「というわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!」
クラッカーの音が響き渡る。
織斑のクラス代表就任を祝う会だとかなんとかで、俺は此処にいる。なんで、こんな奴を祝わなければならんのだ。
まぁ、布仏に連行されているだけなんだけど。
「あかやん、はいこれ〜美味しいよぉ〜」
昼休みに何処かに行き、戻ってきたら授業全てに爆睡をしてた布仏だが、別に体調が悪い訳ではない様だ。
しかも、千冬がそれに気づいてるのに一切、注意をしないという不思議な光景だった。
「ありがと。というか別に俺の所に来なくても、向こうで盛り上がって良いんだぞ?」
俺は織斑から少し、離れたところで所謂、立食をしていた。
ポ○チや、ファ○タグレ○プを飲み食い出来るのなら、俺はそれで満足だ。わざわざ、織斑の所に行く気はない。
あ、布仏のくれたチョコ美味い。
「ん〜ん〜、私はあかやんと一緒の方が楽しいからぁ〜」
二パァっと笑顔を見せてくれる布仏。
正直、可愛いです。癒されるし、保護欲沸くし、可愛いです(二度目)
「本音さんは相変わらずですね。……私もこちらにいる時点で同類ですか」
実は布仏と一緒に俺の元に来た女子が一名。
今は、俺の向かい側に立ち、お茶を啜っている、四十院神楽。あまり、接点がないのだが、此処にいる。
「織斑の所に行かないのか?」
「私が此処にいるのが不思議ですか?
でも、ご安心ください。別に、貴方に気があるとかいう訳ではありませんので」
そこは聞いてないっての。
と言うか、俺だってほとんど接点の無いお前に恋愛感情抱いてないわ。
「かぐっち〜おりむーの事、嫌ってるみたいなの〜」
布仏がチョコを大量に口に放り込みながら、説明してくれる。
太っても知りませんよ?布仏さんや。
「そうなのか?」
「はい。そもそも、なぜクラスの皆さんが彼をあんなに持て囃すのか理解に苦しみます。
初日に、貴方の首根っこを掴み、謝罪すらしない人ですよ?信頼する価値すらありません」
あー、あれが原因か。まぁ、俺も織斑が嫌いだからどうでも良いや。
「その点、貴方は見た目は右腕のことを置いておけば普通で、口調は乱暴、沸点は低いですけど」
「喧嘩売ってます?」
あれ、この人俺に面向かって文句言うために此処に来てるんじゃ無いよね?
「ちゃんと誠意ある謝罪の出来る人でした。本音さんとも仲良くやれているようですし。
私としては、貴方がクラス代表を務めてくれると嬉しかったのですが、結果は結果。致し方ありません」
「誠意ある謝罪ね……俺が女子は甘いものが好きだろうなんて、安直な理由で用意した物かもしれないだろう?」
「それは否定しません。ですが、あのクッキーは市販されているものではなく、一枚一枚、微妙に形の違う、手間がかかって作られたものでした。それと、このメッセージカード、忘れたとは言わせませんよ?」
ポケットからカードを取り出す四十院。
うわ、バレてたのか。どうせ、まともに読む奴なんか居ないと思って分かりづらく同封しておいたやつ。
「端的に『すまなかった』と綴られていますが、ちゃんと貴方の直筆です。
これを見て、誠意ある謝罪と受け取るなって言われる方が無理でしたよ」
「あかやんは、謝るときはしっかり謝れる良い子〜」
「布仏、お前は俺の母親か?まぁ、それを見られてたんなら、否定できないな」
四十院の様にちゃんと読んだ奴何人ぐらいいるんだ?
一歩、間違えたら黒歴史ものだぞ。
「否定する気あったのか僅かに気になる所ですが、西村さん、私と友人になってくれますか?」
「あぁ。よろしく頼むわ、四十院」
差し出された右手を取り握手をする。
四十院には、冷たい思いをさせてしまうが、左手で握手するわけにもいかん。
「わ〜い。かぐっちとあかやんが仲良くなったぁ〜」
嬉しそうにする布仏。口の周りにすごく、チョコがついてる。
まぁ、あんだけ勢いよく食べたらな……
「布仏、口」
「本音さん、口の周りが」
「「ん?」」
俺と四十院の行動が重なる。
俺は右から、四十院は左から、ハンカチを取り出し、布仏の口を拭こうとしていた。
「「「ぷっ、ははははは」」」
それがなんだかおかしくて、三人で笑う。
四十院神楽、彼女は信用できそうだ。
しばらく、三人で話をした。驚いたことに四十院の家は名のある家らしい。それと、ゲームをそれなりに嗜んでいるという。
ちょっと、話をしただけで分かる。同類だ、ゲームの話になると熱の入り方が違う。
「お楽しみのところ、ごめんよー!
君がもう一人の男性IS操縦者、西村赤也くんだね、ちょっとお話しいいかな?」
話の途中で、誰かが割り込んでくる。
「誰?」
「そんなに警戒しないで!私は、二年の黛薫子。
さっき、織斑くんのところで自己紹介してたけど、聞いてなかったのかな?」
「聞いてないですね」
「辛辣ぅ!まとめて、話聞きたいからこっち来て!ほら!」
グイグイ来る人だなぁ……
抵抗に意味はなく、織斑とオルコットがいるところまで連れ出された。
「はい!じゃあ、インタビュー。
まずは、オルコットさん!貴女から見て、この二人はどうだった?」
オルコットに勢いよく、向けられるボイスレコーダー。録音してるんだろう。
「そうですわね。一夏さんは、わたくしに忘れていた男性の強さを感じさせてもらいましたわ。
圧倒的に不利な状況から諦めず、わたくしを睨むあの視線……忘れられませんわ」
「なるほどぉ〜じゃあ、西村くんについてはどうかな?」
幸せそうに織斑について、語っていた表情から一転、不機嫌な顔になるオルコット。
「そうですわね……非常に誠に遺憾ですが、わたくしの力不足と覚悟の甘さを認識した相手でしたわ。
強さだけはわたくしも認めています。ですが、あの野蛮さは一切、微塵も認めていませんわ!」
「な、なるほど」
オルコットの勢いに完全に引いている黛さん。
今度は、織斑にボイスレコーダーを向ける。
「織斑くんはどう?」
「え!?あ、えっと、セシリアはその強かったです。赤也は、セシリアの時に見せた動きをしてくれなかったのが不満です」
右肩が不調だったんだよ。じゃなきゃ、お前に負ける事はなかったんだが、すでに結果が出ている以上負け犬の遠吠えか。
「じゃあ、最後、西村くん!」
「俺もか……織……一夏はもっと訓練でもすれば良いんじゃないですかね。
オルコットの強さは俺も認めてます。どうにか勝てましたが、一歩間違えれば負ける相手だと思ってます。
ただ、俺もアイツの無駄に育ちをアピールする優雅さは気にくわないですね。野蛮で結構です」
「よく動く口ですこと…」
「お前に言われたくねぇよ」
「「……」」
無言で睨み合う俺とオルコット。
「なるほどなるほど。オルコットさんは、織斑くんに惚れてて、織斑くんは色々と不満があって、西村くんとオルコットさんはライバル同士って事ね。じゃあ、最後に写真を撮るから、三人並んで!」
勢いに流されるまま、オルコット、織斑、俺という順番で並ぶ。
「それじゃあ撮るよー!35×51÷24は〜?」
暗算できるかそんなもん。
パシャりという音ともに、写真が撮られる。
「布仏、四十院」
「えへへ〜あかやんと一緒に写真だぁ〜」
「本音さんに連れてこられただけですよ」
いつのまにか全員が写真に写り込んでいた。
布仏は俺に寄りかかるように、四十院はそんな本音に引っ張られて来た勢いのまま、変な体勢で写真が撮られた。
後日、現像された写真を見て、俺と布仏で四十院を弄ったのはいうまでもない。
四十院さんが、アニメ版と小説版で見た目が違うので、困ったのですが、書いてるうちに、これ、小説版だなって思いました。
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