこまで言った時私の二人を見ていた私の目の前の噴水の方から光の矢が数本飛んできた。
私は、隣に置いておいた雷霆聖堂の柄に右手をかけ鞘に左手で掴んでベンチから立ち上がる勢いで刀を抜いて飛んできた数本の矢を一太刀ですべて切り落とした。
ユリスの方を見ると、同じように光の矢が飛んできていたようで矢が地面に刺さっていた。ユリスは跳躍して回避したのか空中にいた。
紗夜の方は攻撃がされていないようだったので、おそらくフェニクス出場者だけを狙っているのだろう。
ユ「噴水だと。」
ユリスの声を聴いて改めて噴水を見ると、黒ずくめの格好をした襲撃者が上半身だけを水面からのぞかせていた。その手にはクロスボウ型のルークスが握られている。
ユ「ふんっ、またもや不意打ちか。」
嘲笑うように笑ったユリスはプラーナを集中し、空中で炎の槍を創り出した。
ユ「咲き誇れ―――ロンギフローラム!」
その炎の槍を、着地に合わせて解き放った。
相手を貫き焼き尽くすはずの炎槍は、間に入った黒い影によって遮られた。
間に入った黒い影は、襲撃者と同じく黒ずくめの格好をしていた。ユリスの炎を両手で構えた巨大な斧型のルークスを盾代わりにしたようだ。
紗「・・・どーん。」
重低音と共に大男が真横に吹き飛び、十数メートルの距離を舞ってきりもみするように落下し動かなくなった。
ユ「・・・は?」
万「え?」
ユリスと私は唖然としながら紗夜の方を見ると、紗夜が自分の身長よりも巨大な銃を構えていた。
ユ「・・・なんだそれは。」
紗「三十八式煌型擲弾銃ヘルネクラウム。」
万「擲弾銃って、グレネードランチャー!」
紗夜は、こくりとうなずいて構えた銃口を無造作に噴水に向けた。
紗「・・・《バースト》。」
紗夜が呟いた後、銃身がほのかに光を帯びた。
プラーナが急速に高まり、巨大な銃に集まっていき、マナダイトが煌々と輝きを増した。
ユ「—――メテオアーツか!」
襲撃者は噴水の中から身をおこし、あわてて逃げ出そうとしていたが遅かった。
紗「・・・どどーん。」
紗夜の撃った光弾が炸裂したことで、噴水は木っ端微塵に粉砕されていた。
わずかに残った基底部分から猛烈な勢いで水が吹き上がり、それはまるでシャワーのように周りに降り注いだ。
ユ「見かけによらず過激だな、お前は。」
紗「・・・リースフェルトほどじゃない。」
二人は、壊れた噴水のことを特に気にした様子もなく話していた。
万「はあ、二人ともやりすぎ。」
私は、雷霆聖堂を鞘に納めて二人に近づき話に入った。
話を聞いてみるとどうやら襲撃者たちには逃げられたらしい。あの攻撃を食らって動けるとはずいぶんと丈夫だなと話していた。
三人で話していると、白夜と綾斗が帰ってきた。
「なにが、あったんだ。
あと、万由里これでも羽織れ。」
白夜は、そういって自分の来ていた制服の上着を脱いで私の方に渡してきた。
私は、白夜の言葉と行動ですぐに気づいて自分の格好を確認すると、壊れた噴水から降り注ぐ水で水浸しになり着ていた夏服は生地が薄いため肌に張り付いて透けていた。
それを確認してすぐに、白夜が渡してきた上着を羽織って隠した。
万「見た?」
「もちろん、ばっちりと見た。
完全記憶能力もあって細部までしかっりと記憶している。」
私の質問に、白夜はサムズアップして報告してきた。
その答えに私は恥ずかしくなり、顔が真っ赤になっていることに気づいたが俯いて顔を隠すことしか出来なかった。
そうしている間に、白夜は私がこれ以上濡れないように水がかからないところまで誘導してくれた。
綾斗は、私と同じような状況にあるユリスたちを見て顔を真っ赤にして照れていた。その後は、ユリスの頼みで羽織るものを取りに走っていった。
白夜のおかげで綾斗に私のずぶ濡れの姿を見られることはなかった。
白夜は、ユリスたちの格好に目もくれずにいつもとあまり変わらないが、いつもより上機嫌で私のことばかり見ていた。その行為自体はうれしいが、もう少し綾斗のように照れて顔を赤くするなどもしてほしい。
それから、綾斗が羽織るものを持って帰って来た後、風紀委員の事情聴取などを受けて解散した。
白夜side
ユリス達が襲撃された翌日、綾斗は純星煌式武装の適合率検査を受けるために生徒会室に向かった。
ユリスや隼人達も今日はすぐに寮に帰ってしまったので、白夜と万由里は二人で一緒に万由里に貸し出されているトレーニングルームに向かって歩いていた。
万由里はこれからの訓練のためトレーニングフェアを着ていた。
万「久しぶりに白夜と模擬戦するわね。」
「そうだな。万由里が引っ越す前日にしたから、大体6年ぶりかな。」
万「まあ、今まで一度も勝ったことないけど。」
万由里はそういって目を細めて横目でこちらを見てきた。
「どうした?何かついてるか?」
万「そうじゃないけど、私の相手は制服のままで十分って言われているみたいだなぁって思っただけ。」
「ああ、そういうこと。まあ、ストレガの能力を使われたらトレーニングフェアを着ても勝てる気しないがな。」
万「よく言うわね。私が能力使っても今のままだと、魔神化した白夜に勝てないことも分かってるわ。
だから、魔神化してない白夜と渡り合えるくらいになるまでは白夜にも能力は教えないから。」
「それは残念。まあ、俺と渡り合えるくらいにこれからちゃんと鍛えてやるよ。」
万「ん。」
そんな話をしていると、トレーニングルームについた。
万「そういえば、白夜少しお願いがあるんだけど。」
「どうした?」
万「昨日の襲撃事件が解決するまでユリスの護衛を一緒にして欲しいんだけどいい?」
「ん?別に構わないが、となると綾斗の市街地の案内にもついて行くのか?」
万「ええ、そのつもり。白夜に市街地の案内するついでに行こうと思ってる。」
「友達の護衛をそんなついででいいのかよ?」
万「まあ、ユリスも強いから別に市街地で護衛する必要はあまりないから。」
「そうか。じゃあ、模擬戦を始めるぞ。」
万由里にそういうと白夜は万由里から距離をとった。万由里は白夜が距離を取ったのを確認すると雷霆聖堂を鞘から抜いて臨戦態勢に入った。しかし、白夜は武器である龍刀天叢雲剣を抜く素振りすら見せない。
万「刀抜かないの?」
「まあ、抜く必要が出れば抜くさ。」
万「そ。」
「じゃあ、始めるか。
いつでもいいぞ、遠慮なくかかってこい。」
万「じゃあ、遠慮なく。」
万由里はそう返した後、一瞬で距離を詰めてきた。
距離を詰めた後、白夜から見て右下から左上に斬り上げ、そのまま刀を返して左から右に斬りかかってきた。
白夜はその攻撃を後ろに少し下がり紙一重で回避した。
最初の攻撃はともかく二回目の攻撃は、当たれば首が飛んでいただろう。
「本当に遠慮ないな。
当たってたら死んでるぞ。」
万「遠慮しなくていいんでしょ。
それに、こんな攻撃で当たるなら苦労してないわよ。」
「まあ、確かにこれじゃあ当たらないな。」
お互いに話しているが、その間も万由里は白夜に刀を振り斬りかかっている。
しかし、白夜はそのすべてを紙一重でかわしきっている。
そんな攻防を少しの間続いたところで、万由里は右足を大きく踏み出して右から左に大きく振り、白夜の足元を斬りはらった。
万由里のその攻撃を白夜が軽く飛んで回避したが、万由里はそれを予想していたかのように刀を振った勢いを利用して右足を軸に回転し、空中で回避できない白夜にもう一度右下から右上に斬り上げを放った。
「ほー。」
白夜はその攻撃に感心した顔をして、刀を持っている万由里の右手の上に右手を置いて跳び箱を飛び越えるように刀を回避した。その回避で体制が崩れた万由里は体制を立て直しながらすぐに白夜に斬りかかったが、先ほどまでとは違い距離を取るように回避した。
「いやー、危なかったよ。
今の攻撃はなかなか良かった。
崩れた体制からの攻撃も的確で良かったぞ。」
万「はあ、まだまだ余裕あるくせによく言うわね。」
「いや、流石に素手で戦うにはあんまり余裕がなくなって来たな。
斬撃の速度も大分早くなってるし、狙いもかなり正確になってる。
体の使い方が大分分かってきたようだな。」
万「まあね。
武術を習って10年は経つから、これくらいは出来るようにならないと師匠に申し訳ないからね。」
「これだけ強くなればあの師匠も喜ぶだろうよ。」
万「まあね。けど、今のままじゃ白夜には勝てないかな。」
「だろうな。けど、これ以上剣術を上げるのはそう簡単な話じゃないがな。
だから、これからは星脈世代として強くなってもらう。」
万「どういう意味?」
「まあ、その説明の前に実際に体験してもらいたいことがあるんだが・・・。」
万「どうかしたの?」
「まあ、先に謝っておくわ。」
万「え?」
「すまない。」
白夜は自分の武器である龍刀天叢雲剣の柄に手をかけた。
そして白夜は万由里に対して尋常じゃない殺気を放って近づいてきた。
万由里はその殺気が本当に自分を殺そうとしているものだと本能的に理解して恐怖で動けなくなった。
白夜が刀が届く距離まで近づいたところで、刀を鞘から抜き神速と呼ぶべき速度で万由里の首に向かって振りかぶった。普段の万由里ならその斬撃を認識することすらできないだろうが、今は刀がまるでスローモーションのようにゆっくり動いて見えた。その斬撃は万由里の首すれすれで止まった。
万由里は首を斬り飛ばされなかったことに対する安堵で力が抜けて崩れ落ちそうになったが、いつの間にか刀を鞘に納めた白夜が万由里を抱きしめて倒れないように支えた。
「本当にすまない。」
万「だい、じょう、ぶ。
けど、後で、ちゃんと、せつめいしてよね。」
「ああ、今はすこし休め。」
万「そうする。」
万由里は、殺されることの恐怖のせいで呼吸が荒くなって白夜の胸に縋るようにして立っている。
そんな万由里を白夜はお姫様抱っこでトレーニングルームの隅に運んで、床に寝かせた。そして万由里の頭の近くに座り、白夜の膝の上に万由里の頭乗せた。
「今はこれくらいしかできないが、まあ我慢してくれ。」
万「ありがとう。」
白夜は、膝の上にある万由里の頭を優しくなでた。
先ほど、万由里に向けた殺気が嘘のような優しい顔をしている。
それから少しの間経つと万由里も大分回復したので、先ほどの説明を始めることにした。
万「じゃあ、なんでさっきあんなことしたのか話して。」
「それはいいが、膝枕したまま話すんだな。」
万「悪い。」
「いや、全然悪くないが。」
万「ならいいでしょ。
さっき殺されそうになったんだからこれくらいいいでしょ。」
「まあ、それもそうだな。」
万「じゃあ、説明して。」
「まあ、その前にさっきの抜刀術どこまで見えた?」
万「鞘から抜かれて私の首の直前で止まるまで全部はっきりに見えた。」
「だろうな。分かってると思うが、ゆっくり振ったわけじゃないぞ。
魔神化してない今の俺の最速の抜刀術だったからな。」
万「じゃあ、さっきのはいったい・・・。」
「人は死にかけると時間が圧縮されてゆっくり流れてるように感じるんだ。
さっきのはその感覚をより強く実感してもらおうと思ってな。」
万「それは分かったけど、どうしてそれが必要だったの?」
「万由里もプラーナで瞬発力を強化できるのは知ってるだろ。」
万「ん。」
白夜の質問に万由里は首を縦に振りながら小さな声で返した。
「知ってる通り、瞬発力の強化は少しミスしたらコントロールが出来なくなる。
けど、どんなに完璧にコントロールしても認識できる最大速度を上げないと必ず限界が来る。
だから、これからは瞬発力を強化して戦う修行をしながら自分の意志で時間を圧縮して認識できる最大速度を上げていく。」
万「そんなことできるの?」
「まあ、慣れ次第だな。
万由里も昔に比べたら大分認識できる最大速度が上がってるだろ。
高速での戦闘を繰り返してたらそのうち速い速度になれるからな。」
万「なるほど、でもそれだと死にかける意味なかったんじゃ?」
「いや、人為的に時間を圧縮する感覚を味合わせる手段がなかったからな。
一度も味わったことのない感覚を再現してみろなんて無理だからな。」
万「どのみち無理なきがするんだけど。」
「まあ、生半可な覚悟だと無理かな。けど、万由里なら出来るって信じてるから。」
万「・・・じゃあ、出来たらなんかお願い聞いてくれる?」
「ああ、どんなお願いでも聞いてやる。」
万「わかった。頑張る。」
「おう。
じゃあ、もう少し休んだら瞬発力を強化した状態で戦闘する修行を始めるぞ。」
万「ん。」
それから白夜と万由里は修行をしばらくの間続けて寮に帰った。
そして次の日も同じように万由里のトレーニングルームで修行をして一日を過ごした。
その次の日は、綾斗とユリスと一緒に市街地の案内について行く予定が入ったので修行はせずに、綾斗たちと正門前で待ち合わせをしていた。
白夜は綾斗と一緒に寮を出て正門に向かった。
正門前につくとすでにユリスと万由里は待っていた。
「おまたせ、待たせたか?」
綾「おまたせ、二人とも。ひょっとして待たせちゃっ・・・。」
万「ん~ん。今来たところ。」
ユ「いや、私たちも今し方着いたばかりだ。ちゃんと時間前行動が出来ているのは褒めてやらんでもなーーって、なんだ、ぽかんと口など開けて。腑抜けた面が一層腑抜けて見えるぞ?」
綾斗はユリスの言う通り、口を開けて固まっていた。
白夜は、そんな綾斗を横目に軽く見てすぐに目の前の万由里に目を移した。
万由里は、普段と同じ天使の羽のような髪飾りで同じ髪型をし、襟と袖、裾の部分に少しフリルのあしらわれた白いワンピースを着ていた。ワンピースは少し丈が短く、そこからすらりと伸びたきれいな足はほとんど何にも覆われておらず、白いブーツサンダルを履いているだけだ。そして、白いトートバックを持っていた。
「その服装よく似合ってるぞ、万由里。」
万「ありがとう。それにしても綾斗はいつまで固まってるの?」
「さあ。」
万由里の質問に白夜は肩を少しすくめて答えた。
綾斗が、固まっている理由は分かっている。
綾斗を軽く見てユリスの方に視線を移した。
ユリスの格好は、黒とピンクのガーリーなワンピースはやや丈が短く、そこからすらりと伸びた足の太ももまでをフリルのあしらわれたオーバーニーソックスが覆ている。手には短めの日傘を掛けている。
(おそらく、このユリスの格好を見て普段のユリスのイメージと違っていろいろ意識してるんだろうな。)
そんなことを考えていると、ユリスが綾斗に話しかけた。
ユ「・・・私の顔に何かついているか?」
綾「あ、ああ、ごめん!いや、なんていうか・・・・いつもと随分イメージが違うなって。」
ユ「う・・・そ、そうか?」
綾「うん、でもすごく似合ってるよ。」
ユ「なっ!ば、馬鹿!なに恥ずかしいことを・・・!」
ユリスは目線を逸らし、頬を染めながらそっぽを向いた。
ユ「だ、大体これは本国から送られてきたものを適当に見繕っただけでだな、別にお前のために選んだというわけでは・・・。」
「綾斗だけじゃなく俺たちもいるんだがな。」
ユ「うっ!」
万「白夜、あんまりそういこというと嫌われるわよ。」
「万由里に嫌わせなければいいんだがな。」
万「それはうれしいけど、あんまりひどいと嫌いになるわよ。」
「それは困るな。これから気を付けよう。」
そんなことを白夜と万由里が話していると、ユリスは綾斗たちの方に視線を戻して興味深そう言った。
ユ「しかし・・・こう言ってはなんだが、お前たちの方は私服でもあまり代り映えせんな。」
綾「そりゃまあ、元がそんなに良くもないからね。おまけにこれも古着だし。」
綾斗はTシャツの上に七分袖のシャツを羽織り、下はジーンズというラフな格好だ。
「俺も、元がそんなに良くないし服装にはあんまり拘りないからな。」
白夜は半袖のTシャツに半袖のフード付きのパーカーを羽織っている。そしてTシャツもパーカーも両方とも黒色で特に何の柄もない。下は綾斗と同じでジーンズをはいている。
万「二人とも見てくれは悪くないと思うけど。」
ユ「万由里の言うように、二人とも見てくれは悪くないと思うが・・・ああ、待て。」
綾「えっ?」
ユリスはずいっと綾斗に顔を寄せると、いきなりその手を伸ばして髪を撫でた。
綾「わわっ!な、なになに?」
ユ「寝癖だ。まったく、子供じゃあるまいし、もう少しきちんと直してこい。」
そういって、あどけない顔でくすくすと笑う。
すると、万由里が白夜の方をじっと見てきている。
「どうかしたか、万由里?」
万「白夜も寝癖ないかなって。」
「残念ながら、俺は寝癖出来にくい髪質だからないぞ。」
万「そ。」
白夜の答えを聞いた万由里は少し残念そうな顔をしたので、万由里の頭を優しく撫でた。
すると、万由里は少しうれしそうな顔をした。
ユ「よし!では行くぞ!。」
ユリスのその言葉で白夜達四人は一緒に市街地に向かって歩き出した。