神様は残酷で気紛れだ   作:マスターBT

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赤也、本音さん、四十院さんの絡みを書くのがすごく楽しい。
そんなこんなで、鈴さんの登場です。


転校生?そんなの事より、ゲームがしたい

朝、俺はいつもの様に千冬と学園までの道を歩いていた。

同室だから一緒に出てくるだけなのだが、今日は話があるらしく缶コーヒー片手にゆっくり歩いている。

 

「で、わざわざ外に出て話する内容ってなんなんだ?」

 

ちらほらと他の生徒たちが学園に向かっている中、俺と千冬の組み合わせは目立つ。

 

「これから放課後の空き時間、私がお前に稽古をつける事になった」

 

「はい?稽古。なんでまた」

 

「色々理由があるが、お前を強くするためだ。

自分の立場というものは理解しているだろう?」

 

まぁ、理解してますよ。織斑と違って俺には強力な後ろ盾がない。

篠ノ之束からモルモット認識を受けているだろうって?それは、逆に世界から俺の価値をより低く見せてしまうレッテルにしかすぎない。

あとはまぁ、俺の性格か。教師陣は山田さんと千冬、生徒なら布仏と四十院、あとはまぁオルコットか。これぐらいのメンツとしかまともに会話していないし。

織斑は除外する。だって、嫌いだから。

 

「まー、強くなれるなら構わないが」

 

俺の事をあんなに心配してた千冬が積極的にサードオニキスを使わせるような稽古方式ではないと思うが。

 

「案ずるな。体術を教えるだけだ。

お前のISは右腕の決定力が高いが、逆に言えばそれしかない。その為に、お前自身が格闘術を身に付けた方が良いだろう」

 

確かに。クローダで殴り続けるという戦法もあるにはあるが、疲れそうだし何より見た目が非常に悪い。

バルカンは牽制するだけで仕留めるだけと威力はない。

 

「でもそれだけならわざわざ外にで話す必要は無かったと思うが?」

 

「なに少しばかり周りに関係をアピールしておいた方が、抑止力になるからな」

 

「身の安全を対価に、俺は精神面を削られるんですね。悲しい」

 

実際、周囲の何人かの視線が刺さってる。

織斑ぐらい鈍感なら気づかなかったかもしれんが、生憎、俺は感情とかには気付きやすいからなぁ。

 

「それはすまん。だが、そういう時は彼女らを頼れば良い」

 

溜息を吐いてる俺の背中をバシッと叩き、前に出す千冬。

なんだ!って文句を言ってやろうと思った矢先に、目の前からくる柔らかい衝撃に邪魔される。

 

「あかやん〜おはよう〜!!」

 

布仏だった。朝の挨拶代わりに俺に抱きついて来たのがさっきの柔らかい衝撃だった。

 

「おはようございます。西村さん、それに織斑先生」

 

オルコットとはまた違う優雅さの四十院が、ぺこりと頭下げて挨拶をする。

四十院の優雅さは嫌いではない。オルコットの鬱陶しい優雅さと違って、四十院のはお淑やかな優雅さだ。

 

「おはよう、四十院、布仏。それにしても、急に抱きついてくるな、ビックリしたぞ?」

 

布仏のスキンシップは、かなり激しい。

簡単なボディータッチどころか、こうやって全身を押し付けてくるような行為すら行ってくる。

驚くべくは、一切の恥がなく、これが仲良くなるには手っ取り早いと思っている事だ。共学だったら、数々の不幸を生み出している存在だな布仏。

 

「まったく、仲が良いのは結構だが、私も居るんだぞ布仏」

 

「えへへ〜織斑先生もおはよう〜」

 

「敬語を使え全く」

 

それと、昨日からこの二人の距離感が近い。

千冬のことだから、どこからか出席簿を取り出して叩きつけると思ったんだが、普通に挨拶している。

四十院も俺と同じことを思っていたらしく、信じらないという表情で俺を見てくる。

だから、無言で首を横に振ると、ですよね。みたいな感じで頷く四十院。

 

「お前、やっぱり喧嘩売ってるだろう?」

 

「はて?なんのことでしょうか。それより、行きましょう本音さん、西村さん」

 

くっ、話をすり替えられたか。仕方ない、普通に教室に向かうか。

 

「じゃ、また。織斑先生」

 

「ばいば〜い」

 

「教室でお待ちしていますね」

 

布仏が相変わらず気楽だが、まぁ良いのだろう。こいつらしいと言えばらしい。

 

「あぁ、仲良くしろよ三人とも」

 

千冬はそう言って職員室の方に歩いていく。

布仏と四十院に合流して、教室に向かっている間は、あまり視線を感じなかった。というより、こいつらと話している時間が楽しくてそこまで気が回っていなかったというのが正解だろうか。

基本的に布仏が楽しいそうに喋るのを、俺と四十院が聞いてるのがよくある光景で、偶にゲームという共通の趣味で俺と四十院が盛り上がる。布仏には、興味のない話かもしれないが、毎回、ニコニコしながら聞いてくれる。

 

「こうやって話していると、久しぶりにマルチプレイをしたくなって来ましたが、三人では味気ないですね」

 

「そうだな。最初は、布仏に色々教えなきゃならないだろうし……となると、もう一人は最低でも詳しい奴が欲しいな」

 

マルチプレイできるゲームで三人は少し、虚しい。どうせなら、大人数でワイワイやりたい。

戦略ゲームなら、それぞれの個性も出るから通話しながらやるのが格段に楽しいし。

え?俺にそんな友人がいたのかって?一言で、答えよう。ネット社会超便利。

 

「ほぇ?私も混ざって良いの〜?」

 

そんな会話を聞いて、初心者の布仏が首をかしげる。

そりゃ、参加させるに決まってるだろう。

 

「「友人を誘わないわけがないだろ?(ないじゃないですか))」」

 

「ありがと〜あかやん、かぐっち〜」

 

両手を広げて、俺と四十院に抱きついてくる布仏。

俺と四十院は、驚いた表情になるが、しばらくして笑う。

そんなこんなで、教室に到着しても俺たちの話題は変わらない。どんなゲームをするか、通話しながらやるならこのアプリを入れた方が良いとかそんな、友人同士の気楽な会話だった。

 

「んなっ!なんてこと言うのよアンタは!」

 

クラスが賑やかでも、はっきり聞き取れる声。

揉め事か?っと声の方向を見ると、織斑と見覚えのない女子が話をしていた。なんだ、馬鹿がまた馬鹿をしたのか?

 

「おい」

 

あ、千冬の登場だ。

人間、背後に目は付いていないので、千冬だと気づかなかった女子は出席簿による一撃を食らっていた。

見知らぬ女子よ。ご愁傷様。

 

「では、SHRを始める。欠席している奴はいるか?

連絡を貰っている奴や、周囲でいないと分かる奴は教えろ」

 

普通にSHRを始める千冬。

さっきまでいた奴のことなど、既に忘れているような感じだった。

 

「居ないようだな?っとそうだ、赤也」

 

「なんですか?」

 

「先日の対抗戦の映像を利用して、お前の事を世界に知らせておいた。

それで、いの一番にお前の家族から連絡があった。時間を見つけて、連絡しておけ」

 

あぁ、そういや俺、まだ報道されてなかったわ。

家族からの連絡ね……着信拒否してたから気づかなかったわ。まぁ、適当に済ましておくか。

 

「分かりました。適当にやっておきます」

 

「そうしとけ。では、授業に励むように。以上で、SHRを終わりにする」

 

はぁ、めんどくさい。

どうせ、IS適正がない癖に色々文句を言われるんだろうなぁ。

この後の授業、なぜか上の空になっている篠ノ之とオルコット、家族の事で現実逃避をしていた俺、この三名の頭に千冬の有難い出席簿が降り注いだのは言うまでもない。

 

「ごっはん〜ごっはん〜」

 

「ほんと、同年代なのか怪しく思う時があるよ」

 

「諦めてください。これが本音さんクオリティです」

 

今は昼休み。

弁当を作る気力のない俺たちは学食来ていた。布仏は、すごくはしゃいでいる。

その様子はとても高校生には見えない。

ちなみに、上機嫌で作り上げているのは、前にも食べていた全てが混ざったお茶漬けの様な何か。

俺は、ラーメン。四十院は日替わり定食を食べている。

 

「……のほほんさん、それ、美味しいのか?」

 

「美味しいよぉ〜」

 

そして、なぜか織斑達と同席している。

最初は俺たちで座っていたのだが、そこに織斑が篠ノ之、オルコット、見覚えのない女子を引き連れてやって来たのだ。

大人数が座れる丸テーブルに座ってたのが運のツキだった。ちなみに、四十院は秒で織斑から一番、遠いところに座り直していた。

哀れ、織斑。

織斑を嫌っている俺、四十院。俺との接点がない篠ノ之、見覚えのない女子、こんな混成状態だから、結局、同じテーブルに座っていても、今の織斑の発言以外、身内で話していたのだ。

 

「アンタがもう一人の男性IS操縦者ねぇ」

 

あぁ、織斑が話すから、関わっていいのかみたいな感じで、話しかけて来たじゃないか。

 

「そうだが?」

 

「ふーん、ねぇ、データ取りの目的あるから今度、私と戦ってよ」

 

目的を隠さねぇ奴だな。と言うか、アレか。思った事を全部、口に出すタイプかこいつ。

 

「嫌だ。無駄な戦闘をするほど暇じゃないんでね」

 

サードオニキスに身体を食われるのは別に構わないが、極力無駄な戦闘は避けたい。

いざという時にデットエンドデットエンドなんて事は避けたい。

 

「へぇー、私との戦いは無駄だって言うだ……中々強気じゃないアンタ」

 

やべっ。言葉のセレクト間違えた。

へんな闘争心に火を点けてしまったよ。

 

「どうせ、そこの女子達と楽しく話してたから聞いてなかったと思うけど、改めて言うわ。

私は中国代表候補生、凰鈴音よ」

 

うん、本当に聞いてなかったよ。興味なかったからね。

とはいえ、自己紹介されたら無視するわけにもいかない。

 

「西村赤也」

 

「そう。西村って言うのね。覚えておくわ、それといつか絶対に戦いなさいよ!」

 

「へいへい」

 

なんとも勢いの強い奴が現れたもんだ。

この後、特に俺と凰の間で、会話はなく昼休みは終了した。

 




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